40 / 229
02 潜入捜査
19 Vesta (解呪)
しおりを挟む
バルと話せて、こんなめそめそしてる場合じゃないって思い出した。そう。俺は友達を作りに来てるんじゃないんだから。なんでこんなことでしょげてるんだ。ここを早く出たかったら、ベッドの上で泣いてるのなんて時間の無駄なんだ。嫌われてるのならそれを利用することを考えなきゃ。
できることもあったのにやってなかった。気づいてからなんだかそわそわしてよく眠れなかった。少し明るくなってきた感じがしたのでそっとブースを出る。
まだ夜は明け切っていない。まずおととい気になったところをちゃんと確認したい。他の3人はまだ眠っているみたいだ。静かに玄関を出て、壁のところを見上げてみる。看板がかかってたんじゃない? 日焼けの跡一つでもいい、何か見つけたい。何もできてないから。
壁にはクラックが入っていたり、一部欠けていたりする。ペンキが塗り重なっているのがわかる。結構古い建物……。周囲を一周してみるけど、何もない。そうしているうちに、朝日が登って壁を照らし出す。何かないかな。誰かが何かした痕跡を辿れるようなもの。バルみたいに、においの違いがわかるとか。修理の跡が見えるとか……。
「!」
自分のほとんど使っていなかった機能を思い出す。目の前がさあっと色を変える。ペンキの一色だった壁が左目のサーモグラフィ機能によってグラデーションに染まっていく。
もし、以前この壁に直接建物の名前が書かれていたとしたら……。
太陽の光で、日陰と日向の凹凸が浮き彫りになる。エントランスの上の空間も、わずかなくぼみ、ペンキの重なりによる熱伝導率の違いで、見えなかったものが見えてくる。
ANDROID AND ADVANCE
見えた!
早くバルに知らせたかったけど、まだ5時台だった。さすがに早すぎる。寝てるよね……。でも……。
試しに親指の付け根を押してみる。起きてたら、物音が聞こえるんじゃないかな? バルの。耳を澄ませる。バルがいる空間の音が聞こえる。
カタン、ガチャ。
『おはよう、バル。睡眠時間が短すぎますよ』
『うるっせえな』
「ふふっ」
『ん? ヴェスタか?』
「ごめん。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」
『別に面白くねーだろ』
「面白いよ! レッダの声、久しぶりに聞いたな」
『そうかもな。どうした?』
「あのね! 今、施設の外壁をサーモで見たんだよ。そしたら、アンドロイド・アンド・アドバンスって社名がペンキで塗りつぶされてるのがわかったんだ。この場所がわかるんじゃない?」
『……アンドロイド・アンド・アドバンスか。よし、よくやった、ヴェスタ』
2日ぶりに、自分が微笑んでいるのに気がついた。
『ザムザに出せるデータは渡すから俺に連絡寄越せって伝えてくれ。俺からザムザに言うと局長がまたうるさいからな』
「わかった!」
嬉しい。でも急いで部屋に戻っておかないと、またファビアに怒られる……。
そこまで考えて、怒られても気にしなくていいんだった、と思い直した。不思議だ。魔法が解けたみたい。なんであんなにファビアたちの態度が気になったんだろう。
のんびり廊下を歩いていると、ヨールカが事務室の前で手を振った。
「おはよう、ヴェスタ。今日は気分はどう?」
「うん。もうすっかり大丈夫。昨日はありがとう。あのね、ヨールカはここに来て長い?」
「そうだね、寮長みたいなものだから。一年いるかな」
「あのね、俺の知り合いがReLFにいるはずなんだ。髪がブロンドで、目がブルーのマリーンていう人。半年くらい前に来たはずなんだけど。知らない?」
「マリーン? うーん、施設はここだけじゃないしね。ちょっとわからないな」
「連絡を取ったりはできないかな?」
「できないと思うよ。半年前なら、印象が随分変わってると思うし」
「そう……」
「ヴェスタ」
呼ばれて振り向くと、ファビアが腕を組んで立っていた。
「また勝手に。どこに行っていたの?」
「散歩だよ。いい天気だしね。昨日はごめんね。もう大丈夫だよ」
ファビアは一瞬、むっとした顔をした。
「ね、ファビア、前も聞いたんだけど、ここに来る前は何してたの? オーナーの人と暮らしてたの?」
「そうよ。うるさいわね」
「ここに来る直前まで?」
「そう! この話はもういいでしょう?」
さっと歩き出したファビアについて行くと、真っ直ぐ部屋に戻ることになった。
「食堂に行くのかと思った」
「まだ早いわ。他の2人も一緒じゃないと」
そして彼女は時計を確認した。
「あと30分くらいね」
「………」
昨日までは全然気が付かなかった。どうして彼女はこんなに時間と、みんなでってことを気にするんだろう。あんな広い食堂で、混み合っていて食べられないなんてことはまずないし、みんなで連れ立って行かなくたって構わないはずだ。
なんだってそうだ。彼女の号令でいつのまにかみんな一緒に行動することになっている。作業時間は決まっているから仕方ないとしても、食事も、セミナールームから部屋に戻るのも、自由時間になっても、ファビアに見張られているみたいに。彼女が一番新参のはずなのに、なぜ?
