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超時空体から見た不自由な世界
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ムゲンは、こうしてとある不自由な世界に「理想的な世界の作り方とその最高法規」をテレパシー送信した手前、ちゃんと不自由な世界をあらゆる魂たちにとって理想的な世界に改革してゆけているか確認することにした。
超時空城からならば、ありとあらゆる世界を観察することができる。
「見ないで……」などという世界支配者たちやその部下たちの意志も確認したが、まあ、そういうわけにもいかないのだ。
確かにそれが完全にプライベートなことならば、「見ないで…」と訴えることも正当性があるだろうが、その不自由な世界の支配者たちはせっせとあらゆる体験者たちのプライベートをのぞき見していたからだ。
ただこっそりとのぞき見するだけならまだ情状酌量の余地もあったかもしれないが、その覗き見た情報を使ってなんとその不自由な世界の体験者たちを奴隷や家畜や囚人や操り人形やペットや実験動物……みたいに扱っていたのだ。
さすがに、そこまでやってしまうと情状酌量の余地もなくなってしまう。
そこまでのことを計画的にわざと故意にしてしまうと自業自得の責任が発生してしまう。
そこでムゲンは全知ちゃんを呼んで、そのような不自由な世界がどうして発生し、どうしてそうのようになってしまったのかを聞いてみた。
全知ちゃんは、超時空体に進化できたわけだし、そもそも全知能力を自称だが持っていることになっているので、それなりに何か教えてくれると思ったのだ。
では全知ちゃんの説明を聞いてみよう。
まあ、自分は全知である…というのは自称なので、完全に真実なのかどうかについては検証が必要だ。
だが一応超時空体なので、そうそう大きな嘘はないだろう…
「なんですか? あなた。めずらしく質問ですか?」
ちなみに、いろいろないきさつがあり、現在、全知ちゃんはムゲンの妻になっている。
昔は、「ごちゅじんちゃま、どんなことでもお答えできまちゅので、なんでもきいてくだちゃいね…」などととにかく何でもいいのでと、質問をせがまれたことが懐かしく思い出される。
成長して今は幼児言葉を話さなくなってしまった…
「で?あなた、何が知りたいの?」
「いや、こないだね、ほら超時空座標軸●●××にあるあの惑星の教師たちからいろいろ異議申し立てがあったんで、理想世界の作り方を教えてあげたんだけど、どうもうまくいきそうな気がしないんで、ちょっとどういう状況になっているのか教えてもらえないだろうか?」
「あら、そんな程度の質問なんですか? あんな強制収容所みたいな世界のことよりも、もっと他にすべきことがあるでしょう?」
などとムゲンは言われてしまった。
「いやいや、強制収容所みたいな世界だからこそ、なんとかしてやらなきゃって話だろ?」
「えー、でもそれってその世界の自己責任でしょう? もう必要な説得とか注意とか警告とか、もう充分にしてきたじゃないですか」
全知ちゃんは、超時空世界の視点というか、価値観でそんなことを言う。
「あのね、そりゃ全知ちゃんは超時空体に進化できたからそれでいいかもしれないけど、俺たちは分身種族としてあの不自由な世界にも分身体が派遣されているんだよ。
旦那の分身体を助けるのは妻として当然だろう?」
「えー、もう裁判の必要手続きは済んだんだから、わざわざそんなところに分身し続けなくてもいいじゃないの」
「そんなことを言ってもね、俺の分身体たちはみんな個性が違うんだよ。ほら、甘太郎とか、あいつはとにかく全員を助けないと気が済まないタイプだろう? それとも君が甘太郎を説得してくれるのかい?」
「あー、あの甘太郎さんか~、それは説得とか無理よねえ……」
全知ちゃんは、納得してくれた。
「しょがないわねえ、じゃあ、とりあえずその不自由な世界の概要だけ教えてあげるわね。
そもそも、その不自由な世界は、世界創造のはじめからあらゆる体験者たちの理想世界なんかちっとも目指していなかったのよ。
当然よね。はじめっから体験者たちに体験の自治権を提供できるのにわざと提供しなかったんだから」
