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瀬川一華
20××年10月7日 8:12
しおりを挟む学校に着くと、黒板に私の写真が貼られていた。あの時に京香のお父さんに見せられた写真だった。
クラスメイトの私に対する視線が冷たかった。とりあえず貼られたものをはがした。もう学校には来られなくなる。海斗の時から覚悟をしているつもりではあったが、なかなか辛かった。
「お前も可哀想にな。あんな女に騙されて」
クラスの男子が陸に対して大声で言い放った。
「知ってたよ」
「え?」
「最初から全部知ってたよ。俺のこと好きじゃないことも。他に好きな人がいたことも」
私は驚くと同時に、3人に申し訳ない気持ちになり、席に座ることもなく、急いで教室を出た。
「瀬川一華」
呼ばれた方を見ると、京香のお父さんがいた。
「…なんですか?」
「最後に一つだけ聞く、お前が京香を自殺に追い込んだのか」
「違います」
「わかった」
それから約1ヶ月学校に行くことはなかった。
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