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アックンのお仕事がはかどらない問題
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派遣甘太郎軍団は、せっせと超時空甘太郎の新世界の広報活動を続けていた。
アックンも嫌々ながら、仕方なく不自由な世界の悪魔族を超時空甘太郎の新世界に勧誘しようと活動をしていた。
「ちょっとアックン! あなた全然成果が出てないじゃないの!」
派遣甘太郎軍団のリーダーのおねーさんが手厳しく指摘する。
アックンは、うへえ!というようなリアクションをしつつも、健気に言い返す。
「あのさあ、俺の相手をしているのは不自由な世界の悪魔族なんだぜ。自由な世界の悪魔じゃ~ねえんだから、不自由な世界の不自由な悪魔族たちなんだから、そう簡単に勧誘できるわけないだろうが」
「そこを何とかするのが、あんたのお役目でしょう? 悪魔族の心は悪魔族が一番わかっているでしょう?」
「いやいや、あのさあ、悪魔族ってのは悪いことがしたくなる種族なんだよ。わかる? それなのに、みんなが自由に楽しめる新世界を一緒に広報してくれって言っても喜ぶわけないじゃないか」
「あなた、悪魔族なんでしょう? だったら、もっとずる賢くなりなさいよ!正直にみんなが自由に楽しめる新世界 なんて言ちゃうから拒否られるんでしょう?
そういう時には、どんな邪悪な悪事の体験でも自由自在に楽しめる新世界なんだぜ~!なんて感じで説明すればいいじゃないの!」
「いや、あれ? そんな説明してもいいの?」
「いいも何も間違ったことは言ってないでしょう? 超時空甘太郎さんの新世界では、他の体験者を加害しないでありとあらゆる悪魔族が喜ぶような体験も提供できちゃう仕様なんだから」
「そうなの? 知らんかったわ」
「でしょう? だからあなたはダメなのよ。基本がなってないわけ。商品をお勧めする時は、ちゃんとその商品についてしっかり理解しておかないと」
「そうか、なんだ、そんな悪事がやりたい放題できる理想世界だったのかよ。それなら、奴らも喜ぶかもしれねーな」
「違うわよ。悪事がやりたい放題できるんじゃなくて、悪事をやりたい放題できるという体験群を絶対安全時空間で絶対に他者を加害しない形で自由自在に楽しめちゃうのよ」
「はあ? どう違うんだ? わからん」
「全然違うでしょう?実際に誰かが悪事の被害者になるのと、実際には誰も被害者にならないで悪事の体験だけを楽しめるのとでは、ぜんぜん違うじゃないの。その違いがわかんないの?馬鹿なの?」
「だってよお、どちらも悪いことする体験が楽しめるって意味じゃあ、同じなんだろう?」
「あなたね、実際の被害者が出るか出ないかは、大きな違いなのよ。そこを理解しなさい!」
「そんなこと悪魔族に言われてもなあ……悪魔族は被害者のことなんて気にしないからなあ……むしろ被害者が出ると嬉しいくらいだ……」
「そんなこと言ってるから、自業自得学園に強制入学させられたんでしょう?」
「そうだったかなあ……ああ、思い出した、あれは嫌な体験だったなあ……」
「でしょう? 自由を徹底的に奪われて、ありとあらゆる手練手管でいじめられる体験なんてよっぽどの変態しか嬉しくならないわ」
「でも悪魔族の本能があるからなあ…」
「あのね、その本能っていうのも甘太郎さんの新世界では、自由に図書館の本を選ぶみたいに、テレビのチャンネルを切り替えるみたいに、自由自在に選べるようになるのよ」
「へ~、でも俺は悪魔族の誇りにかけて、悪魔族の本能を捨てるつもりはないね」
「はあ……まあ、そうした悪魔族の本能がそれほど大事ならいいじゃない、数億年くらい甘太郎さんの新世界でその悪魔族の本能のまま好き放題の体験を味わえばいいんじゃない?
数億年で不足なら、数兆年でもその数兆倍年でも超時空世界では体験できちゃうんだから」
「え? それは本当か? 永遠にでも味わえちゃうの?」
「そうね、でもさすがにいつかは飽きるんじゃない? それに中毒にならないように時々、まっさらな体験者状態とかに戻って選びなおしができる安全システムもあるみたいだから、どこかで別の本能を選ぶようになるんじゃないの?」
「そんなことありえねーよ!悪魔族が悪魔族の本能を捨てたらそこでゲームセットだろう?」
「違うでしょう? 悪魔族の本能しか選べないってのが不自由な状態なんでしょう?
不自由な世界の人間族たちも似たようなこと思ってる人が結構いるわよ。自分たちが人間族の本能を失ってしまったらおしまいだとかね……
そうした本能とか欲望とかを自由自在に選べる意識に成長する方がより自由になれるわけでしょう?
