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超時空体験図書館住まいの甘太郎とムゲンとの対話
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ムゲンは、未来予測した自由意志尊重問題について、超時空体験図書館住まいの甘太郎(略して超時空甘太郎)にテレパシーで相談してみた。
果たしてどんな回答が返ってくるのだろうか……
超時空甘太郎は、このように言った。
「ムゲンさん、確かにその問題がありましたね。どうしても僕の新世界に来たくない、不自由な世界に居続けたいと断固主張されると、そういう方たちを無理やり連れてくるわけにもいかなくなります。
とはいえ、そのまま放置すると、どんどんと不自由な世界群はひどい状態になってより不自由な世界になってゆくことでしょう。
ですので、ムゲンさんには、何とかそうした方たちに僕の創造中の新世界のことをそれとなく教えてあげてもらえるとありがたいのですけど、どうでしょうか?」
ムゲンは、悩ましそうに応じる。
「お前、そんなこと言ってもなあ……不自由な世界の特権階級たちは、性格悪いんだよ。
おまけにいろんな特権能力とか特殊能力とか特殊武力とか権力とかを好き勝手に使う奴らなんだよ。
何で俺が、そんなのを相手にしなきゃいけないわけ?」
「いえ、無理にとはいいませんけど、ムゲンさんなら分身体を使えるから、不自由な世界の分身体に何かあっても中の意識だけを統合して救助してしまえば問題ないんじゃないですか?」
「いやいやいや、お前なあ、そんな簡単に言うけど、中身の意識たちにもいろいろあるんだよ。
俺の分身体だけが不自由な世界の肉体の中にいるわけじゃーないからなあ。
もともといる意識とかもいるから、その都合とかも配慮してやんなきゃなんねーし。
不自由な世界は、不自由だから大変なんだよ。お前だって前に不自由な世界でいろいろやってみて、そこはわかってるだろう?」
「はい。ですが、他に適役がいないんじゃないかなと……」
「そんなことはないだろう? 超時空聖体様とか、超時空体験図書館様とかに頼めばいいじゃねーの?」
「いえ、それはすでに頼んでいますけど」
「なら、それで何とかなるんじゃないの?」
「でもですね、僕の分身体たちも不自由な世界に多数派遣してしまっていますから」
「だから?」
「だからですね、僕の分身体たちを守ってやってくれませんか?」
「いや、だからそれは超時空聖体様に守ってもらってるんだろう?」
「それはそうですけど、ムゲンさんにも守護してもらいたいんですよ」
「なんで俺が必要なの?」
「ほら、僕の分身体たちはウブで不自由な世界の常識とか怖さとかあんまり知らないですから、それに、ムゲンさんなら僕の分身体たちを自由に統合して必要なことを以心伝心教えてあげれるし、そうした方法で保護できるじゃないですか」
「まあ、どうしてもって言われれば、やらないこともないけど、俺はもっと楽しめる世界に行きたいんだがなあ……」
「いいじゃないですか、分身体を増やして楽しめる世界にも行けば」
「それより、お前の新世界にもう強引に全員無理やりでも吸収しちゃったらいいんじゃね?」
「それはできませんよ。超時空聖体様たちもそれはしちゃいけないって言ってますし」
「なんでだよ。不自由な世界を丸ごと回収して、望む体験が自由自在にできるんだから、つまりは今の不自由な世界よりも誰もがもっと自由に楽しめるようになるわけだろう?
それを嫌だと言う奴はいないんじゃないの?」
「でも、不自由な世界には、そうした方もそこそこいらっしゃるようなんですよ」
ムゲンはため息をつきながら言う。
「で? 俺にどうしろと?」
「ですから、その……僕の新世界の広報役をしてもらえませんか?」
「いや、さっきはお前の分身体の保護を依頼してたじゃねーか」
「いえ、それもですけど、メインは広報役にと思っているんですけど」
「広報ならテレパシーでやればいいじゃないか」
「いえ、それだけじゃ不十分なんですよ。ほら、不自由な世界にはテレパシーが使えない魂たちもたくさんいるじゃないですか」
「まあ、それはそうだけどなあ……」
「それで僕の分身体たちに、必要なことを教えてあげてもらえないでしょうか?」
「そうするとどうなるんだ?」
「そうすると、僕の分身体たちが、不自由な世界の人たちに教えてあげれるようになりますから」
「何だか、めんどくさいなあ……お前が教えてやればいいじゃねーか」
「それがですね、ここ超時空体験図書館では、不自由な世界とのアクセスが制限されているんですよ。 知識が悪用されないように。
それと、超時空体験図書館様にですね、新世界の創造に専念するようにって言われちゃってるんですよ。
だから、僕の分身体とはいえ、その知識や理解やイメージの共有が制限されていて、できない状態なんです」
「あー、そういう事情があったわけか。なるほど俺は分身体一族の本体だから、甘太郎と意識統合してその制限をすり抜けれるってわけか。つまり中継役もしてくれってことか」
「ご察しの通りです。さすがムゲンさん、理解が早いです」
「はあ、まあ、そういうことなら、やるにはやるけどご期待に沿えるかどうかはわかんねーよ。相手の出方次第でどうなるかわかんねーし」
「はい。その点は、ご自由に臨機応変に判断してくれれば、問題ありません。万が一うまくゆかなくても文句はいいませんから」
「じゃあ、とりあえず広報するなら、もっと詳しく甘太郎の創造しつつあるその新世界の仕様というか、イメージを教えてもらわなきゃなんねーな」