どうして気づかなかった?
「俺、考え事したいから先に行くね。2人に言っておいて」
「ちょっと、ヴェスタ!」
捕まる前に部屋を出て食堂に行く。隅に座って眺めていると、4人のグループが入れ替わり立ち替わりで現れる。故意に時間をずらしているみたいに。そしてそれは、リーダーみたいな人が中心になってコントロールしているみたいに見える。
ファビアたちが来る前に食堂を出て、シャワールームに入ってビートルを取り出す。ザムザは拾ってくれるかな?
「ザムザ!」
『ヴェスタ、どうしたの? すごくうるさいけど、何? 水?』
「そう。ばれないようにシャワールームで水を出しながら話してるんだ。あのね、バルに連絡して」
『ああ。メールも来てたよ。タイムスタンプが23時だけど。するする』
「ここ、アンドロイド・アンド・アドバンスの施設だったんでしょ? バルに言ったから」
『おー、やるね。当たり。意地悪してたわけじゃないよ、何しろ前の持ち主だからね』
「あと、コーツの件もバルに言っちゃった。ごめん」
『んー、結果オーライだけど、本当はだめだよ。言うなら先に俺に一言言って。本当に伝えたらダメなことだってあるんだから』
「うん。反省してる。ごめんなさい。それから……」
『ははっ』
「?」
『どうしたの? ヴェスタ。まるで別人みたいだ!』
「!」
なんだか急に昨日までの自分が恥ずかしくなった。ザムザにも随分だめなところを見せてしまった。
「ちょっと、弱気になってて。ほんと、頼りないとこ見せてごめんね。もう大丈夫だから」
昨日のバルとの会話は聞かれてなかったのかな。どうかしてた。ほんとに。バルも呆れたかも。
「それから、ちょっと変なことに気がついたんだ。今まで気づかなかったんだけど、他のグループの人と全部時間がずらされてるみたいなんだ。顔を合わせないように。これってどうして?」
『ヴェスタのグループだけ?』
「見てる感じ、俺のところだけじゃない。グループ同士が接触しないようにしてるみたい」
『他には?』
「いつの間にか、グループ行動させられること、かな。はみ出ると怒られるんだ。それで昨日まで落ち込んでたんだよ」
『ふーん……』
ザムザが変な間を取った。
『あのね、それだよ』
「え。何が」
『言っただろ。プログラムの書き換えにはレプリカント本人の気持ちの部分が大きいって。ヴェスタは落ち込んだんじゃない。落ち込まされたんだよ。典型的な手だ』
「……? ちょっとわからない……」
『セミナーを受けさせられるって言ったね? どんな内容?』
「レプリカントの歴史とか、ついてる職業とか、レプリカントがらみの事件とか」
『そんなセミナー、受けて勉強になったなあって思う?』
「ううん。すごい暗い気持ちになる」
『だろ? 自分が生きている価値のない無能者みたいな気持ちになったんじゃない?』
「そう……。どうしてわかるの?」
『それがセオリーだからさ。宗教なんかで洗脳する時のね。自分はいないほうがマシなんじゃないかって思わされる。それで気持ちが弱ったところで、「私たちの言うことを聞けば大丈夫、何も不安はないしあなたに何もできなくても受け入れてあげる」って囁くわけ。イチコロ』
「………! でも、なんだか……俺だけ怒られた感じだったよ。1人だけ違うつもりなの、って」
『それはさ、お前がこうやって部外者……俺やバルトロイと話ができる分、思うより弱ってなかったからだろ。お前を標的にすれば、お前はさすがにしょげるし他のメンバーとは共通の敵ができてより仲間意識が上がる。一石二鳥ってわけ。考えるねえ』
全然わからなかった。今でも正直、半信半疑。
『うつ状態になると判断力も落ちるんだよ。そこで呪文を唱えれば、まあ同調圧力も働いてコロッとパスコードを言ってしまうんだろうね。さて、じゃあ誰がそんな風に誘導したかってこと』
……ファビアだ
できることもあったのにやってなかった。気づいてからなんだかそわそわしてよく眠れなかった。少し明るくなってきた感じがしたのでそっとブースを出る。
