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第1話:主人公気取りの和井内くん
4.和井内くんの憧れ
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次の日の放課後。
僕はとある場所に向かって歩いていた。きっとそこに彼がいるはず。
「あ、やっぱり。」
僕は理科室のドアの前にいる和井内くんを見つけて、そう言った。
「え、渡瀬くん!?」
和井内くんは僕の声が聞こえたのか、振り返ってそう言った。
「理科室の中に入ろうとしたんでしょ?」
「え、なんでわかったの!?エスパー!?」
「違うよ。…やっぱり、鍵かかってる?」
「うん。」
「じゃあ、帰ろう。一緒に。」
僕はそう言った。
「え、いいの?」
「『こんなところで出会ったんだぜ。いいに決まってるだろ、これから友達だ!』…でしょ?」
僕は和井内くんを見てそう言った。
「…その台詞は!」
「『ムードメーカーまさる君』好きなんだね、和井内くん。」
「なんで知ってるの!?」
「昨日、和井内くんが神社にいるところ見かけてさ。持ってたでしょ、これ。」
僕はそう言って、ランドセルから昨日買った『ムードメーカーまさる君』の漫画第1巻を取り出した。表紙は全体的に赤く、3人の子どもが描かれている。
「渡瀬くん!?」
「どっかで見たことある表紙だと思ったんだよね。赤色で、3人組で…。よく考えたら、この漫画だって思い出してさ。いつか欲しいと思ってたから、昨日買っちゃった。」
「そんなことより!」
和井内くんは僕の両肩を掴んできた。
「え、何?」
「ダメだよ、漫画持ってきちゃ!先生に見つかったら怒られるよ!」
「…はあ?和井内くんも昨日持ってきてたじゃん!」
「オレは教科書にしてるからいいの!」
「なんだよそれ!?はあ、和井内くんと話そうと思って持ってきたのに。」
僕はそう言いながら、ランドセルの中に漫画を入れる。
「待って、昨日神社にいるとこ見たの?」
「うん。」
「なんだよ、その時話しかけてくれたら良かったのに。」
「無理だよ、変なことしてたんだから。」
「…変だった?」
「うん。うるさかったし、意味わかんなかった。」
「そっかあ。上手くいくと思ったんだけどなあ。」
「何がだよ。もしかしてだけど、あれって『まさる君』のマネしてたの?」
僕はそう言った。『ムードメーカーまさる君』の主人公である『まさる君』でもあんな変なことはしないけど、神社にいる時漫画読みながらしてたから、そうかなと思った。
「うん、よく分かったね。」
「うん、僕もよく分かったなって思ってるよ。分かってなかったら、理科室になんて行かないし。」
「ああ、そっか。」
『ムードメーカーまさる君』でのまさる君とその友達がよく放課後行くところ。それが、神社と理科室。昨日、買った漫画を読みながら、和井内くんが神社にいたことを思い出し、もしかしたらと思って放課後行ってみたら本当にいるとは。
「というか、なんで『まさる君』のマネしてるの?」
「なんでって…主人公になれると思ったんだ。」
和井内くんは、下を向いてそう言った。
「主人公?」
「うん。あのさ、転校生って主人公って感じしない?」
「え?」
和井内くんの急な問いに、僕は戸惑う。
「オレ、転校するってなった時、友達できるか不安な気持ちもあったけど、ワクワクする気持ちもあったんだよね。ほら、アニメや漫画だと転校生が主人公だったりするじゃん?主人公じゃなかったとしても、出てくること多いしさ。」
「まあ確かに、『ムードメーカーまさる君』でも、まさる君の親友は1話の時に転校してきた子だったもんね。」
「それに、オレの苗字って珍しい方なんだよ。アニメや漫画だと、主人公が珍しい苗字のことが多いから、オレ主人公になれると思ったんだ。」
「それで、『まさる君』のマネをしたの?」
「うん、オレの中で1番主人公って感じなんだよ。明るくて、クラスのムードメーカーで。マネしたら、人気者になれると思ったんだ。友達もいっぱいできると思って。」
和井内くんはそう言った。
「そうなんだ。」
「それに、『まさる君』と同じで担任の先生の主な担当教科が理科だったし…。」
「あ、その共通点もあるのか。」
「でも、『まさる君』みたいに自己紹介してもみんな寄ってこなかった。『まさる君』みたいに学校近くの神社に行って、アニメや漫画の最初によく言っている台詞をやっても、誰にも出会わなかった。神社の人に怒られた。」
「声大きかったもんな、怒られるよな。」
「だから、オレ変なことしたのかなって思って、今日は大人しくしてたんだ。」
和井内くんはそう言った。あー、確かに今日静かだった気がするな。僕の隣の席の弥佐朱輝のせいで全然気づかなかった。
「でも、それでも、主人公だと思ったから、放課後理科室に入ったら運命的な出会いがあると思ったんだけど…開いてなかった。」
「なるほどね。」
「ねえ、渡瀬くん。どうやったら、『まさる君』みたいになれるかな…!」
