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甘太郎たちの世界改革が失敗した理由
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その頃、また別の不自由な世界では、
皆で助け合って皆で幸せになろう!との方針が取られていた。
甘太郎などは大喜びでその世界に参加していた。
甘太郎一族はそうした方針が大好きなのだ。
とにかく全員を救おうとする。みんな幸せにしたい! それは実に素晴らしい意志ではあった。
しかし、はじめはうまくいくかのように見えたそのアプローチが岩礁に乗り上げた。
なぜなのか?
甘太郎たちは、いぶかしむ……この進化方法で間違いはないはずなのだ……そう思っていた。
超時空城は、その一部始終を超時空体たちの視点からつぶさに観察していた。
そこでは次のような状況が発生していた。
まず、甘太郎たちががんばった……右に不幸せな者がいれば、右に行って助け、左に泣いている者がいれば、左に行って慰め、
冬山で遭難した者がいれば、重いザックを背負ってかけつけて助け、洞窟探検隊が遭難すると地下に潜って助け…宇宙で宇宙船が故障したと聞くと、宇宙飛行士試験を受けたが間に合わず……まあ、とにかく甘太郎たちは、とてもとてもがんばったのだ……
その結果、甘太郎一族は、大いに皆に慕われることになった。それは良いことだった。
何も問題ない……みんなどんどん幸せになってゆく……甘太郎たちもそれが生きがいとなって幸せになってゆく……問題ない……
しかし、次第に妙な状況が出現し始めた。
時が経過すればするほどに、甘太郎に甘えて依存する体験者が増え始めたのだ。
甘太郎依存症候群と名付けられた現象が体験者たちに発生しはじめた。
それが少数のうちはまだよかった。
しかし、次第に増えてきて、とうとう甘太郎一族の倍となり、三倍となり、とうとう10倍くらいに増えてしまったのだ。
甘太郎は甘いので、自立せよなどと厳しいことは言えない。
すべて自分が背負おうとしてしまう。
その結果、とうとう山岳救助に向かった途中で甘太郎自身が遭難してしまった……
疲労こんばいして、動けなくなってしまったのだ。
幸い、甘太郎救助隊が編成され、甘太郎は無事救出できた。
しかし、甘太郎が救助しようとしていた山岳遭難した者たちは、救助できなかった。
甘太郎の嘆いたこと、嘆いたこと……大泣きして自分のせいだと自責の念でもだえ苦しむことになってしまった……
その甘太郎の嘆く姿を見て、周りにいた者たちも非常に胸を痛めていた。
えぐえぐと泣きぬれる甘太郎とその仲間たち……
その光景を観察していた超時空城の面々は、複雑な思いだった。
甘太郎はよくがんばった……表彰したいくらいだ……しかし、このやり方でみんな幸せになったのかというと複雑な思いが残る。
おそらくすべての体験者が甘太郎一族だけの世界であれば、あるいはうまくいったのかもしれない。
みんなが甘太郎くらい純粋にがんばれば……みんな幸せになったのかもしれない。
だが、そこは不自由な世界だった……お花畑の自由な世界ではなかったのだ。
当然、甘太郎のような純粋な気持ちを持てる体験者は、多数派ではなかった。
そうした良き意志を持つ体験者が多数派ならば、そもそもその世界は、不自由な世界とは呼ばれていなかっただろう。
戦争、紛争、いじめ、差別、迫害、貧困、暴力……そうした現象が発生し続けている不自由な世界は、みんなでみんなの幸せを目指そうと呼びかけて、みんながすぐにそうした気持ちになれない世界だったのだ。
特に、その不自由な世界のボスたちに問題があった。
超時空城は一部始終を観察していた。
なぜ、甘太郎依存症候群という現象が発生したのか……その背後には、ボスの策略があったのだ。
その不自由な世界のボスは、密かに遠隔精神操作能力を使い…わざと自立心がない体験者を生み出し続けたのだ。
心身に問題が発生するようにわざと体験者たちに毒を盛って病気にし、さらに利己的な自分の操り人形を鼠算式に増やし……自分自身もいろいろな姿に変身して……全面的に甘太郎に故意に依存したのだ。
不自由な世界のボスに、こっそりと計画的にそんなことをされたのでは、いくら甘太郎たちが純粋な思いでがんばっても、うまくゆくわけがなかった……
そして甘太郎たちが疲れ果て……その心が折れた時を見計らって、ボスは自分が世界を統治すればうまくゆくようになる……と演説し、今度は、増やし続けていた自分の操り人形たちを使って多数決制度を利用して権力者の地位に返り咲いたのだ。
そして、しばらくすると、ボスは昔のように自分と自分の部下と自分の操り人形以外を、差別したり迫害しはじめたのだ。
そしてついには、甘太郎たちまで自分の奴隷や操り人形にしようとしたのだ。
こうして甘太郎の頑張り空しく、元の木阿弥になってしまった……
ああ、甘太郎……超時空城の面々は涙した……
これはあまりにもひどい……
このような不条理なことがあっていいものか……と憤る者もいた。
正直者が馬鹿を見る…とは、まさにこのことだ……と嘆く者もいた。
超時空城の観察者は、メモに教訓を書いていた。
※確信犯の悪党は、しっかり見分けて、甘く対応してはならない
※確信犯の悪党たちの幸せを馬鹿正直に願うことには問題がある。
※確信犯の悪党本人でなくとも、悪党に操られている体験者たちの幸せを馬鹿正直に願うことにも問題がある。
結論:やはり「みんなの幸せをみんなで目指す…」などという漠然とした目標設定ではなく、
<あらゆる体験者が自分の意志だけで自分自身のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる世界、状態を実現する>
という明確な目標設定が必要だと思われる。
そもそも幸せという体験状態がどうすれば確実に発生するのかということがわからない状態ではみんなの幸せを目指すことが困難である。
悪党ボスに従わねば幸せになれない……などの設定がなされている場合も問題である。
体験者ごとに幸せの定義が違うとまたややこしくなる。
恋愛関係などの他者依存の幸せ体験などは、相互束縛を生み出してしまうという問題がある。
自由と愛が両立せずに体験者が苦しむ現象なども発生する。
こうした諸問題は、あらゆる体験者が自分の意志だけで自分自身のあらゆる体験を自由に選び楽しめるようにできれば、一網打尽に解決する。
よって、このスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎をまず築き、その基礎の上に体験者同士の心からの合意の上の相互関係から生じる幸せ体験をオプションで選択肢として設定することが良いと思われる。
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
不自由な世界の悪党たちもスタンドアロンで必要十分に満足できる状態なら悪事などしなかったと予測される。
よって、不自由な世界群には、まずはこの基礎が必要だ……
などとメモされていた。
皆で助け合って皆で幸せになろう!との方針が取られていた。
甘太郎などは大喜びでその世界に参加していた。
甘太郎一族はそうした方針が大好きなのだ。
とにかく全員を救おうとする。みんな幸せにしたい! それは実に素晴らしい意志ではあった。
しかし、はじめはうまくいくかのように見えたそのアプローチが岩礁に乗り上げた。
なぜなのか?
甘太郎たちは、いぶかしむ……この進化方法で間違いはないはずなのだ……そう思っていた。
超時空城は、その一部始終を超時空体たちの視点からつぶさに観察していた。
そこでは次のような状況が発生していた。
まず、甘太郎たちががんばった……右に不幸せな者がいれば、右に行って助け、左に泣いている者がいれば、左に行って慰め、
冬山で遭難した者がいれば、重いザックを背負ってかけつけて助け、洞窟探検隊が遭難すると地下に潜って助け…宇宙で宇宙船が故障したと聞くと、宇宙飛行士試験を受けたが間に合わず……まあ、とにかく甘太郎たちは、とてもとてもがんばったのだ……
その結果、甘太郎一族は、大いに皆に慕われることになった。それは良いことだった。
何も問題ない……みんなどんどん幸せになってゆく……甘太郎たちもそれが生きがいとなって幸せになってゆく……問題ない……
しかし、次第に妙な状況が出現し始めた。
時が経過すればするほどに、甘太郎に甘えて依存する体験者が増え始めたのだ。
甘太郎依存症候群と名付けられた現象が体験者たちに発生しはじめた。
それが少数のうちはまだよかった。
しかし、次第に増えてきて、とうとう甘太郎一族の倍となり、三倍となり、とうとう10倍くらいに増えてしまったのだ。
甘太郎は甘いので、自立せよなどと厳しいことは言えない。
すべて自分が背負おうとしてしまう。
その結果、とうとう山岳救助に向かった途中で甘太郎自身が遭難してしまった……
疲労こんばいして、動けなくなってしまったのだ。
幸い、甘太郎救助隊が編成され、甘太郎は無事救出できた。
しかし、甘太郎が救助しようとしていた山岳遭難した者たちは、救助できなかった。
甘太郎の嘆いたこと、嘆いたこと……大泣きして自分のせいだと自責の念でもだえ苦しむことになってしまった……
その甘太郎の嘆く姿を見て、周りにいた者たちも非常に胸を痛めていた。
えぐえぐと泣きぬれる甘太郎とその仲間たち……
その光景を観察していた超時空城の面々は、複雑な思いだった。
甘太郎はよくがんばった……表彰したいくらいだ……しかし、このやり方でみんな幸せになったのかというと複雑な思いが残る。
おそらくすべての体験者が甘太郎一族だけの世界であれば、あるいはうまくいったのかもしれない。
みんなが甘太郎くらい純粋にがんばれば……みんな幸せになったのかもしれない。
だが、そこは不自由な世界だった……お花畑の自由な世界ではなかったのだ。
当然、甘太郎のような純粋な気持ちを持てる体験者は、多数派ではなかった。
そうした良き意志を持つ体験者が多数派ならば、そもそもその世界は、不自由な世界とは呼ばれていなかっただろう。
戦争、紛争、いじめ、差別、迫害、貧困、暴力……そうした現象が発生し続けている不自由な世界は、みんなでみんなの幸せを目指そうと呼びかけて、みんながすぐにそうした気持ちになれない世界だったのだ。
特に、その不自由な世界のボスたちに問題があった。
超時空城は一部始終を観察していた。
なぜ、甘太郎依存症候群という現象が発生したのか……その背後には、ボスの策略があったのだ。
その不自由な世界のボスは、密かに遠隔精神操作能力を使い…わざと自立心がない体験者を生み出し続けたのだ。
心身に問題が発生するようにわざと体験者たちに毒を盛って病気にし、さらに利己的な自分の操り人形を鼠算式に増やし……自分自身もいろいろな姿に変身して……全面的に甘太郎に故意に依存したのだ。
不自由な世界のボスに、こっそりと計画的にそんなことをされたのでは、いくら甘太郎たちが純粋な思いでがんばっても、うまくゆくわけがなかった……
そして甘太郎たちが疲れ果て……その心が折れた時を見計らって、ボスは自分が世界を統治すればうまくゆくようになる……と演説し、今度は、増やし続けていた自分の操り人形たちを使って多数決制度を利用して権力者の地位に返り咲いたのだ。
そして、しばらくすると、ボスは昔のように自分と自分の部下と自分の操り人形以外を、差別したり迫害しはじめたのだ。
そしてついには、甘太郎たちまで自分の奴隷や操り人形にしようとしたのだ。
こうして甘太郎の頑張り空しく、元の木阿弥になってしまった……
ああ、甘太郎……超時空城の面々は涙した……
これはあまりにもひどい……
このような不条理なことがあっていいものか……と憤る者もいた。
正直者が馬鹿を見る…とは、まさにこのことだ……と嘆く者もいた。
超時空城の観察者は、メモに教訓を書いていた。
※確信犯の悪党は、しっかり見分けて、甘く対応してはならない
※確信犯の悪党たちの幸せを馬鹿正直に願うことには問題がある。
※確信犯の悪党本人でなくとも、悪党に操られている体験者たちの幸せを馬鹿正直に願うことにも問題がある。
結論:やはり「みんなの幸せをみんなで目指す…」などという漠然とした目標設定ではなく、
<あらゆる体験者が自分の意志だけで自分自身のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる世界、状態を実現する>
という明確な目標設定が必要だと思われる。
そもそも幸せという体験状態がどうすれば確実に発生するのかということがわからない状態ではみんなの幸せを目指すことが困難である。
悪党ボスに従わねば幸せになれない……などの設定がなされている場合も問題である。
体験者ごとに幸せの定義が違うとまたややこしくなる。
恋愛関係などの他者依存の幸せ体験などは、相互束縛を生み出してしまうという問題がある。
自由と愛が両立せずに体験者が苦しむ現象なども発生する。
こうした諸問題は、あらゆる体験者が自分の意志だけで自分自身のあらゆる体験を自由に選び楽しめるようにできれば、一網打尽に解決する。
よって、このスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎をまず築き、その基礎の上に体験者同士の心からの合意の上の相互関係から生じる幸せ体験をオプションで選択肢として設定することが良いと思われる。
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
誰もがスタンドアロンで必要十分に満足できる状態という基礎
不自由な世界の悪党たちもスタンドアロンで必要十分に満足できる状態なら悪事などしなかったと予測される。
よって、不自由な世界群には、まずはこの基礎が必要だ……
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