初恋熱暴走

縞々しじま

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最後までシないと言ったけど、恋人が好き過ぎる

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 三歳の時に初めて会ってから絃史は路成に夢中だ。
 幼稚園生時代は兎も角、小学校に上がると滅多に会えなくなくなった最強に可愛い幼馴染み──未満の言うと怒る奴。
 好きで好きで好きで堪らないのに男同士だからと諦めていた。
 しかし、あの呼び出しを境に是喜絃史と相楽路成の運命は大きく交わった。
 あのみぃちゃんが、あの綺麗で賢くて絶対に手が届かないと思っていた路成がいきなりストリップする男になっていて、結果として絃史は初恋の相手と恋人になったしプロポーズもしたし、路成によって三回も射精してしまった。
 その麗しの恋人は、只今大変ご立腹である。

「今日絃史の家に呼ばれて俺がどれだけ喜んだかわかる?」
「……ごめん」
「準備して来たんだよ。絃ちゃんにやっと抱いてもらえるって、朝から張りきって風呂に入って後ろに指突っ込んで洗って来た。コンドームもローションもあるけど無駄にするつもり?」
「……ごめんなさい」
「絃史──勃起してるよ? 反省してる?」
「してるっ、してるけど、生理現象だから許してください……っ!」

 絃史のベッドに座っている路成は足を組んでいる。脚が長くてモデルみたいだが感心してる場合じゃない。
 絃史は床に正座して這い蹲って謝りっぱなしだ。
 大学が春休みに入ったので路成を自宅に招いた。前に会った時から既に一ヶ月近くが経過している。そういうことをしたいと呼んだ訳ではなかったが、ボトム希望でも絃史を押し倒したくてやる気漲っている路成ならその気でいると予期してはいた。
 こればかりは絃史の落ち度だ。路成は多大に期待していた。

「絃史はさ、俺とシたいの? シたくないの?」
「シたいよ!!」
「じゃあなんで一年も引き延ばすんだよ? 別の奴で練習するつもり? 俺は絃ちゃんが途中で萎えても平気だよ。中折れしたっていい」
「みぃちゃんとしかシたくねぇし萎えたりしねーし! 見ろよ!! ビンビンに勃ってんじゃん!!」
「なら、なんで──」

 そしてとても傷付いている。
 二人の都合が合う日がまず少なくて通話で拒否を示すのが躊躇われ、誤魔化に誤魔化して今日を迎えた。
 絃史は路成に弱い。それはもう弱い。
 それでいて路成とすることに夢を持っていて、心配があって、どうしても叶えたいことがあって強欲になってもいる。

「どうしてもこの家ではシたくない」
「俺はここでシたい」
「ごめん」
「……なら、ラブホは?」
「みぃちゃんとの初めてだよ?!」
「俺は場所は気にしない」
「俺が気にするし……もう路成の家に行けないんだからな! てか、ここで路成抱いたら毎日思い出すだろ! 毎朝毎晩勃っちまう!!」

 絃史は深刻な悩みを抱えていた。少しでも路成を思うとパブロフの犬が如く性器が膨張してしまうのだ。
 お互いに実家暮らし、地元暮らし。
 大好きなみぃちゃんに三回もイかされた後、帰り道はハラハラヒヤヒヤし通しだったし相楽さん家の付近には二度と行けない。

「クソ童貞」
「しょうがないし認めるけどさあ……路成との初めては大事にしたいんだよ。頼む!」
「──どこでする気? 一年待たせてどこでするの?」
「実はさ、俺、社会人になったら家貰うことになったんだ。俺の父方の叔母さん覚えてるか?」
「あの絃ちゃんを溺愛してる背の低い人?」
「そうそう、その人。叔母さんが卒業祝いにマンションの部屋くれるって言い出して、だから、そこで……」

 何より路成の声を他の誰かに聞かれたくないのが本音だ。
 二人だけの特別な部屋、しかも防音性能抜群という絶好のロケーションでロマンチストに火が点いた。
 ラブホテルは却下、一般的な旅館やホテルは隣の部屋への音漏れが心配、ハイグレードホテルは金銭的に無謀。
 長年の片想いが成就して独占欲が暴走し、そこに高年収バリキャリ独身叔母の提案が舞い込んで『そこなら』と思ってしまったのだ。
 両親は難色を示したがターミナル駅近くのマンションを初任給でも借りられる賃料で住めるのは非常に魅力的だった。親子揃ってプレゼンに納得させられてしまったのである。