「はい。是非、教えさせてください」
こうして甘太郎は、ムゲンに自分の創造中の新世界についてより詳しい説明をしはじめた。
果たしてどんな回答が返ってくるのだろうか……
超時空甘太郎は、このように言った。
「ムゲンさん、確かにその問題がありましたね。どうしても僕の新世界に来たくない、不自由な世界に居続けたいと断固主張されると、そういう方たちを無理やり連れてくるわけにもいかなくなります。
とはいえ、そのまま放置すると、どんどんと不自由な世界群はひどい状態になってより不自由な世界になってゆくことでしょう。
ですので、ムゲンさんには、何とかそうした方たちに僕の創造中の新世界のことをそれとなく教えてあげてもらえるとありがたいのですけど、どうでしょうか?」
ムゲンは、悩ましそうに応じる。
「お前、そんなこと言ってもなあ……不自由な世界の特権階級たちは、性格悪いんだよ。
おまけにいろんな特権能力とか特殊能力とか特殊武力とか権力とかを好き勝手に使う奴らなんだよ。
何で俺が、そんなのを相手にしなきゃいけないわけ?」
「いえ、無理にとはいいませんけど、ムゲンさんなら分身体を使えるから、不自由な世界の分身体に何かあっても中の意識だけを統合して救助してしまえば問題ないんじゃないですか?」
「いやいやいや、お前なあ、そんな簡単に言うけど、中身の意識たちにもいろいろあるんだよ。
俺の分身体だけが不自由な世界の肉体の中にいるわけじゃーないからなあ。
もともといる意識とかもいるから、その都合とかも配慮してやんなきゃなんねーし。
不自由な世界は、不自由だから大変なんだよ。お前だって前に不自由な世界でいろいろやってみて、そこはわかってるだろう?」
「はい。ですが、他に適役がいないんじゃないかなと……」
「そんなことはないだろう? 超時空聖体様とか、超時空体験図書館様とかに頼めばいいじゃねーの?」
「いえ、それはすでに頼んでいますけど」
「なら、それで何とかなるんじゃないの?」
「でもですね、僕の分身体たちも不自由な世界に多数派遣してしまっていますから」
「だから?」
「だからですね、僕の分身体たちを守ってやってくれませんか?」
「いや、だからそれは超時空聖体様に守ってもらってるんだろう?」
「それはそうですけど、ムゲンさんにも守護してもらいたいんですよ」
「なんで俺が必要なの?」
「ほら、僕の分身体たちはウブで不自由な世界の常識とか怖さとかあんまり知らないですから、それに、ムゲンさんなら僕の分身体たちを自由に統合して必要なことを以心伝心教えてあげれるし、そうした方法で保護できるじゃないですか」
「まあ、どうしてもって言われれば、やらないこともないけど、俺はもっと楽しめる世界に行きたいんだがなあ……」
「いいじゃないですか、分身体を増やして楽しめる世界にも行けば」
「それより、お前の新世界にもう強引に全員無理やりでも吸収しちゃったらいいんじゃね?」
「それはできませんよ。超時空聖体様たちもそれはしちゃいけないって言ってますし」
「なんでだよ。不自由な世界を丸ごと回収して、望む体験が自由自在にできるんだから、つまりは今の不自由な世界よりも誰もがもっと自由に楽しめるようになるわけだろう?
それを嫌だと言う奴はいないんじゃないの?」
「でも、不自由な世界には、そうした方もそこそこいらっしゃるようなんですよ」
ムゲンはため息をつきながら言う。
「で? 俺にどうしろと?」
「ですから、その……僕の新世界の広報役をしてもらえませんか?」
「いや、さっきはお前の分身体の保護を依頼してたじゃねーか」
「いえ、それもですけど、メインは広報役にと思っているんですけど」
「広報ならテレパシーでやればいいじゃないか」
「いえ、それだけじゃ不十分なんですよ。ほら、不自由な世界にはテレパシーが使えない魂たちもたくさんいるじゃないですか」
「まあ、それはそうだけどなあ……」
「それで僕の分身体たちに、必要なことを教えてあげてもらえないでしょうか?」
「そうするとどうなるんだ?」
「そうすると、僕の分身体たちが、不自由な世界の人たちに教えてあげれるようになりますから」
「何だか、めんどくさいなあ……お前が教えてやればいいじゃねーか」
「それがですね、ここ超時空体験図書館では、不自由な世界とのアクセスが制限されているんですよ。 知識が悪用されないように。
それと、超時空体験図書館様にですね、新世界の創造に専念するようにって言われちゃってるんですよ。
だから、僕の分身体とはいえ、その知識や理解やイメージの共有が制限されていて、できない状態なんです」
「あー、そういう事情があったわけか。なるほど俺は分身体一族の本体だから、甘太郎と意識統合してその制限をすり抜けれるってわけか。つまり中継役もしてくれってことか」
「ご察しの通りです。さすがムゲンさん、理解が早いです」
「はあ、まあ、そういうことなら、やるにはやるけどご期待に沿えるかどうかはわかんねーよ。相手の出方次第でどうなるかわかんねーし」
「はい。その点は、ご自由に臨機応変に判断してくれれば、問題ありません。万が一うまくゆかなくても文句はいいませんから」
「じゃあ、とりあえず広報するなら、もっと詳しく甘太郎の創造しつつあるその新世界の仕様というか、イメージを教えてもらわなきゃなんねーな」
「はい。是非、教えさせてください」
こうして甘太郎は、ムゲンに自分の創造中の新世界についてより詳しい説明をしはじめた。
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