転生した元聖女は清廉な黒騎士様の不埒な声に腰くだけ〜呪われた性欲の責任以外は取れません〜

鳥海柚菜

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女神様の余計なオプション

9.まさかの申し出

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「嘘ですよね?!?!嘘だって言ってください!!」
「……え、何が?」

その次にセドリスが職場にやってきた時、ルリアナはセドリスを掃除道具が仕舞われている小部屋に連れ込んだ。
誰にも話を聞かれてなるものかという意気込みだったため、めちゃくちゃに戸惑っているセドリスに気が付かなかった。

「1日1回出さないと天変地異が起こるというとんでもない呪いにかかってないですよね?!」
「っ、なぜそれを」
「あぁあああ、嘘でしょう?!まさか、本当に…」
「ルリアナ嬢?」
「ひぃあうっ?」

まさかの事実にがくりと膝から崩れ落ちてうずくまったルリアナにセドリスが困惑した声を出した。
困惑した声、である。

なのにルリアナのおかしな耳はルリアナの名前を呼ぶ彼の声をなんだと思ったのかとんでもなく性感を煽ってくるものだからたまったものではない。

「うう……なまえ…呼ばないで…」
「なっ」

耳を押さえて涙目で真っ赤になったルリアナに何を思ったのか、セドリスが固まった。
セドリスの美声が黙ったので、ルリアナは少し復活する。

「黙って、絶対黙って聞いてください。喋らないでください!いいですね!」

セドリスに目の前で喋られると話にならなくなるので必死で念押しする。眉根を寄せながらも頷くセドリスに申し訳ないと思いながらルリアナは懺悔を始めた。



相当頭がおかしいと思われただろうなと思いつつどうにか黙ったまま聞いてくれていたセドリスが長い話のあとにふぅ、と小さく息を吐いた。

「ごめんなさい……」
「……話してもいいか?」
「はい。なんなりと罵ってください!」

ルリアナはお腹に力を入れ、地面に正座をした。声の誘惑になど負けている場合ではない。誠心誠意の謝罪をしなければならないのだから。

「……別に、罵りはしないんだが。なんとも不思議だが、君がなぜか知っていることも含めて嘘ではないんだろう。確かにコレは俺の家に代々伝わっている呪いだな」
「たいっへんに申し訳ございませんっっ!!」
「いや…君のせいというわけでは…君の話からすると俺の先祖?前世?が自分で引き受けたんだろう」
「いやそれも本当のことかはわかりません!あの女神様、結構適当だから…本当に本当のことをちゃんと説明して引き受けてもらったのかめちゃくちゃ怪しいんです!あの女神様っ、ズレてるんです!変なオプションつけてくるし喜んでると思ってるし!」
「オプション…?」
「ゔ…っ、ちょ、ちょっとその単語をその声で言うのはやめていただいても…?」
「え?」
「……はぁ、失礼いたしました。こちらのことはお気になさらず」
「気になるが」
「いえいえ、お気になさらず。そもそも私が…ティティリアが呪いを吐いたりしたのがすべて悪いのです。そのせいで大変なるご迷惑をおかけし…とにかく呪いを解きましょう!そのあとはもう死んでお詫びをしますから!」
「なんで死ぬ話になる?!」
「だってとんでもなくないですか?!体の欲求にかかわらずひたすらに1日1回強制射精とか。あなたもイけないって散々苦しんでたじゃないですかっ?!」
「ぐ…っ、い、いや、あれは…あれ、は……ほ、本当に聞こえていたんだな」
「うううう、申し訳ございません!もう、本当に、すべてが解決した暁には死んでお詫びしますからっ!」
「死ななくていい!」
「じゃあ、この頭を記憶がなくなるまで殴ってもらって構いませんから!」
「殴れるわけがないだろう!」
「だって、だって……私はどう償ったらいいんですかぁあああっ?!」

ルリアナは赤茶色の瞳を潤ませて、顔を覆った。泣いた。
ちょっとは憧れていた騎士様の下事情を勝手に聞き続けて、あまつさえ自分の性欲に転嫁した。いや、声だけで欲情していたのだから今更かもしれないが、直接的なオカズにしたことにはもう羞恥と申し訳なさでたまらなかった。さすがに本人にはここまで暴露などできていないが。

