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宝石の使い道
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美味しい食事を食べて、お昼寝をたっぷりした後、リリーアリアは双子に問いかけた。
「眠気はもう、大丈夫かしら?」
問われた二人は元気いっぱいに答える。
「メアはとっても元気です!ミアは?」
「ミアも全然眠くないですよ!」
リリーアリアは首を傾げる。
「もしかして、睡眠を摂ると魔力量は回復するのかしら?」
ミルティアはメルティアを見詰め、メルティアは思い出すかのように視線を上に巡らせた。
「そうですね、多分、そうだと思います。でも、全部回復するにはお昼寝とかではなく、夜から朝までの睡眠くらい
長くないと無理かもしれません」
「そう……では中位の紫の宝石と、何色でも良いので質の良い大きな宝石が欲しいですわ。勿論、きちんと対価は
お支払い致します」
メルティアとミルティアは眉をキリリと引き揚げて、真剣な面持ちで頷いた。
「確か、お母様の宝石箱にありました」
「パクって参りますわ!」
「ぱく…?」
と首を傾げるリリーアリアに、ジト目でマルグレーテは二人を見た。
「まさか盗んでくるという意味では?」
ミルティアは胸を反らした。
「そうです!」
「それは駄目ですわ。ええと、では直接伯爵様にお願いしに参りましょう」
主人が盗みを推奨しなかった事に安堵の溜息をもらしつつ頷いたマルグレーテと、推奨されずに眉尻を下げて
しょんぼりしたミルティアの差に、リリーアリアはくふふ、と笑った。
だが、メルティアが首を振る。
「メアがお父様の所にミアとお願いしに行って参ります」
「メア……ミアもお父様に可愛くお願いして参ります」
メルティアがミルティアのしょんぼりした顔を見て、名誉挽回したかったのだろうと気づき、リリーアリアは頷いた。
「では、メアとミアにお願い致しますわね?」
「「はい」」
二人は元気よく返事をすると、手を繋いで部屋から出て行った。
「宝石は何に使われるのですか?」
心配そうに問いかけるマルグレーテに、リリーアリアはゆったり微笑んだ。
「中位の宝石は二人の魔力回復の為に、大きな宝石は、わたくしの魔法の力の底上げを出来るように作ります。
多分、二人は一回の補給で足りるでしょう。わたくしもそれが限度だと考えておりますの」
「限度…と?まさか、アリア様、御身に危険があるのでしょうか」
真剣な眼差しに、リリーアリアは変わらず微笑を浮かべたまま言う。
「兵士の方達にも手を繋いで頂いて、供給するので大丈夫ですわ。でも、ルーティは誰とも手を繋がずに、
ミアとメアを見守ってあげて欲しいの」
「見守る必要があるのでしょうか?」
何一つ大丈夫だと信じていない目で、マルグレーテは言い募る。
リリーアリアはその頬に手を寄せた。
「二人には戦場に背を向けて歌わせます。無残なものをあの二人には見せたくないのです。だから、
決して振り返らないように、見張っていてあげてね?」
「わたくしは…わたくしは手伝う事すら、許して頂けませんか?」
泣きそうな顔で搾り出すように言うマルグレーテに、リリーアリアは静かに首を左右に振った。
「眠気はもう、大丈夫かしら?」
問われた二人は元気いっぱいに答える。
「メアはとっても元気です!ミアは?」
「ミアも全然眠くないですよ!」
リリーアリアは首を傾げる。
「もしかして、睡眠を摂ると魔力量は回復するのかしら?」
ミルティアはメルティアを見詰め、メルティアは思い出すかのように視線を上に巡らせた。
「そうですね、多分、そうだと思います。でも、全部回復するにはお昼寝とかではなく、夜から朝までの睡眠くらい
長くないと無理かもしれません」
「そう……では中位の紫の宝石と、何色でも良いので質の良い大きな宝石が欲しいですわ。勿論、きちんと対価は
お支払い致します」
メルティアとミルティアは眉をキリリと引き揚げて、真剣な面持ちで頷いた。
「確か、お母様の宝石箱にありました」
「パクって参りますわ!」
「ぱく…?」
と首を傾げるリリーアリアに、ジト目でマルグレーテは二人を見た。
「まさか盗んでくるという意味では?」
ミルティアは胸を反らした。
「そうです!」
「それは駄目ですわ。ええと、では直接伯爵様にお願いしに参りましょう」
主人が盗みを推奨しなかった事に安堵の溜息をもらしつつ頷いたマルグレーテと、推奨されずに眉尻を下げて
しょんぼりしたミルティアの差に、リリーアリアはくふふ、と笑った。
だが、メルティアが首を振る。
「メアがお父様の所にミアとお願いしに行って参ります」
「メア……ミアもお父様に可愛くお願いして参ります」
メルティアがミルティアのしょんぼりした顔を見て、名誉挽回したかったのだろうと気づき、リリーアリアは頷いた。
「では、メアとミアにお願い致しますわね?」
「「はい」」
二人は元気よく返事をすると、手を繋いで部屋から出て行った。
「宝石は何に使われるのですか?」
心配そうに問いかけるマルグレーテに、リリーアリアはゆったり微笑んだ。
「中位の宝石は二人の魔力回復の為に、大きな宝石は、わたくしの魔法の力の底上げを出来るように作ります。
多分、二人は一回の補給で足りるでしょう。わたくしもそれが限度だと考えておりますの」
「限度…と?まさか、アリア様、御身に危険があるのでしょうか」
真剣な眼差しに、リリーアリアは変わらず微笑を浮かべたまま言う。
「兵士の方達にも手を繋いで頂いて、供給するので大丈夫ですわ。でも、ルーティは誰とも手を繋がずに、
ミアとメアを見守ってあげて欲しいの」
「見守る必要があるのでしょうか?」
何一つ大丈夫だと信じていない目で、マルグレーテは言い募る。
リリーアリアはその頬に手を寄せた。
「二人には戦場に背を向けて歌わせます。無残なものをあの二人には見せたくないのです。だから、
決して振り返らないように、見張っていてあげてね?」
「わたくしは…わたくしは手伝う事すら、許して頂けませんか?」
泣きそうな顔で搾り出すように言うマルグレーテに、リリーアリアは静かに首を左右に振った。
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