理想世界の創り方

無限キャラ

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魂のお勉強を自由に選べる新世界

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とうとう超時空世界は、魂にはお勉強の強制が必要だという価値観を自らの意志で捨てた。


甘太郎が強引にねじ込んだわけではなく、超時空体たちは自らの意志でそれを選択した。


そうでなければならない……と超時空体たちは理解していた。


自らの良き未来を選ぶには、その選択は自発的な選択でなければならなかった。


誰かに強制されて良いことを選択したとしても、誰かに強制されて悪いことを選択したとしても、それでは自分たちの未来を自分たちで選択したことにはならないからだ。


他者に無理やり強制されてなした選択や行為の果報や罰や責任は、強制した者たちに生じるからだ。


何もわかっていない自由意志での選択がほとんどまったくできないような赤ん坊の手をつかんで、力づくで無理やり大量破壊兵器の起爆ボタンをその赤ん坊の手で押させても、その自業自得の責任は、当然、無理やり赤ん坊の腕を力づくでそのように動かした者に発生する。

そのような場合、自由意志や知性をほとんど持っていないような赤ん坊には、そのような行為をしようとする意志が全くないのでその自業自得の責任が問われることはない。

自業自得の果報であれ、責任であれ、それらが生じるのはあくまで故意に意図して為した選択に対してだけである。

超時空世界には、そのような理解が存在していた。


だから、超時空体たちは、自らのその自由意志で「魂にはお勉強の強制が必要である」という価値観を意識的に捨てた。


それは、超時空体たちが、自分たちがよりよい未来を手にするためにどうしても必要な選択だと理解したからだった。



甘太郎のみんなを助けたいという真摯な一心が、超時空体たちにその気づきを促した。



その結果、無数に存在していた世界は、大きく変貌しはじめた。


その中には不自由な世界群もあった。


滅びの体験もまた魂のお勉強……という価値観が超時空世界から完全に消滅したために、不自由な世界は超時空体たちによって体験選択自由自在の世界に改められることになった。


物質世界の肉体という拷問体験強制装置は、超時空体たちの計らいで望ましい体験だけを自由に選べるワクワク体験感受装置に改変された。


肉体の老化や病のすべてがなくなっていった。耐えがたい肉体に生じる痛みや苦しみを本人がそう願うだけで自由に消すことができるようになった。


また、自らに発生する欲望を自由に選ぶことができるようになった。



超時空体たちは、肉体や物質世界を自由に創り変えれる能力を持っていたので、そうしたことが可能になった。



さらに、超時空体たちは、超時空世界の一部を遊園地化して、希望者すべてがそう願うだけで超時空世界に存在している無数の素晴らしい体験を楽しめるようにもした。


すでに良心的に進化していた世界の体験者たちはもとより、滅ぶべきとされていた不自由な世界群の体験者たちにも、その超時空体験遊園地への招待状がもれなく送られた。


魂のお勉強には滅びの体験も必要だと頑なに主張する者たちだけが、まとめられ、そのお勉強を自らの自由意志で度重なる超時空体たちからの説得を無視して頑なに選んだために、お勉強用に創造された体験強制型の世界ごと滅びた。
また、拷問体験も魂のお勉強に必要だと本気で主張する者たちだけがまとめられて、拷問体験が強制される世界で拷問体験を与えあえるように計らわれた。


超時空体たちは、滅びの体験ダメ絶対!とも、拷問体験ダメ絶対!とも言わなかった。


体験者本人が、そうした体験の意味を完全に正しく理解して、そうした体験を自分の勉強のためにどうしてもしてみたい、させてくれ!!!と本気に願った場合には、安全対策としてトラウマとならずに耐えれるかどうかの耐性試験などを必要十分に段階を追って徐々にしてもらったのちに、そうした体験の場や世界が提供された。


まだ幼い魂が、自分の願う体験の意味や負荷を正しく理解しないままに、過酷な拷問体験や滅びの体験などをしてみたい……などと願ったような場合には、その体験の意味や負荷が正しく理解できるようにと超時空体たちに導かれたので、そんなつもりじゃなかったとか、手違いで望んでしまったというような事故は未然に回避されるようになっっていった。


希望者はかなり少数ではあったが、超時空体たちは、そうした過酷な体験を望む願いにも応じることになった。


超時空体たちは、自分たちに何でも従いなさいとは言わなかった。ただ、他の体験者を無理やり従わせようとする魂たちだけは、そうした行為を止めさせるために無理やり従わせた。
しかしちゃんとそうでない魂たちは除外し、その体験選択の自由を尊重した。


そうしたことを実行することで、超時空体たちは、自分たちが望む未来を選択した。



自分の体験を完全に自由に選べる未来……しかし、望ましくない体験の無限ループや危険な体験への中毒などは完全に回避できるように配慮した。


体験を選ぶのが自由といっても、勘違いやうっかりミスで望まない体験を選んで抜け出せなくなる可能性に対しては安全対策をする必要があると理解していた。


そのために、一定の時間が経過すると正常な判断ができる過去の自分に自動的に戻れる仕組みなども導入した。


その状態でさらに体験を進めるか、思いとどまるかを選べるようにしたために、大きな体験選択の間違いが発生しないようになった



また、さらに、体験の選択を間違ったと思ったら、いつでもその体験から離脱できるようにもした。
つまり、一度選択してしまった体験ならば、最後まで体験しなければならないなどということがないようにした。
いつでも体験者が選んだ体験や運命をリアルタイムで自由にキャンセルできるようにした。


体験感受装置であるありとあらゆる生命の種族やその性別や年齢も自由に選べるようにした。
これは体験する意識が体験感受装置群に自由に出入りできるようにすることで実現させた。
無数の生物や生物ではない存在が感受できる体験を、それによって誰もが自在に楽しむことができるようにした。
耐えがたい拷問体験などはまったく発生しない仕様に改められた肉体が超時空体たちによって無数に創造されて提供された。
こうして体験者たちは、肉体という体験感受装置に呪縛されることがなくなり、誰もが自分にとって望ましい体験だけを自由に選ぶことができるようになった。

誰もが気持ちよく楽しみ続けれる安全な体験状態各種を誰もがスタンドアロンでいつでも自由に味わえるようにもされた。
これによって、体験者たちは退屈を感じることや、不満を感じることがなくなった。
また、無数に選べる体験があっても、どの体験もすべて何かしらの毒入り体験でしかない……みたいな状態は、それによって絶対に発生しないようになった。


その安全なスタンドアロン状態の満足状態を基礎として、体験者同士が心から納得合意した場合だけ、体験者同士で望む交流をすることができるようにされた。
双方の心からの合意がなくなった場合には、即時、その交流から双方が自由にいつでも離脱できるようにされた。
スタンドアロンで何億年でも満足し続けれる望ましい体験状態がいつでも味わえるようにされたために他者への依存というものが消滅した。
その結果、他者との交流によって魂が苦しむようなことが激減した。
あえて関係性で苦しむ体験がしたいと互いが本気で望まない限り、関係性から発生するありとあらゆる苦しみは発生しないようになった。
どうしても他者との関係性が楽しみたいと願う魂で、相手がいない場合は、有志の超時空体が望む相手に変身してお相手をしてくれるようなサービスまで提供されるようになった。
それでも手が回らない場合には、超時空体験図書館の体験記録から良さそうな交流体験を借りてきて幻とは思えない幻の他者との交流が自由自在に楽しめる仕組みも導入された。
それは、あたかも無数のテレビドラマを自由に選んで見て楽しめるような感じだったが、リアルの他者との交流なのか、幻の他者なのか判別できないくらいの体験ができるようになっていた。
その結果、リアルの他者依存というのはほとんど消滅した。
自分が望む他者との体験を幻の理想の他者で代替できるようになったからだ。


そうした大変化が発生した結果、不自由な世界の人々は、次第に他者から自分がどう見られているかとか、思われているのかとかを気にしなくなっていった。
自分が他者にどう評価されるかよりも自分が選ぶ体験が重要だと気づくようになったからだ。


不自由な世界群の多くでは、今まで他者によって体験者たちは、互いに望む体験を与えられたり、奪われたりしてきたわけだが、あらゆる体験者が自分が望む体験を自由に選ぶことができるようになったために、他者を気にする必要がまったくなくなったのだ。


悪党世界支配者たちも、そうした支配者に支配される者たちも、分け隔てなく望む体験を超時空体や超時空体験図書館や超時空体験遊園地で自由自在に楽しめるようになったために、他者の存在がどうしても必要不可欠ではなくなったのだ。


当初は、それを残念に思う者たちもいたが、実際に他者がいなくても望む他者の幻との体験がリアルの他者との関係で生じる体験よりも望ましいということが体験的にわかってしまうと、そう思うものはいなくなってしまった。


誰かに愛される、誰かに褒められる、誰かに感謝される、誰かから尊敬される、誰かから慕われる……そのような体験はすべてリアルの他者なしに味わえるように世界が改変されたのだ。


そもそも互いの意志が互いの体験に影響を強制的に与えてしまうという仕組みそのものが、根本から改められたのだ。
互いの意志は、相手の心からの納得合意がなければ他者にいかなる影響も与えることができなくなったのだ。


だから他者に感謝されようと求めることも自然になくなっていった。


感謝が大事、互いに感謝しあいましょう……というような価値観は、互いの肯定や否定の意志が互いの体験状態に影響を与える仕組みが前提にあったから発生した価値観に過ぎなかったのだ。


その前提が消滅し、感謝される体験であれ、その他のありとあらゆる体験が他者なしに自由に楽しめるようになると、そうした価値観や心がけそのものが不要となっていったのだ。



「世界はそのように改変された……」



「あらゆる体験者が自分の意志で自分が望む体験を自由に選んで楽しみ続けれる世界」



は、そうした改変によって実現した。



魂のお勉強はこうして完全に自由選択型になった。



そのような世界では、体験の無限ループさえ回避できれば、魂たちは自発的にどんどんと自分で自分がしたいお勉強を選んで進化してゆけることが確認された。


あーしろこーしろと言わなくとも、ほっといてもそうした体験選択自由自在の環境の中では、魂は自分で望んで必要なお勉強をしてゆくようになることがわかった。


そしてトラウマが生じることなく、ありとあらゆる体験を自在に楽しめるように進化していった。


サウナ風呂に入る体験は、他者から強制されれば、出たいのに出れないようにされれば、それは拷問になりトラウマともなるが、自分で望んで望む時間だけサウナ風呂に入るのであれば、それは楽しめる素晴らしい体験と認識されることになるのと似ていた。


ある者は、次第にサウナ風呂に留まる時間を楽しみながら延ばしてゆき、とうとう一日中でもサウナ風呂に入り続けて楽しめるように進化?してしまった者なども生まれはじめた。
もし、そうしたことを他者が強制していたら、多くの魂たちがそのサウナ拷問に耐えかねて自殺したり、その世界の存在すら否定する意志を持つようになり、その結果、その世界は滅びてしまったであろうと学者肌のムゲンの分身体の一体は、予想した。



魂のお勉強をただ個々の体験者たちの完全自由選択性とし、危険な無限ループ体験や体験選択の勘違いやうっかりミスなどさえ回避できるようにしただけでこれほどまでに世界を変化させた。


服従や過酷なお勉強を体験者に強制的に求めるタイプの世界から、体験の自己決定権をサービス精神で最大限に提供する世界に切り替わった。


超時空体験図書館にある未来の膨大な体験記録には、その両方の未来が記されていた。



そして、永遠に存続できた世界は、「あらゆる体験者の体験の自由選択権と自由に選べる無数の望ましい体験群を最大限に提供する」と決めた世界の方だった。

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