「お、落ち着いてくれ、ルリアナ嬢」
「ひぃっ?」
「なんで君は俺が名前を呼ぶと悲鳴を上げるんだ」
「……黙秘します」

ぐすぐすと鼻をすすりながら、ルリアナは地面に屈んで彼女を見つめてくれる端正な顔を見上げた。
本当、清いという言葉が似合うさわやかな青年である。めちゃくちゃ困惑した表情を浮かべているが。
そんな彼が毎晩ああだこうだしていたことを思い出すと、みるみる間に頬に血が集まってくるし、ますます目の前が潤んだ。恥ずかしい。破廉恥すぎる。不可抗力とはいえ、こんなに端正な青年のあの声をひたすらに聴いていただなんて。

「……ああ、ええと、きもち、わるいよな?」
「えっ?!どういうことですか!!」
「いや、女性に聴かせるような、…話?…声、では、ない…わけで…」

彼も強い羞恥を覚えているのだろう。目元が赤くなっていた。
勝手に聞いていたのになんと真面目な人だろう。ルリアナはますます彼に好感を持った。何してくれんだ、と呪われた人に出会ったときに殴られる覚悟さえしていたというのに。

「いいえ!大変艶っぽくて麗しかったと!」
「麗しい?」
「あっ、いえ、あの、その……き、気にしないでくださいって言いたくて」
「………ああ、ありがとう」

気を使ってくれたんだな、とそう絶対自分を納得させているだろうセドリスに、ルリアナは心の中で懺悔した。とんだ痴女で申し訳ない、と精一杯の懺悔をした。
だが、自分の保身からそれはどうしても言葉にできなかった。彼に知られたくなかった。

「のろ、のろい!呪いをとにかく解きましょう!すぐに。速やかに!」

ルリアナは話題を変えたくて、手のひらをグーにして強く主張した。

「解くって……君、分かっているのか?」
「はい!私と体を重ねればいいんですよね!はい、どうぞ!」
「ごふっ」

べろん、と仕事着のワンピースを勢いよくめくりあげたルリアナに、セドリスが変な声で噴き出して慌ててスカート部分を降ろさせた。

「ちょっと待ってくれ!なんでそうなる?!」
「え、だって女神様が呪いを解くのは性欲の爆発しかないって」
「せ、…ばくは…、え?なんだって?」
「性欲の、爆発、です。つまり、呪いは今は女神様の力で性欲に無理やり変換されています。それで呪いをかけた本人である私にその性欲に変換された呪いを戻せばいいんです。つまり、私のナカに入れて、思い切り出したらいいんです。外じゃなくて中に!」
「ぐ、っ」

セドリスが変な声をあげて胸を押さえ、思い切りうなだれた。

「どうされましたか?」
「……ちょっといろいろパワーワードすぎた」
「パワーワード。え、中出しってことがですか?」
「お願いだから言わないでくれ」

ついには頭を抱えてしまった。

ルリアナは悪いことを言ったのだろうか…とちょっと心配になる。

「君は、その、ティティリア前世の記憶があると」
「はい、ばっちりあります」
「えっと、…その、そのときから経験がないと」
「ええ、足し算しても、まったくないですね」
「なのになんでそんな思い切りがいいんだ!?」
「まあ、そうですね…お恥ずかしながら、愛と性欲の女神を目覚めさせるくらいそういう興味だけはあったっていう感じですかねぇ」
「急に老成したな」
「まあ足したら孫が余裕でいる年齢になっちゃうので」
「そうか…。ちょっといいか」
「なんでしょう。あ、私ではその気になれないというのであれば、目隠しとかして座っててくれたらまあなんとか完遂しましょうか?無理やり一人で出すよりは多分気持ちがいいと思うので。そっち系の本も読んだことがありますのでなんなら乳首とかあそことか舐めたり抵抗がないなら…」
「なんでそうなる?!若い子がそういうことを言うんじゃない!」
「若くはないですが。あ、ルリアナは若いですが…」
「とにかく俺の話を聞いてくれ」
「はい」

