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1章 We love, because He first loved us.
旅の裏側
佐久眞先生side
あれ?ケイくんは?
いつもならいる隠れ場所を全て回っても姿が見えない。入れ違いもあるからと病室に戻ってくるも、やはりいなかった。
「ソウター、ユイト!
ケイくん見なかった?」
「…さぁ?」
「僕知らなーい!」
「そっか、あれー…?どこ行ったんだろう。
…あ!南先生ー!
ケイくん見ませんでした?
これからお昼寝の時間なんですけどいなくて…」
「うーん、見てないねぇ。紫乃先生は?」
「?みてない…ですよ。」
「昼飯食べてたのは見たぞ。」
「それはどこでですか?百瀬先生!」
「いや、普通に部屋でだよ。もう1時間は前だな。」
1時間も!?
なんか嫌な予感がする気がする。うーん…と唸りながらどこにいそうか捻り出そうとしていると、百瀬先生が買って出てくれた。
「カメラ見といてやるよ。天満先生たちにも聞いてみ?」
「ありがとうございます!」
今日の予定を各自書き込んでいるそれを見て変更がないか確認する。
えーと、天満先生は今はプレイ中か…
最中にかけるの嫌なんだよなぁ、今絶対盛り上がってる時だろうし。
國吉先生は?っと…外来かー。
でも午後からだから午前中はいたし知ってるかな。
よし、先に國吉先生に聞こう。聞きづらいけど。
prrr…
ドキドキ
「なに?」
「すいません!ケイくん見てないですか!」
端的に!簡潔に!
「見てない」
「わかりました!すいません!」
ピッ。
ふぅ…
余計なこと突っ込まれる前に切る!
当てが外れたことだし、あとは天満先生。
天満先生side
prrr…
ポケットに入れている端末が鳴る。
プレイ中は気遣ってあまり鳴らしてこないし、こっちも出ないこともよくあるが、今日は機嫌がいいからでてやろう。
膝に乗ったまま喘いでいる子に電話の最中は静かにしろとコマンドを与えてやる。
「sh!声出したらお仕置きするから。」
わざとキツく睨みつけて少し泣かせるのが愉しくて仕方がない。頑張って口をへの字にして耐えているのも俺の機嫌をとってくるようだ。
ゴソゴソと端末を取り出すと表示は佐久眞先生からだった。
「はーい、なんかやっちゃったかんじ?」
「邪魔してすいません!ケイくん見てないですか?」
「ケイ?見てないけど?」
「わかりました!では!」ピッ!
「おいおい…切るの早すぎ。」
画面に出た通話時間は過去最短の時間を表示しているだろう。
なんかやらかしたなアイツ…あとでまた掛け直そう。
今はいいとこだから手が離せない。
「ふぅッ…ツッ、ぁ…んん゛っ!」
「しっ!声出さない。」
「だってぇ…電話終わったのにッグスっ…」
「笑まぁ確かにな。褒めてやるよ。good boy」
「あぁぁん!」
「笑」
「ア゛────!」
おお…どっかから絶叫が聞こえる。
院内は静かにしろよと汚された手を洗いながら、一仕事終え一服でもしようかと休憩室へ行く。
あ、佐久眞先生に電話しようと思ってたんだった。
胸ポケットから端末を出すと、いろんな先生から着信が入っていた。
そんな緊急だったのか?
いや、そうならプレイ中だろうか部屋に入って呼んでくるはずだけど?
