理想世界の創り方

無限キャラ

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超時空体験図書館住まいの甘太郎の新世界2

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こうして超時空甘太郎は、ムゲンに自分の創造中の新世界の仕様やイメージを伝え始めた。


「まずですね、前に説明したことでもあるんですが、僕の新世界では、最大限ありとあらゆる世界や体験そのものを吸収する仕様になっています」


「うんうん、それは前に聞いたよ。不自由な世界群すべてを丸ごと取り入れるってことだろう?」

「はい。ですが、不自由な世界群だけではなく、自由な世界群も可能な限り、許可される限り、すべて取り入れる予定になっています」


「どういうことだ?」


「つまり例えば、超時空聖体様の世界なんかも、許可があればすべて取り入れる予定になっています」


「え? そんなことできるのか?」


「超時空聖体様から許可されればできます」


「で? 許可されたの?」


「はい。一部の超時空聖体様からはすでに許可を受けています」


「マジ?」


「はい。むしろ積極的に僕の新世界に参加したいと言われている超時空聖体様もいます」


「それって、超時空聖体様だけでなくて、超時空聖体様の独自世界ごと引っ越しするってことか?」


「まあ、そんな感じになるかもしれません」


「すごいな……超時空聖体様まで取り込むのか……」


「いえ、取り込むって言うとなんだか変な感じですけど、ほら、不自由な世界でいえば、国家という仕組みの中にいろいろな県とか州とか自治体とかがあるような感じですよ」


「なるほど、じゃあ、超時空聖体様の独自世界にも自由に参加できちゃうわけ?」


「そこは、超時空聖体様の許可はやはり必要ですけど、超時空聖体様が提供してくださる体験そのものについては、望めば自由に体験できるようになります」


「あー、じゃあ、超時空聖体様の得た悟りの境地みたいな体験も、何の努力もなくノーリスクで味わえちゃったりするわけ?」


「そうですね、超時空聖体様が提供してくれれば」


「すげーな、おい」


「じゃあ、あれか? ひょっとして俺も面倒な修行とかせずに超時空聖体様の味わっているあらゆる体験とかができちゃったりするわけ? ぶっちゃけ、超時空聖体になれちゃうわけ?」


「さすがに、そこまでは無理です。ですけど、超時空聖体様が許可してくれれば、夢の体験みたいな感じでなら、超時空聖体様になった仮想体験みたいなのは味わうことができるようになると思います」


「は~、そうなんだ。それは興味深いな。で?他には? だんだん面白くなってきたな」


「ありがとうございます。他にも超時空聖体様の世界以外のまあ普通のというか、いろいろな異世界の体験なんかもどんどんと取り入れる予定になっています」


「なるほど、ありとあらゆる異世界の体験も可能な限り取り込むわけか」


「そうです。例えば、いろいろな異世界には、体験感受性が全然違うような種族たちもたくさんいらっしゃるので、不自由な世界に存在するいろいろな種族の体験以外にも想像すらできなかったようないろいろな体験が自由に味わえる状態になります」


「それはすごいな……つまりありとあらゆる世界やそこに発生する体験群を全部取り込むってことか」


「まあ、中には拒否されることもあるかもしれませんから、全部とはならなくても、可能な限り全部ですね」


「でも、そんな新世界ができたら、みんな来たがって拒否とかしないんじゃないの?」


「そうですね。そうした狙いも実はあります」


「富める者はさらに富む……みたいな感じか?」


「それはちょっと違いますね。参加するみんな全員がどんどんと無限に富める者になってゆくシステムになるってことです。まあ、僕の世界にはお金はないので、富める者=体験選択自由自在の者という感じですけどね」


「それはいいな……俺も参加したくなってきた。もっと詳しく聞かせてくれ」


「はい。ありがとうございます。

さらにまだまだいろいろな機能をこの新世界には設定する予定でして、例えば新世界の使い方の案内役があらゆる参加者に付く仕様になると思います」


「どんな感じで?」


「例えば、前に説明したように体験中毒を回避する元に戻る機能については説明しましたけど、それはあくまで本人といいますか、当事者の体験者たちの自由意志を尊重するという方式だと説明しましたよね。

