理想世界の創り方

無限キャラ

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幸せ体験を自由に選べる世界への進化

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また別の不自由な世界では、「幸せ」というものを皆が求めていた。


超時空城の面々は、その「幸せ」という体験を調べてみた。


幸せという体験には、実にいろいろな体験が混じっていたが、そのほとんどの体験が自分の意志だけで自由自在に得れるものではなく、他者や世界支配者や神やご先祖様や恋人や環境……などから与えてもらわねばならないような体験だった。


そのため幸せ体験をDIYで自作できるかというと、かなり難易度が高かった。というか、ちょっと一人でがんばっても自作できないタイプの幸せの方が多かった。

しかし、体験者たちの多くはそうした幸せ体験を、せっせと求め続けていた。


なぜそうなっているのかと調べると、そうした幸せ体験への渇望感や飢えが無理やり与えられていたことがわかった。


食べ物を長時間食べれないと飢餓感という体験が生じるように…幸福という体験を渇望するように体験者たちの体験装置にプログラムされてしまっていた。


何のためにそんな仕組みが存在しているのか……超時空城の学者たちは、調べ始めた。


すると、どうやらわざとそうした渇望感が生じるようにしてあることがわかった。


その理由は、どうやら幸せという飴体験を使って、幸せを提供できる者たちが、幸せを得れない体験者たちを操る目的であることがわかった。


その結果、その不自由な世界にいる体験者の多くが、スタンドアロンでは幸せを求めても得られないという状態になって苦しんでしまっていた。


幸せ体験を味わうことが自分の意志だけで自由にできなくされていたのだ。


超時空城の面々たちは、なぜ、そんな不自由な状態にわざと置かれているのに不自由な世界の体験者たちは怒らないのだろうかと疑問に思った。

体験の自治権だけでなく、平和的な自治権すらも望んでも得られない状態だというのに、そうした状態を不当だと強く主張する者がほとんどいなかったからだ。


皆、国家とか、経済システムとか、会社とか、宗教とか……そういう仕組みのネジや歯車のようにされていた。
そして、そうした仕組みに組み込まれた方が幸せになれる……と多くの体験者たちが思い込まされていた。


それは飼い主がペットに餌を与えて手なづけているような感じだった。


ペットたちは、自分の欲しい食べ物を自力で手に入れることができなくされていた。


超時空城の面々は、その状態を見るに見かねて、ペットや体験者たちが皆、自分の意志だけで自分が欲しい幸せ体験を味わえるようにしてやった。


すると、


「せっかく幸せという飴と不幸せという鞭で体験者たちをコントロールして荷馬車を走らせているのに、邪魔しないでもらいたい!」


などと文句を言いだす者がいた。


営業妨害だというのだ。


超時空城は、何の営業の妨害になるのかと問うた。


すると、


「我々の世界支配の妨害になるのだ!!!」などと怒鳴られた。


超時空城は、呆れてしまった……


そして質問する。


「あなたがたがそういう理由で営業妨害と主張するなら、私たちも同じ主張をしてもいいでしょうか?」


すると、


「はあ? そんな主張を認めるわけがないだろうが!」


などと逆切れされてしまった……


哀れ超時空城……怒鳴られてしまった……


仕方なしに超時空城は、超時空反射板で防衛した。


それは鏡のような性質があり、相手から発するすべてをそのままお返しする。


自業自得学園の内壁はこの材質でできているらしい。


超時空反射板は、


「営業妨害するな!」と返す。


すると、


「お前が営業妨害なんだよ! 去れ! 死ね! 消えろ!」


とまた逆切れする。


超時空反射板は、それをそのまま反射して、


「お前が営業妨害なんだよ! 去れ! 死ね! 消えろ!」と応じる。


そんな感じで、どんどんと過激なやりとりになっていった…


しまいには、とうとう相手が暴力を行使してきた……


当然、反射板さんは、それをそのまま反射する。


しばらく鈍い音が続いたかと思うと静かになった……


こうして……その者が持っていた幸せ体験や不幸せ体験を好き勝手に与えれる装置を超時空城は回収した。


そしてその装置を各々の体験者の意志の中に組み込んだ。
ただし、その装置の作用する対象は、体験者本人だけに作用するように改造されていた。


その結果、幸せ体験をあらゆる体験者が自分の意志だけで自由に選べるようになった。


このようにして不自由な世界が自由な世界に進化した例もあった。

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