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【藤と椛】マイマイペース
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昔から、強く成れば成る程、自分の手が伸ばせる範囲の人くらいは守れると思っていた。
「ご、ごめんなさい、待たせちゃいました?」
「いや、俺が早かったんだ」
待ち合わせ場所に駆け寄ってきたヒカルに紅葉は静かに応える。それからヒカルの、赤く染まった頬や白い指先に気付く。
「寒いか?」
「え、大丈夫ですよ」
「だが、手が寒そうだ」
「えっと、ちょっとだけ……」
こんな片言じみた、ぎこちない会話しかしていないのだと知った身内と知人は、それでよく間が持つ上に愛想尽かされないもんだと呆れていた。
「らしいわね」
笑ったのは幼馴染だった。この話だけで何が理解るのかと当時の紅葉は少し憮然としたものだ。
「手袋は持ってないのか?」
「洗濯したら鞄に入れとくの忘れちゃって……」
「それなら」
早蕨が何気なく差し出した手。ヒカルは一瞬、意図を図りかねてそれを見つめて、ハッと気がついて顔を上げる。
「……つ、繋いでいいんですか?」
「ああ」
ただ彼女と歩幅を合わせて、ゆっくりと歩く事を知った今でも、強く有り続けたいという考えは変わらない。そんな自分も、今までの自分も、誇らしく思える。
「ご、ごめんなさい、待たせちゃいました?」
「いや、俺が早かったんだ」
待ち合わせ場所に駆け寄ってきたヒカルに紅葉は静かに応える。それからヒカルの、赤く染まった頬や白い指先に気付く。
「寒いか?」
「え、大丈夫ですよ」
「だが、手が寒そうだ」
「えっと、ちょっとだけ……」
こんな片言じみた、ぎこちない会話しかしていないのだと知った身内と知人は、それでよく間が持つ上に愛想尽かされないもんだと呆れていた。
「らしいわね」
笑ったのは幼馴染だった。この話だけで何が理解るのかと当時の紅葉は少し憮然としたものだ。
「手袋は持ってないのか?」
「洗濯したら鞄に入れとくの忘れちゃって……」
「それなら」
早蕨が何気なく差し出した手。ヒカルは一瞬、意図を図りかねてそれを見つめて、ハッと気がついて顔を上げる。
「……つ、繋いでいいんですか?」
「ああ」
ただ彼女と歩幅を合わせて、ゆっくりと歩く事を知った今でも、強く有り続けたいという考えは変わらない。そんな自分も、今までの自分も、誇らしく思える。
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