まだ夜は明け切っていない。まずおととい気になったところをちゃんと確認したい。他の3人はまだ眠っているみたいだ。静かに玄関を出て、壁のところを見上げてみる。看板がかかってたんじゃない? 日焼けの跡一つでもいい、何か見つけたい。何もできてないから。
壁にはクラックが入っていたり、一部欠けていたりする。ペンキが塗り重なっているのがわかる。結構古い建物……。周囲を一周してみるけど、何もない。そうしているうちに、朝日が登って壁を照らし出す。何かないかな。誰かが何かした痕跡を辿れるようなもの。バルみたいに、においの違いがわかるとか。修理の跡が見えるとか……。
「!」
自分のほとんど使っていなかった機能を思い出す。目の前がさあっと色を変える。ペンキの一色だった壁が左目のサーモグラフィ機能によってグラデーションに染まっていく。
もし、以前この壁に直接建物の名前が書かれていたとしたら……。
太陽の光で、日陰と日向の凹凸が浮き彫りになる。エントランスの上の空間も、わずかなくぼみ、ペンキの重なりによる熱伝導率の違いで、見えなかったものが見えてくる。
ANDROID AND ADVANCE
見えた!
早くバルに知らせたかったけど、まだ5時台だった。さすがに早すぎる。寝てるよね……。でも……。
試しに親指の付け根を押してみる。起きてたら、物音が聞こえるんじゃないかな? バルの。耳を澄ませる。バルがいる空間の音が聞こえる。
カタン、ガチャ。
『おはよう、バル。睡眠時間が短すぎますよ』
『うるっせえな』
「ふふっ」
『ん? ヴェスタか?』
「ごめん。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」
『別に面白くねーだろ』
「面白いよ! レッダの声、久しぶりに聞いたな」
『そうかもな。どうした?』
「あのね! 今、施設の外壁をサーモで見たんだよ。そしたら、アンドロイド・アンド・アドバンスって社名がペンキで塗りつぶされてるのがわかったんだ。この場所がわかるんじゃない?」
『……アンドロイド・アンド・アドバンスか。よし、よくやった、ヴェスタ』
2日ぶりに、自分が微笑んでいるのに気がついた。
『ザムザに出せるデータは渡すから俺に連絡寄越せって伝えてくれ。俺からザムザに言うと局長がまたうるさいからな』
「わかった!」
嬉しい。でも急いで部屋に戻っておかないと、またファビアに怒られる……。
そこまで考えて、怒られても気にしなくていいんだった、と思い直した。不思議だ。魔法が解けたみたい。なんであんなにファビアたちの態度が気になったんだろう。
のんびり廊下を歩いていると、ヨールカが事務室の前で手を振った。
「おはよう、ヴェスタ。今日は気分はどう?」
「うん。もうすっかり大丈夫。昨日はありがとう。あのね、ヨールカはここに来て長い?」
「そうだね、寮長みたいなものだから。一年いるかな」
「あのね、俺の知り合いがReLFにいるはずなんだ。髪がブロンドで、目がブルーのマリーンていう人。半年くらい前に来たはずなんだけど。知らない?」
「マリーン? うーん、施設はここだけじゃないしね。ちょっとわからないな」
「連絡を取ったりはできないかな?」
「できないと思うよ。半年前なら、印象が随分変わってると思うし」
「そう……」
「ヴェスタ」
呼ばれて振り向くと、ファビアが腕を組んで立っていた。
「また勝手に。どこに行っていたの?」
「散歩だよ。いい天気だしね。昨日はごめんね。もう大丈夫だよ」
ファビアは一瞬、むっとした顔をした。
「ね、ファビア、前も聞いたんだけど、ここに来る前は何してたの? オーナーの人と暮らしてたの?」
「そうよ。うるさいわね」
「ここに来る直前まで?」
「そう! この話はもういいでしょう?」
さっと歩き出したファビアについて行くと、真っ直ぐ部屋に戻ることになった。
「食堂に行くのかと思った」
「まだ早いわ。他の2人も一緒じゃないと」
そして彼女は時計を確認した。