それとも悪魔族は不自由な世界の人間族よりも不自由なおバカさんってわけ?」
「そ、そんなわけないだろうが!」
「どう、そんなわけないのよ!同じじゃない」
「いや、俺はだな、悪魔族のまま自由になりたいんだ。それなのに悪魔族の本能を失って悪魔族でなくなったら意味ないじゃないか!」
「つまり、悪魔族以外をどうしても選べない不自由な意識障碍者ってことでしょう?」
「な! なんでそうなる!」
「だって自由な意識健常者じゃないじゃないの。その自覚がないところがまた問題よね。超時空聖体様の治療を受けてくれば?」
そんな会話の後、アックンは嫌だ嫌だとゴネていたが、別の甘太郎が超時空世界に119番でもしたのか、とうとう超時空聖体様の往診が来てしまった。
アックンも嫌々ながら、仕方なく不自由な世界の悪魔族を超時空甘太郎の新世界に勧誘しようと活動をしていた。
「ちょっとアックン! あなた全然成果が出てないじゃないの!」
派遣甘太郎軍団のリーダーのおねーさんが手厳しく指摘する。
アックンは、うへえ!というようなリアクションをしつつも、健気に言い返す。
「あのさあ、俺の相手をしているのは不自由な世界の悪魔族なんだぜ。自由な世界の悪魔じゃ~ねえんだから、不自由な世界の不自由な悪魔族たちなんだから、そう簡単に勧誘できるわけないだろうが」
「そこを何とかするのが、あんたのお役目でしょう? 悪魔族の心は悪魔族が一番わかっているでしょう?」
「いやいや、あのさあ、悪魔族ってのは悪いことがしたくなる種族なんだよ。わかる? それなのに、みんなが自由に楽しめる新世界を一緒に広報してくれって言っても喜ぶわけないじゃないか」
「あなた、悪魔族なんでしょう? だったら、もっとずる賢くなりなさいよ!正直にみんなが自由に楽しめる新世界 なんて言ちゃうから拒否られるんでしょう?
そういう時には、どんな邪悪な悪事の体験でも自由自在に楽しめる新世界なんだぜ~!なんて感じで説明すればいいじゃないの!」
「いや、あれ? そんな説明してもいいの?」
「いいも何も間違ったことは言ってないでしょう? 超時空甘太郎さんの新世界では、他の体験者を加害しないでありとあらゆる悪魔族が喜ぶような体験も提供できちゃう仕様なんだから」
「そうなの? 知らんかったわ」
「でしょう? だからあなたはダメなのよ。基本がなってないわけ。商品をお勧めする時は、ちゃんとその商品についてしっかり理解しておかないと」
「そうか、なんだ、そんな悪事がやりたい放題できる理想世界だったのかよ。それなら、奴らも喜ぶかもしれねーな」
「違うわよ。悪事がやりたい放題できるんじゃなくて、悪事をやりたい放題できるという体験群を絶対安全時空間で絶対に他者を加害しない形で自由自在に楽しめちゃうのよ」
「はあ? どう違うんだ? わからん」
「全然違うでしょう?実際に誰かが悪事の被害者になるのと、実際には誰も被害者にならないで悪事の体験だけを楽しめるのとでは、ぜんぜん違うじゃないの。その違いがわかんないの?馬鹿なの?」
「だってよお、どちらも悪いことする体験が楽しめるって意味じゃあ、同じなんだろう?」
「あなたね、実際の被害者が出るか出ないかは、大きな違いなのよ。そこを理解しなさい!」
「そんなこと悪魔族に言われてもなあ……悪魔族は被害者のことなんて気にしないからなあ……むしろ被害者が出ると嬉しいくらいだ……」
「そんなこと言ってるから、自業自得学園に強制入学させられたんでしょう?」
「そうだったかなあ……ああ、思い出した、あれは嫌な体験だったなあ……」
「でしょう? 自由を徹底的に奪われて、ありとあらゆる手練手管でいじめられる体験なんてよっぽどの変態しか嬉しくならないわ」
「でも悪魔族の本能があるからなあ…」
「あのね、その本能っていうのも甘太郎さんの新世界では、自由に図書館の本を選ぶみたいに、テレビのチャンネルを切り替えるみたいに、自由自在に選べるようになるのよ」
「へ~、でも俺は悪魔族の誇りにかけて、悪魔族の本能を捨てるつもりはないね」
「はあ……まあ、そうした悪魔族の本能がそれほど大事ならいいじゃない、数億年くらい甘太郎さんの新世界でその悪魔族の本能のまま好き放題の体験を味わえばいいんじゃない?
数億年で不足なら、数兆年でもその数兆倍年でも超時空世界では体験できちゃうんだから」
「え? それは本当か? 永遠にでも味わえちゃうの?」
「そうね、でもさすがにいつかは飽きるんじゃない? それに中毒にならないように時々、まっさらな体験者状態とかに戻って選びなおしができる安全システムもあるみたいだから、どこかで別の本能を選ぶようになるんじゃないの?」
「そんなことありえねーよ!悪魔族が悪魔族の本能を捨てたらそこでゲームセットだろう?」
「違うでしょう? 悪魔族の本能しか選べないってのが不自由な状態なんでしょう?
不自由な世界の人間族たちも似たようなこと思ってる人が結構いるわよ。自分たちが人間族の本能を失ってしまったらおしまいだとかね……
そうした本能とか欲望とかを自由自在に選べる意識に成長する方がより自由になれるわけでしょう?
それとも悪魔族は不自由な世界の人間族よりも不自由なおバカさんってわけ?」
「そ、そんなわけないだろうが!」
「どう、そんなわけないのよ!同じじゃない」
「いや、俺はだな、悪魔族のまま自由になりたいんだ。それなのに悪魔族の本能を失って悪魔族でなくなったら意味ないじゃないか!」
「つまり、悪魔族以外をどうしても選べない不自由な意識障碍者ってことでしょう?」
「な! なんでそうなる!」
「だって自由な意識健常者じゃないじゃないの。その自覚がないところがまた問題よね。超時空聖体様の治療を受けてくれば?」
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