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第九章:英雄たち
第百八話:この戦いが終わったら、結婚しよう
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次に現れる魔王、黄の魔王。
レインの所に現れるというそれは、確かにレインを中心に渦の様に陰のマナとして徐々に形を成し始めているらしい。レインにはそれを感じることは一切できないものの、サニィは少しずつ大きくなるその存在を確かに感じている。
「全体のマナ量としてはやっぱりデーモンロードの魔王と同じ位、ですかね」
「あれに圧勝しなければ、か。怖いな……」
レインは過去の戦いで3度、デーモンロードの魔王に殺されている。呪いによって、その時の恐怖が蘇る。
一瞬の戦闘ではあったものの、確かに深く傷ついたレインを見ているサニィにとっては、それはただ事ではなかった。
「それでも一人で戦わないと、なんですね?」
「ああ。この戦いで俺は過去を克服して、お前を救わないといけない」
「何やらよく分かりませんけど、あんまり気負い過ぎたらいつもの動きが出来なくなっちゃいますよ?」
これまでに通ってきた街で、レインはいくらかの調べ物をしてきた。
それは魔王に関して。魔王の出現に関する資料や、魔王の種類などを、一人の時間を作っては独自に調べてきた。
その結果分かったことは、魔王は元となる魔物が変化して誕生するもの。
レインが倒したデーモンロードの魔王を紫とすれば、マルスが倒したものがイフリート、ボブが倒したものはほぼオーガロードだと推測できた。ベルメールが倒したものは巨大な白い馬。一本の角を生やし、との記述があったのでユニコーンだろう。そして、ヴィクトリアとフィリオナが倒したものは推測でしかないが、恐らく強力な魔法使い系の魔物。そう推測した理由は、呪いの存在だ。
なんとかして魔王が現れる前に処理してしまえないかと考えていたものの、マナを一切感じ取れないレインには対処の仕方が全く分からない。
サニィに関しても、魔王らしきマナの渦を感じ始めたのは、マルスの所を出て少ししてからだ。
ここ3ヶ月程それを感じているものの大きな変化はなく、ずっとレインの周りを大きな渦として巻いている。そんなことをサニィは言う。
「まあそれでも、今のレインさんなら大丈夫だと思っちゃいますけど。あの時よりもだいぶ強くなってますよね?」
「ああ、次は負けるわけにはいかないからな」
「本当にこだわってますね。そんなに負けたのが悔しかったです?」
「そんなところだ」
次は負けない。レインは魔王の生まれる時を聞いて1年間、何度もこの言葉を繰り返し、サニィと共に訓練してきた。強くなったのは何もサニィだけではなく、訓練してきたのもサニィだけではない。
以前魔王を倒したことで再び成長の勘を取り戻したことで、レインはサニィが追いつけない程に強くなっている。言ってみれば、サニィが努力して強くなる以上に、レインは一人鍛錬をこなしてきていた。
「私は今、マナの感覚が鋭くなっていますけど、それ以外はそこまで成長している様な感じがしません。でもレインさんはそれを抜けたって感じですね」
「ああ、同じだけ鍛錬をしているとは言え、伸び率は様々だ。一人の中で見ても、伸びるときは伸びるし、止まる時は止まる。多くの者は止まった時には苦しくて止めてしまうが、その時こそ重要だ」
「魔法は真っ直ぐ伸びないってよく聞きます。ある日突然伸びて、基本は停滞。そんな風に。まあ、大体のことは同じなんですよね」
最初の1年半で大きく力を伸ばしたサニィは、2年目に入ってからあまり伸びなくなっていた。
それはサニィの才能がどうという問題ではなく、一先ず魔法の成長に対する手がかりが途切れていることにある。最近になってよりマナに対する感覚は鋭くなってきたものの、かと言って魔法の繊細さが向上したわけではなかった。あと、ほんの少しだけ何かが足りない。そんな感覚を覚えていた。
「まあ、一つ分かることは、お前はまだ限界ではない。停滞は焦りを生むが、そんなに焦る必要もない」
「今までちょっと焦ってきたレインさんにそう言われても……」
「…………自分のことには鈍感ってこともあるさ……」
「あはは、ま、頑張ってくださいね。私はなんだかんだで準備は出来てるつもりです。ここ最近伸びないと言っても、レインさんの助けになる方法は色々と考えてますから」
そんなサニィが、素直に頼もしいと感じる。
彼女に出会うまでは本当に一人だった。孤高とも言える強さを持っていたレインがそんなことを言われる日が来るとは、彼女に出会うまでは思ってすらいなかった。
しかし、今のサニィは以前戦ったドラゴンなら一人で普通に倒せてしまうだろう。
それほどまでには強くなっている。
魔王にはまだまだ届かないものの、ドラゴンよりは上。グランドドラゴンの群れも、彼女にとっては子ども同然。それほどに成長している。
そんなサニィは今のレインにとって、確実に支えとなっている。
魔王の出現までは残り30日。
ここから先は、歴史では決して語られることの無い闇。
【歴史の真実を語る者アレス】ですら、未来永劫それを語ることはない。
黄の魔王は、ただレインを苦しめる為だけに存在する魔王なのかもしれない。
残り【1310日→1239日】 次の魔王出現まで【30日】
レインの所に現れるというそれは、確かにレインを中心に渦の様に陰のマナとして徐々に形を成し始めているらしい。レインにはそれを感じることは一切できないものの、サニィは少しずつ大きくなるその存在を確かに感じている。
「全体のマナ量としてはやっぱりデーモンロードの魔王と同じ位、ですかね」
「あれに圧勝しなければ、か。怖いな……」
レインは過去の戦いで3度、デーモンロードの魔王に殺されている。呪いによって、その時の恐怖が蘇る。
一瞬の戦闘ではあったものの、確かに深く傷ついたレインを見ているサニィにとっては、それはただ事ではなかった。
「それでも一人で戦わないと、なんですね?」
「ああ。この戦いで俺は過去を克服して、お前を救わないといけない」
「何やらよく分かりませんけど、あんまり気負い過ぎたらいつもの動きが出来なくなっちゃいますよ?」
これまでに通ってきた街で、レインはいくらかの調べ物をしてきた。
それは魔王に関して。魔王の出現に関する資料や、魔王の種類などを、一人の時間を作っては独自に調べてきた。
その結果分かったことは、魔王は元となる魔物が変化して誕生するもの。
レインが倒したデーモンロードの魔王を紫とすれば、マルスが倒したものがイフリート、ボブが倒したものはほぼオーガロードだと推測できた。ベルメールが倒したものは巨大な白い馬。一本の角を生やし、との記述があったのでユニコーンだろう。そして、ヴィクトリアとフィリオナが倒したものは推測でしかないが、恐らく強力な魔法使い系の魔物。そう推測した理由は、呪いの存在だ。
なんとかして魔王が現れる前に処理してしまえないかと考えていたものの、マナを一切感じ取れないレインには対処の仕方が全く分からない。
サニィに関しても、魔王らしきマナの渦を感じ始めたのは、マルスの所を出て少ししてからだ。
ここ3ヶ月程それを感じているものの大きな変化はなく、ずっとレインの周りを大きな渦として巻いている。そんなことをサニィは言う。
「まあそれでも、今のレインさんなら大丈夫だと思っちゃいますけど。あの時よりもだいぶ強くなってますよね?」
「ああ、次は負けるわけにはいかないからな」
「本当にこだわってますね。そんなに負けたのが悔しかったです?」
「そんなところだ」
次は負けない。レインは魔王の生まれる時を聞いて1年間、何度もこの言葉を繰り返し、サニィと共に訓練してきた。強くなったのは何もサニィだけではなく、訓練してきたのもサニィだけではない。
以前魔王を倒したことで再び成長の勘を取り戻したことで、レインはサニィが追いつけない程に強くなっている。言ってみれば、サニィが努力して強くなる以上に、レインは一人鍛錬をこなしてきていた。
「私は今、マナの感覚が鋭くなっていますけど、それ以外はそこまで成長している様な感じがしません。でもレインさんはそれを抜けたって感じですね」
「ああ、同じだけ鍛錬をしているとは言え、伸び率は様々だ。一人の中で見ても、伸びるときは伸びるし、止まる時は止まる。多くの者は止まった時には苦しくて止めてしまうが、その時こそ重要だ」
「魔法は真っ直ぐ伸びないってよく聞きます。ある日突然伸びて、基本は停滞。そんな風に。まあ、大体のことは同じなんですよね」
最初の1年半で大きく力を伸ばしたサニィは、2年目に入ってからあまり伸びなくなっていた。
それはサニィの才能がどうという問題ではなく、一先ず魔法の成長に対する手がかりが途切れていることにある。最近になってよりマナに対する感覚は鋭くなってきたものの、かと言って魔法の繊細さが向上したわけではなかった。あと、ほんの少しだけ何かが足りない。そんな感覚を覚えていた。
「まあ、一つ分かることは、お前はまだ限界ではない。停滞は焦りを生むが、そんなに焦る必要もない」
「今までちょっと焦ってきたレインさんにそう言われても……」
「…………自分のことには鈍感ってこともあるさ……」
「あはは、ま、頑張ってくださいね。私はなんだかんだで準備は出来てるつもりです。ここ最近伸びないと言っても、レインさんの助けになる方法は色々と考えてますから」
そんなサニィが、素直に頼もしいと感じる。
彼女に出会うまでは本当に一人だった。孤高とも言える強さを持っていたレインがそんなことを言われる日が来るとは、彼女に出会うまでは思ってすらいなかった。
しかし、今のサニィは以前戦ったドラゴンなら一人で普通に倒せてしまうだろう。
それほどまでには強くなっている。
魔王にはまだまだ届かないものの、ドラゴンよりは上。グランドドラゴンの群れも、彼女にとっては子ども同然。それほどに成長している。
そんなサニィは今のレインにとって、確実に支えとなっている。
魔王の出現までは残り30日。
ここから先は、歴史では決して語られることの無い闇。
【歴史の真実を語る者アレス】ですら、未来永劫それを語ることはない。
黄の魔王は、ただレインを苦しめる為だけに存在する魔王なのかもしれない。
残り【1310日→1239日】 次の魔王出現まで【30日】
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