助けた少女と共に暗黒龍を倒す話

藤助18

文字の大きさ
13 / 23

第十三話

しおりを挟む

 町につくとミランは好奇な目にさらされた。



まず服全体が濡れているためブラウスが透けて白い肌が見えている。



スカートも水分で足に張り付き、当初の膨らんだ様子はない。



元々うねるような髪が濡れてさらに波打つように彼女の顔にまとわりついている。



そこから滴る雨水が歩くたびに彼女の体から滴り落ちる。



首筋、脚、腕。



服が雨で台無しでも、彼女は美しく見えた。いや体の輪郭と肌の中身がうっすら透けてみる分



美しさに加えて官能さがあった。



「ゴクリ…」



と彼女を見る視線のひとつに生唾を飲み込む音がした。



ーーー



とりあえずどこに行こうかしら・・・



ミランは考える。まず、今日の食事である。



村へ帰るには数日かかる。その分も必要である。



お金・・・



お金などミランは持ったことがない。



それは使用人や女中が持つものであった。とりあえず渡すものらしいとそんな認識である。



どうすればお金を得られるのか。



とりあえずパンを売っている店に入った。



入ると、戸棚に大小形様々なパンが並び良い香りを出している。



店主はミランを見るなり、いらっしゃいませと笑顔で言った。



「あのお金ください」



店主は面食らった。



「はい?」



「お金。お金はどこにあるの?」



「お金?仕事を探しているのか?」



「シゴト?いえ、ほしいのはお金だけよ」



店主はだんだん表情を変えて



「ふざけているのか?」



ミランはだんだん店主の機嫌が悪くなる様子にうろたえながらも



彼がどうしておこっているのかわからなかった。



だが引き下がれない。早くせねばアルグレンが・・・



「いいえ、ふざけてないわ。すぐにいるの。早く出してよ」とミランは強気で言った。



店主は考えた。今から強盗でもしようとしているびしょぬれの少女が一体どういうつもりで



こんなことを言っているのかを。



しばらく彼女を観察してみる。



「ねぇ、お金がないならパンが欲しいの。おなかがすいたわ」



と言って黙る店主をよそにミランはパンを眺め始めた。



金もないのに品定めだと・・・?



