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捕食
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鍵を開けた瞬間、屋内に違和を感じた。靴箱に隠してあった鋏を手に取る。静まり返った廊下とリビングの奥、カーテンの隙間から街灯の灯りが入るベッドに若い男がごろりと寝そべっていた。
くたくたになって帰ってきて、家に誰かがいるという素晴らしさは、実家を出た今、実感する。即座に鋏を手放すと、ベットの上に乗った。二人分の体重でベットが軋む。眠りを妨げられたせいで眉間に皺が寄るのが判るが、淡島は気にせずに額にキスをした。用意していたシャツとズボンを身に纏っている。ええ子、ええ子と深紅の髪を撫でて、疲れて眠っている様子なのを甘やかしていると、夜闇の中で瞼が動く。
「ただいまぁ」
にこっと微笑んでまた額にキス。それに答えるように、抱き寄せられた。甘えたいのかなと思ったが、大きな掌が腰から臀部、腿の内側を撫で、下半身の一部を押し当てられた。この行為の意味を察せない歳ではない。いつの間にか猛禽類の双眸双眸はしっかり開いていた。
「……初物ちゃうよ」
「だから何よ」
「久しぶり何よなぁ」
「何でもいいわ、寄越しなさい」
くたくたになって帰ってきて、家に誰かがいるという素晴らしさは、実家を出た今、実感する。即座に鋏を手放すと、ベットの上に乗った。二人分の体重でベットが軋む。眠りを妨げられたせいで眉間に皺が寄るのが判るが、淡島は気にせずに額にキスをした。用意していたシャツとズボンを身に纏っている。ええ子、ええ子と深紅の髪を撫でて、疲れて眠っている様子なのを甘やかしていると、夜闇の中で瞼が動く。
「ただいまぁ」
にこっと微笑んでまた額にキス。それに答えるように、抱き寄せられた。甘えたいのかなと思ったが、大きな掌が腰から臀部、腿の内側を撫で、下半身の一部を押し当てられた。この行為の意味を察せない歳ではない。いつの間にか猛禽類の双眸双眸はしっかり開いていた。
「……初物ちゃうよ」
「だから何よ」
「久しぶり何よなぁ」
「何でもいいわ、寄越しなさい」
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