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一章 影に潜むもの
足跡をたどる
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「じゃあ、やっぱりその商人……ええと、コールバイン、でしたっけ。コールバインさんは、もう王都に到着してたってことですね」
コールバインの商人仲間だという人間から、足取りを探って得た情報だった。
一緒に王都へ到着したという商人を見つけられたのは、じつに運が良い。コールバインとレマの息子は、予定通り五日前に到着していたことになる。
「でも、それならどこへ行っちゃったんでしょう? いつも店を構えているっていう場所にも、大通り沿いにもいませんでしたよ。南大門じゃなく、西とか東でしょうか。中央広場は旅の商人が露店を開けるところじゃないですしねぇ」
王都はこの大陸で一番栄えている都。集まる人間の規模は計り知れない。
ただでさえ広い都は、北にある王城と中央広場、そこから東、西、南の方向へ伸びる大通りと、外郭にある大門以外は狭い通路が枝分かれし、複雑に絡み合っている。
そんなところに入り込まれてしまえば、何の情報もなく探し出せるわけがない。
「護衛に雇った傭兵なら何か知ってると思ったけど、傭兵組合に掛け合っても、いい顔はされなかったからね」
コールバインという商人を探しているから、雇っていた傭兵から話を聞きたい。そう頼み込んだが「契約に関わる情報は公開できない」という受付嬢の主張は全く揺らがなかった。
もちろん理解できる話だが、受付嬢の対応はあまり感じの良いものではなかった。予想はしていたが、目の当たりにするとやっぱりつらい。
教会に対する嫌悪感が、その表情にはべったりと張りつき、それを隠そうともしない。
きっかけは、昨年のとある大事件。そこで暴露された事実が、教会と王族、貴族たちといった権力者への不満が爆発し、風当たりを強めていた。
ほんの一握りの者たちが起こした愚かな行いが、真っ当に教務をこなす、大勢の聖職者たちの信用まで大きく貶めた。
アタシには関係ない、と言っても仕方がない。
投げかけられる鋭利な言葉を甘んじて受けるしかなかった。
それでもレマのように「裏切ったのは貴方たちではないものね」と分別をもって接してくれる声も多く、その言葉には助けられている。
なんにせよ、結果的に傭兵組合からは情報を得ることはできず、さっそく手詰まりかと思った矢先、近くの露店を開く商人から声がかかった。
「ちょいと、そこの聖職者さん。そう、そこの」
店主の男性は、ちょいちょいと、手招きをする。
マルルと顔を見合わせ、お招きに応じると、恰幅の良い店主は並べてある品物の前で手を揉みながら言った。
「コールバインを探してる赤髪の聖職者さんってアンタだろ? 仲間から聞いたよ。俺もアイツとは付き合いが長いんだ。もちろん、行き先も知ってるぜ。前に聖職者さんにはお世話になったことがあるからな。特別に教えてやってもいい」
「本当かい? でも、その口ぶりじゃ、タダじゃあないんだろ?」
店主は片方の口だけを釣り上げる。
「察しが良いね。じゃあ、まずは銅貨五枚だ」
そういって、ツノウサギを象った小さな木彫りを手渡される。
要は情報を売ってやるから、品物を買えということらしい。しかもたぶん、少し高い値段で。
「なにこれ、民芸品? これで五枚は高くない? せいぜい三枚、いや二枚で十分でしょ。ツノウサギなら木彫りじゃなくて、肉を売りなさいよ」
「ずいぶん威勢のいい聖職者さんだな。まぁ、俺は別にいいんだぜ。この木彫りを欲しがる客だっているんだ。欲しい客に買ってもらった方が、商人冥利に尽きるってもんだしな」
「まぁまぁ、そう言わないでさ」
腰に後ろ手に巻いたポーチから、銅貨を五枚取り出し手渡すと、商人はにやりと欠けた歯を見せる。受け取った木彫りを、ぶすっとむくれたマルルにそのまま渡す。
「もともとアイツは、旅先で仕入れた民芸品や珍品を売ってるんだがな。顧客の依頼に合わせて商品を準備することもあるんだ。今回の仕入れは、だいぶ美味い稼ぎになるって話してたぜ」
「ふうん。何を仕入れたんだろね」
「そこまでは教えてくれねぇよ。俺だって同じ立場なら、簡単には教えないね。ただ、取引相手はあのシルヴェストリア伯爵家だとは言っていたな。いいねぇ、上級貴族様相手に仕事ができるなんてよ」
「うえ……上級貴族ですってよ、先輩。私、あんまり得意じゃないんですよねぇ」
「そういうことは自分の部屋で呟きな。こっそりね」
貴族はこの大陸で王族の次に権力を持つ存在。平民のアタシたちが、おいそれと関りをもって良い相手ではない。しかもシルヴェストリア伯爵家といえば、家の位もさることながら、実力ある騎士を数多く輩出する名家。
コールバインという商人の手腕は確かだったのだろう。でなければ、上級貴族と付き合いを持つことなどできはすまい。
「で、そのコールバインさんはどこへ行ったって?」
店主は考え込むように押し黙ると、ひとつ品物を手に取った。小振りの『輝石(幅広く用いられる鉱石)』があしらわれた、なんら変哲もない素朴な装飾品。店主は、それをこちらへ向ける。
「銀貨一枚」
「ちょっと! それはあんまりでしょ! ほかの店なら銅貨十枚でおつりがくる。十倍以上だなんて、ふっかけすぎよ。巡回中の騎士に、詐欺だって言ってやるからね」
「おいおい。こっちは赤毛の聖職者さんと商談してるんだ。娘っこはおとなしく引っ込んでな。先輩に迷惑かけたくないだろ?」
地団太を踏んで悔しがるマルルの背を、軽くさすってなだめる。
陽気で元気のいい可愛い後輩だが、なにぶん堪え性がない。感情がすぐ表に出てくるのは、ちょっとした欠点だと思う。……まぁ、それでも愛嬌が勝っているのだが。
「これが商売ってやつだものね。いいよ、支払う」
「先輩! もうっ!」
多少値は張るが払えないわけではない。この男にも日々の暮らしがある。少しでも身の入りが多いに越したことはない……。情報の見返りと思い、割り切ることにした。
それに、正しいかどうか確証はないが、他に手掛かりはない。ここは頼りにするしかないだろう。
―――まぁ、使い道があまりない給金はたまる一方だったし、悩むのも性に合わない。
「へへ、どーも。……そんでコールバインのやつだが、王都に着くと一息いれる行きつけの店があんだよ。んで、その店があるのは東区。この前も誘ったのさ。だけどあの野郎、急ぎの用があるってんで、反対の西区へ行ったんだよ。そん時は、護衛の傭兵連中も一緒だったな」
そこまで話すと、またひとつ何か思い出したように、店主は付け加える。
「そういや、あの傭兵たち。いつも雇ってた連中じゃなかったな。俺も見たことがねぇ。ありゃ新顔だ」
「―――ありがとう、助かったよ。西区の方向だね」
商人に礼を言い、足早にその場を離れる。目的地は決まった。
「先輩、ほんとに行くんですか? 西区っていえば、奥には貧困区があるんですよ。私たちだけじゃ危ないですよぉ」
「もちろん、行くさ。だいぶきな臭くなってきたからね」
そう言いながらも、胸が躍る気持ちを抑えられないでいた。
コールバインの商人仲間だという人間から、足取りを探って得た情報だった。
一緒に王都へ到着したという商人を見つけられたのは、じつに運が良い。コールバインとレマの息子は、予定通り五日前に到着していたことになる。
「でも、それならどこへ行っちゃったんでしょう? いつも店を構えているっていう場所にも、大通り沿いにもいませんでしたよ。南大門じゃなく、西とか東でしょうか。中央広場は旅の商人が露店を開けるところじゃないですしねぇ」
王都はこの大陸で一番栄えている都。集まる人間の規模は計り知れない。
ただでさえ広い都は、北にある王城と中央広場、そこから東、西、南の方向へ伸びる大通りと、外郭にある大門以外は狭い通路が枝分かれし、複雑に絡み合っている。
そんなところに入り込まれてしまえば、何の情報もなく探し出せるわけがない。
「護衛に雇った傭兵なら何か知ってると思ったけど、傭兵組合に掛け合っても、いい顔はされなかったからね」
コールバインという商人を探しているから、雇っていた傭兵から話を聞きたい。そう頼み込んだが「契約に関わる情報は公開できない」という受付嬢の主張は全く揺らがなかった。
もちろん理解できる話だが、受付嬢の対応はあまり感じの良いものではなかった。予想はしていたが、目の当たりにするとやっぱりつらい。
教会に対する嫌悪感が、その表情にはべったりと張りつき、それを隠そうともしない。
きっかけは、昨年のとある大事件。そこで暴露された事実が、教会と王族、貴族たちといった権力者への不満が爆発し、風当たりを強めていた。
ほんの一握りの者たちが起こした愚かな行いが、真っ当に教務をこなす、大勢の聖職者たちの信用まで大きく貶めた。
アタシには関係ない、と言っても仕方がない。
投げかけられる鋭利な言葉を甘んじて受けるしかなかった。
それでもレマのように「裏切ったのは貴方たちではないものね」と分別をもって接してくれる声も多く、その言葉には助けられている。
