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第四話
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道を歩いていると、村が見えてきた。ずっと山道を下りてきたからふくらはぎが痛む。
あの会話から、二人は疲れのせいで無言で歩いていた。
だが村が見えてきてやっと休めそうになり、二人は気分が上がる。
「やっと着きそうだね」
アルグレンはいう。
「そうね、こんなに歩いたのは久しぶりだわ」とミランは疲れた声で言う。
「普段は馬車なの?」
「えぇ、だって足がふとくなるじゃない」
ミランがどんな境遇なのかが垣間見える。
村の門をくぐると、数軒の木製の家が点在していて畑が広がっていた。
朝に出発してから夕暮れになっていた。
「すみませんが、宿はありますか?」
農作業帰りらしい背の低い男に尋ねる。
「ないねぇ。でも村長に頼めば誰か泊めてくれるかもしれん」
男は集会所へ案内してくれた後でどこかへ行った。
集会所へはここから5,6分ほどで着き村の中央部に位置しているようだ。
それらしい建物にたどり着き入ると誰もおらず、まだ農作業の途中だろうかと思って二人は待つことにした。
「疲れたわ。少し眠るわ」と言って、ミランは床の上で横になった。
「こんなところで寝るな」
あわてて眠ろうとする彼女の肩をゆする。
ミランの性格もこの一日で分かってきた。彼女は自由人だ。
そしてアルグレンはミランの告白を受けた後、昼に休憩したときのことを思い出す。
ーーー
「ねぇ、疲れたわ。休みましょ」
日は真上にきていた時だった。
腹も減っていたし、山だから体力を温存しながら行きたい。そう思い彼女の提案を受け入れて休憩することにした。
地面に座り込むが、ミランは立ち上がったままだ。
「休まないの?」
「横になりたいわ。荷物を枕にしたい」
そうして、手渡した荷物を受け取ったミランはさっそく横になり枕にする。
しかしすぐに
「固いわ。」と言って文句を言った。
しかしほかに枕代わりにできるものなどない。
あきらめてと言おうとする前に
「膝を貸して」といって体を近寄せてきた。
ドキッとしたのもつかの間、胡坐で座るアルグレンの足をぱんぱんとたたき、寝やすいような足の組み換えを要求する。
「我慢できないのか?」
「うん、実は気分が悪いの」
確かに少し顔が青白い。
心配になり足を組み替えた。
そのまま、ミランは仰向けの形で腿に頭を載せて瞼を閉じる。
アルグレンが見下ろすと二人は向かい合うようになっている。
ちらちらと顔をのぞき寝息が聞こえるようになってから、まじまじと彼女の寝顔を見つめる。
きれいなおでこ。ふさふさで長いまつ毛。少し青ばんでいるが美しい唇。わずかに口が空いている。
そして細い首筋。
両腿は大好きな猫が寝てくれた時のような愛おしい重みを感じている。
アルグレンも別の意味でくらくらし始める。
変な気を起こさないように水を飲もうと思った。しかし腕の届く範囲に革袋はない。
仕方なく唾をのみこむ。
それに反応したのか、ミランは身を少し捩った。
アルグレンの視線が自然と彼女の体に注がれ、とあることに気付く。
胸元がはだけかけている。
多分体を楽にしようと外套を緩めたのだろうか。
胸は緩やかに上下し、やわらかい乳房は左右に流れている。
しかし惜しくも乳首が見えない。顔を近づけたり角度を変えて、どうにか触らずに見ようと試みる。
血流が早くなり頭が熱くなる。自然と下腹部に圧迫感を感じ始める。
マズイ。
急いで目をつむって、目からの情報を打ち切る。
だが、理性に反して頭は取得したばかりの光景から、精度の高いミランの裸体を瞼の裏に映し出す。
ねぇ、さわって。
想像のミランは甘い声で吐息がかかるような距離でささやき、アルグレンの片手を両手でとり自身の胸へあてる。
そして視界が彼女の顔しか見えないほどになると、互いの鼻の頭がチョンと当たる。
興奮する二人の息遣いが聞こえてくるような気がする。
そのまま柔らかい唇を...
ダメだった。
目を開いて妄想から抜け出す。しかし手遅れだった。
性器はミランの頭にズボン越しに触れてしまう。
でもミランは反応しない。眠りが深いのかな?