でも、それだけじゃあ、不十分だなと僕は思ったんですよ。

なぜかと言うと、そもそも自虐的な体験群の中毒になってしまった場合、自分の自由意志で元に戻ろうと思えなくなるリスクがあるんですよ。

そうなるともう自虐的な体験の無限ループに陥ってしまうわけです。
いろいろシュミレーションして、そうしたリスクがあることがわかりました。

ですから、そうした危険を予測して体験者たちにそうなる前に教えてあげることができるアドバイザーが必要だと理解しました。
そして、本当に危険な場合には、超時空聖体様や超時空体験図書館様の判断を仰いだ上で場合によっては強制保護するようにしておくべきだと判断しました」


「ほう、強制保護か……でも、それじゃあ、体験者本人の自由意志の尊重にならなくなるんじゃないのか?」


「そうですね。それはそうなんですけど、体験者本人にとってのリスクがあまりにも大きすぎる場合には、ほら、赤ん坊が断崖絶壁に這ってゆきたいと主張しても、お母さんたちは無理やりにでも止めるでしょう? つまり、どんな危険なのか、赤ん坊は気づいていなくて、お母さんは気づいている……そんなケースがたまに発生するわけなんです。

だから、そうしたケースでは強制的に保護するような設定にしました」


「なるほど、自分の選択していることの意味やその危険の程度がさっぱり理解できていないような場合か」


「はい。本人が理解できていると思っていても、実際は勘違いしていて、本当の危険が理解できていない場合なども含まれます」


「で?そうした場合にはどうなるわけ?」


「そうした場合には、もしその選択をし続けたらどうなるかということを教えてあげれる仮体験の場みたいなのが発生します」


「あの、体験濃度を薄めて耐性チェックするみたいなやつか?」


「そうです。さらに中毒にならない程度の体験そのものを夢体験みたいな状態で味わえる感じですね。さらに自分の体験に巻き込まれないで自分の体験を俯瞰できる意識状態も付与します」


「つまり、なんだ? 危険が予測されると、その案内役の判断で体験者本人に冷静な科学者みたいな視点の意識が発生して、自分の体験を冷静に観察できるようになるって感じか?」


「よくぞ、理解してくれました。さすがムゲンさんですね。第三者的な視点で自分を見れるようになるわけです。例えば、超時空聖体様目線で自分が見えるとか……」


「すげーな、よくそんなこと考えついたな」


「だから、万が一の自虐体験中毒や勘違いなどで、自虐体験の無限ループに陥る心配も0になるわけです」


「安全措置、万全じゃねーか」


「僕の新世界では、誰にも苦しんで欲しくないですから」


「でも、さ、それでもどうしてもその自虐的な体験がしたいって言い張る者がいたらどうするの?」


「その場合は、よくよく危険を説明しても、その危険を理解できても、どうしても体験したいというなら、許可します」


「許可しちゃうんだ……」


「でも、許可はしますけど、その後、あまり楽しめていないなと思われる場合は、時々、元に戻る機能を使って、その選択をする前の状態に一時的に戻してあげます。

体験記憶はそのまま残していますから、その元に戻った状態と危険な体験状態とをそこでさらに冷静に比べて危険な体験を継続するかどうかを再選択できる機会を提供する仕組みなども予定しています」


「なんだか、めんどうだな……」


「そんなことないですよ。そんな危険状態に陥ることはめったにないはずですから。でも万が一そうしたケースが発生したら、そうした備えがあるってことですよ。

普通は、みなさん、安全な素晴らしい体験群を自由自在に味わって満足されると思います。
ムゲンさんみたいなよっぽどの好奇心旺盛な方やすごくニッチな変態さんみたいな特殊なケースでしかそうした事態は発生しないはずですから」


「じゃあ何? ありとあらゆる世界の超変態体験なんかも自由自在に体験できちゃうわけ?」


「はい。自虐体験中毒とか自虐体験無限ループとかにならないのなら」


「じゃあ何? ヒャッハー!とか叫びながら世界征服する体験なんかでも許可されちゃうわけ?」


「そうですよ。ただし夢体験みたいなリアルな被害者が発生しない形でですけど」


「でも、リアルな被害者が発生しなかったら、全然リアル感がないんじゃねーの?」


「そんなことはないですよ。ほら、夢の体験でもリアル感が実際のリアルな体験よりもある体験ができたりしますから。
つまり 体験そのもの をそのまま超時空体験図書館からコピーしてきて、体験そのものを体験するわけです。
そこでは体験記録はあっても実際の体験者はいないんです。ムゲンさんならわかりますよね」


