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04 食べたことないやつです

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 寒さで目が覚めました。地面がつめたい……。明け方のようです。薄く東の空がピンク色になりかけていますが、まだ日は登っていません。朝の三時、四時くらいでしょうか。

 炭の匂いがふっとして、僕は昨日変な童貞くんが火を起こしたことを思い出しました。瓦礫から顔を出すと、童貞くんがまだ火のそばに座っているのが見えます。座っていると言うか、ぎゅっと縮こまって丸まっている感じです。

「……何してんの」
「あ、あの」

 なんとなく察しはつきました。このごろごろ石の転がるところで寝転ぶこともできず、かと言って寒くて火のそばを離れることも出来なかった、というところでしょう。

「馬鹿なの?」
「………」
「こっち来なよ」

 一人でキャンプしたり、ここまで歩いてくるんなら、明け方の寒さだって分かりそうなもんなのに。

 僕が瓦礫の隙間に敷いた布団に入って隣を指すと、童貞くんはまたわざとらしく口元に手を当ててソワソワ動きだしました。不審者。そのしぐさキモい。

「早くしろ。寒いから。布団なんかこれしかないんだからさ」
「い、いい、いいんですか?」
「寒いんだろ。暖房なんかないんだから仕方ないだろ」

 靴を脱ぎ、のっそりと大きな体が布団の中に入ってきます。こちらに背を向けて。まあそうだよね。

「布団にはいれてる?」
「あ。大丈夫です」

 なんでコミュ障のやつって「あ」って付けるんだろうね。あー、風呂に入ってないやつの匂いがする。汗くさ! まあいいや。僕だって流石にそんなにきれいでもないし。そもそもこの布団だって薄汚れて来てるんだ。足冷たっ!

「足、まっすぐ伸ばしてくんない?」
「ご、ごめんなさい。はみ出ちゃって」

 なるほど、肩まで布団をかけると彼の場合は足先が出てしまうようです。かと言って今のところ別な毛布もないし。

「仕方ないな……」
「すみません」

 少しだけ足を前に出した気配がしました。膝が出ちゃうんじゃないかな。こちらも少し肩が出ちゃうんだから我慢してほしいけど。寒。

 一度冷えるとなかなか眠れない。ちょっとはみ出た肩口が寒い。どうやら彼の方は眠ったようです。足もあったかくなったなあ。よほど寒かったんでしょうね。どっかにもう一枚毛布があったはずだから掘り返さないと。とにかく寒い。今度は僕の足が冷え切ってる。もう少し、布団被りたい。なんで久々に人と寝て寒くなってるんだ。しかも僕の布団なんですけど?

「ん」

 こちらに背を向けていた童貞くんが、ごろんと寝返って真上を向きました。圧力で僕がさらに追い出されるはめに。図々しいんだよ! とは言うものの、ラーメンの恩があるしな。あれはうまかった。僕の体の三分の一が布団の外になってしまったので、ぐいと童貞くんの体を押してやるんですが全く動かない。でかすぎ。開き直って布団だけ剥いで自分が包まると、今度は童貞くんは布団の中に入り込みたいのか、こちらに体を向けて寄って来ました。起きてんじゃねーだろうな?

「ふがっ」

 寝てます。寒いんだね。でもあったかい。目の前の童貞くんの顎を見ると、無精ひげが結構伸びています。これ、こいつ世界が終わってから剃ってねーな。こういうやつとやるとひげがちくちくするやつとそうでもないやつがいるんです。こいつはどっちかな。

 試しにちょっと触ってみます。ちょっとちくちくする? うーん、手で触っただけじゃわからないな。カッターか何かで整えたようなくっきりした唇。童貞だって。もったいねえ~。そういえば人肌を感じながら寝るのも久々です。悪戯したくなっちゃう。ちょっとこのダサくてウザい髪を上げてみます。髪きったねー。ベトベトじゃん。なんか絡んでるし。触るんじゃなかった………

「………」

 顔、かなりよくない?? まゆげボッサボサだけど。ちょっとアガるわ。雰囲気イケメンならぬ雰囲気オタクだね。童貞か。いいな! 食おう! 逃げられたらそれでもいいしな。てか人の布団に入って来て本気寝するのが悪いんだよ。もっと人を疑えよな。