「おいまて。きさま本気で言っているようだな?親はどうした」



だが、彼女の年齢からして15,6だろうか。



そんな年齢でここまで世間知らずなことが言えるだろうか



「親はいるわ」



「そうか・・・」



店主は結論を出した。



わからん。怖い。



ということで



「出ていけ」と言って少女の細い腕をつかんで



店の外へ追い出した。



雨がやみ曇り空の外へ叩きだされたミランはつかまれた部分をさすりながら



もうこの店には立ち寄らないでおこうと決めた。



「へくちゅ!!」



ーーー



ミランは行く当てもなく、町の中央にあるらしい小さな噴水の前にいた。



あれから数店、同様に訪問したが叩き出されるならまだしも殴られそうになったので



ミランはだんだん自分が何かおかしいことをしていることに気付いた。



おかねって簡単にくれないのね・・・



そこで気になる単語があった。



しごと。



起こった人々はみな一様にしごとをいった。



もしかしたらしごとをほしいといえばいいのかしら。



ミランは噴水の水を手ですくって飲んでから立ち上がった。



ーー



店内を外から眺める。男の人はやはり怖い。そこで女の人がやっている店を選ぶことにした。



なにか、服がいっぱいあるわね。布も・・・



中年らしい痩せた女性が座って縫物をしている。



ミランは屋敷で使用人が針と糸で裁縫をしていた記憶を思い出し、ここならうまくいきそうだと考えた。



ガチャリとドアを開ける。



「あ、あの!」



声が震える。連続で人を怒らせてしまったからつい慎重になってしまう。



「いらっしゃい」



女性は柔らかく挨拶をした。



「え、えと」



あ、ダメ。やっぱり・・・また怒られたら・・・



ばたんとドアを閉めミランは店を出た。



女性は首をかしげた。



ーーー



また噴水に戻り、ミランは落ち込んでいた。



こうしてもう夕暮れになっている。



どうすればいいのかわからない。



第一、ここでお金を得て食料を得たところで村人を倒せるほどの力を持った人が要る。



ぐぅと腹が鳴った。水ばかり飲んでいるからおなかもなんだか緩い。



国に帰ろうにも遠すぎるし手段がない。



ミランはなんだか涙が出てきた。



山賊に襲われてから散々な目にしかあっていない。



唯一良かったのはアルグレンに会えたくらいか。



でもあの女が、シャーロットがいる。



弱気になっているとミランに近づく人影がいた。



「ねぇ君?」



若い女性の声がしてミランは顔を上げた。



ーーー



なんてスケベな女の子だろう!!



細い手足に白い肌、濡れた肌から見える小さな乳首!



急な雨に降られて困っているのかな?



ファリナはじーっと濡れた美少女を見つめていた。



短髪で半袖と半ズボンにマントをつけていて腰に二つの剣を下げていた。



あ、座り込んだ。さっきから尾けていたけどお店に何をしてたんだろう。



なんだかすごい剣幕で怒鳴られたり、呆れられたりしてたけど・・・。



ファリナは遠目で彼女を観察していた。



だが、しばらくして噴水の広場で少女が泣き出したので、たまらずファリナは声をかけた。



「ねぇ君?大丈夫?」



少女は顔を上げた。



あ、泣いた顔もかわいい。



「私はファリナ。君の名前は?」



「・・・」



黒髪の少女は警戒しているようだった。



「別に、怪しい人じゃないよ!君が泣いてたからどうしたのかなーって」



ファリナは幼子に言うように、高めの優し気な声でとぼけながら言った。



それを聞いた少女は言う。



「・・・お金がいるの」



「お金?」



あぁなるほど。彼女も仕事を探していたのかとファリナは納得した。



彼女は里で修業をおえ、一人前の剣士としてどこかに仕官すべく旅に出た。



だが、女であるからか傭兵の仕事は与えられず、彼女は旅をしながら剣の舞や



身体能力を生かして曲芸で日銭を稼いでいた。



もはや剣の技より、旅に出てから覚えた曲芸のほうが使う頻度が多い。



「あいにく私もお金がなくてね。」と苦い顔で答える。



「でも私、すぐお金がいるの。」



「お金ってさ、食べ物?食べものが欲しいの?おなかすいてるの?」



「そう!あと武器がいるの!」



「武器ねぇ。なんだか物騒だねぇ。君、なにかとたたかうの?」



ファリナは可憐な少女が武器がいることにただの興味で聞いてみた。



別になにかそれに助太刀をするというわけではないが。



「こんなことあなたに言っても仕方がないけど・・・私、助けたい人がいるの」



あなたに言っても仕方がないけどという点にファリナは憤慨した。



なんだか私では敵わないから・・・と言ったニュアンスだ。



こんな小娘にも舐められるなんて!!とファリナは思った。



「へ、へぇどんな人かな?」



ピクピクと眉をひそめながら、怒りをひそめ聞く。



私を侮るなんて!



彼女は里でも期待の星であった。



「私の・・・恩人が今。多分捕まってるの。私たち村にいたんだけど、急に襲われて・・・。



私は何とか逃げれたんだけど、彼は分からない。」



彼?



