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第七章:グレーズ王国の魔物事情と
第六十八話:世界を変える聖女の奇跡
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「さて、本題に入ろうか」
オリヴィアが新たな道を切り開いた後、再び部屋に戻った一同は会議を始める。オリヴィアの席はもちろんサニィの隣だ。レインの方も見ていたが、くっ等と声を漏らしながらサニィの隣に陣取った。
諦めると口には出してみるものの、直ぐに切り替えられるものではない。いや、そもそも男女の違いがある。
「聞こう。予言ではどのように?」
レインは相変わらずいつもの調子を崩さないが、サニィの腕に絡みつくオリヴィアの方を見ている。
「予言では、次に魔王が出るのは約1年後。392日後と言っていたな。場所は……勇者レインの所だ」
王も平静を装ってはいるが、オリヴィアとサニィの方を向いている。
「なるほど。俺の所か。ならばその時には人の居ない所にいなければならんな」
「すまないが頼む。しかし、もう一つ問題が出た。今から28日後、この首都にドラゴンが2頭飛来するらしい。原因はまたもやレインと言うことだが、お前を追い出してみたところで襲われるのは首都、と言うことだ。これの討伐を命じる」
「俺のせいならば仕方がない。両方共俺が倒そう」
二人はオリヴィアとサニィの方を向いたままそんな会話を済ませると、再びオリヴィアとサニィの方を見る。……改めて、しっかりと注視する。
「しかしまあ、片方は娘とは言え、美少女同士が絡み合ってるというのも良いものだな、お前ら」
「そうだな。決闘したのは正解だったと言えよう」
「……お前ら…………」
そんな会話をしつつ二人を眺める王とレイン、呆れた顔のディエゴに、サニィの顔は赤く染まる。
王妃はそんな様子を羨ましそうに見ているのがサニィの気になるところではあったが、王とレインに目の保養だと言われてまんざらでもない様子のオリヴィアはサニィの腕に頬を擦りつけていた。
確かにオリヴィアはとても可愛いので、サニィ自身も懐かれて悪い気はしていない。
とは言えサニィはノーマルだ。オリヴィアの表情は明らかにただ懐いているソレではない。
正直、全く会議に集中できていない。
遅れて今頃、先ほどの王とレインの会話が頭に入ってきた。
「あ、いや、ちょっと待ってください。あの、ドラゴン2頭って言いました?」
「ああ、言ったが」
サニィの遅めの質問に王が答える。
その言葉を聞いて、サニィはキリッと表情を変えた。それを見たオリヴィアの表情がうっとりと変わる。
ついでに王妃もうっとりとする。
「片方は、私にやらせてください」
「……それはまた、どうしてだ?」
覚悟を決めたその一言に、レインはその表情を険しいものに変える。
ディエゴはなんとか保っているものの、王と王妃がビクッとするほどだ。
それを見て、オリヴィアはビクッとした後、遂には蕩けだす。「はぁん、レインさまぁ」等と言っているが、それを聞いている者はこの場には居なかった。
「私が勇者レインに並ぶ者、聖女サニィだからです」
顔を真っ赤にしながら、覚悟を決めた女はそう告げた。
その瞳には覚悟を決めた色。しかし、レインの方を見て微笑んでもいる。
言外に、私がレインさんを守る番でもあります。そう言っている様だ。
決闘の後、「変な口上を言っちゃったあぁぁぁぁ……」等と真っ赤になりながら泣いていた者とは思えない程に、その表情は慈愛に満ちていた。
「良いだろう。片方はお前に任せる」
そんな決意を見せられては、応えないわけにはいかなかった。
「レインさん! ありがとうございます!」
「ただし、これからの26日間は地獄の特訓を課すぞ。覚悟しろ」
「ひ、ひぃぃいいいいい!!」
レインを守る為のドラゴン戦よりもレインの特訓の方が怖い。
何やら矛盾しているようではあるが、素直なサニィの素直な感情だった。
「わたくしにも同じレベルの稽古をつけてくださいませ、レイン様!」
そんなことを言うオリヴィアに、真剣に止めたほうが良いと語るサニィは、ちゃんとお姉さんをしている様で微笑ましい。
そんな二人を見て、レインは余計な決断をした。
「よし、オリヴィアは俺の弟子2号にしてやろう。マイケルに勝たせてやる」
「あらまあ、それは光栄の極みです! あ、あの、お姉さまさえよろしければわたくしをそのままレイン様の欲望の捌け口にご利用ください。ご命令とあらばなんでも致します! なんならお姉さまもご一緒に、はぁはぁ」
「ダメです。弟子2号は良いですけど、あなたは王女様なんですよ? ダメです。……ダメです」
両親の目の前でとんでもないことを言い出すオリヴィアだったが、両親はむしろやってやれという表情をしている。と言うより父親が「やれ!いけ!」等と小声で言っている。聞こえないようにしているつもりだろうが、いつもの訓練の一環、魔法で身体強化をしていたサニィには聞こえている。
「はあ、全く、この国の未来が心配です。ドラゴン退治、止めようかな……」
「それではわたくしがやります! マイケルも! 良いですよね、レイン様!?」
「ダメだ。お前では勝てん。俺の弟子になる以上敗北は許されない。今回はサニィに任せておけ。奇跡を見せてやる」
どんどんカオスになっていく会議とも言えない会議に、疲労が貯まるのはサニィとディエゴだけだった。
その後も公務もせずに一時間ほどだべっていると、遂にサニィが切れる。
「もう! うおおおおおおおおおおおお!!」
そのまま部屋の中が蔦で埋め尽くされ、その日の会議は幕を閉じた。
その場から脱出出来たのはレインだけ。
ディエゴ以外は閉じ込めて二時間程反省させた後、食事会場へと移動した。
彼ら三人は震えていた。暗闇の中でどれだけ頑張っても身動き一つ取れないという恐怖を体験したのは当然ながら初めてだった。しかも、いつ解放されるのかすら分からない。音も、サニィの魔法によって遮断されていた。
「せ、聖女様、先ほどは申し訳御座いませんでした」
そんなことを言いながら頭を下げる王に、最早威厳などは存在しない。
娘と日を同じくして、王妃と王女がサニィに惹かれる理由を、王は躾によって理解した……。
オリヴィアが新たな道を切り開いた後、再び部屋に戻った一同は会議を始める。オリヴィアの席はもちろんサニィの隣だ。レインの方も見ていたが、くっ等と声を漏らしながらサニィの隣に陣取った。
諦めると口には出してみるものの、直ぐに切り替えられるものではない。いや、そもそも男女の違いがある。
「聞こう。予言ではどのように?」
レインは相変わらずいつもの調子を崩さないが、サニィの腕に絡みつくオリヴィアの方を見ている。
「予言では、次に魔王が出るのは約1年後。392日後と言っていたな。場所は……勇者レインの所だ」
王も平静を装ってはいるが、オリヴィアとサニィの方を向いている。
「なるほど。俺の所か。ならばその時には人の居ない所にいなければならんな」
「すまないが頼む。しかし、もう一つ問題が出た。今から28日後、この首都にドラゴンが2頭飛来するらしい。原因はまたもやレインと言うことだが、お前を追い出してみたところで襲われるのは首都、と言うことだ。これの討伐を命じる」
「俺のせいならば仕方がない。両方共俺が倒そう」
二人はオリヴィアとサニィの方を向いたままそんな会話を済ませると、再びオリヴィアとサニィの方を見る。……改めて、しっかりと注視する。
「しかしまあ、片方は娘とは言え、美少女同士が絡み合ってるというのも良いものだな、お前ら」
「そうだな。決闘したのは正解だったと言えよう」
「……お前ら…………」
そんな会話をしつつ二人を眺める王とレイン、呆れた顔のディエゴに、サニィの顔は赤く染まる。
王妃はそんな様子を羨ましそうに見ているのがサニィの気になるところではあったが、王とレインに目の保養だと言われてまんざらでもない様子のオリヴィアはサニィの腕に頬を擦りつけていた。
確かにオリヴィアはとても可愛いので、サニィ自身も懐かれて悪い気はしていない。
とは言えサニィはノーマルだ。オリヴィアの表情は明らかにただ懐いているソレではない。
正直、全く会議に集中できていない。
遅れて今頃、先ほどの王とレインの会話が頭に入ってきた。
「あ、いや、ちょっと待ってください。あの、ドラゴン2頭って言いました?」
「ああ、言ったが」
サニィの遅めの質問に王が答える。
その言葉を聞いて、サニィはキリッと表情を変えた。それを見たオリヴィアの表情がうっとりと変わる。
ついでに王妃もうっとりとする。
「片方は、私にやらせてください」
「……それはまた、どうしてだ?」
覚悟を決めたその一言に、レインはその表情を険しいものに変える。
ディエゴはなんとか保っているものの、王と王妃がビクッとするほどだ。
それを見て、オリヴィアはビクッとした後、遂には蕩けだす。「はぁん、レインさまぁ」等と言っているが、それを聞いている者はこの場には居なかった。
「私が勇者レインに並ぶ者、聖女サニィだからです」
顔を真っ赤にしながら、覚悟を決めた女はそう告げた。
その瞳には覚悟を決めた色。しかし、レインの方を見て微笑んでもいる。
言外に、私がレインさんを守る番でもあります。そう言っている様だ。
決闘の後、「変な口上を言っちゃったあぁぁぁぁ……」等と真っ赤になりながら泣いていた者とは思えない程に、その表情は慈愛に満ちていた。
「良いだろう。片方はお前に任せる」
そんな決意を見せられては、応えないわけにはいかなかった。
「レインさん! ありがとうございます!」
「ただし、これからの26日間は地獄の特訓を課すぞ。覚悟しろ」
「ひ、ひぃぃいいいいい!!」
レインを守る為のドラゴン戦よりもレインの特訓の方が怖い。
何やら矛盾しているようではあるが、素直なサニィの素直な感情だった。
「わたくしにも同じレベルの稽古をつけてくださいませ、レイン様!」
そんなことを言うオリヴィアに、真剣に止めたほうが良いと語るサニィは、ちゃんとお姉さんをしている様で微笑ましい。
そんな二人を見て、レインは余計な決断をした。
「よし、オリヴィアは俺の弟子2号にしてやろう。マイケルに勝たせてやる」
「あらまあ、それは光栄の極みです! あ、あの、お姉さまさえよろしければわたくしをそのままレイン様の欲望の捌け口にご利用ください。ご命令とあらばなんでも致します! なんならお姉さまもご一緒に、はぁはぁ」
「ダメです。弟子2号は良いですけど、あなたは王女様なんですよ? ダメです。……ダメです」
両親の目の前でとんでもないことを言い出すオリヴィアだったが、両親はむしろやってやれという表情をしている。と言うより父親が「やれ!いけ!」等と小声で言っている。聞こえないようにしているつもりだろうが、いつもの訓練の一環、魔法で身体強化をしていたサニィには聞こえている。
「はあ、全く、この国の未来が心配です。ドラゴン退治、止めようかな……」
「それではわたくしがやります! マイケルも! 良いですよね、レイン様!?」
「ダメだ。お前では勝てん。俺の弟子になる以上敗北は許されない。今回はサニィに任せておけ。奇跡を見せてやる」
どんどんカオスになっていく会議とも言えない会議に、疲労が貯まるのはサニィとディエゴだけだった。
その後も公務もせずに一時間ほどだべっていると、遂にサニィが切れる。
「もう! うおおおおおおおおおおおお!!」
そのまま部屋の中が蔦で埋め尽くされ、その日の会議は幕を閉じた。
その場から脱出出来たのはレインだけ。
ディエゴ以外は閉じ込めて二時間程反省させた後、食事会場へと移動した。
彼ら三人は震えていた。暗闇の中でどれだけ頑張っても身動き一つ取れないという恐怖を体験したのは当然ながら初めてだった。しかも、いつ解放されるのかすら分からない。音も、サニィの魔法によって遮断されていた。
「せ、聖女様、先ほどは申し訳御座いませんでした」
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