「それだけ? 絃史が俺を一年も待たせるのにそれだけの理由とは思えないんだけど」
「──卒業祝いでもあるんだけど、結婚祝いなんだ」
「結婚……?」
「叔母さん、俺がみぃちゃんと付き合い出したの大喜びでさ。ご祝儀だって」
「何、それ……」

 元々母親と叔母が同級生の親友というスタートだったせいか、密でマメな報告がなされている。
 絃史が一八年間たった一人の相手に惚れきっているのも把握され、フラれる前提で拗らせていたのも見守られ、晴れて恋人になったとは告げてもいないのに態度から察されて祝福された。

「お膳立てされちゃったんだ。愛の巣にしていいとか言われた?」
「うっ……」
「それってさ──ずるくない? 絃ちゃん、引っ越す時、俺が好きそうなインテリアとか選ぶんでしょ? 食器だって揃えたりする。同棲したいんだ。絃史、俺を囲い込む気だね」
「そうだよ! 俺の恋人は誰から見たってすっげぇ魅力的だから……家族公認にして、逃げられないようにしたい……」
「逃げない。うちの親も喜んでくれた。絃ちゃんとの結婚も賛成するよ」

 引っ張られて隣に座る。
 路成はそのまま顔を隠すように絃史の肩に額を付けた。

「絃史……俺、妊娠出来ない」
「路成?」
「まだ男同士じゃ籍を入れられないし、絃史には、他にも」
「いない。お前だけだ」
「──下手でも愛想尽かさないよ。上手い方が困る」
「図星! そこも心配! 男同士で変かもしんないけど、抱くのは責任取れる立場になってからがいいんだよな。なぁみぃちゃん、俺も怖いよ。俺だって胸ねーし、頭もよくねーし、イケメンでもない。……やっぱ女がいいとか、子供が欲しいとか言われたら引き止められない」

 諦めていた恋心。
 捨てさせなかった男前な恋人は絃史を遮って責め立てた。

「俺は、男とか女とか知らない。絃史だけだ。絃史だから全部渡す。他の奴を混ぜるな。初恋なんだよこっちは。どんだけ長い間好きだと思ってんの?」
「初恋?」
「出会った日に惚れてるよ」
「──マジで?」

 さらっと爆弾発言をかますが、表情や口調がフラット寄りなのに絃史には分かりやすく盛大に照れている。
 瞳が潤んで長い睫毛も濡らして、求めるように目が閉じられた。
 喉がカラカラに渇いて手汗も掻いたが、絃史は繊細さを隠したがる路成を抱き寄せてキスをする。
 鼻息をかけてしまうのが恥ずかしかったが路成の唇に興奮している。

「絃史、続けて」
「みぃちゃん……」
「ンっ──ぁ、絃ちゃん」
「舌、いい……?」
「うん──ぁ、ふぁっ、んっ……」
「みぃ、その声、俺だけ?」
「そうだよ、絃ちゃんだけ……ぁ、ン、んん、ぁ──」

 最初は遠慮がちだった絃史も、服を掴む控えめな甘え方をされてストッパーが壊れた。
 まだ二人共キスの間の呼吸を知らない。
 鼻に掛かった甘い声に後頭部を押さえ込んでいた。

「ンう、んっ、ぅ…あ…ぁっ……」
「わり……! ごめん!!」
「いい──嬉しい……もっとして」

 おねだり上手の路成の蕩けた双眸に、絃史の脳内に警告音が鳴り響く。
 路成はなし崩しを狙っている。絃史の頭にも前言撤回が浮かんでいる。
 この淫靡な幼馴染み兼恋人は想定を遥かに超えた欲情を見せつけてくる。
 けれども、抗う。

「みぃちゃんっ──なあ、頼む、一年待ってくれ」
「どうして? 魅力ない?」
「あるよ!! あるっ!! けど……俺らには信じ合うって気持ちが足りてない気がする。俺、路成に信じてもらいたい。つか、イチから恋人したいっていうかさァ! ……みぃちゃんが俺を疑わないようになってからセックスしたい」
「疑ってなんてない」
「路成はこの流れで抱いたら、身体で落とせばいいって覚えちまう。それに同情だとか抱え込む方じゃねーか? …不安なのも一緒に乗り越えてこうよ、恋人だろ」