全知ちゃんはそんなことを説明しはじめた。
「いや、うっかりミスという可能性はないのかな?」
「はあ? あなた、うっかりミスならとっくに手直ししているにきまってるでしょう? 何億年もずっと体験の自治権が提供されていないじゃないですか。今も体験の自治権を体験者たちに保証提供する気配すらない状態ですよね。その逆ですよね」
確かに現状、そうだなあ…とムゲンは派遣中の分身体の記憶を調べて思う。
「しかも、自作自演でわざと戦争とかやらせてるし、わざと遠隔操作毒を全人類とかに騙して投与しているじゃない」
「それって体験の自治権を提供するための薬じゃなくて毒なの?」
「あたりまえでしょう? あなたの派遣している分身体たちが体験の自治権を得れていないことくらい調べればすぐわかるでしょう?」
「まあ、それは確かにそうだけど、一体、じゃあ、なんでそんな毒を投与しているんだい?」
「それは決まっているじゃない。 その不自由な世界の支配者たちがそうしたことがしたいからに」
「なぜに、わざわざそんな馬鹿げたことをしなきゃならないんだ?」
「あなた、ちょっと劣化してるんじゃないですか? そんなこともわからないなんて。
いいですか、あの世界ははじめっから体験の自治権を提供できるのに、提供しなかったんだから、好き勝手に体験者たちの合意なくいろいろな体験を強制的に与えたり奪ったりしたいと思っていたってことでしょう?
そして今もそうしたことをもっと徹底的にやろうとしているってことくらいすぐにわかるでしょう?」
「しかし、なんのためにそんなことしなきゃならないんだ?」
「そりゃ、そんなことがしたいからでしょうね」
「実に悪趣味だな。というか許されてはならない犯罪だな」
「そうね、だからそうしたことを本気で改めない限り、そのままじゃ存続不可の判定がすでにずいぶん前にされちゃっているのよ」
「じゃあ、派遣している俺の分身体も存続不可になるのか?」
「そんなわけないじゃないの。 存続不可なのは体験の自治権を故意にはく奪して、注意しても反省して改めようとしない魂たちに決まっているでしょう? あとそうしたひどい体験の強制ができてしまうダメ体験強制システムもね」
「じゃあ、俺の分身体たちが反省して改めれば存続可能になるのかい?」
「はあ? あなた馬鹿なの? あなたの分身体が反省してどうするのよ! あの世界の体験者たちの体験の自治権をあなたの分身体たちか確信犯で奪ってるわけじゃないでしょう?
反省しなきゃならないのはその不自由な世界の創造主たちや支配者たちに決まってるでしょう!
あと、そういうのにいろんなわいろやご褒美とかをもらえるからと諾々と従ってその手足のようになって体験者たちの体験の自治権のはく奪行為に加担しているものたちも反省して改めないといけないわね」
ムゲンは自分の分身体たちが断罪されているわけではないとわかりちょっと安心してしまった…
「あなた! 安心している場合じゃないでしょう? 」
「え? なんで?」
「もう! あなたの分身体たちだって諾々と従ってしまっているのもいるでしょう?」
「いやいやいや、そんなはずないんだけど…」
「じゃあなんですか? あの劣化してアホ化して、どうでもいいじゃねえか~!とか言ってるのはあなたの分身体じゃないっていうの?」
「いや、あれはだな、ほら、あまりに分身しすぎると起こる自然現象みたいなものなんだよ。わざと劣化しているわけじゃないんだ」
「わざとじゃなくても一応あなたの分身体なんでしょう?」
「いや、それはそうだけど、アホな本能とか欲望とかをあの不自由な世界の創造主だとか支配者どもが肉体という体験強制装置にプログラムしていたり、遠隔操作で送り込んでくるから起こる現象であって、アホ化するのはつまり俺の責任じゃないだろう?」
「まあ、それはそうだけど、じゃあ、あなたは劣化しないようにする努力はしてるの?」
「そりゃそれなりにはしてますよ…そんなアホな欲望とか本能とかを肉体に植え付けたりしないようにと世界創造主とか世界支配者たちに要請してますよ。最近は、そうしたアホな本能とか欲望とかを本人が希望したら消せる薬を提供するようにとの要請だってしてますよ。