 向かい合わせになったまま、手探りで中学生がしてるみたいなベルトをそっと緩め、チノパンのボタンを外します。ファスナーを下げて手を入れてみると、少し厚手の布の向こうにそれがあるのがはっきりわかりました。ブリーフだったら笑う。反応見ながら遊ぶの好きなんだよね。

 結構、太くね? 剥けてるし。

 つうっと撫でると、それがびくんと頭をもたげます。やば。カリが張ってて、凄い良さそう、これ。

「う」

 まだ起きないでね。いい夢見てろよ。

 布団の中に潜り込んで引っ張り出したそれを鼻先に持ってきます。すげーエロいにおいする。ぱくっと口に含んで舌で形を確かめて見ると、やっぱりすごくいい形です。入れてみたい、これ。最近ちょうどご無沙汰だったんですよ。そろそろ誰か引っかけようかなと思ってたら世界が終わっちゃったんです。

「ん」

 やば。めっちゃでかくなるじゃん。仰向けにしたら入るかな? ゴムあったかなあ。童貞ならナマでもいっか。あーでもシャワーないんだった。

「ぷは」

 ゴムか。財布に一個いれてたかも。

「な、なに、なにして……」

 あ。起きちゃった。

「何って。フェラ」
「ふ……」
「気持ちいいでしょ? 寒い? 続きしよ?」

 しょうがないなあ。残念。でも一発抜いとこ。僕のも勃ってきちゃったし。

「ちょ! ちょちょちょ」
「ふるひゃい(うるさい)」

 口に入れ直すと、大きな手がぱっと僕の頭を掴みました。でもさほど力が入っているわけでもない。いける。押せるなこれ。

「……大丈夫だから。あのさ、女の子とやるよりイイよ。マジで。僕も男だから、あんたの気持ちいいとこ全部わかる」
「そ……ういうことじゃ」
「もう勃ってんだから。あんたもきついでしょ? 楽しんだらいいんだよ」

 じゅ、と吸い付くと、僕の頭に触れている指先がぶるっと震えました。反応もカワイイね。童貞くん。喉の奥にごつごつと触れる、硬くて弾力のある凶悪な先っぽ。あーだめだこれ。めっちゃ入れたいんだけど。

「あっ!」
「う」

 びく、びく、びくと口の中でそれが跳ねるように射精しました。急に喉の奥に出されたので苦しい……

「っ! ごほ」
「あ……ごめんなさ……」
「いくなら! げほっ……いくって言ってからにしろよ」

 めっちゃ喉の奥に張り付くんだけど。粘っこ! これが通常営業の人? 溜めた結果?

「だ! だい、だいしょ、だいじょ」
「大丈夫! うるっさい」
「ごめんなさい……」

 気管に入ったんで苦しくてこっちは萎えたわ。クッソ。

「でも良かっただろ。悪いと思ったんなら次はやらせろよ」
「や、や、やや」
「あんたは仰向けに寝てるだけでいいからさ。マジで。ちょっと貸して」
「か、かかか貸せるもんじゃ」
「今じゃなくていい。萎えたんで」
「………」
「何? 今がいい?」

 まだ半勃ちの彼のものを指で軽く弾くと、彼は「うっ」と言って横向きに丸まりました。面白。

「あんたがやりたくなった時でいいよ」
「こ、こんな……こと」
「あー、ゴム見つけてからがいいな。じゃないと大変なんだよ。しまってやるからもう一回寝よ。まだ寒いし」
「あ! じ! 自分でやひます」

 こちらに背を向けてブツをしまい出した彼に後ろから抱きつきます。いい大きさ。押しに弱くて逃げなさそうなのもいいね。ちょっと犬臭いけど。

「………あの」
「この方があったかいし布団もちゃんと被れるだろ。あんたが布団もってくから僕寒くて眠れなかったんですけど」
「あ。ご。ごめんなさい」

 若干誇張しましたがコロッと騙されちゃうのもいいね。かわいいかわいい。なかなかいいものを拾いました。











 

 
 
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