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釣果はいかに
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仕事の都合で立ち寄った港町。少し時間が空いたのでぶらぶらと海を見ながらの散歩を決め込んだ。
テトラポッドの並ぶ堤防の先に釣り人が一人。私はその人のそばへと近寄っていった。だが無言で近づくのは相手に悪い。
「釣れますか?」
月並みな台詞だ。だがこのくらいで丁度いい。
「いやあ、今日は渋いね」
初老の釣り人はキャップをかぶり直し、こちらに人懐こい視線を向ける。その表情が本日の釣果を如実に表していた。
「先週は大物を釣り上げたんだけどねぇ~今回はさっぱりさ」
釣り人は両手を広げ大きさを自慢する。その大きさはほぼ自分の身長くらいの大物を釣ったんだ、と主張している。
「すごいですね、何を釣ったんですか?」
その言葉を待ってました! 釣り人の顔はそう告げており、まるで内緒話をするかのようにこちらへ身を寄せ、耳打ちする姿勢をとった。
「実は……人魚なんですよ」
釣り人は声を潜め耳元で囁いた。と同時に私は悪ノリに付き合わされたのだと気付いて苦笑いを浮かべた。
「お、信じてないね? でも本当なんだよ。先週お気に入りの場所で髪の長い女性を釣り上げてね、警察に通報したりと大忙しだったよ」
「それって水死体だったんじゃ……」
「そうね、でもあれは本当に人魚だったと思うんだ」
「それがわかるのはもう少し先かな」
テトラポッドの並ぶ堤防の先に釣り人が一人。私はその人のそばへと近寄っていった。だが無言で近づくのは相手に悪い。
「釣れますか?」
月並みな台詞だ。だがこのくらいで丁度いい。
「いやあ、今日は渋いね」
初老の釣り人はキャップをかぶり直し、こちらに人懐こい視線を向ける。その表情が本日の釣果を如実に表していた。
「先週は大物を釣り上げたんだけどねぇ~今回はさっぱりさ」
釣り人は両手を広げ大きさを自慢する。その大きさはほぼ自分の身長くらいの大物を釣ったんだ、と主張している。
「すごいですね、何を釣ったんですか?」
その言葉を待ってました! 釣り人の顔はそう告げており、まるで内緒話をするかのようにこちらへ身を寄せ、耳打ちする姿勢をとった。
「実は……人魚なんですよ」
釣り人は声を潜め耳元で囁いた。と同時に私は悪ノリに付き合わされたのだと気付いて苦笑いを浮かべた。
「お、信じてないね? でも本当なんだよ。先週お気に入りの場所で髪の長い女性を釣り上げてね、警察に通報したりと大忙しだったよ」
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「そうね、でもあれは本当に人魚だったと思うんだ」
「それがわかるのはもう少し先かな」
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