和井内くんは僕の顔に近づいてそう言った。そんなこと言われても、僕は『まさる君』じゃないし…。
「みんなと友達になれると思ったのに…。」
「わかったから、まず離れて。近い近い。」
「あ、ごめん。」
「まあ、まずみんなに『まさる君』のようなムードメーカーをマネしてるようには見えなかったのが問題なんじゃないかな。」
「…え、そうなの!?」
和井内くんは驚いてそう言った。
「うん、とてもマネしてるようには見えなかった。」
「そっか、全てが変だったのか…。」
「きっと、『まさる君』だったら、クラスのみんなに『ああいうキャラクターだ』ってのが分かってたから受け入れられたけど、和井内くんのことはみんな知らないから変に見えたんじゃないかな…。ほら、最初親友になる子が転校してきた時だって、『まさる君』を受け入れてなかったじゃん。」
「確かに…関わりたくなくて避けてたかも。」
「その子が『まさる君』と親友になったのって、まさる君が友達思いで自分から理解して色んな人と関わろうとしてたからだよ。多分だけど。」
「そっか…オレ、話しかけられるの待ってたかも。目立つことしたら、みんなと友達になれると思ってた。」
和井内くんはそう言った。そっか、和井内くんは友達が欲しかっただけなんだ。
「オレ、もうみんなと友達になれないのかな。」
「…そんなことない、とは言えないけどさ。今からでも、遅くないんじゃない?」
「え?」
「みんな和井内くんのこと知らなかったから、怖くて近づかなかったけど、みんなと話すことができれば和井内くんのこと理解してもらえると思うよ。」
「本当に?」
「まあ、人によって合う合わないはあるかもしれないけど…。」
というか、こんなこと言っといて成功するかわからないし…僕、まだ人生12年目だよ?
「そうだよね…。」
和井内くんは下を向いてそう言った。
「…僕も手伝うよ。」
「え?」
「僕も和井内くんと一緒にクラスのみんなと友達になるってこと。小学校生活最後の年だし、みんなと楽しく卒業したいなって思ってたから。」
「…いいの?」
「うん、だって友達だろ?」
僕はそう言った。すると、和井内くんは僕に抱きついてきた。
「うわっ、何!?」
「ありがとうー!オレ、渡瀬くんの一生の友達でいるからな!」
「何だよそれ。」
僕は笑いながらそう言った。はあ、これから僕の最後の小学校生活どうなるんだろう。
「渡瀬くん、よろしくな!」
「カイでいいよ。よくそう呼ばれてるし。」
「そっか。じゃあ、オレのことはエイトリーフって呼んでくれ。略してエリーフでもいいぜ!」
「…やつばって呼ぶね。」
第2話に続く
僕はとある場所に向かって歩いていた。きっとそこに彼がいるはず。
「あ、やっぱり。」
僕は理科室のドアの前にいる和井内くんを見つけて、そう言った。
「え、渡瀬くん!?」
和井内くんは僕の声が聞こえたのか、振り返ってそう言った。
「理科室の中に入ろうとしたんでしょ?」
「え、なんでわかったの!?エスパー!?」
「違うよ。…やっぱり、鍵かかってる?」
「うん。」
「じゃあ、帰ろう。一緒に。」
僕はそう言った。
「え、いいの?」
「『こんなところで出会ったんだぜ。いいに決まってるだろ、これから友達だ!』…でしょ?」
僕は和井内くんを見てそう言った。
「…その台詞は!」
「『ムードメーカーまさる君』好きなんだね、和井内くん。」
「なんで知ってるの!?」
「昨日、和井内くんが神社にいるところ見かけてさ。持ってたでしょ、これ。」
僕はそう言って、ランドセルから昨日買った『ムードメーカーまさる君』の漫画第1巻を取り出した。表紙は全体的に赤く、3人の子どもが描かれている。
「渡瀬くん!?」
「どっかで見たことある表紙だと思ったんだよね。赤色で、3人組で…。よく考えたら、この漫画だって思い出してさ。いつか欲しいと思ってたから、昨日買っちゃった。」
「そんなことより!」
和井内くんは僕の両肩を掴んできた。
「え、何?」
「ダメだよ、漫画持ってきちゃ!先生に見つかったら怒られるよ!」
「…はあ?和井内くんも昨日持ってきてたじゃん!」
「オレは教科書にしてるからいいの!」
「なんだよそれ!?はあ、和井内くんと話そうと思って持ってきたのに。」
僕はそう言いながら、ランドセルの中に漫画を入れる。
「待って、昨日神社にいるとこ見たの?」
「うん。」
「なんだよ、その時話しかけてくれたら良かったのに。」
「無理だよ、変なことしてたんだから。」
「…変だった?」
「うん。うるさかったし、意味わかんなかった。」
「そっかあ。上手くいくと思ったんだけどなあ。」
「何がだよ。もしかしてだけど、あれって『まさる君』のマネしてたの?」
僕はそう言った。『ムードメーカーまさる君』の主人公である『まさる君』でもあんな変なことはしないけど、神社にいる時漫画読みながらしてたから、そうかなと思った。
「うん、よく分かったね。」
「うん、僕もよく分かったなって思ってるよ。分かってなかったら、理科室になんて行かないし。」
「ああ、そっか。」
