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不思議な私のワンダーランド
2.異世界への誘い
しおりを挟む眩い光に吸い込まれた少女は気がつくと、
ベッドの中にいた。
ふわふわで涼しくて、気持ちいい。
ここはどこだろう。いつもの固いベッド
とは違う。
ぱっと目が覚めた、ミアカは
お姫様ベッドのような、周りをレースカーテンで
覆った豪華な天井付きのベッドに寝ていた。
直様、起き上がり、周りをキョロキョロ見渡す。
ミアカはこの白色で統一され、いかにも
中世のヨーロッパの貴族が使ってそうな、
広々とした部屋に自分が、いることに気づく。
ここはどこ?わたし、どうしたんだったけ?
そうだ、学校の帰り道に、あのへんな馬車と
奇妙な男の人に会って、光がまぶしくて、
何かに吸い込まれたんだっけ?
だとしたら、ここはあの男の人の家だろうか。
しかし、なんて広い家なんだろう。
あの人は一体,何者だろうか、
ミアカが眉間に皺を寄せながら、
いろいろ考えていると、
外からコンコンとドアをノックする声が
聞こえてきた。
「失礼します。
お嬢様、気がつかれたでしょうか?」
白いエプロンと黒い服のメイド服に、
頭に白いフリルのキャップをかぶった
若い女性が部屋に入り、
ミアカのとこに近づいてきた。
「は、はい。
あっ、あの、ここはどこですか?」
挙動不審に、そのメイドに尋ねる。
「今からお話しがありますので、
身なりを整えて、
私と一緒に下に下りて頂けますか?」
淡々と話す、その女性に、
いい印象を受けなかったミアカだったが、
今は従うしかなかっ為、
言う通りにした。
来ていた洋服は特に乱れはなかった為、
髪をくしでとかしてもらい、
下に降りた。
階段を降りると一階には広いリビングルーム
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おとぎ話に出てくるような煌びやかな衣装
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「はっはい、そうですが‥」
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よくよく見ると、見たことのあるような
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落ちついて、聞いてくれ。
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リアンという男の人は一瞬困ったような顔で
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「王様、サーシャ妃、この子か話していた
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「そうか、よくわかっていないみたいだが、
本当に、能力があるのかね?」
「はい、普通の世界の子ですが、
馬車が見えてました。
お姫様と同じくらいの年ですし、
これから、磨けば、我が国の救世主に
なるのではないかと自負しております」
「なるほど、お前が言うなら信じよう」
ミアカは黙って聞いていたが、
話の内容の意味がまったく、理解できなかった。
いったい、この煌びやかな衣装を着た人達は
何なのか。自分がどこにいるのか。
なぜ、ここに連れてこられたのかも。
王様との話しがひと段落したところで、
リアンはようやく、ミアカに説明しはじめた。
「ミアカ殿、この方々はこのジュビエール王国の
王様とお妃様だ、ご挨拶を」
「ジュビエールって?
いったいここはどこ?
私どこにいるのよ?」
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「今から説明するよ。
とりあえず、王様、お妃様に挨拶を」
納得いかない表情で、
とりあえず、挨拶するミアカ。
「はじめまして、都口〔トグチ〕ミアカです」
「わしが、この国の王様で、
こっちが妃のサーシャだ」
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よろしく頼むよ。
ここでの暮らしは不便もあるだろうが、
できるだけの環境は用意するから、
安心したまえ」
王様はにっこりした笑顔で、ミアカに
語りかけた。
サーシャ妃もにこにこしながら、
うなづいている。
「はっ、はい」
思わず、返事してしまったミアカだったが、
そのあと、思い返すと、符におちなかった。
いったいここは何なのかも分かってないのに、
この人達は私がここに住むと思っているのか?
勝手に連れだしといて、
何と身勝手なことなのか。
母達も心配しているだろうに…
ミアカが気づくと、王様、お妃様は
姿を消して、
ポツンと帰ってしまっていた。
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「ちょっと、どういうことなのよ?
私はこの国の人間じゃないのよ。
勝手に連れてきて、ここに住むとか
意味わかんないんですけど…
家族が心配してるのよ。
早く、元の世界に帰してよ!」
「ミアカ殿、すまないが、それはできない」
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「それには君がどうしても必要なんだ!」
リアンはミアカの背の高さまで体を
低くして、真剣な眼差しで、
ミアカに訴える。
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「いったい、何ができるっていうんですか?
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ミアカはこの状況から抜け出したい一心で、
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発生しているんだ。医者さえも
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「だから、それと私に関係があるんですか?」
ミアカはこの国が魔法の国ってだけでも
混乱している状況に、そんな話を
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ムッとした表情を見せ、リアンの話を
遮った。
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予知能力があるものが必要なんだ」
「君は予知能力がある。
病を治すことだって、可能だろう。
この国中、探して、何人かは見つけた。
しかし、ほかに見えないものが見える
強い能力のものは何人かしかいない」
「強い予知能力があるのが君だ」
「はぁ、今まで自分が予知能力があるって
感じたことも言われたこともないですけど…」
ミアカは信じられないと言った表情をして、
リアンを睨むような鋭い目つきを投げかける。
「頼む、これは国を守るために私がなしとげないといけない使命なんだ。
夏休みの間だけだ、ご飯も住むところも
安全も確保する。国が保証するから、
心配しないでくれ」
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場面なんて、なかなかないだろう。
ただ、夏をこんな大変そうなことに
費やされるのは少女にとっても
荷が重かった。
「私も家族と離れて、友達とも会えなくて、
寂しい思いをするんです。
何かご褒美はあるんですか?」
「ご褒美?なんだそれは?」
「当たり前です。
私の大切な日常が奪われるんですよ…」
「何かもらえないと、やる気が出ないです」
リアンはこの生意気な少女は…と
一瞬思ったが、勝手に連れ出したことも
あり、強くは出れない。
「わかった。その時は君からの願いを一つ叶えよう」
「ほんとですね?
なら、少しはがんばらないとって思えるように
なりそうです」
「じゃあ、交渉は成立だな」
「はい」
ミアカという少女は心も強そうだ、
姫ともうまくやっていけるだろう。
リアンはなんとかこの少女にこの国に留まって
もらうことができ、ほっと胸を撫で下ろした。
「では、今日から住む館に案内するよ。
馬車で移動しよう」
二人は少し離れたお屋敷へと向かった。
馬車のなかで、ミアカはこんな状況にも
かかわらず、胸が踊ってる自分に驚きを隠せなかった。
親とも離れるってのに不思議な気分。
いったい、これから何が始まるんだろう。
とにかく、何事もなく家に帰れますように。
心の中で祈りながら、体の中で
何か不思議な力がみなぎってくるのを
感じた。私でも誰かの力になれるのかしら。
ミアカは自然いっぱいの空気を吸い込みながら,
未知の世界へと胸をふくらませていた。
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