ちゃんぽん(4/23更新)

狂言巡

文字の大きさ
上 下
1 / 4

聴取

しおりを挟む
「神から託されたリストに載っていない人間は全て排除しなければならない」

 動機を聞かれた殺人鬼は持っていたノートは白紙だった。





「お巡りさんも大変ですねぇ、自分と全然関係ないガキが死んだくらいでカッカとしないといけないなんて」

「女ってバカだよな、ちょっとヤッたけでガキ作っちゃうんだから」

「確かに恋人から指輪をもらった指輪を抜き取って川に捨てたのは私だけど、見せびらかして自慢した挙句自分がカナヅチだってのに飛び込んだあの子の自業自得よ」

「確かに私は階段から突き飛ばしたけど、病院行かないで勝手に死んだのはお姉ちゃんでしょ」





「血に染まった花を見るのが好きなんです」と花がある場所に次々罠を仕掛けていた犯人は語った。





「避妊はしてたのに犯罪者扱いはないんじゃないですか?」

「子供があんまり行きたがって五月蠅いから……いっそ閉園になってほしかったんですよ」

 私は生まれて50年の間人に暴力を振るったことはありませんよと、家庭内暴力と婦女暴行容疑で捕らえられた男は主張する。

「私は母親なんですよ! なんで子供に謝らなきゃいけないんですか!?」

「どうも陰で私のこと「死んでほしい」って言いふらしてたみたいなんで「お前が死ね」と毎日伝えただけですよ。死んだのはあの子の意思でしょ」





「隣人に恨みもないです。奨励金の返却が大変そうで同情してたくらいですよ。じゃあ何でって……元嫁の養育費の催促が憂鬱で……おたずね者になりゃ二度と連絡してこないかなって」
しおりを挟む

処理中です...