10 / 141
じゅう
しおりを挟む
殿下と茶飲み友達になって早5年。可能な限り登城していたので、今のところ殿下に拗らせている気配は無い。拗らせてると言うより執着が進行している?
そして今日も殿下と紅茶を飲んでいる。うん。安定の美味しさ。茶葉がいいんだろうけど、侍女さんの淹れ方も上手なんだろうね。お菓子も美味しーい。
殿下の身長も安定の成長。すでにオレより頭半分高い。つむじを見られちゃってるよ。
さて、問題の留学が決まったのだが、フラグを折る方法が一つしか思いつかなかった。かなり強引だけど、とりあえず言ってみる。
「殿下、1年後ですが、隣国へ留学することになりました」
予想通りと言うかなんと言うか。殿下が固まった。
「それは、いつ決まったのだ?」
殿下の魅惑のバリトンが寒々しく聞こえる。
「昨日でございます。研究を続けたい私の意を汲んで、父が尽力してくれました。医療は隣国の方が発達しておりますので、2年参る予定です」
「そうか・・・」
殿下の居間の気温が下がったように感じるのは気のせいじゃないよな?
「ところで、殿下は留学などはされないのですか?」
「留学?」
「はい。王太子殿下も隣国へ留学されましたよね?殿下は我が国の学校のみで修学されるのでしょうか?」
恐らく、オレと離れたくなくて留学しなかったんだろう。
今日も安定の、オレにピッタリ寄り添う殿下。片手はオレの腰。もう片手はオレの手を握りしめている。留学することを話した時、恐ろしく力が入ってた両手が緩んだ。青痣になってそう。
オレに会えないから拗らせるっていうなら、一緒に行けばいいんだよ。王族の留学の受け入れは隣国も大変だろうけど、1年あれば準備出来るんじゃないかな。
すっかり冷めてしまった紅茶を変えてもらった。居間の気温が元に戻った気がするのは、やっぱり気のせいじゃないはずだ。
ところで殿下。両手が塞がってて紅茶はどうやって飲むのかな?
そして今日も殿下と紅茶を飲んでいる。うん。安定の美味しさ。茶葉がいいんだろうけど、侍女さんの淹れ方も上手なんだろうね。お菓子も美味しーい。
殿下の身長も安定の成長。すでにオレより頭半分高い。つむじを見られちゃってるよ。
さて、問題の留学が決まったのだが、フラグを折る方法が一つしか思いつかなかった。かなり強引だけど、とりあえず言ってみる。
「殿下、1年後ですが、隣国へ留学することになりました」
予想通りと言うかなんと言うか。殿下が固まった。
「それは、いつ決まったのだ?」
殿下の魅惑のバリトンが寒々しく聞こえる。
「昨日でございます。研究を続けたい私の意を汲んで、父が尽力してくれました。医療は隣国の方が発達しておりますので、2年参る予定です」
「そうか・・・」
殿下の居間の気温が下がったように感じるのは気のせいじゃないよな?
「ところで、殿下は留学などはされないのですか?」
「留学?」
「はい。王太子殿下も隣国へ留学されましたよね?殿下は我が国の学校のみで修学されるのでしょうか?」
恐らく、オレと離れたくなくて留学しなかったんだろう。
今日も安定の、オレにピッタリ寄り添う殿下。片手はオレの腰。もう片手はオレの手を握りしめている。留学することを話した時、恐ろしく力が入ってた両手が緩んだ。青痣になってそう。
オレに会えないから拗らせるっていうなら、一緒に行けばいいんだよ。王族の留学の受け入れは隣国も大変だろうけど、1年あれば準備出来るんじゃないかな。
すっかり冷めてしまった紅茶を変えてもらった。居間の気温が元に戻った気がするのは、やっぱり気のせいじゃないはずだ。
ところで殿下。両手が塞がってて紅茶はどうやって飲むのかな?
応援ありがとうございます!
4
お気に入りに追加
4,087
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる