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第八章:新たな国の霊峰へ
第七十七話:武器を名付ける習慣はこの日始まる
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「次に向かう場所なんですけど、霊峰はどうですか? オリヴィアに聞いたんですけど」
「ほう、それはどんなところだ?」
二人は襲いかかってくるグリフォンをなんなく倒しながら次の目的地について話し合っていた。
隣の国とは言え、今までの人生、基本的には引きこもり気味だったレインとサニィは隣の国については永久凍土が有名だと言う事しか知らなかった。
どんな人物が住んでいるのかも殆ど知らない。
冒険者だったレインの親は自分で見てみろと言って教えてくれなかったし、それ以上は聞くつもりもなかった。
そしてサニィは箱入り娘だ。別の国に興味を持たれたら可愛いサニィに家を出られてしまうかもしれない。親バカの父親の、そんな思いからそれは阻止されていた。
「何やら、こちらの国の方が魔法に関して発展しているようなんです。とは言え魔法に関する知識や技術ではなくて、マナタンクの絶対量。それが優秀な者が多いと言うんです」
「なるほど、その理由が霊峰と言うわけか」
「はい。恐らく死の山とは逆に、陽のマナが濃い場所ではないのかと」
「それだけ聞くとそこでは優秀な勇者も生まれそうだが」
「気になりません?」
そんな単純な理由で、次の目的地が決定した。
北のヴェラトゥーラ共和国。そこの南西にある霊峰。どんなところなのかは分からないが、この国で生まれた魔法使いの殆どはここで修行をする。そうすると、飛躍的にマナタンクの絶対量が伸びると言うことだった。しかし、ここには勇者は入らないらしい。
その理由は実際にサニィが入ってみなければ分からないが、今のところは死の山の逆なのではと予想される。
死の山で子どもを作れば無条件に高い身体能力を持った子どもが生まれる。ただし、そこで産むのは難しい。では霊峰で産めば無条件に勇者や魔法使いが生まれるのでは、そんなことを思うが、勇者の質は現状グレーズ王国とは誤差程度らしい。
「それにしても、オリヴィアは『心太』も良い名前だって言ってましたよー。ネーミングセンスが悪いのは実はレインさんなんじゃないんですか?」
「まだ言うか……。じゃあ次は俺が名付けようじゃないか」
「ぬふふ、レインさんのことだから赤い剣には『火竜の口づけ』とかつけるんでしょ? どーせ、ぶふっ」
「…………。あ、そうだ。よし、それじゃあエリーの武器の名前を二人で考えて手紙で送る。次にエリーに会った時にどちらを採用するかで勝敗を決める」
エリーの為に造らせた武器は短剣、片手剣、盾、両手剣、大剣、槍、弓、メイスの8種類。これらの全てに名前を付けて、それをエリーに手紙で送る。エリーがどの武器を使うかを分からないが、ともかくどちらが付けた名前を採用しているかで決着とする。もしもエリーがどちらも選ばなかった場合、二人共が同レベルと言うわけだ。
「ちょうど武器のデザイン画も狛の村で貰ってきましたしね。あ、決まりました。短剣は『刺さる君』」
「……」
「片手剣は2尺だから、えーと『ふらんすぱん』」
「…………」
この世界にフランスがないことはさておき、その後もサニィは奇怪な名前を出し続け。
「盾は『だいふく丸』、両手剣は『つよい剣』、大剣は『うちわちゃん』、槍は『ほそくてながくてつくぼ――」
「ええいうるせえ!!!! 妙な呪文を唱えるんじゃない! 黙って考えろ!! なんだ最後のは! 欲求不満なのかお前は!」
「ひいいいい!!」
遂にレインが切れた。
その余りの迫力に周囲を飛んでいたグリフォンがぼとぼとと落ちていく。
レインがここまで声を上げて怒ることはまずない。いや、怒ったと言うよりキレたと言った感じだろうか。別にサニィが傷ついたわけでもないので本当はそこまで怒ってはいない。
単純に本気で名前を考えていた所に入ってきた奇怪な呪文がレインの脳を侵蝕し、短剣の名前を『つんつんさん』にしようかと思ってしまっただけだ。
「あああああ!!! 課題だ! 夜に考えろ! とにかく今考えるな!!」
「ど、どうしたんですか、レインさん?」
「お前が魔法のイメージを言葉に出すのは全く問題ない。しかしそれは名付ける時にだけは禁止だ!」
「え? え?」
「お前の壊滅的ネーミングセンスは俺にとって有害極まりない! 無理やり口を塞がれたくなければ考えるのは夜にしろ!!」
「え、あの、無理やりってどうするんですか……?」
「お前の想像通りだ。分かったらさっさと進むぞ」
「は、はぃぃ……」
一体何を想像したのだろうか。サニィは顔を真っ赤にして黙ってしまう。
サニィはそういった男女の知識に乏しい。しかし興味がないわけではない。
オリヴィアとの接触によって、彼女は知識を増やしていた。
言わば現在、彼女はむっつりサニィだ。
「よし、俺はエリー8つの武器の名前を決めた」
「ほう、どれが『天使の口づけ』ですか?」
「……お前口づけ好きだな」
「え? な、何言ってるんですか? レインさんは変態ですか?」
こんな様子である。とは言えレインも奥手だ。
そこで一発やってしまえば良いのに。オリヴィア達が居たならばそんなことを言っていただろう。
しかし、二人になったからこそのサニィのこの状態、二人の関係はもうしばらく停滞することだろう。
残り【1583日→1569日】 次の魔王出現まで【340日】
「ほう、それはどんなところだ?」
二人は襲いかかってくるグリフォンをなんなく倒しながら次の目的地について話し合っていた。
隣の国とは言え、今までの人生、基本的には引きこもり気味だったレインとサニィは隣の国については永久凍土が有名だと言う事しか知らなかった。
どんな人物が住んでいるのかも殆ど知らない。
冒険者だったレインの親は自分で見てみろと言って教えてくれなかったし、それ以上は聞くつもりもなかった。
そしてサニィは箱入り娘だ。別の国に興味を持たれたら可愛いサニィに家を出られてしまうかもしれない。親バカの父親の、そんな思いからそれは阻止されていた。
「何やら、こちらの国の方が魔法に関して発展しているようなんです。とは言え魔法に関する知識や技術ではなくて、マナタンクの絶対量。それが優秀な者が多いと言うんです」
「なるほど、その理由が霊峰と言うわけか」
「はい。恐らく死の山とは逆に、陽のマナが濃い場所ではないのかと」
「それだけ聞くとそこでは優秀な勇者も生まれそうだが」
「気になりません?」
そんな単純な理由で、次の目的地が決定した。
北のヴェラトゥーラ共和国。そこの南西にある霊峰。どんなところなのかは分からないが、この国で生まれた魔法使いの殆どはここで修行をする。そうすると、飛躍的にマナタンクの絶対量が伸びると言うことだった。しかし、ここには勇者は入らないらしい。
その理由は実際にサニィが入ってみなければ分からないが、今のところは死の山の逆なのではと予想される。
死の山で子どもを作れば無条件に高い身体能力を持った子どもが生まれる。ただし、そこで産むのは難しい。では霊峰で産めば無条件に勇者や魔法使いが生まれるのでは、そんなことを思うが、勇者の質は現状グレーズ王国とは誤差程度らしい。
「それにしても、オリヴィアは『心太』も良い名前だって言ってましたよー。ネーミングセンスが悪いのは実はレインさんなんじゃないんですか?」
「まだ言うか……。じゃあ次は俺が名付けようじゃないか」
「ぬふふ、レインさんのことだから赤い剣には『火竜の口づけ』とかつけるんでしょ? どーせ、ぶふっ」
「…………。あ、そうだ。よし、それじゃあエリーの武器の名前を二人で考えて手紙で送る。次にエリーに会った時にどちらを採用するかで勝敗を決める」
エリーの為に造らせた武器は短剣、片手剣、盾、両手剣、大剣、槍、弓、メイスの8種類。これらの全てに名前を付けて、それをエリーに手紙で送る。エリーがどの武器を使うかを分からないが、ともかくどちらが付けた名前を採用しているかで決着とする。もしもエリーがどちらも選ばなかった場合、二人共が同レベルと言うわけだ。
「ちょうど武器のデザイン画も狛の村で貰ってきましたしね。あ、決まりました。短剣は『刺さる君』」
「……」
「片手剣は2尺だから、えーと『ふらんすぱん』」
「…………」
この世界にフランスがないことはさておき、その後もサニィは奇怪な名前を出し続け。
「盾は『だいふく丸』、両手剣は『つよい剣』、大剣は『うちわちゃん』、槍は『ほそくてながくてつくぼ――」
「ええいうるせえ!!!! 妙な呪文を唱えるんじゃない! 黙って考えろ!! なんだ最後のは! 欲求不満なのかお前は!」
「ひいいいい!!」
遂にレインが切れた。
その余りの迫力に周囲を飛んでいたグリフォンがぼとぼとと落ちていく。
レインがここまで声を上げて怒ることはまずない。いや、怒ったと言うよりキレたと言った感じだろうか。別にサニィが傷ついたわけでもないので本当はそこまで怒ってはいない。
単純に本気で名前を考えていた所に入ってきた奇怪な呪文がレインの脳を侵蝕し、短剣の名前を『つんつんさん』にしようかと思ってしまっただけだ。
「あああああ!!! 課題だ! 夜に考えろ! とにかく今考えるな!!」
「ど、どうしたんですか、レインさん?」
「お前が魔法のイメージを言葉に出すのは全く問題ない。しかしそれは名付ける時にだけは禁止だ!」
「え? え?」
「お前の壊滅的ネーミングセンスは俺にとって有害極まりない! 無理やり口を塞がれたくなければ考えるのは夜にしろ!!」
「え、あの、無理やりってどうするんですか……?」
「お前の想像通りだ。分かったらさっさと進むぞ」
「は、はぃぃ……」
一体何を想像したのだろうか。サニィは顔を真っ赤にして黙ってしまう。
サニィはそういった男女の知識に乏しい。しかし興味がないわけではない。
オリヴィアとの接触によって、彼女は知識を増やしていた。
言わば現在、彼女はむっつりサニィだ。
「よし、俺はエリー8つの武器の名前を決めた」
「ほう、どれが『天使の口づけ』ですか?」
「……お前口づけ好きだな」
「え? な、何言ってるんですか? レインさんは変態ですか?」
こんな様子である。とは言えレインも奥手だ。
そこで一発やってしまえば良いのに。オリヴィア達が居たならばそんなことを言っていただろう。
しかし、二人になったからこそのサニィのこの状態、二人の関係はもうしばらく停滞することだろう。
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