 初恋同士で出会ってから一八年も経っているが、二人は対面している時間も想い合ってる時間も圧倒的に不足している。
 このまますぐに繋がっても今後些細なことで自信をなくしてしまうだろう。
 同い年でも同級生になっていない二人の合計会話時間はトータル八〇〇時間どころかその半分にも満たない。
 自分達は同じ男に生まれてしまった。二人の避けようがないウィークポイント。
 路成は絃史をモテる男だと勘違いしているし絃史に選ばれるべきではない性別だと気に病んでいる。
 セックスしたらすっかり清々しく前向きになれるタイプかと言ったら絃史も路成もノーだ。
 一般的に恋人らしい段階を踏んで、余計な不安を取り払って、正々堂々この難儀な男を抱きたい。
 蕩かして甘やかして、出来るならめいっぱい喘がせたい。

「路成が男なんて三歳の時から知ってる。俺、男のみぃちゃんが好きだよ」
「でも、抱いてくれない」
「今抱かれたらみぃちゃん、不安なくなる? 増えてくんじゃないか?」
「そうかもしれないけど」
「それじゃあ駄目だ! 路成変なとこで思いきりがいいから……俺から離れなくちゃいけないって思ったら消えるだろ?」
「心配?」
「当たり前! どんだけ好きだと思ってんだ。エロいことはしたい。シたいけど──セックス、まだ早い……。その前も楽しみたいんだ。協力してください!」

 正直過ぎるが素直でひねくれている路成には直球ストレートがいい。
 絃史は実らない初恋と分かっていながらも想像を膨らませていた。そしたら恋愛漫画も真っ青な順序を踏みたがるようになってしまった。
 男の愚直をくだらないと切り捨ててもいいのに、初恋の子は泣きそうになりながら笑ってくれた。

「俺に何させたいの?」
「……みぃが可愛いやつ」
「絃史のそういうとこ好きだよ。俺には出来ないからね。……だけど、ごめん。俺は触ってほしい。最後までしなくていいから、絃ちゃん、俺のこと愛してよ」

 本人は淡々と告げているつもりだろうが微かに声が震えている。
 込み上げる愛おしさと劣情で力いっぱい抱きしめた。
 ここで断ったら恋人失格だ。泣かせないのが一番──この男を抱きたくて狂いそうだ。
 路成が来た時間には一階に家族がいた。既に外出済み、恋人は今日性行為が出来るように仕度を済ませてある。

「俺、据え膳だよ。食べて?」
「最後まで、しないのは、お前が大事だからで──最後までシてえよ!! 何で俺……っ! お前が好き過ぎて頭回んない!!」
「そういうとこほんとに絃史って感じ」

 互いに変わっていないところに喜んでしまう。新しい発見があると更に好きになるのも同じだ。
 路成は上目遣いにこちらを見てからシャツのボタンを外していく。上気した白い肌を見せつけて、つくりの異なるしなやかな手で絃史の頬を撫でた。

「絃史、見て。俺の胸、自分で触り過ぎてこうなったんだよ」

 服を肌蹴させて紺色のシーツに横たわる恋人。
 その乳首は充血したように赤く大きく膨らみ、固く尖っていた。
 一途な幼馴染みは自分を想い、求めて、自慰をしていた。どんな嬌態で達していたのか、喉を鳴らして生唾を呑む。

「俺、性欲、強い方……絃ちゃん、たすけて」
「路成!!」

 噛み付くようにキスをした。この男を蹂躙したい欲が上回る。
 助けたい、助けるどころか、声が枯れるまで啼かせて限界まで貫きたい。

「んッ──ああっ! 絃史、触って……! あぁあんっ、いとし、あぁっ、あっ、あ、あぁあッ!! いとしのゆびが俺のっ──あぁァン! 舐めてる! 舐められてる──!」
「みぃ、どんだけ一人で触ってたんだよ……」

 じゅっ、じゅうぅっと右胸に吸い付くとビクビクと揺れる身体。
 全身を真っ赤に染めて甘い声を上げている。
 自制心は意味を成さない。
 男で胸でこんなに感じるのは路成が自身を開発しているからだ。

「んっ、ンう――みい、気持ちいい?」
「あっ、あぁんっ、いとし、あぁああん!! いとちゃん、もっと、もっと強くっ──ああぁあんっ!!」

 お願いには応じてあげずに舌の乳首を捏ねる。乳輪にべったりと舌を這わせて尖らせた先でチロチロと舐めた。
 焦らせて煽って、それから指で可愛がっていた左の乳首にじゅぽっと吸い付くと、路成は善がりながらもっともっとと背を反らせた。
 腹に男の欲が当たっている。
 慣れない愛撫でも路成が感じている。
 あの路成がこんなに乱れて、みぃちゃんに泣きながら乞われて求められて──これで勃たないなら男じゃない。
 紛れもなく絃史も高揚している。

「あっ、あん、あァ、あんっ、あぁ、あン! あぁぁ! ああぁんぅ──っ!!」

 歯を立てないように貪り食らっているだけだったのに路成は歓喜の声を高く上げた。そしてぐったりと力が抜けて、浅い息を立てて喉仏を曝す。
 口の端から垂れている涎が、実はかなりの見栄張り男の絶頂を教えた。

「みぃ……胸だけでイけんの?」
「……絃ちゃん……」
「どうした?」
「脱いで……脱がして。絃史も裸になって」
「分かった。泣かなくていいから。待ってろ」

 路成に会える日は小奇麗にしている服を脱ぎ捨てると汗ばんだ腕で求められる。
 直情のまま体重をかけた。
 二人の肌は熱を灯し、路成は心のままに泣いている。寂しがって、今度は幸せそうに涙を流すのだ。

「俺、死にそう。キスして絃ちゃん」
「ぁっ――みっ、あんっ、みちなり、まて、あてるなっ……ぁんっ、ああっ」
「ん、ンんっ──あっ、絃史ぃ、あっ、あぁんっ! ねえ、このままシようよ? もっと俺の声聞きたいでしょ」
「シ──ない! ああぁっ、だめだみいちゃ、撫でないで、オナニーなら何回でもするから……!」
「こんなおっきくして、一人で我慢出来る? 喘ぐの大好きな絃ちゃんが自分で扱くだけで満足するの?」
「あっ、あン! 駄目だよみいちゃん、脱がさないで!! ああんっ、あぁっ、だめっ、だめだ、みぃちゃん! みぃ!! お前が大事なんだよ……!!」

 脚が絡み付き腰が淫らに動いている。器用に下着ごとズボンを下ろして腰をくねらせる。
 挿入されている男の動きだ。
 口内を弄られ、逃げようとする絃史の舌は音を立てて吸われてしまう。
 このままでは抱く。
 絃史は路成の細腰を掴んで唇を塞いだ。キスじゃない、相手の酸素を奪う征服行為。

「んんうっ――!」

 苦しむ恋人、可哀想に、耐えさせてしまう可愛い恋人。
 生理的な涙を浮かべて叩いてくる路成に背徳感が生まれながら、目尻に優しいキスをした。

「今日は、抜き合いだけだ!」
「頑固。突っ込みたくなったら言ってね。絃ちゃんと違ってヤる気しかない」
「その日は……相談して、決めさせて。甘酸っぱいデートとか、先に……」
「花畑」
「いいだろ!? 相楽路成一筋一八年だっ、俺の童貞は楽しみに取っといてくれ!」
「俺、好物は最初に食べる」
「今日は……今日は許してくれ路成……!」

 抱きたい、突きたい、善がらせたい。
 チンコも頭もはち切れそうだ。
 だが是喜絃史には叶えたい夢があった。
 初デートの待ち合わせで髪を直すみたいなベタな仕草をする路成が見たい。完全にするのは自分だろうが、会ったら即合体希望のような気持ちで拗らせていない。
 路成は絃史にとって王子様みたいなところがある。大切に大切に甘やかした後に全身どこもかしこもしゃぶり尽くして寝起きに寝顔を見ていたい。

「理想高いもんね絃ちゃん。夢見がちだし」
「悪かったな……お前のせいだよ!」
「今日ヤッたら絃史後悔する?」
「するかも……準備が足りなかったって」
「そっか、緊張してるんだね絃史。それなら抜きっこだけでいいよ」