『ムードメーカーまさる君』でのまさる君とその友達がよく放課後行くところ。それが、神社と理科室。昨日、買った漫画を読みながら、和井内くんが神社にいたことを思い出し、もしかしたらと思って放課後行ってみたら本当にいるとは。
「というか、なんで『まさる君』のマネしてるの?」
「なんでって…主人公になれると思ったんだ。」
和井内くんは、下を向いてそう言った。
「主人公?」
「うん。あのさ、転校生って主人公って感じしない?」
「え?」
和井内くんの急な問いに、僕は戸惑う。
「オレ、転校するってなった時、友達できるか不安な気持ちもあったけど、ワクワクする気持ちもあったんだよね。ほら、アニメや漫画だと転校生が主人公だったりするじゃん?主人公じゃなかったとしても、出てくること多いしさ。」
「まあ確かに、『ムードメーカーまさる君』でも、まさる君の親友は1話の時に転校してきた子だったもんね。」
「それに、オレの苗字って珍しい方なんだよ。アニメや漫画だと、主人公が珍しい苗字のことが多いから、オレ主人公になれると思ったんだ。」
「それで、『まさる君』のマネをしたの?」
「うん、オレの中で1番主人公って感じなんだよ。明るくて、クラスのムードメーカーで。マネしたら、人気者になれると思ったんだ。友達もいっぱいできると思って。」
和井内くんはそう言った。
「そうなんだ。」
「それに、『まさる君』と同じで担任の先生の主な担当教科が理科だったし…。」
「あ、その共通点もあるのか。」
「でも、『まさる君』みたいに自己紹介してもみんな寄ってこなかった。『まさる君』みたいに学校近くの神社に行って、アニメや漫画の最初によく言っている台詞をやっても、誰にも出会わなかった。神社の人に怒られた。」
「声大きかったもんな、怒られるよな。」
「だから、オレ変なことしたのかなって思って、今日は大人しくしてたんだ。」
和井内くんはそう言った。あー、確かに今日静かだった気がするな。僕の隣の席の弥佐朱輝のせいで全然気づかなかった。
「でも、それでも、主人公だと思ったから、放課後理科室に入ったら運命的な出会いがあると思ったんだけど…開いてなかった。」
「なるほどね。」
「ねえ、渡瀬くん。どうやったら、『まさる君』みたいになれるかな…!」
和井内くんは僕の顔に近づいてそう言った。そんなこと言われても、僕は『まさる君』じゃないし…。
「みんなと友達になれると思ったのに…。」
「わかったから、まず離れて。近い近い。」
「あ、ごめん。」
「まあ、まずみんなに『まさる君』のようなムードメーカーをマネしてるようには見えなかったのが問題なんじゃないかな。」
「…え、そうなの!?」
和井内くんは驚いてそう言った。
「うん、とてもマネしてるようには見えなかった。」
「そっか、全てが変だったのか…。」
「きっと、『まさる君』だったら、クラスのみんなに『ああいうキャラクターだ』ってのが分かってたから受け入れられたけど、和井内くんのことはみんな知らないから変に見えたんじゃないかな…。ほら、最初親友になる子が転校してきた時だって、『まさる君』を受け入れてなかったじゃん。」
「確かに…関わりたくなくて避けてたかも。」
「その子が『まさる君』と親友になったのって、まさる君が友達思いで自分から理解して色んな人と関わろうとしてたからだよ。多分だけど。」
「そっか…オレ、話しかけられるの待ってたかも。目立つことしたら、みんなと友達になれると思ってた。」
和井内くんはそう言った。そっか、和井内くんは友達が欲しかっただけなんだ。
「オレ、もうみんなと友達になれないのかな。」
「…そんなことない、とは言えないけどさ。今からでも、遅くないんじゃない?」
「え?」
「みんな和井内くんのこと知らなかったから、怖くて近づかなかったけど、みんなと話すことができれば和井内くんのこと理解してもらえると思うよ。」
「本当に?」
「まあ、人によって合う合わないはあるかもしれないけど…。」
というか、こんなこと言っといて成功するかわからないし…僕、まだ人生12年目だよ?
「そうだよね…。」
和井内くんは下を向いてそう言った。
「…僕も手伝うよ。」
「え?」
「僕も和井内くんと一緒にクラスのみんなと友達になるってこと。小学校生活最後の年だし、みんなと楽しく卒業したいなって思ってたから。」
「…いいの?」
「うん、だって友達だろ?」
僕はそう言った。すると、和井内くんは僕に抱きついてきた。
「うわっ、何!?」
「ありがとうー!オレ、渡瀬くんの一生の友達でいるからな!」
「何だよそれ。」
僕は笑いながらそう言った。はあ、これから僕の最後の小学校生活どうなるんだろう。
「渡瀬くん、よろしくな!」
「カイでいいよ。よくそう呼ばれてるし。」
「そっか。じゃあ、オレのことはエイトリーフって呼んでくれ。略してエリーフでもいいぜ!」
「…やつばって呼ぶね。」
第2話に続く
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