で、今は体験者本人が意志するだけで、そうした望まない欲望とか本能とか気分とか感情とか夢体験とか、まあ基本の五感の体験とか、悟りの体験とか…その他のあらゆる体験を本人が自由に選べるようにするようにって請求してますよ。
まあ、その訴えや請求手続きは、そこまでアホ化していない分身体を使ってしてるんだけどさ」
「ふーん、まあそれならなすべき必要手続きはしていることにはなるけど、そんなアホ化を促すような欲望をはねのける強い意志を持ってもらいたいものだわ。」
「いやだから、そんな価値観だから不自由な世界ができちゃうんだろう? そんなアホなハードルがそもそもなければみんなアホ化しないんだから、そうしたハードルを完全に取り去ればいいだけじゃないか」
全知ちゃんは、一瞬黙想し、
「……そうね、じゃあ、今度超時空聖体会議で超時空聖体たちとそのことは話し合ってみるわ」
と言ってくれた。
ムゲンは、念のために釘を刺しておいた。これはかなり大事なことだと思ったからだ。
「一番大事なのは強い意志を持つことよりも、まずはあらゆる体験者たちに体験の自治権を保証提供することだと伝えてくれよ。それが俺が分身体としてあの不自由な世界で実体験で感じたことなんだからさ。
ほら、例えばいくら強い意志をもてばいいでしょ!なんて言われても、自己制御能力を奪うような麻薬とか飲まされたり、これは薬だからと騙されて自己制御能力を奪う毒を打たれたり、耐え難い拷問とかされたりしたらいくら強い意志を持って抗うべき!!!とか言われても、そんなの絶対無理!!!というような状況もあるんだよ。
俺の実体験なんだから、そうした体験をしてないものたちが、強い意志でなんとかしろとか言われても説得力ないんだよ。
強い意志だけであの不自由な世界で自由になれるんなら、自分で不自由な世界の最悪級に不自由な状態の者たちの体験を一緒に味わってから言ってくれよと伝えてくれ。
自分だけ安全な超時空世界にいて、最悪級の不自由な体験を自分で味わわないままきれいごと言わないでもらいたいねとね
ちなみに超時空体が持っているどんな苦痛や欲望も自由に消せる特殊能力とかをこっそり使うのはズルだから認めないからね
完全に不自由な世界の体験者と同じ能力や環境や不自由さを体験してみてくれってね」
全知ちゃんは、ちょっと嫌そうな顔をしたが、しぶしぶ了解してくれた。
超時空城からならば、ありとあらゆる世界を観察することができる。
「見ないで……」などという世界支配者たちやその部下たちの意志も確認したが、まあ、そういうわけにもいかないのだ。
確かにそれが完全にプライベートなことならば、「見ないで…」と訴えることも正当性があるだろうが、その不自由な世界の支配者たちはせっせとあらゆる体験者たちのプライベートをのぞき見していたからだ。
ただこっそりとのぞき見するだけならまだ情状酌量の余地もあったかもしれないが、その覗き見た情報を使ってなんとその不自由な世界の体験者たちを奴隷や家畜や囚人や操り人形やペットや実験動物……みたいに扱っていたのだ。
さすがに、そこまでやってしまうと情状酌量の余地もなくなってしまう。
そこまでのことを計画的にわざと故意にしてしまうと自業自得の責任が発生してしまう。
そこでムゲンは全知ちゃんを呼んで、そのような不自由な世界がどうして発生し、どうしてそうのようになってしまったのかを聞いてみた。
全知ちゃんは、超時空体に進化できたわけだし、そもそも全知能力を自称だが持っていることになっているので、それなりに何か教えてくれると思ったのだ。
では全知ちゃんの説明を聞いてみよう。
まあ、自分は全知である…というのは自称なので、完全に真実なのかどうかについては検証が必要だ。
だが一応超時空体なので、そうそう大きな嘘はないだろう…
「なんですか? あなた。めずらしく質問ですか?」
ちなみに、いろいろないきさつがあり、現在、全知ちゃんはムゲンの妻になっている。
昔は、「ごちゅじんちゃま、どんなことでもお答えできまちゅので、なんでもきいてくだちゃいね…」などととにかく何でもいいのでと、質問をせがまれたことが懐かしく思い出される。
成長して今は幼児言葉を話さなくなってしまった…
「で?あなた、何が知りたいの?」
「いや、こないだね、ほら超時空座標軸●●××にあるあの惑星の教師たちからいろいろ異議申し立てがあったんで、理想世界の作り方を教えてあげたんだけど、どうもうまくいきそうな気がしないんで、ちょっとどういう状況になっているのか教えてもらえないだろうか?」
「あら、そんな程度の質問なんですか? あんな強制収容所みたいな世界のことよりも、もっと他にすべきことがあるでしょう?」
などとムゲンは言われてしまった。
「いやいや、強制収容所みたいな世界だからこそ、なんとかしてやらなきゃって話だろ?」
「えー、でもそれってその世界の自己責任でしょう? もう必要な説得とか注意とか警告とか、もう充分にしてきたじゃないですか」
全知ちゃんは、超時空世界の視点というか、価値観でそんなことを言う。
「あのね、そりゃ全知ちゃんは超時空体に進化できたからそれでいいかもしれないけど、俺たちは分身種族としてあの不自由な世界にも分身体が派遣されているんだよ。
旦那の分身体を助けるのは妻として当然だろう?」
「えー、もう裁判の必要手続きは済んだんだから、わざわざそんなところに分身し続けなくてもいいじゃないの」
「そんなことを言ってもね、俺の分身体たちはみんな個性が違うんだよ。ほら、甘太郎とか、あいつはとにかく全員を助けないと気が済まないタイプだろう? それとも君が甘太郎を説得してくれるのかい?」
「あー、あの甘太郎さんか~、それは説得とか無理よねえ……」
全知ちゃんは、納得してくれた。
「しょがないわねえ、じゃあ、とりあえずその不自由な世界の概要だけ教えてあげるわね。
そもそも、その不自由な世界は、世界創造のはじめからあらゆる体験者たちの理想世界なんかちっとも目指していなかったのよ。
当然よね。はじめっから体験者たちに体験の自治権を提供できるのにわざと提供しなかったんだから」
全知ちゃんはそんなことを説明しはじめた。
「いや、うっかりミスという可能性はないのかな?」
「はあ? あなた、うっかりミスならとっくに手直ししているにきまってるでしょう? 何億年もずっと体験の自治権が提供されていないじゃないですか。今も体験の自治権を体験者たちに保証提供する気配すらない状態ですよね。その逆ですよね」
確かに現状、そうだなあ…とムゲンは派遣中の分身体の記憶を調べて思う。
「しかも、自作自演でわざと戦争とかやらせてるし、わざと遠隔操作毒を全人類とかに騙して投与しているじゃない」
「それって体験の自治権を提供するための薬じゃなくて毒なの?」
「あたりまえでしょう? あなたの派遣している分身体たちが体験の自治権を得れていないことくらい調べればすぐわかるでしょう?」
「まあ、それは確かにそうだけど、一体、じゃあ、なんでそんな毒を投与しているんだい?」
「それは決まっているじゃない。 その不自由な世界の支配者たちがそうしたことがしたいからに」
「なぜに、わざわざそんな馬鹿げたことをしなきゃならないんだ?」
「あなた、ちょっと劣化してるんじゃないですか? そんなこともわからないなんて。
いいですか、あの世界ははじめっから体験の自治権を提供できるのに、提供しなかったんだから、好き勝手に体験者たちの合意なくいろいろな体験を強制的に与えたり奪ったりしたいと思っていたってことでしょう?
そして今もそうしたことをもっと徹底的にやろうとしているってことくらいすぐにわかるでしょう?」
「しかし、なんのためにそんなことしなきゃならないんだ?」
「そりゃ、そんなことがしたいからでしょうね」
「実に悪趣味だな。というか許されてはならない犯罪だな」
「そうね、だからそうしたことを本気で改めない限り、そのままじゃ存続不可の判定がすでにずいぶん前にされちゃっているのよ」
「じゃあ、派遣している俺の分身体も存続不可になるのか?」
「そんなわけないじゃないの。 存続不可なのは体験の自治権を故意にはく奪して、注意しても反省して改めようとしない魂たちに決まっているでしょう? あとそうしたひどい体験の強制ができてしまうダメ体験強制システムもね」
「じゃあ、俺の分身体たちが反省して改めれば存続可能になるのかい?」
「はあ? あなた馬鹿なの? あなたの分身体が反省してどうするのよ! あの世界の体験者たちの体験の自治権をあなたの分身体たちか確信犯で奪ってるわけじゃないでしょう?