「まあなあ……わかるけど、仕様がぶっとんでるな」


「でも、そうした仕様って、いいと思うでしょう?」


「まあな、でもさ、そのためにはほら、体験装置も自由自在に選べるようにしておかないとうまくいかないんじゃねーの?」


「はい。当然そうなりますよね。例えば、不自由な世界に存在している肉体というものは、ほとんど拷問体験強制可能装置みたいになっていますけど、同時にある程度の素晴らしい体験を味わえる装置にもなっていますよね。そこで僕の新世界では、その拷問体験強制装置の機能は除去してあるんです。どうしても拷問体験が味わいたいと求める方には提供する場合もありますけど……」


「いや、それは良い感じだけど、ありとあらゆる異世界の体験も自由自在に選べるようにするには、そうした異世界の体験装置というか、体験システムなんかも自由に選べるようにしておかないとダメなんじゃないの?」


「鋭いですね。そうなんですよ。だから僕の新世界では、自分の体験感受装置を自由自在に選べるシステムになっているんです。

ほら、不自由な世界群では、ほとんどの場合、自分に与えられている体験装置というか、肉体以外は選べない仕様になっていますけど、僕の新世界では、ありとあらゆる体験装置や体験システムが自由自在に選べるようになります」


「じゃあ、人間族の意識がカラス族になるとか、異世界の変態族になるとか、魔王族になるとか、エルフ族になるとか、犬になるとか、神や悪魔になるとか、竜になるとか、何でもありなわけ?」


「おっしゃる通り、何でもありになるんです」


「じゃあ、例えば、不自由な世界の蝙蝠族とかになると、超音波とかを感じれるようになったりするわけ?」


「そういうことになりますね」


「なんかすごいな……」


「ただ、そのためにはどうしても自分が意識体以上だという自己理解をもっていただく必要はあります」


「あ、必要条件きたな……つまりはどういうことだ?」


「つまりは、自分が体験装置ではないのだと理解し、ありとあらゆる体験装置を自由に選べる意識であるとの自己理解が必要になるということです」


「あー、それってつまり、自分が肉体だと思い込んでいるとダメってことか。それって不自由な世界あるあるだけどなあ」


「そうなんです。そこがちょっと悩ましいところなんですよ。不自由な世界群の魂たちの多くが自分は肉体だと本気で思い込んでいるケースが多いですからね」


「で、その対策は?」


「だから、こうしてムゲンさんにこの新世界のシステムを広報してもらって、不自由な世界の魂たちの意識改革を手伝ってもらいたいわけですよ」


「あいや~、そういうことになるわけか」


「はい。よろしくお願いします」


「でもなあ、そのためには、意識改革したいって思えるようにしなきゃ難しそうだなあ」


「意識改革しないと僕の新世界に来れないわけですから、僕の新世界を広報するだけで、みんな意識改革したくなりませんかねえ」


「まあ、したくなる奴もいるかもなあ……でも全員となると難しそうだなあ……」


「ですので、ほら、前に提案した変身演劇部を不自由な世界群に流行させてくれないでしょうか?」

「あ~、コスプレとか、VRゲームとかかあ?」


「いえ、それだけでなく、自己を見つめる内観瞑想とかも役立ちますよ」


「まあなあ、空想能力の育成とかでもある程度いけるかもしれないなあ……」


「義務教育っていうのが不自由な世界にあるじゃないですか、いろんな役を持ち回りで演劇ごっこして遊ぶことを義務教育の授業に組み込めないでしょうかねえ」


「そんなこと言われてもなあ……俺の一存では……」


「それとですね、遊び心も育ててあげてくれませんか?遊び心が不足してると僕の新世界に来れてもあまり楽しめないですから」


「注文多いよお……遊び心を育てるなら、超時空大遊園地のスタッフとかに頼む方がいいんじゃね?」


「ああ、それはいいアイデアですね。採用します!」


「体験交換術を使える老賢者族たちとか、遊び大好きなスピア族とかに頼むといいんじゃないか?」


「じゃあ、頼んでみますよ」


「いっそのこと超時空大遊園地も丸ごとその新世界に取り込めばいいじゃん」


「あー、そうですね、それはいいアイデアです」


ムゲンと超時空甘太郎の間では、そのような対話がなされた。

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