「大事な人?恋人?」ファリナは聞いた。



ぽっと少女は顔を赤らめて首を横に振った。



「そんなんじゃないの。ただ私を助けてくれたから・・・」



あーなるほどね。そいつに惚れたってわけね。



命も助けられて多分そいつが男前だからか知らねーけどすぐ恋に落ちちゃったてことね。



はいはい話はわかってきたぜ。



「なるほどなるほど。大変そうだねぇ。でもそれは彼も逃げたんじゃないのかなぁ」



「どうして?」



「さぁ知らないけどさ」



「なによ適当言わないでよ」



なんというかこの子は言い方に腹が立つな。



かわいい見た目に反して生意気な物言いをするんだねぇとファリナは思った。



ごほんと咳払いしてから



「事情は分かったわ。私が助けてあげる」



「本当!?」



「ただし条件があるわ」



「お金?でも私今は・・・」



「別に当てにしてないよ」



どうせ戦災孤児だろうし。みすぼらしいし。



「私の旅についてきてね」

にっこりとファリナは告げた。



ーーー



ミランは話しかけられた年上の女性、ファリナについて行った。



「ねぇ助けてあげるんだからさ、あんたの名前教えてよ」



「ミランダ」



「ミランダ?長いからミラでもいい?」



二人は歩いて、ファリナが泊っている宿についた。



「同じ部屋でもいい?ミラ。私も余裕ないし」



うなずいて、ファリナの部屋へとたどり着く。



部屋は寝床が一つと窓だけの簡素な部屋だった。



「とりあえずさ、かぜひかれたら困るから脱ごうか」



ファリナは寝床に座り込んでいった。



ミランはその通り服を脱いで裸になる。



やっと濡れて張り付く服が脱げてせいせいとした気分になった。



ファリナは躊躇なく人前で服を脱ぐ彼女に少し驚きながら下から上を



眺めている。



「何?」



「別に・・・」



ファリナは下の毛があまり生えてないミランの股間をみて思った。



この子、年いくつだろう。



「ねぇミラっていくつ?」



「12」



「12?!」



ファリナは改めて彼女の体をまじまじと見る。



胸も控えめながらあり、背もそれなりに高い。



もっと年齢が上だと思っていたけど・・・



だがファリナはまた薄いミランの下の毛を見て納得する。



ミランの陰毛は濡れて下を向いておりそこからしずくが垂れている。



まるで若草にのる朝露・・・と柄でもないことをファリナは考えた。



ファリナはまたごくり生唾を飲み込んだ。



ミランはそんな彼女を変に思いながら



「ねぇしばらくこのまま?」



「あーそうだね。服はもらっておくよ。下のおかみさんに暖炉を借りて乾かしてもらおうかな」



少しにおいも嗅ごうか



「そう。私おなかがすいたわ」



「食事は待ってね」



と言ってファリナは全裸のミランの代わりに服を階下へ運び始めた。



ーー



食事を終えて、明かりがもったいないからとファリナが言ったので暗くなって早いが



眠ることになった。



一人用の寝床でファリナとミランは寄せ合って寝ていた。



ファリナは肌着一枚だけである。



横向きになって眠るミランの髪を一房つまむ。



里では女ばかりだった。



代々女ばかりの里で土地も痩せていたので、里は傭兵稼業で生業を立てていた。



多くは父親を知らない。種は誘拐するか偶然迷い込んだ旅人から得ると姉弟子が言っていた。



男は生まれない不思議な里で長老は剣士の呪いについての伝承を聞かせてくれた。



なんとも七英雄のうちの剣士は平民出身で将来は貴族になることが夢で見事、



暗黒龍封印の功績から爵位を得たが、女癖が悪く複数の関係を持っていた。



そのうちの呪術師が彼の野望である貴族になって家を興す夢を壊すため



家を継ぐための男が生まれないような呪いをかけたという。



そのせいでこの里は女性しか生まれないという。



およそ千年前の話で神話じみた英雄たちの話が多いが、なんとも人間臭い話が残っているものである。



ファリナはミランの髪をいじりながら天井を見た。



「うぅう・・」



ミランが突然呻きだした。



「どうしたの?」



うぅうとうめくばかりで彼女は答えない。多分悪夢を見ているのだろう。



「起きて。起きなミラ」



隣で呻かれたら眠れないし気味が悪い。



はっとミランは汗を流しながら目を覚ます。



「大丈夫?」



ミランはこちらを見て夢であることに気付きどうやら安堵しているようだった。



「何か怖い夢でも見た?」



ファリナは彼女を後ろから抱きしめる。



そして耳元でささやく。



「こういうときはね・・・」



ファリナはかつて姉弟子が教えてくれたように優しく



ミランの性器を指でいじり始めた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」

(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。 王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。 風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。

処理中です...