それとも、彼女の黒く豊かな髪の房が層になったおかげでまだ気づいていないのかもしれないと推測した。
アルグレンは希望を感じ、息を大きく吸って気合を入れて、反省する。
俺は傷ついているはずの彼女に…最低だ。
ミランはあまり昨晩の出来事をおくびにも出さず、平静を装っている。
だがそれは裏を返せば、絶望してもしょうがないからと態度を割り切れる程ひどいことをされてきたってことじゃないのか。
彼女を見る。
もはや細い体は、過酷な過去をアルグレンに思い起こさせ眉をひそめている寝顔は心の奥底に追いやった陰鬱な気持ちが現れているように感じた。
性器は自重し、シュルシュルと萎える。
手を彼女の頭にやって髪をなで手櫛で髪をとかす。
そうしているとこちらも眠くなり始めた。
木漏れ日が暖かく優しい。
アルグレンはそのあとも父性を帯びた目で彼女の眠りを見守った。
あの会話から、二人は疲れのせいで無言で歩いていた。
だが村が見えてきてやっと休めそうになり、二人は気分が上がる。
「やっと着きそうだね」
アルグレンはいう。
「そうね、こんなに歩いたのは久しぶりだわ」とミランは疲れた声で言う。
「普段は馬車なの?」
「えぇ、だって足がふとくなるじゃない」
ミランがどんな境遇なのかが垣間見える。
村の門をくぐると、数軒の木製の家が点在していて畑が広がっていた。
朝に出発してから夕暮れになっていた。
「すみませんが、宿はありますか?」
農作業帰りらしい背の低い男に尋ねる。
「ないねぇ。でも村長に頼めば誰か泊めてくれるかもしれん」
男は集会所へ案内してくれた後でどこかへ行った。
集会所へはここから5,6分ほどで着き村の中央部に位置しているようだ。
それらしい建物にたどり着き入ると誰もおらず、まだ農作業の途中だろうかと思って二人は待つことにした。
「疲れたわ。少し眠るわ」と言って、ミランは床の上で横になった。
「こんなところで寝るな」
あわてて眠ろうとする彼女の肩をゆする。
ミランの性格もこの一日で分かってきた。彼女は自由人だ。
そしてアルグレンはミランの告白を受けた後、昼に休憩したときのことを思い出す。
ーーー
「ねぇ、疲れたわ。休みましょ」
日は真上にきていた時だった。
腹も減っていたし、山だから体力を温存しながら行きたい。そう思い彼女の提案を受け入れて休憩することにした。
地面に座り込むが、ミランは立ち上がったままだ。
「休まないの?」
「横になりたいわ。荷物を枕にしたい」
そうして、手渡した荷物を受け取ったミランはさっそく横になり枕にする。
しかしすぐに
「固いわ。」と言って文句を言った。
しかしほかに枕代わりにできるものなどない。
あきらめてと言おうとする前に
「膝を貸して」といって体を近寄せてきた。
ドキッとしたのもつかの間、胡坐で座るアルグレンの足をぱんぱんとたたき、寝やすいような足の組み換えを要求する。
「我慢できないのか?」
「うん、実は気分が悪いの」
確かに少し顔が青白い。
心配になり足を組み替えた。
そのまま、ミランは仰向けの形で腿に頭を載せて瞼を閉じる。
アルグレンが見下ろすと二人は向かい合うようになっている。
ちらちらと顔をのぞき寝息が聞こえるようになってから、まじまじと彼女の寝顔を見つめる。
きれいなおでこ。ふさふさで長いまつ毛。少し青ばんでいるが美しい唇。わずかに口が空いている。
そして細い首筋。
両腿は大好きな猫が寝てくれた時のような愛おしい重みを感じている。
アルグレンも別の意味でくらくらし始める。
変な気を起こさないように水を飲もうと思った。しかし腕の届く範囲に革袋はない。
仕方なく唾をのみこむ。
それに反応したのか、ミランは身を少し捩った。
アルグレンの視線が自然と彼女の体に注がれ、とあることに気付く。
胸元がはだけかけている。
多分体を楽にしようと外套を緩めたのだろうか。
胸は緩やかに上下し、やわらかい乳房は左右に流れている。
しかし惜しくも乳首が見えない。顔を近づけたり角度を変えて、どうにか触らずに見ようと試みる。
血流が早くなり頭が熱くなる。自然と下腹部に圧迫感を感じ始める。
マズイ。
急いで目をつむって、目からの情報を打ち切る。
だが、理性に反して頭は取得したばかりの光景から、精度の高いミランの裸体を瞼の裏に映し出す。
ねぇ、さわって。
想像のミランは甘い声で吐息がかかるような距離でささやき、アルグレンの片手を両手でとり自身の胸へあてる。
そして視界が彼女の顔しか見えないほどになると、互いの鼻の頭がチョンと当たる。
興奮する二人の息遣いが聞こえてくるような気がする。
そのまま柔らかい唇を...
ダメだった。
目を開いて妄想から抜け出す。しかし手遅れだった。
性器はミランの頭にズボン越しに触れてしまう。
でもミランは反応しない。眠りが深いのかな?
それとも、彼女の黒く豊かな髪の房が層になったおかげでまだ気づいていないのかもしれないと推測した。
アルグレンは希望を感じ、息を大きく吸って気合を入れて、反省する。
俺は傷ついているはずの彼女に…最低だ。
ミランはあまり昨晩の出来事をおくびにも出さず、平静を装っている。
だがそれは裏を返せば、絶望してもしょうがないからと態度を割り切れる程ひどいことをされてきたってことじゃないのか。
彼女を見る。
もはや細い体は、過酷な過去をアルグレンに思い起こさせ眉をひそめている寝顔は心の奥底に追いやった陰鬱な気持ちが現れているように感じた。
性器は自重し、シュルシュルと萎える。
手を彼女の頭にやって髪をなで手櫛で髪をとかす。
そうしているとこちらも眠くなり始めた。
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