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02 潜入捜査
11 Baltroy (共通事項)
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昼間この件について堂々と仕事できないのが地味に辛い。ヴェスタとの通信を終えて、デスクに向き直る。
先日から並べて見ている画像をまた端末に映してみる。レプリカント、建物の一部、農場。食堂、また別なレプリカント、ヴェスタ。趣味の悪い制服。建物の外観がもっとちゃんと写っていれば特定できるのにな。撮影対象をヴェスタにしてるからうまく写らない。
画像に映った人物たちはみんな一様に暗い顔をしている。ヴェスタも例外じゃない。ただ、多分、少なくともここにはReLFの幹部はいない。もちろんイレプリカも。もっと先を見ないといけない。正攻法じゃかなり時間がかかりそうだ……。
何か。何かないか。そこにあるデータの中から、おかしな共通点を探せないか。こういうのはヴェスタが得意なんだけどな……。
ReLFは一度戸建ての家に寄ってブリングや着てきた服を置いて行かせるとヴェスタは言った。まあ、こういう反政府グループがよくやるやつ。もとの生活に戻りたいと思わせないように、里心が湧くようなものをさっさと無くすって意味合いもあるし、今回みたいな追跡をさせなくするって意味でもある。GPSの妨害電波を出してるのならかなり徹底してる。
試しにヴェスタが持って出た偽装用のブリングを追尾してみる。ヴェスタがReLFの寄越したオートキャリアに乗った時点でGPSはだめになっている。もう車に加工がしてあったんだろう。大したものだ。
今日はここまで。だな。頭が働かない。当直室のシャワーを借りる。
「残業?」
当直はハーレイとノマの二人だった。俺とヴェスタはまだ当直はない。ヴェスタが入って一年経ってなかったからだ。やっと一年になってそろそろ当直もしないとと思ってたんだけどな。
「んー……いや、趣味?」
二人はプッと笑った。
「ヴェスタの件だろ。心配?」
「……心配はしてねえよ。気がついたらこんな時間になっちまってただけ」
終わりにしようと思ったものの、デスクに座るとどうしても端末に触ってしまう。ネットでReLFの情報を拾ってみる。メンバーと思われるレプリカントの情報は面白いくらいにない。ニュース記事、企業の記者会見動画、声明文。メンバーと見られるようなSNSひとつ見つからない。今時珍しい、完全な情報統制。だいぶうまくやってる。もしかしたらこの辺もプログラムの書き換えで制御しているのかも知れない。
プログラムか。
ヴェスタの支配率をゼロにしたのは、プログラムの書き換えを嫌ったからだ。何かに支配されて考え方や行動原理を俺の知らないうちに変えられたら困る。
でもプログラムというのは実際、どのくらいレプリカントたちに強制力があるんだろうか。人を殺せとプログラムされたら、残された人工脳の理性や良心に反してもするものなのか。あるいはそれらを蝕むような設定が可能なものなのか。
ちらりと時計を見る。日付が変わるところだ。ザムザが置いて行ったデータから一人の少年の画像を見つける。名前を確認。彼に戸籍はない。自分の手持ちのデータと照合。オーナーは結構有名な金持ち。ダメ元だな。メールを送っておく。運が良ければレスポンスがあるかも知れない。
ピンとまたヴェスタのバグからの画像が届く。真っ黒。
「………」
少し明度をいじる。ざらついたノイズの中で、ヴェスタが眠っている。
おやすみ。
先日から並べて見ている画像をまた端末に映してみる。レプリカント、建物の一部、農場。食堂、また別なレプリカント、ヴェスタ。趣味の悪い制服。建物の外観がもっとちゃんと写っていれば特定できるのにな。撮影対象をヴェスタにしてるからうまく写らない。
画像に映った人物たちはみんな一様に暗い顔をしている。ヴェスタも例外じゃない。ただ、多分、少なくともここにはReLFの幹部はいない。もちろんイレプリカも。もっと先を見ないといけない。正攻法じゃかなり時間がかかりそうだ……。
何か。何かないか。そこにあるデータの中から、おかしな共通点を探せないか。こういうのはヴェスタが得意なんだけどな……。
ReLFは一度戸建ての家に寄ってブリングや着てきた服を置いて行かせるとヴェスタは言った。まあ、こういう反政府グループがよくやるやつ。もとの生活に戻りたいと思わせないように、里心が湧くようなものをさっさと無くすって意味合いもあるし、今回みたいな追跡をさせなくするって意味でもある。GPSの妨害電波を出してるのならかなり徹底してる。
試しにヴェスタが持って出た偽装用のブリングを追尾してみる。ヴェスタがReLFの寄越したオートキャリアに乗った時点でGPSはだめになっている。もう車に加工がしてあったんだろう。大したものだ。
今日はここまで。だな。頭が働かない。当直室のシャワーを借りる。
「残業?」
当直はハーレイとノマの二人だった。俺とヴェスタはまだ当直はない。ヴェスタが入って一年経ってなかったからだ。やっと一年になってそろそろ当直もしないとと思ってたんだけどな。
「んー……いや、趣味?」
二人はプッと笑った。
「ヴェスタの件だろ。心配?」
「……心配はしてねえよ。気がついたらこんな時間になっちまってただけ」
終わりにしようと思ったものの、デスクに座るとどうしても端末に触ってしまう。ネットでReLFの情報を拾ってみる。メンバーと思われるレプリカントの情報は面白いくらいにない。ニュース記事、企業の記者会見動画、声明文。メンバーと見られるようなSNSひとつ見つからない。今時珍しい、完全な情報統制。だいぶうまくやってる。もしかしたらこの辺もプログラムの書き換えで制御しているのかも知れない。
プログラムか。
ヴェスタの支配率をゼロにしたのは、プログラムの書き換えを嫌ったからだ。何かに支配されて考え方や行動原理を俺の知らないうちに変えられたら困る。
でもプログラムというのは実際、どのくらいレプリカントたちに強制力があるんだろうか。人を殺せとプログラムされたら、残された人工脳の理性や良心に反してもするものなのか。あるいはそれらを蝕むような設定が可能なものなのか。
ちらりと時計を見る。日付が変わるところだ。ザムザが置いて行ったデータから一人の少年の画像を見つける。名前を確認。彼に戸籍はない。自分の手持ちのデータと照合。オーナーは結構有名な金持ち。ダメ元だな。メールを送っておく。運が良ければレスポンスがあるかも知れない。
ピンとまたヴェスタのバグからの画像が届く。真っ黒。
「………」
少し明度をいじる。ざらついたノイズの中で、ヴェスタが眠っている。
おやすみ。
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