気になって休憩を後にしナースステーションへもどる。
「ケイくん…!!なんで!泣」
「あーこりゃ確信犯だな」
「誰か手引きしてるだろこれ。」
「どうしたー?なんかやったの?佐久眞先生」
「天満先生、電話出てくださいよ!」
「うぉっ、ごめんて笑」
出てやったけどな、と思ったけどただならぬ雰囲気に冗談を言えるようではなかった。
「で、何?誰か脱走でもしたかー笑」
「……」
「え、ほんとに?誰が?」
「ケイくんですぅぅ!!」
うわぁ…やっちゃったなぁ。この大罪を明日繕西先生たちが帰ってくるタイミングでやるか。
「何分前に出たの?どこから?」
「15分前裏口から駅の方に下ったみたいだ。」百瀬先生がテキパキと過去の監視カメラの映像を早送りで見ている。
「よかった。そんなに経ってないか。今から迎えに行ったら見つけられそうだな。空いている先生いる?」
「この後レッスン室入るし2班は難しいかも。」
「そうか、俺もご家族との約束入ってるしなぁ」
あわあわしっぱなしの佐久眞先生にやってもらうか。
「よし、佐久眞先生。お迎え号貸してやるから迎えに行ってこい。」
「あ、今車検でないよ?代車もないし、行くなら訪問用の車しかないよ。」そう南先生が言う。
「げっ、あのオンボロはちょっと…」
嫌そうに佐久眞先生が眉根を寄せる。
まぁ、気持ちはわからなくもない。
だって、幼稚園バスのような可愛らしいロゴに、うちのモチーフの鳳凰だったか、なんかの鳥の半立体が車を飾っているんだから。
「はぁ、しょうがない。俺の愛車貸してやるから行ってこい!」
「オンボロより嫌です!」
「はぁ?文句言うなよ、じゃあ走っていくか?」
傷なんかついたらタダでは済まされないし、ペーパードライバーだから無理だと。
それはダメだな。ちょっとでも傷つけてみろ。今後の俺の研究資料作り全部手伝わせてやる。
prrrr…prrrr
「もう!忙しいのに誰ですか!?もしもし!Sub棟佐久眞です!」
「あら、元気だね。久しぶり繕西です。」
「うぁあわ、お、おひさしぶりです!」
「駅のところでうちのSub拾ったんだけど、外出許可出てるか確かめてくれない?ケイ君と言うのだけれど」
「ケイくん!?ケイくんですか?そのまま捕まえてください!」
「おい、どうした?誰?」小さい声で話しかける。ついでに耳もそばだてて内容を聞こうとする。
(繕西先生です!)口をパクパクして必死に伝えてくる。なんだって?繕西先生が捕まえた?
はぁ、最悪だ。
「マジかよ…」
厄介に人物に捕まったなぁ。
佐久眞先生は何も知らないから単純に喜んでいるけど、ここでは一番のDom。
実力も権力も十分ある人は自分に厳しい。
そして部下にも当然厳しいし、きつく叱責するようなことはないからまだいいけど、 Domばっかの職場でトップを張っているんだから要求が高くなりがちで、格下の俺らはちょっとプレッシャーを感じる。
特に、ルールから逸脱することをよく思わないから、結果オーライなら良しとする俺とはあんまり合わない。
子供には優しい分こっちに皺寄せがくるし、今回は誰が怒られるかわからない。
可能性があるのはフリーで動いていた佐久眞先生かな笑
佐久眞先生には悪いけど、まだ新人だから多めに見てもらえるだろう。もし連帯責任とか言われてもペナルティ軽いやつならいいな。それなら気が楽だし。
迎えに行かないでよくなったと喜んでいる姿に少し憐れんだ。
あれ?ケイくんは?
いつもならいる隠れ場所を全て回っても姿が見えない。入れ違いもあるからと病室に戻ってくるも、やはりいなかった。
「ソウター、ユイト!
ケイくん見なかった?」
「…さぁ?」
「僕知らなーい!」
「そっか、あれー…?どこ行ったんだろう。
…あ!南先生ー!
ケイくん見ませんでした?
これからお昼寝の時間なんですけどいなくて…」
「うーん、見てないねぇ。紫乃先生は?」
「?みてない…ですよ。」
「昼飯食べてたのは見たぞ。」
「それはどこでですか?百瀬先生!」
「いや、普通に部屋でだよ。もう1時間は前だな。」
1時間も!?
なんか嫌な予感がする気がする。うーん…と唸りながらどこにいそうか捻り出そうとしていると、百瀬先生が買って出てくれた。
「カメラ見といてやるよ。天満先生たちにも聞いてみ?」
「ありがとうございます!」
今日の予定を各自書き込んでいるそれを見て変更がないか確認する。
えーと、天満先生は今はプレイ中か…
最中にかけるの嫌なんだよなぁ、今絶対盛り上がってる時だろうし。
國吉先生は?っと…外来かー。
でも午後からだから午前中はいたし知ってるかな。
よし、先に國吉先生に聞こう。聞きづらいけど。
prrr…
ドキドキ
「なに?」
「すいません!ケイくん見てないですか!」
端的に!簡潔に!
「見てない」
「わかりました!すいません!」
ピッ。
ふぅ…
余計なこと突っ込まれる前に切る!
当てが外れたことだし、あとは天満先生。
天満先生side
prrr…
ポケットに入れている端末が鳴る。
プレイ中は気遣ってあまり鳴らしてこないし、こっちも出ないこともよくあるが、今日は機嫌がいいからでてやろう。
膝に乗ったまま喘いでいる子に電話の最中は静かにしろとコマンドを与えてやる。
「sh!声出したらお仕置きするから。」
わざとキツく睨みつけて少し泣かせるのが愉しくて仕方がない。頑張って口をへの字にして耐えているのも俺の機嫌をとってくるようだ。
ゴソゴソと端末を取り出すと表示は佐久眞先生からだった。
「はーい、なんかやっちゃったかんじ?」
「邪魔してすいません!ケイくん見てないですか?」
「ケイ?見てないけど?」
「わかりました!では!」ピッ!
「おいおい…切るの早すぎ。」
画面に出た通話時間は過去最短の時間を表示しているだろう。
なんかやらかしたなアイツ…あとでまた掛け直そう。
今はいいとこだから手が離せない。
「ふぅッ…ツッ、ぁ…んん゛っ!」
「しっ!声出さない。」
「だってぇ…電話終わったのにッグスっ…」
「笑まぁ確かにな。褒めてやるよ。good boy」
「あぁぁん!」
「笑」
「ア゛────!」
おお…どっかから絶叫が聞こえる。
院内は静かにしろよと汚された手を洗いながら、一仕事終え一服でもしようかと休憩室へ行く。
あ、佐久眞先生に電話しようと思ってたんだった。
胸ポケットから端末を出すと、いろんな先生から着信が入っていた。
そんな緊急だったのか?
いや、そうならプレイ中だろうか部屋に入って呼んでくるはずだけど?
気になって休憩を後にしナースステーションへもどる。
「ケイくん…!!なんで!泣」
「あーこりゃ確信犯だな」
「誰か手引きしてるだろこれ。」
「どうしたー?なんかやったの?佐久眞先生」
「天満先生、電話出てくださいよ!」
「うぉっ、ごめんて笑」
出てやったけどな、と思ったけどただならぬ雰囲気に冗談を言えるようではなかった。
「で、何?誰か脱走でもしたかー笑」
「……」
「え、ほんとに?誰が?」
「ケイくんですぅぅ!!」
うわぁ…やっちゃったなぁ。この大罪を明日繕西先生たちが帰ってくるタイミングでやるか。
「何分前に出たの?どこから?」
「15分前裏口から駅の方に下ったみたいだ。」百瀬先生がテキパキと過去の監視カメラの映像を早送りで見ている。
「よかった。そんなに経ってないか。今から迎えに行ったら見つけられそうだな。空いている先生いる?」
「この後レッスン室入るし2班は難しいかも。」
「そうか、俺もご家族との約束入ってるしなぁ」
あわあわしっぱなしの佐久眞先生にやってもらうか。
「よし、佐久眞先生。お迎え号貸してやるから迎えに行ってこい。」
「あ、今車検でないよ?代車もないし、行くなら訪問用の車しかないよ。」そう南先生が言う。
「げっ、あのオンボロはちょっと…」
嫌そうに佐久眞先生が眉根を寄せる。
まぁ、気持ちはわからなくもない。
だって、幼稚園バスのような可愛らしいロゴに、うちのモチーフの鳳凰だったか、なんかの鳥の半立体が車を飾っているんだから。
「はぁ、しょうがない。俺の愛車貸してやるから行ってこい!」
「オンボロより嫌です!」
「はぁ?文句言うなよ、じゃあ走っていくか?」
傷なんかついたらタダでは済まされないし、ペーパードライバーだから無理だと。
それはダメだな。ちょっとでも傷つけてみろ。今後の俺の研究資料作り全部手伝わせてやる。
prrrr…prrrr
「もう!忙しいのに誰ですか!?もしもし!Sub棟佐久眞です!」
「あら、元気だね。久しぶり繕西です。」
「うぁあわ、お、おひさしぶりです!」
「駅のところでうちのSub拾ったんだけど、外出許可出てるか確かめてくれない?ケイ君と言うのだけれど」
「ケイくん!?ケイくんですか?そのまま捕まえてください!」
「おい、どうした?誰?」小さい声で話しかける。ついでに耳もそばだてて内容を聞こうとする。
(繕西先生です!)口をパクパクして必死に伝えてくる。なんだって?繕西先生が捕まえた?
はぁ、最悪だ。
「マジかよ…」
厄介に人物に捕まったなぁ。
佐久眞先生は何も知らないから単純に喜んでいるけど、ここでは一番のDom。
実力も権力も十分ある人は自分に厳しい。
そして部下にも当然厳しいし、きつく叱責するようなことはないからまだいいけど、 Domばっかの職場でトップを張っているんだから要求が高くなりがちで、格下の俺らはちょっとプレッシャーを感じる。
特に、ルールから逸脱することをよく思わないから、結果オーライなら良しとする俺とはあんまり合わない。
子供には優しい分こっちに皺寄せがくるし、今回は誰が怒られるかわからない。
可能性があるのはフリーで動いていた佐久眞先生かな笑
佐久眞先生には悪いけど、まだ新人だから多めに見てもらえるだろう。もし連帯責任とか言われてもペナルティ軽いやつならいいな。それなら気が楽だし。
迎えに行かないでよくなったと喜んでいる姿に少し憐れんだ。
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アルファポリス限定で連載中