彼も正座をした。ルリアナも居住まいを正す。

「その、俺の家でこの呪いは代々伝わっているんだ」
「代々!?そんなにもたくさんの被害者が?!なんてことですか…っ」
「いや、そうだな数十年に1回くらいなんだが、痣が出ると呪いを受けた人間なんだ。どういう理屈なのかはわからないのだが、その…そういう、体が成熟すると、下腹部に…黒いしるしが出る。それで、そこから、つまり、君がいうように、出さないと…何かが起こるんだ。大雨だったり、洪水だったり、竜巻だったり…だから我が家では印付きはそれはもう厳重に管理されて、どうにかこうにか、とにかく1日1回無理やりにでも……」

はぁっとセドリスが大きく息を吐いた。

「本当に本当に申し訳ございません…」
「いやいいんだ。あんなことを強要する方が悪いんだ。それで、…あの、つまり、俺は女性不信というか」
「じょせいふしん?」
「その、精通が始まってすぐからいろいろされすぎて、もう、女性の前では勃起しないんだ。正直気持ちが悪くて。自分で自分をコントロールできるようになってからはちゃんと管理するからと実家から騎士団に逃げてきていて」
「……ほぇっ?」

一大事である。
それでは呪いが解けないではないか。

「そ、それは…、えっと…どうしましょう?」
「あっ、い、いや…言いたかったのは、だから無理やりにすると勃起しないということであって」
「なるほど。そうですね…あっ、では、出す直前までご自身で擦っていただいて!直前に一瞬だけえいって中に射精すれば……うーん、それもやっぱり女性器が触れたら萎えちゃいますかね?」
「こす…しゃせ、じょせいき…、ちょ、直接的すぎるだろう!」
「すみません……どのあたりまでぼやかせばいいのか誰とも語り合ったことはなく…」

さすがにはしたないかとルリアナは反省をした。
しかし早くこんな悍ましい状況から彼を解放してあげなくてはならない。その使命感は強いのである。

「やっぱりちょっとお尻で…」
「絶対嫌だ!」

断固拒否された。

「でもこのままだとずっと黒騎士様が苦しむだけですよ。さっさとヤるべきでは」
「だからヤるとか……」
「……黒騎士様は乙女ですね」
「俺のどこを見て乙女だって言うんだ。君の方がよっぽど可憐で乙女らしい姿をしているのに」
「……え?」
「あ」

ぱっとセドリスが口を手で覆った。
今までよりも急激に赤くなっている。耳まで真っ赤である。

「……黒騎士様?」
「い、今言うつもりじゃなかったんだ。こんな場所で……こんな話題で……」

なんか恥じらっている。完全に乙女ではなかろうか。
ルリアナは達観して思ってはいたが、セドリスの赤さに引きずられるように自分の顔も赤くなっていることを自覚してもいた。あと理性で必死に耳元でくわんくわんする声を平然と聞くようにしていたのに、またしても彼の声がじんわりと奥に響いてくる。

「あの…」
「き、聞こえていたんだろう?」
「え?」
「君は聞いていたと言っていた」
「えっと?」
「だからっ、俺が…その、き、君の名前呼びながら自慰してたことも知っているんだろう?」
「……はいぃ?!」

何のことだ、とルリアナは目を見開いて固まった。しかし、目元を染めてまくしたて始めたセドリスは止まらない。

「もう仕方ないからいうが、俺は君が好きだ。女性は距離を取りたいが、君といると話していて楽しい。初めて話をしたときからころころ表情が変わって恩着せがましくもしない君を見て好意を持った。
話していて恐ろしくならない女性も初めてだった。そのあとだってなつかない猫みたいで、でもイヴといる君は屈託なく口を開けて笑っていて可愛いって思って」
「は、はぁ…?」
「だから、呪いがどうとかじゃなくて……その、俺とちゃんと、つ、付き合ってほしい!君と話していると女性と話してるとは思えないほど温かい気持ちになるんだ。だからきちんと順を追えば君となら最後までできると思う。だから頼む!」
「はぁああ??」

なんてこった。あんなに毎日毎日頑張って盛っていたから、とりあえずルリアナの容姿にさえ目をつぶってもらえたら余裕と思っていたのに。男なんて単純だから肉欲に溺れてすぐよ、すぐっ!さくっと終わるわ!って女神様も言っていたのに。
全然さくっと案件じゃないじゃないですか、女神様!!!

ルリアナは呆然として、耳まで真っ赤にしている青年をひたすらに見つめた。

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