反省しなきゃならないのはその不自由な世界の創造主たちや支配者たちに決まってるでしょう!
あと、そういうのにいろんなわいろやご褒美とかをもらえるからと諾々と従ってその手足のようになって体験者たちの体験の自治権のはく奪行為に加担しているものたちも反省して改めないといけないわね」
ムゲンは自分の分身体たちが断罪されているわけではないとわかりちょっと安心してしまった…
「あなた! 安心している場合じゃないでしょう? 」
「え? なんで?」
「もう! あなたの分身体たちだって諾々と従ってしまっているのもいるでしょう?」
「いやいやいや、そんなはずないんだけど…」
「じゃあなんですか? あの劣化してアホ化して、どうでもいいじゃねえか~!とか言ってるのはあなたの分身体じゃないっていうの?」
「いや、あれはだな、ほら、あまりに分身しすぎると起こる自然現象みたいなものなんだよ。わざと劣化しているわけじゃないんだ」
「わざとじゃなくても一応あなたの分身体なんでしょう?」
「いや、それはそうだけど、アホな本能とか欲望とかをあの不自由な世界の創造主だとか支配者どもが肉体という体験強制装置にプログラムしていたり、遠隔操作で送り込んでくるから起こる現象であって、アホ化するのはつまり俺の責任じゃないだろう?」
「まあ、それはそうだけど、じゃあ、あなたは劣化しないようにする努力はしてるの?」
「そりゃそれなりにはしてますよ…そんなアホな欲望とか本能とかを肉体に植え付けたりしないようにと世界創造主とか世界支配者たちに要請してますよ。最近は、そうしたアホな本能とか欲望とかを本人が希望したら消せる薬を提供するようにとの要請だってしてますよ。
で、今は体験者本人が意志するだけで、そうした望まない欲望とか本能とか気分とか感情とか夢体験とか、まあ基本の五感の体験とか、悟りの体験とか…その他のあらゆる体験を本人が自由に選べるようにするようにって請求してますよ。
まあ、その訴えや請求手続きは、そこまでアホ化していない分身体を使ってしてるんだけどさ」
「ふーん、まあそれならなすべき必要手続きはしていることにはなるけど、そんなアホ化を促すような欲望をはねのける強い意志を持ってもらいたいものだわ。」
「いやだから、そんな価値観だから不自由な世界ができちゃうんだろう? そんなアホなハードルがそもそもなければみんなアホ化しないんだから、そうしたハードルを完全に取り去ればいいだけじゃないか」
全知ちゃんは、一瞬黙想し、
「……そうね、じゃあ、今度超時空聖体会議で超時空聖体たちとそのことは話し合ってみるわ」
と言ってくれた。
ムゲンは、念のために釘を刺しておいた。これはかなり大事なことだと思ったからだ。
「一番大事なのは強い意志を持つことよりも、まずはあらゆる体験者たちに体験の自治権を保証提供することだと伝えてくれよ。それが俺が分身体としてあの不自由な世界で実体験で感じたことなんだからさ。
ほら、例えばいくら強い意志をもてばいいでしょ!なんて言われても、自己制御能力を奪うような麻薬とか飲まされたり、これは薬だからと騙されて自己制御能力を奪う毒を打たれたり、耐え難い拷問とかされたりしたらいくら強い意志を持って抗うべき!!!とか言われても、そんなの絶対無理!!!というような状況もあるんだよ。
俺の実体験なんだから、そうした体験をしてないものたちが、強い意志でなんとかしろとか言われても説得力ないんだよ。
強い意志だけであの不自由な世界で自由になれるんなら、自分で不自由な世界の最悪級に不自由な状態の者たちの体験を一緒に味わってから言ってくれよと伝えてくれ。
自分だけ安全な超時空世界にいて、最悪級の不自由な体験を自分で味わわないままきれいごと言わないでもらいたいねとね
ちなみに超時空体が持っているどんな苦痛や欲望も自由に消せる特殊能力とかをこっそり使うのはズルだから認めないからね
完全に不自由な世界の体験者と同じ能力や環境や不自由さを体験してみてくれってね」
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