「あと30分くらいね」
「………」
昨日までは全然気が付かなかった。どうして彼女はこんなに時間と、みんなでってことを気にするんだろう。あんな広い食堂で、混み合っていて食べられないなんてことはまずないし、みんなで連れ立って行かなくたって構わないはずだ。
なんだってそうだ。彼女の号令でいつのまにかみんな一緒に行動することになっている。作業時間は決まっているから仕方ないとしても、食事も、セミナールームから部屋に戻るのも、自由時間になっても、ファビアに見張られているみたいに。彼女が一番新参のはずなのに、なぜ?
どうして気づかなかった?
「俺、考え事したいから先に行くね。2人に言っておいて」
「ちょっと、ヴェスタ!」
捕まる前に部屋を出て食堂に行く。隅に座って眺めていると、4人のグループが入れ替わり立ち替わりで現れる。故意に時間をずらしているみたいに。そしてそれは、リーダーみたいな人が中心になってコントロールしているみたいに見える。
ファビアたちが来る前に食堂を出て、シャワールームに入ってビートルを取り出す。ザムザは拾ってくれるかな?
「ザムザ!」
『ヴェスタ、どうしたの? すごくうるさいけど、何? 水?』
「そう。ばれないようにシャワールームで水を出しながら話してるんだ。あのね、バルに連絡して」
『ああ。メールも来てたよ。タイムスタンプが23時だけど。するする』
「ここ、アンドロイド・アンド・アドバンスの施設だったんでしょ? バルに言ったから」
『おー、やるね。当たり。意地悪してたわけじゃないよ、何しろ前の持ち主だからね』
「あと、コーツの件もバルに言っちゃった。ごめん」
『んー、結果オーライだけど、本当はだめだよ。言うなら先に俺に一言言って。本当に伝えたらダメなことだってあるんだから』
「うん。反省してる。ごめんなさい。それから……」
『ははっ』
「?」
『どうしたの? ヴェスタ。まるで別人みたいだ!』
「!」
なんだか急に昨日までの自分が恥ずかしくなった。ザムザにも随分だめなところを見せてしまった。
「ちょっと、弱気になってて。ほんと、頼りないとこ見せてごめんね。もう大丈夫だから」
昨日のバルとの会話は聞かれてなかったのかな。どうかしてた。ほんとに。バルも呆れたかも。
「それから、ちょっと変なことに気がついたんだ。今まで気づかなかったんだけど、他のグループの人と全部時間がずらされてるみたいなんだ。顔を合わせないように。これってどうして?」
『ヴェスタのグループだけ?』
「見てる感じ、俺のところだけじゃない。グループ同士が接触しないようにしてるみたい」
『他には?』
「いつの間にか、グループ行動させられること、かな。はみ出ると怒られるんだ。それで昨日まで落ち込んでたんだよ」
『ふーん……』
ザムザが変な間を取った。
『あのね、それだよ』
「え。何が」
『言っただろ。プログラムの書き換えにはレプリカント本人の気持ちの部分が大きいって。ヴェスタは落ち込んだんじゃない。落ち込まされたんだよ。典型的な手だ』
「……? ちょっとわからない……」
『セミナーを受けさせられるって言ったね? どんな内容?』
「レプリカントの歴史とか、ついてる職業とか、レプリカントがらみの事件とか」
『そんなセミナー、受けて勉強になったなあって思う?』
「ううん。すごい暗い気持ちになる」
『だろ? 自分が生きている価値のない無能者みたいな気持ちになったんじゃない?』
「そう……。どうしてわかるの?」
『それがセオリーだからさ。宗教なんかで洗脳する時のね。自分はいないほうがマシなんじゃないかって思わされる。それで気持ちが弱ったところで、「私たちの言うことを聞けば大丈夫、何も不安はないしあなたに何もできなくても受け入れてあげる」って囁くわけ。イチコロ』
「………! でも、なんだか……俺だけ怒られた感じだったよ。1人だけ違うつもりなの、って」