なんにせよ、結果的に傭兵組合からは情報を得ることはできず、さっそく手詰まりかと思った矢先、近くの露店を開く商人から声がかかった。
「ちょいと、そこの聖職者さん。そう、そこの」
店主の男性は、ちょいちょいと、手招きをする。
マルルと顔を見合わせ、お招きに応じると、恰幅の良い店主は並べてある品物の前で手を揉みながら言った。
「コールバインを探してる赤髪の聖職者さんってアンタだろ? 仲間から聞いたよ。俺もアイツとは付き合いが長いんだ。もちろん、行き先も知ってるぜ。前に聖職者さんにはお世話になったことがあるからな。特別に教えてやってもいい」
「本当かい? でも、その口ぶりじゃ、タダじゃあないんだろ?」
店主は片方の口だけを釣り上げる。
「察しが良いね。じゃあ、まずは銅貨五枚だ」
そういって、ツノウサギを象った小さな木彫りを手渡される。
要は情報を売ってやるから、品物を買えということらしい。しかもたぶん、少し高い値段で。
「なにこれ、民芸品? これで五枚は高くない? せいぜい三枚、いや二枚で十分でしょ。ツノウサギなら木彫りじゃなくて、肉を売りなさいよ」
「ずいぶん威勢のいい聖職者さんだな。まぁ、俺は別にいいんだぜ。この木彫りを欲しがる客だっているんだ。欲しい客に買ってもらった方が、商人冥利に尽きるってもんだしな」
「まぁまぁ、そう言わないでさ」
腰に後ろ手に巻いたポーチから、銅貨を五枚取り出し手渡すと、商人はにやりと欠けた歯を見せる。受け取った木彫りを、ぶすっとむくれたマルルにそのまま渡す。
「もともとアイツは、旅先で仕入れた民芸品や珍品を売ってるんだがな。顧客の依頼に合わせて商品を準備することもあるんだ。今回の仕入れは、だいぶ美味い稼ぎになるって話してたぜ」
「ふうん。何を仕入れたんだろね」
「そこまでは教えてくれねぇよ。俺だって同じ立場なら、簡単には教えないね。ただ、取引相手はあのシルヴェストリア伯爵家だとは言っていたな。いいねぇ、上級貴族様相手に仕事ができるなんてよ」
「うえ……上級貴族ですってよ、先輩。私、あんまり得意じゃないんですよねぇ」
「そういうことは自分の部屋で呟きな。こっそりね」
貴族はこの大陸で王族の次に権力を持つ存在。平民のアタシたちが、おいそれと関りをもって良い相手ではない。しかもシルヴェストリア伯爵家といえば、家の位もさることながら、実力ある騎士を数多く輩出する名家。
コールバインという商人の手腕は確かだったのだろう。でなければ、上級貴族と付き合いを持つことなどできはすまい。
「で、そのコールバインさんはどこへ行ったって?」
店主は考え込むように押し黙ると、ひとつ品物を手に取った。小振りの『輝石(幅広く用いられる鉱石)』があしらわれた、なんら変哲もない素朴な装飾品。店主は、それをこちらへ向ける。
「銀貨一枚」
「ちょっと! それはあんまりでしょ! ほかの店なら銅貨十枚でおつりがくる。十倍以上だなんて、ふっかけすぎよ。巡回中の騎士に、詐欺だって言ってやるからね」
「おいおい。こっちは赤毛の聖職者さんと商談してるんだ。娘っこはおとなしく引っ込んでな。先輩に迷惑かけたくないだろ?」
地団太を踏んで悔しがるマルルの背を、軽くさすってなだめる。
陽気で元気のいい可愛い後輩だが、なにぶん堪え性がない。感情がすぐ表に出てくるのは、ちょっとした欠点だと思う。……まぁ、それでも愛嬌が勝っているのだが。
「これが商売ってやつだものね。いいよ、支払う」
「先輩! もうっ!」
多少値は張るが払えないわけではない。この男にも日々の暮らしがある。少しでも身の入りが多いに越したことはない……。情報の見返りと思い、割り切ることにした。
それに、正しいかどうか確証はないが、他に手掛かりはない。ここは頼りにするしかないだろう。
―――まぁ、使い道があまりない給金はたまる一方だったし、悩むのも性に合わない。
「へへ、どーも。……そんでコールバインのやつだが、王都に着くと一息いれる行きつけの店があんだよ。んで、その店があるのは東区。この前も誘ったのさ。だけどあの野郎、急ぎの用があるってんで、反対の西区へ行ったんだよ。そん時は、護衛の傭兵連中も一緒だったな」
そこまで話すと、またひとつ何か思い出したように、店主は付け加える。
「そういや、あの傭兵たち。いつも雇ってた連中じゃなかったな。俺も見たことがねぇ。ありゃ新顔だ」
「―――ありがとう、助かったよ。西区の方向だね」
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