初恋熱暴走

縞々しじま

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長年の恋が叶った日は、好きな男を啼かせた日

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 恥ずかしそうに俯く姿の今昔。
 頬にキスをしてきたわんぱくでピュアな男の子に恋をしてから、相楽路成は今日に至るまで一途が過ぎていた。
 真っ赤になって涙目になってペニスをおっ立てている男が愛しくて愛しくておかしくなっている。

「絃史が俺で勃起してんの嬉しい」
「バっ──お前、少しは慎みっつーのをだな!」
「モラルが足りないのは絃ちゃんでしょ。他人の家で全裸とかあり得ない」
「お前がさせたんだろ……!?」

 ダラダラと我慢汁を垂らしている剛直に恍惚としながら、路成はベッドの向かいに椅子を持って来て恋人の淫らな姿を愉しんでいる。
 特に嗜虐思考がある訳ではないし抱くのは絃史なのは譲らないが、羞恥に熱されてぺそぺそ半泣きで性器から涎を垂らす姿が可愛くて仕方がないのだ。
 この太くて逞しい性器が自分の奥深くまで入ってくるのかと思うと、一体どこまで固くなるのだろうという知的好奇心も抑えられなかった。
 絃史に性的欲求を向けられている悦びで路成はマイペースに突き進んで行く。

「みぃちゃん……そんな見るなよ……」

 母が世話になった人の息子も同い年だった──そんな単純な理由で引き合わされてから、ずっとずっと欲しかった男がぐすぐす洟を鳴らしている。
 明るくて、頭はそれ程よくないが、スポーツ万能で人徳があって人気者な絃史。そんな彼が今猛烈に路成に触られたがっている。
 心行くまで堪能して、その脳に刻み込みたい。相楽路成を刻み付けたい。

「絃ちゃんは、俺のもの。これ、入りたがってるね」
「っ……みぃ」
「俺も全部絃ちゃんにあげたいよ。許すのは絃ちゃんだけ。俺の全身好きなようにしていいのは絃史だけ」
「じゃあ何で脱がねーんだよ!!」
「やめ時見失って親に突入されたら困るし」
「お、おばさん達っ、旅行とかじゃないのか?!」
「普通に夕方には帰って来るよ」

 怯んで萎えるかと思いきや陰茎は更に濡れそぼる。
 脈打って、悪い子、いい子、素直な子。

「絃史、舌、べって出して。フェラの練習する」
「フェラ!?」
「ほら」
「ぐっ……あー……」
「間抜けな顔。でも絃史はそんな顔してても格好いいね」
「うっせえ──!!」

 絃史のやること為すことすべてが路成の恋心にヒットする。
 舌先をぴとりと付けると鼻息が荒くなるところも、水音を立てて吸うとシーツを握って快感をやり過ごそうとしているところも、好きで好きで全部欲しい。

「ンう、んうぅ、ぃろし、オナニーひて、にぎっれ」
「みぃちゃんがっ……!」
「──やだ。セックスする時俺冷静じゃいられない。それまでのズリネタになって」
「路成!! その顔でシモいこと言うな!!」

 絃史はただの男を清純派アイドルだとでも思っているのだろうか。路成は絃史に対してのみ性欲旺盛でアグレッシブな若者である。妄想と現実の落差に余計に興奮している恋人の性の匂いに盛っているだけなのだ。
 喜んでくれることを何でもしてあげたい気持ちでいる。

「絃史、俺とする気ある? チンコ、俺のケツ穴にハメたいよね」
「……たい、けど……」
「俺足腰立たなくなるまで責められたいから頑張ってね。早漏気味なのも気に入ってるから気にせず何回でも射精してよ。……絃史。流石に感性がおかしい」
「お前のせいだろうがよォ……」

 絃史が望むプレイに際限なく付き合うつもりでいるが、可能ならいじめ抜かれてみたいものだ。
 どうやら困難な道のりのようで路成も困惑する。恋人は隠れマゾヒストだったらしい。
 視姦されて反り返る剛直は素直そのものでカウパー液が精巣まで伝って陰毛を貼り付かせている。
 密かに思案しながら椅子に戻って足を組む。

「続きして。ちゃんとイケたら今度俺がオナってるとこ見せてあげる。前でも後ろでも」
「マジで?! いいのかよ──っ」
「……いいよ。絃史、俺が喘いでも平気?」
「あたりまえじゃん。聞きたい」
「──うん」

 この無垢な笑顔にとことん弱い。
 身体つきは立派な男で声も低くて外見に可愛らしいところなんて殆どないのに、全裸でもフル勃起でも損なわれない愛嬌に心底惚れている。

「おじさんおばさんに鉢合わせすんの気まずいし出したら帰るけど、路成、俺が帰ったらしろよ」
「……言われなくてもするし。絃ちゃん、さっきの汚れた下着借りれる? オカズにしたい」
「みぃ、お前人のこと言えないド変態だぞ……」
「昔からだし。絃ちゃんの大好きなみぃちゃんは押し倒されたくてしょうがないんだよ」

 素手で触った感触が右手に残っている。
 匂いを嗅ぐのも舐めるのも自粛したが、魅惑的でずっと欲しかったものをぶち撒けられて歓喜に震えた。

「目閉じて絃ちゃん。──想像して。俺が四つん這いになってるよ。『欲しい』って大好きなみぃちゃんが尻の穴広げてる。『もう我慢出来ないからください』って絃史に懇願するんだ。絃史のおちんちんが挿入ってくるの待ってる」
「あ……あん、あっ、ああん、こういうの、おかしいっ……!!」
「俺は絃史を好きになってからずっとおかしいよ。絃史、したいこと全部させてあげる。だから今日は一人で出して。もう一回射精出来たら今度は咥えて、舐めて、呑み込むから。俺のこと抱いて。絃史──はやく、めちゃくちゃにして」
「ぁっ──!!」
「『イきたい』──って、絃ちゃん、声我慢しないで出して。俺はどんな絃ちゃんも好きだよ。絃史、絃ちゃん、手速くなってる。また『出してくれる』?」
「んぁ、あっ、ぁ、あんっ、あっ……みぃ、その目、すんな……!」
「……浅ましい?」
「大事に出来ない……っ!!」
「いいよ絃ちゃん。『犯して』」

 路成の一言で怒濤の如く白濁が噴き出した。
 元気がよ過ぎて路成の髪にまで飛んで来ている。掬って口に含むと絃史は蒼白になって絶叫した。

「路成汚い!!!」
「やんちゃだねみいちゃん」
「また勃つからやめろ……!! っとに、俺の恋人、とんでもない奴だな……!?」

 数秒で服を着込み、悪態を吐きながら丁寧に髪をティッシュで拭ってくれる。
 お世話をする路成と焼かれるばかりの絃史だったが『しょうがないな』と言わんばかりの眼差しには愛がこもっている。

「それ……、どうにかして縮めて帰ってよ。通報されたら大変だから。コートなら貸せるけど──それと、俺絃史が帰ったらちゃんとオナるから想像よろしく」
「お前鬼畜かよ……」
「そんな俺でも好きでしょ? ……何」
「玄関まで送って。心配だから鍵閉めるか確認する」
「ん──俺も終わったら連絡するから」
「おー……」

 路成がこの後スることに恋人は誇らしげな顔つきもすれば優しさを醸し出すし、事後報告宣言をしたがると目元に険を作っては頬を緩めるでセクシー極まりない。
 部屋を出て階段を下りる後ろ姿に路成は絶えず胸を高鳴らせ、靴を履いて振り返った絃史に心臓が壊れるかと思った。

「羽目外すなよ」
「無理」
「後、あんまはしゃぐな。俺童貞だし下手くそだろうけど優しくするつもりしかないからな!」
「絃史──」
「じゃ、またな」

 去り際にほっぺにキスするのは小さい時と変わらないのに、段違いの色気と気配りと、やっぱり同じはにかみ顔に腰砕けだった。
 絃史しか見ないで一八年と七ヶ月、押し倒されたいと願った期間は優に人生の過半数。
 路成は烟る視界で夢見心地に部屋へと戻る。