『それはさ、お前がこうやって部外者……俺やバルトロイと話ができる分、思うより弱ってなかったからだろ。お前を標的にすれば、お前はさすがにしょげるし他のメンバーとは共通の敵ができてより仲間意識が上がる。一石二鳥ってわけ。考えるねえ』
全然わからなかった。今でも正直、半信半疑。
『うつ状態になると判断力も落ちるんだよ。そこで呪文を唱えれば、まあ同調圧力も働いてコロッとパスコードを言ってしまうんだろうね。さて、じゃあ誰がそんな風に誘導したかってこと』
……ファビアだ
10
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
肩甲骨に薔薇の種(アルファポリス版・完結済)
おにぎり1000米
BL
エンジニアの三波朋晴はモデルに間違われることもある美形のオメガだが、学生の頃から誰とも固定した関係を持つことができないでいる。しかしとあるきっかけで年上のベータ、佐枝峡と出会い、好意をもつが…
*オメガバース(独自設定あり)ベータ×オメガ 年齢差カプ
*『まばゆいほどに深い闇』の脇キャラによるスピンオフなので、キャラクターがかぶります。本編+後日談。他サイト掲載作品の改稿修正版につきアルファポリス版としましたが、内容はあまり変わりません。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
恋人はメリーゴーランド少年だった。
夏目奈緖
BL
溺愛ドS社長×ツンデレ高校生。年の差恋愛。社長からの告白と束縛に戸惑う高校生。すれ違いばかりの片想いから恋人同士へ。ひねくれもの天使的な高校生と心を閉ざした会社社長との年の差BL。中山夏樹(18)は従姉妹の結婚式の2次会で、倒れてきた酔っ払いの下敷きになり左手に怪我を負った。助けてくれたのが、会場レストラン経営の黒崎ホールディングス代表取締役社長・黒崎圭一(33)。左手の抜糸がすむまで黒崎の車で送迎されることになった。黒崎は誰にも心を開かない。夏樹も同じである。しかしながら、夏樹は黒崎の前だけは自分の意思とは反対に、本音を吐き出す。2人は孤独を抱えており、夏樹は黒崎に惹かれていく。黒崎は夏樹に一目惚れし、執着する。
【BL】『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとでした
圭琴子
BL
この世界は、αとβとΩで出来てる。
生まれながらにエリートのαや、人口の大多数を占める『普通』のβにはさして意識するほどの事でもないだろうけど、俺たちΩにとっては、この世界はけして優しくはなかった。
今日も寝坊した。二学期の初め、転校初日だったけど、ワクワクもドキドキも、期待に胸を膨らませる事もない。何故なら、高校三年生にして、もう七度目の転校だったから。
βの両親から生まれてしまったΩの一人息子の行く末を心配して、若かった父さんと母さんは、一つの罪を犯した。
小学校に入る時に義務付けられている血液検査日に、俺の血液と父さんの血液をすり替えるという罪を。
従って俺は戸籍上、β籍になっている。
あとは、一度吐(つ)いてしまった嘘がバレないよう、嘘を上塗りするばかりだった。
俺がΩとバレそうになる度に転校を繰り返し、流れ流れていつの間にか、東京の一大エスカレーター式私立校、小鳥遊(たかなし)学園に通う事になっていた。
今まで、俺に『好き』と言った連中は、みんなΩの発情期に当てられた奴らばかりだった。
だから『好き』と言われて、ピンときたことはない。
だけど。優しいキスに、心が動いて、いつの間にかそのひとを『好き』になっていた。
学園の事実上のトップで、生まれた時から許嫁が居て、俺のことを遊びだと言い切るあいつを。
どんなに酷いことをされても、一度愛したあのひとを、忘れることは出来なかった。
『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとだったから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる