理想世界の創り方

無限キャラ

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超時空世界における意志

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超時空体たちは、「何を意志するのかが、最も大事なことである」 と甘太郎に説明していた。

しかし……と甘太郎は思う。


「何を意志するかが大事だと言うけども、そもそも不自由な世界の不自由な者たちのほとんどは、自分の意識に発生している欲望を満たすことを意志してしまっている……


生命の創造者に植え付けられたいろいろなタイプの本能にただ従っている者たちに、そもそも自分の意志というものが十分にあるんだろうか……自由意志を十分に持っていない者たちが、自分の行動を自由に選ぶことなどできるんだろうか?」と思った。


甘太郎は、自分が元いた不自由な世界にいた動物と呼ばれる生命たちのほとんどが、十分な自由意志や知性を持っていないと感じた。


また、動物たちだけでなく、人間族のほとんども、つまりは肉体の中に意識がある状態の甘太郎自身も不自由な状態だったと思った。動物よりは多少自由であってもぜんぜん十分に自由な状態じゃなかったなと思った。


自分が望んでもいない欲望が勝手に生じてきたり、自分が望んでもいない気分や感情や肉体の不具合が勝手に生じてきたりしていたことをつぶさに思い出していた。
そもそもぜんぜん本当のことをちゃんと理解できていなかったなと思う。今の甘太郎が超時空体験図書館に意識を置いている状態なので、そう強く感じた。


そして思った。


あのような不自由な状態では、どうしても自分に生じる欲望や気分や感情に自分の選択が大きく影響されてしまう……と感じた。
さらに騙されていて真実が分からない状態にされていたと感じた。


そんな不自由な状態の中では、強烈な悪い欲望を無理やり植え付けられた者と強烈な良い欲望を無理やり植え付けられた者と……その違いだけで、その選択が真逆になることは当たり前のような気がした。


肉食動物たちは、他の動物を殺してその肉を食べようとしてそうした選択をしてしまうし、草食動物たちは、ただ自分が食べたい植物を探して食べるだけで他の動物を殺して食べようとはしない……


では、肉食動物たちに自業自得の責任が問えるのか? 問えるとすればどの程度まで問えるのか?


そもそも肉食動物に生まれついてしまった時点で、明らかに不自由な状態に置かれていると理解すべきではないのか?


じゃあ、草食動物はどうかと考えると、草食動物とて、ただその植え付けられた本能に従っているだけであるなら、他の動物を殺して食べようとしなくとも、やっぱり不自由な状態に置かれていると思った。


そもそも食べないと安楽に生存していられない……という状態そのものが明らかに不自由な状態だと思えた。


動物たちや人間族たちにとっては、食べなければ強烈な飢餓の苦しみが発生する仕組みそのものが、その自由を故意に奪うための仕組みであって、そんな状態のままで自業自得の責任は完全には問えないはずだと思った。


自業自得の責任を問う場合には、当然、自分がしていることを正しく理解している必要があり、そのためにはそれが理解できるだけの知性が必要十分になければならず、また、あらゆる本能や欲望や洗脳……などの体験者を不自由にしているあらゆることから完全に自由な状態でなければならない……と甘太郎は思った。


不自由な世界のほとんどの動物たちにはとうていそうした自由が与えられているとは思えなかった。
また、人間族たちにしても、そうした自由を完全に手にできている者は、ほとんどいないと思われた。


皆、何かしらの本能や欲望や気分や感情や間違った常識や価値観や……などによって、自由な選択ができないようにされていた。


不自由な世界では、いろいろな動物や人間たちに、ずらりと並んだいろいろな選択肢があっても、どの選択肢にも何かしらの毒が含まれていて、自業自得の責任が問われたらひどい目にあわねばならないように「されて」いる……
そしてどの選択肢も選ばずにまったく何もしなくとも、酷い目にあわねばならないように「されて」いる……
彼らは皆、何もせずに何も飲まず食べずにいるだけで、拷問的な渇きや飢えの体験をして酷い目にあってしまうからだ。


さらに、それだけではないと甘太郎は思う。


なぜなら、超時空体験図書館の体験記録をよく調べてみたところ、動物や人間たちのほとんどに霊的存在たちが憑依していて、わざと嘘を教えてみたり、わざと誰かにいやがらせをするようにその心身を操作されたりしていたからだ。


しかもほとんどの動物や人間たちが、何かしらの憑依霊たちにその心身をその合意なく操作されていることがわかったからだ。


そしてそうした憑依霊たちは、より強い憑依霊たちに支配されていた。


つまり、不自由な世界の霊的存在のほとんどが不自由な世界のボスによって支配されていて、そのボスに本気でノーと言える憑依霊などほとんどいない状態だった。


つまり、動物や人間たちのほぼすべてが、肉体と呼ばれる拷問体験強制装置によってその自由を相当に奪われていて、さらに国家や政治や経済や宗教や法律や国家や村や家族……などの社会制度と呼ばれる仕組みによっても、その自由が相当に奪われていて、さらに、霊的憑依システムによって、さらにその自由やプライバシーを奪われている……


そのように不自由な世界の体験者たちは、その自由を、不自由な世界のボスによって徹底的に奪われていた。


甘太郎は、超時空体験図書館にある不自由な世界群の過去現在未来の体験記録を、皆に完全な自由をプレゼントしてあげたい……という願いをもって丹念に調べることで、そうしたことを理解した。


であれば……そんな不自由な状態の体験者たちに自業自得の責任など問うべきじゃないんじゃないか……と甘太郎は感じ始めた。


これほどまでに不自由な世界に必要なのは、自業自得の責任を問うことよりも、まずは、あらゆる体験者に完全な自由を提供することだと甘太郎は感じた。
自業自得の責任は、あらゆる体験者に自分の不自由さを正しく理解できるようにしてやり、さらに自分の欲望や体験状態を自由に選べるようにしてあげてから、その後に問うべきだ……と甘太郎は思った。

例えば、飲んだり食べたりしなくてもまったく苦しみが生じない状態を提供できないのなら、飲んだり食べたりするために仕方なくした行為についての自業自得の責任などそのまま単純には問えないと思った。

例えば、政治や経済や宗教や法律や国家や村や家族やその他の社会制度のすべてを「あらゆる体験者が自分の体験状態を自由に選べるようにするために最適な状態」にしてからでなければ、そうでない社会制度の圧力を受けてやむなく選択した行為についての自業自得の責任など不自由な個々の体験者に単純に問えないと思った。
少なくともそうした倫理的に問題ある社会的圧力や強制を一切受けないことができうる平和的な自治権をあらゆる体験者に提供する必要があると思った。その平和的自治権をあらゆる体験者に提供する義務が世界創造者や世界支配者にはあると思った。


例えば、霊的憑依は個々の憑依されている体験者の心からの納得合意がなければできないようにしなければ、霊的存在に憑依された結果発生した事に対して、そうした霊的存在たちに憑依されている個々の体験者たちの自業自得の責任はそのまま単純には問えないと思った。
なぜなら、不自由な世界では、動物たちや人間たちのほとんどが霊的存在たちに憑依され、その霊的存在たちの指示や命令でその行動を選択していたからだ。
また、そうした憑依霊たちの中には、憑依されている体験者の倫理的な良き願いや良き意志を無視して、良心に反した世界支配システムを存続継続拡大するために……故意に嘘をついたり、騙したりする者も多数いることがわかったからだ。


甘太郎は、そのような理解から、不自由な世界で自業自得の責任を問う場合は、まずはその不自由な世界のボスたちの自業自得の責任から優先的に問わねばならないと思った。


なぜならそうした不自由な世界のボスからの圧力や命令や脅しや洗脳……などによって、泣く泣くそうしたボスに従っているのならば、そのボスがその世界からいなくなるか、完全にそのボスがその支配権力を失ってからでないとその部下や被支配者たちが自分の意志で自分の行動を完全に自由に選べる状態は手にできないと思ったからだ。


しかし、不自由な世界群のボスたちに果たして自由意志が必要十分にあるのだろうか……もし不自由な世界群のボスたちが壊れたロボットのような状態で自由意志が完全にまったくなければ、いくら自業自得の責任を問うても意味がない……
倫理的に壊れているロボットは、いくら自業自得の体験を与えても、ただひたすらに倫理的に壊れた選択をし続けてしまう……
すると、ただひたすらにそうしたボスのいる不自由な世界の体験者たちも、次々と倫理的な壊れたロボットにされていってしまう……


「何を意志するのかが一番大事なこと」と超時空体たちは言っていたが、完全に自由意志を失った倫理的に壊れたロボット状態になってしまったらもはや倫理的に壊れていない選択をすることができなくなってしまう。


甘太郎には、それは肉体的な死よりもはるかに問題だと思われた。それは自分の知性と意志で成長し進化してゆくことができる意識としての完全な死だと、しかも他の体験者たちを永遠に苦しめ続けるロボットになってしまうという最悪の死に方だと思われたからだ。


必要十分な知性と必要十分な「真実の情報」と、あらゆる本能や欲望や気分や感情や洗脳や社会や国家や宗教や家族……などからの完全なる自由と、そして何者にも不当に脅されることのない拷問体験を強制されることが絶対にない安全な状態……がどうしても不自由な世界の体験者たちには必要だと甘太郎は思った。

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