 ちゅっ、ちゅっ、と軽やかなリップ音を立ててキスをしてくる路成に絃史は目を丸くした。
 口角を上げて嬉しいと伝える姿が珍しかった。それ以上に『抜きっこ』という単語のチョイスがツボに入った。
 怒張を押し当て乳首を摘まみ、今はこれだけしか挿入れられない舌で驚く路成を弄った。啜り、口蓋を擦り、苦しげな路成の生理的な涙に迸りを噴かせる。
 相手の服をスマートに下げられないので自分の性器だけ路成の臍に埋めて、頸動脈に手を被せて顎を上げさせる。
 驚愕している顔がそそられるなんてどうかしている。

「いとし、きゅうにっ、あンっ! あぁっ、絃史……? 怒ってる……? おれっ、赤ちゃん出来ない……っ!」
「みい……お前……」
「ごめん、絃史、許して、あ、あっ、だめ、そんなとこっ、あぁ、あぁん、見られてるだけでイっちゃう……イキそう……俺絃ちゃんに犯される……挿入れて絃ちゃん、こんなに大きくして──出そうよ」
「路成……、俺っ、一年我慢しきれないかもしんねぇ! 優しくも出来ないかも……!」
「あ、そんなこと? 望むとこだよ、激しく抱いて」

 泣きべそを掻きながら路成の腹を汚しているというのに、恋人は腕を伸ばして喜びを露わにする。
 踵が尻を叩いた。促している。音が鳴る程首を振れば笑っている。
 勃起してても絃史の路成は最強に愛らしい。

「絃史。俺も卒業したら家出る。新居もいいけど、俺の部屋でシよう? ……いつもオナニーの後、泣いてるんだ。あのベッドで絃ちゃんに抱かれたい」
「何で──?」
「辛かったから。……絃史の我儘にも付き合う。だから愛し合うセックス、あそこでして」
「路成! 今日は俺のチンコがどんだけ精液ぶちまけるか覚えて帰れよ!!」
「うん──大好きだよ絃ちゃん」

 生殺しで終わらせてしまうが男には譲れないものがある。
 路成は本気で絃史に殺されても構わないと言うのだろうが二人でご長寿まで生きていく。
 目の前にピュアが募って邪可憐な恋人がいるのに音漏れがどうとか気にしているのも馬鹿みたいだが、手繋ぎから始める恋人もしたい。

「俺をお前のものにしてくれよ」
「『なれ』じゃないのがらしいね。俺の彼氏、格好いい」
「散々喘ぐけどな!」
「最高──」

 年季の入った初恋は人を狂わせる。
 路成は絃史の両手を取って、胸に覆わせて脇腹を撫でさせる。腰を掴ませて微笑み自らベルトを外した。誘惑の仕方が上手過ぎる。
 直線的な臀部に絃史は荒い呼吸になっていた。窮屈な下半身と張り付いている下着。濡れている、あの路成を手に入れられる。
 興奮で絃史は射精間近だ。

「脱がせて絃史。俺、絃史に下着脱がせてもらうの何度も想像した」
「俺っ……何で!! 今日はシないとか言ったんだ?!」
「絃ちゃんだからだよ。詰めがいつも甘い」

 獣の如き血走った目と逸る呼吸で路成の性器を眼前に晒す。
 可憐でも清楚でもないが絃史のものより細めの性器に何だか泣けてきた。

「好きだ路成」
「急に何?」
「お前、一生童貞だろ」
「そうだね。そんなこといいから早くやって。俺は絃史のチンコ欲しい。可愛いみぃちゃんのおちんちん、早くしてって泣いてるよ」
「おっまえ……! マジで本番泣かせるからな!!」
「うん」

 素直に同意されるはキスを贈られるはで変な声が出た。
 反り返っている剛直をうっとりと見つめられ、グイッと腰を押し当てられる。

「絃ちゃんの熱い──ああっ、ぬるぬるしてて、我慢してて、可愛い。血管浮き出てガッチガチ。俺が欲しくて頑張ってる」
「実況すんな……!」
「俺、待ってた、待ってたよ。これに抱いてもらえるんだ──イかせて絃ちゃん、絃ちゃんがイってる顔も見せて」

 恍惚状態の路成は『絃ちゃん』と呼ぶらしい。
 いつものクールな路成はどうした、ヤる時だけ淫乱とかエロ過ぎる。

「声、出してね絃ちゃん」

 ハートマークでおねだりされたらもう無理だ。
 絃史も甲高く啼き続け、恋人、未来の伴侶の性器を白濁まみれにしてやった。
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