「絃史──あぁ……!」

 濃い染みを作り男の匂いを放つ置土産を手にベッドに飛び込む。
 こっそり拝借して焦る姿を想像するものだとばかり思っていたのに、何倍も何倍も快感が押し寄せて身が疼く。
 あの肉棒も欲望の証も直接欲しい、舐めたい、飲みたい。
 ガッカリされたくないから動画やネットで知識だけは仕入れてみたが、自分達の間に余計なものを挟みたくなくて想像力だけ立派になった。
 丹念に練習させてもらいたい。しゃぶりたい。

「あっ、ァ、あぁんっ、あ…ああン……あぁー──」

 絃史の汗の匂いがシーツに残っていて乳輪に指を這わせると甘い啼き声が上がる。
 忘れもしない小学四年生の夏休み、絃史が自分を性の対象にしてくれて狂いそうな程嬉しかったあの日よりも激しい衝動だった。
 何度も空想の路成を抱いてきた絃史が、本人を前に精液を飛び散らせていた。抽挿しているかのように腰を動かしてぐっちゃぐちゃでみっともなくて、夢のような両思い。
 絃史に恋をしてから路成は生きてる限りおかしいから、もっともっと狂ってほしい、それよりもずっと──是喜絃史に狂わされたいと願っている。
 獣の眼孔に捕らえられ、牙を立てられ蹂躙されたい。
 だけど絃史は優しくしてくれる、丁寧に丁寧に、最高の恋人扱いで抱いてくれるだろう。
 下手とか早いとかどうでもいいのだ、絃史に欲しがられている事実だけで路成は生きている実感を得られる。

「絃史……」

 下着にこびりついて乾燥した精液は見るも無惨で、部屋に充満している愛する男の気配と色欲が唇を寄せさせる。

「んむ、ぁあっ、いとひ──」

 絃史がここで子種を蒔き散らしていた。
 路成の手の中で、自分で扱いて、想像の中の恋人の排泄器官に濃厚な精液を注いでいた。
 数多の精子が無駄になった。
 孕まない男の自分のために勃起出来なくなるまで絃史はザーメンを作り続けてくれる。その倒錯が路成を快感へと導くのだ。
 嗅覚と触覚を絃史で満たし、張り詰めた性器を絃史にしたように責め立てる。

「絃ちゃん、いとちゃっ──すき、すきだよいとちゃん、ああんっ、あん、イく、みて、いとちゃん、いとちゃん、いとしっ──! あ…あぁ……っ、いとし、あっ、いとしぃ、出すの見てて、見て……っ!!」

 同等の欲深さで溺れてほしい、叶うならこの臆病さも曝け出したい。
 幼馴染みは路成が乳首とペニスのみの自慰に固執していたことを知りもしない。
 本当はアナルの善さなんてちっとも分からないなんて想像もつかないだろう。
 自らを慰め空虚に耐えられずに泣いた日ばかりだった。あの骨太の手に包まれたいと望みながら、絶頂を迎えても寂しさと孤独で苦んだ。
 希望を持つことも諦め、軽蔑される覚悟だった。友情を断って棄てられようとした馬鹿な考えも、路成の恋人なら聞きたがるだろう。
 路成の身体は、器官は、愛しい男を受け入れられる柔さがない。
 それでも絃史は受け止めてくれる。ここを解してくれる、作り替えてくれる、自分を是喜絃史のためだけの相楽路成にしてくれる。

「おれだけのいとし」

 突かれたら、貫かれたら、奥まで塞いでもらえたら──絃史にこの身体を貰ってもらえるなんて今でもまだ信じられない。
 硬く閉じた場所を意識的に呼吸しながら指で押す。
 自然に濡れない痩躯でも絃史は大事にしてくれる。

「絃ちゃん、早く抱いてね」

 中途半端に脱いだ服をそのままに、落ち着かないだろう恋人にメッセージを入れる。
 既読が付くのが早過ぎて、路成は焦らすために通販サイトにアクセスした。
 恋人のペニスのサイズはしっかり覚えている。
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