明日はきっと

ノガケ雛

文字の大きさ
13 / 55
第二章

第十三話

しおりを挟む
 紬はフワフワな頭のまま、恭介に手を伸ばして抱きつき、甘えるように頬にキスを繰り返す。

 恭介それを『可愛すぎる』と思いながら、手を止めず優しくお尻を撫でた。
 小さくピクンと反応し、腰をクイクイ揺らす紬。こういった行為はもちろん初めてではない。後孔を蹂躙される気持ちよさを知っていて、だから早く触ってと勝手に腰が揺れてしまう。

 恭介もフェロモンに僅かに飲まれており、早く繋がりたいと気持ちが急いてしまい、愛液に濡れるそこに指を挿入するとすぐに前立腺を探し当て、クイクイとそこを刺激する。


「っあ、あっ、あ!つ、つよ、強い……っ!んぅ……っ!」
「ごめん、ちょっと余裕ない」
「はぁ、ンッ、い、く……イク……ッ!」


 ビクンと大きく震えた紬にキスをして、腕を離させるとクルンとうつ伏せにさせた。
 脱力している紬は、されるがまま腰だけを上げて枕に頬を乗せる。


「──ッ!」
「は……」


 双丘を開いた恭介は、躊躇うことなく後孔に舌を這わせた。紬はさすがにそんなことをされるのは初めてで、感じたことの無い快感に腰を跳ねさせ、ビュクッと性器から精液を飛ばす。
 ヒクヒクするそこに舌を挿入すると、キュッキュッと締め付けてくる内壁に、ここに挿れたら間違いなく気持ちいいんだろうなと思い、舌を抜いて指を入れ、中の具合を確認する。
 あまり焦らされても紬が辛いだろうと、恭介も下履きを脱ぎ捨てた。


「ね、挿れていい……?」
「っん、ぁ、な、生で、いいから……」
「え……」


 恭介はゴムを取ろうとした手をプランとさせる。
 そして少し考えた結果、『確かに番になり結婚するのなら必要無い……?』と思い、そのままピトリと蕩けたそこに宛てがった。


「っ、あ……!」


 ゆっくりと性器が挿入される。
 紬は枕を強く握り、久しぶりの感覚に目の前をチカチカさせながらそれを受け入れていく。
 体が勝手に逃げようとしてずり上がるのを、恭介に腰を掴まれることで止められた。

 カリが前立腺を擦り、先端が奥の壁まで届く。
 トンとそこ当たった途端、紬は体を細かく震わせてギュンっと体に力が入った後、少しして脱力する。
 どうやら中だけで絶頂してしまっているようで、それに気づいた恭介は奥歯をギリッとさせながら動きたい衝動に耐える。
 そうして馴染むのを待っていると、焦らされていると勘違いした紬が顔だけ振り返った。


「っぁ、な、なんで、動いて、くれないの……っ」
「っ……いきなり動いたら辛いだろ」
「ゃ、もう、いいから……!」


 涙に濡れた声が可愛い。
 恭介は紬の細っこい腰を再度掴み、ゆっくりと律動した。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

いい加減観念して結婚してください

彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話 元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。 2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。 作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

夫には好きな相手がいるようです。愛されない僕は針と糸で未来を縫い直します。

伊織
BL
裕福な呉服屋の三男・桐生千尋(きりゅう ちひろ)は、行商人の家の次男・相馬誠一(そうま せいいち)と結婚した。 子どもの頃に憧れていた相手との結婚だったけれど、誠一はほとんど笑わず、冷たい態度ばかり。 ある日、千尋は誠一宛てに届いた女性からの恋文を見つけてしまう。 ――自分はただ、家からの援助目当てで選ばれただけなのか? 失望と涙の中で、千尋は気づく。 「誠一に頼らず、自分の力で生きてみたい」 針と糸を手に、幼い頃から得意だった裁縫を活かして、少しずつ自分の居場所を築き始める。 やがて町の人々に必要とされ、笑顔を取り戻していく千尋。 そんな千尋を見て、誠一の心もまた揺れ始めて――。 涙から始まる、すれ違い夫婦の再生と恋の物語。 ※本作は明治時代初期~中期をイメージしていますが、BL作品としての物語性を重視し、史実とは異なる設定や表現があります。 ※誤字脱字などお気づきの点があるかもしれませんが、温かい目で読んでいただければ嬉しいです。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

彼の理想に

いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。 人は違ってもそれだけは変わらなかった。 だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。 優しくする努力をした。 本当はそんな人間なんかじゃないのに。 俺はあの人の恋人になりたい。 だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。 心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。

処理中です...