能天気に暮らしていたかっただけなのに

soumenn655

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ある舞台俳優A曰く

5話

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「さて、お待たせ、ごめんね?」
あの後1度案内する為にという事で寮に来てもらうことに
バイクで来ていたらしく1回帰宅してから後で先生とタクシーで来る事に
正面玄関で待っていると、1台のタクシーが停車した
降りたヨウさんは寮を見上げると
「おぉ、立派な建物」


この寮は男女関係なく部屋が点在している
最初は階ごとに別れる予定だったが常駐してる人としてない人や、男女の数の違い等でぐちゃぐちゃになった事が過去あったらしく
この建物はくじ引きで部屋割りをするのが伝統のようになっているみたいだ
まぁ、その為かみんな仲良くなりやすい
案内してる間に会った人たちとも、軽く挨拶していたら
思いのほか時間が取られてしまっていた
「で、ヨウの部屋はここね、」
と今は説明しながら案内をしていたところだ
中には備え付けのベッドとタンスがひとつ、ラック付きのデスク全て明るめの木目調だ
それと、椅子がひとつあるだけのシンプルな部屋
ここに軽く自分の家から持ち込んだりするのが一連の流れだ
平均1、2ヶ月はここに居たりするから
意心地の良さを追求してしまう
まぁ、そのせいで汚く使ってしまって撤収する時にてんやわんやになってる人も居るぐらいだ


「浜崎くんの部屋は?」
「うぇ?!な、なんで」
俺の部屋もそんな綺麗な訳では無いから見せてと言われると困ってしまう
どう誤魔化すかっと悩んでいると
「だって、質問とかあるなら部屋に行った方が良いでしょ?」
「あ、そうですね」
客室みたいな所はあるけど、結構人の出入りあるから
そこで相談というか質問するのは気が引けるし、けど部屋汚いからこのまま案内するには……と悩んでいると
その前に支配人と話があるとの事で一旦別れることに
その間に俺は部屋の片付けを今までの人生の中で一番のスピードで終わらせる

「へぇ、家具とか揃ってるんだね、」
なんとか、ヨウさんと支配人が来る前に片付けを終わらせ
換気までできた
電話をしていた先生が合流するが
「ごめん、打ち合わせあるから私は帰るね~」
「丸投げかよ」
「ごめんね?」
そう言うと2人は軽く抱きしめあって
見つめ合い
「えへへ、あとよろしく」
「はぁ、良いよ代わりに今度遊びに行ってね?」
「うん!もちろん!!」
「ばいばーい」
とテンポよく会話をしながら
先生はタクシーに乗り込んで走り去っていった
ヨウさんが振り向いて
「さて、予定確認しようか?」

場所は変わってパーラールーム
まぁ、言ってしまえば少しお洒落な客室に移動していた
俺の部屋だと思ってたんだけど、支配人に2人きりは良くないんじゃない?と言われたからだ
とりあえずは、これからのおおよその予定を組む事に
「え、と僕は舞台中なんで基本今は稽古ばっかりです」
偶に雑誌のインタビューや打ち合わせ
それとプライベートの予定が入るぐらいだ…
「じゃあ、浜崎くんに合わせての方がいいかな?」
「いやいや、そんな
あれ、そういえばお仕事とかって聞いても?」
何してるんだろう?何だろうどこで働いても目立ちそうではあるけど、馴染みそうでもあるなぁ…
とコンビニやカフェ、ガソスタで働いてるのを想像してみる
「レンタルで働いてるよ」
「へぇ、遊びに行ってもいいですか?」
働いてるところも見てみたいし
久しぶりにネトフリとかじゃなくて、DVDとか借りてみようかなとも思ったからだ
「ん?いいよ?明日も仕事だし住所送るから連絡先教えて?」
「あ、はい」

登録していると
「ただ、変装しておいでね?」
「え?はい」
まぁ、外でバレるようになってきたからするつもりだけど
改めて言われると思わなかったなぁ…
「それで、今の所何聞きたい?」
「んーーーー」
何から聞けば良いのかっ
「んー、気楽に考えなよまた気になること出来たら連絡してくれてもいいだし
とりあえず今日は何が好きかとかでいいんじゃない?」
それなら、と俺の好きなスポーツの話等を話してたら夢中になってしまって時間が思いのほか経ってしまっていた


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