90 / 229
03 トライアル (3)Vesta & Baltroy
07 Baltroy (猟奇事件)
しおりを挟む
出勤してデスクについたが、ヴェスタが見当たらなかった。休み? 有休を取るならバディには連絡することになっている。遅刻?
ウロウロしているディーに、ヴェスタを見かけなかったか聞く。
「ヴェスタ? いたよ。てかデスクにいるじゃん」
ヴェスタのデスクを見る。さっきから明るい黄色の髪の誰かが座っている。まさか。
「ヴェスタ?」
「おはよう」
振り返ったのは確かにヴェスタだった。
「髪?」
「ランプがレモンイエローを勧めてきたから」
てっきり情報担当が端末の調整でもしてるんだと思った。確かに似合ってはいるけど。
「どうした?」
「うーん……気分転換かな?」
まあいいや。気分を転換したにしては表情が暗いが、あまり構っても仕方ない。デスクに戻るとコールが来ていた。ザムザだ。ヴェスタを入れての三者コールになっている。
「おう。新婚さん。どうした」
『はは! パーティに来てくれてありがとな。あのさ。仕事の話なんだ』
連邦捜査局の方で今当たっている案件。連続殺人だ。ヒューマンの美形が殺されていたが、先日殺されたのがレプリカント。
『連続殺人には違いないんだけど……』
「発表してない共通点はあるんだろ?」
『うん。それはそうなんだけど。ちょっと不気味な案件なもんで、慎重にしたい。局長から正式に合同捜査の依頼があると思うけど、先に言っとこうかなと思って』
不気味な案件?
ザムザが送ってきた捜査資料をヴェスタと眺める。黄色い髪に慣れない。
殺人事件の一件目は去年の冬。ザムザとマリーンの結婚パーティのすぐ後くらいだ。ヒューマンの女性が何者かに自宅の室内で殺されていた。頸部圧迫による窒息死。暴行の痕跡あり。体液を照合したが登録なし。
二件目が三ヶ月後。同様の手口。被害者はヒューマンの女性。次が一ヶ月後。同じ。その次が先月。ヴェスタとアラスターが住み始めた頃。これは被害者がレプリカント。残された体液が一致。
まあ、嫌な事件。でも不気味ってのは何でだ。
現場の画像を開く。一件目。死後硬直した女性の遺体。喉元が青黒く変色している。部屋の状況。普通の部屋。遺体さえなければ。
二件目。こちらも同じ。でも暴行の跡がかなりはっきりしている。親族なら見ていられないような遺体。その次。遺体の髪が切られている、とメモがついている。戦利品を持っていくようになったわけ。エスカレートしている。次。レプリカント。
不気味というか……。
ぐちゃぐちゃだ。体を切り開かれている。片目も取り出されて、戦利品どころの騒ぎじゃない。
ヴェスタを見る。髪の色がわからない。でも眉根を寄せている。
「体液の登録なしってどういうこと? 前科がないってこと?」
「今のヒューマンは全員18歳で体液を政府に登録させられるんだ。だからそれがないっていうのは、18歳未満か、ヒューマンじゃないか」
「ヒューマンじゃないっていうと、レプリカントかもしれないってこと?」
「でもレプリカントにはヒューマンは殺せないな。お前以外」
「俺だってわざわざこんなことしないよ」
まあそうだ。17歳以下のヒューマン。
ザムザにコールする。
「見たよ。被害者の照合くらいはしてるんだろ? 容疑者は?」
『それがなあ』
被害者たちはほとんど防犯カメラのない街の外れに住んでいた。決め手になる画像が出ない。
「何か共通点?」
『美人』
「そうじゃなくて」
『ごめん。わかってる。でも本当にそれしかないんだ。被害者が美形。あとは職場が街中ってことくらい』
「被害者が美形……」
ヴェスタを見る。こいつも美形。でも被害者たちの容貌が犯人の好みだとすると、ちょっとタイプが違う。被害者たちは勝ち気そうな大人っぽい美人だ。
「バル、今何考えた?」
「囮捜査は無理だなって」
ザムザが画面の向こうで笑う。
『おそらく街で被害者を物色して、それなりに調べてから事に及んでいると思う。自宅付近の防犯カメラのある無しを調べたりね。四人目のレプリカント殺害はレプリカントだとわかってやったのか、そうでないのかはわからない。でも三人目までと明らかに違ってるから、そっちで何か思いつくことはないかと思って。餅は餅屋だろ』
「連邦捜査局でわかんないことを聞かれてもなあ……」
『そう言うなよ。頼りにしてるよお二人さん』
コールが切れた。面倒な案件だ。
「見ただけでレプリカントだって普通の人でもわかることってあるの?」
ヴェスタが聞いてきた。普通はわからない。俺みたいに鼻が利けば、体臭の少なさでわかるかもしれないけど、そんなやつは多くない。
「わかることもある。例えば夜のお前」
ヴェスタは暗視とサーモグラフィが片目ずつ入ってるせいで、夜になると目が光る。
「もちろん、ヒューマンだってコンタクトで光るようにしてるやつはいる。でも、そういうやつはそれなりにそういう服装をしてるだろ。一見普通なのに夜になると目が光るようなのはレプリカントのオプションつきだ」
「ほかには?」
「人形みたいな美形。これも整形や化粧でなんとかしてるヒューマンもいるけど、しみやほくろが全くないのはレプリカントの可能性が高い」
「あとは?」
「ないな。本人とオーナーが他人に言うかどうか」
「言わないんだよね? 普通は」
「そう。普通は。だから可能性としては、レプリカントだからって犯行がエスカレートしたわけじゃなくて、殺してるうちに捕まらないって自信が出てきちゃったってやつ」
「自信が出てくるとエスカレートするの?」
「うん。考えてみな。最初はバレるかも、失敗するかもって考えながらやるから、余計なことしないでさっと終わらせるわけだ。でも二回目三回目になると慣れてくる。これくらいやってもバレない、これくらいやればこうなるって学習する。だから余裕が出てきて、まあ、わけのわからんことも始めるんだよ」
「犯人は捕まえないとやめない?」
「やめない。捕まらないで自分がやりたいことをできるんなら、やめる理由がないだろ」
「こんなことやりたいの?」
「やりたいんだろうな」
なかなか大胆な犯行。手間もかかってる。一度は被害者の家を確認してる。もし被害者の自宅が防犯カメラ満載の街中なら、ターゲットから外すんだろう。どうやって? 被害者をつけていくにも限界がある。
「バグみたいなのをつける?」
「あー。いいかも。ただ、バグは位置情報を送ってこないからな……GPSつきの何かを持たせた?」
「バグでも、撮影間隔がすごく狭ければ」
なるほど。追えるかも知れない。ヴェスタにつけた時のように、何日もつかを考えなくていいなら。バッテリーの尽きたバグは勝手に落ちてゴミに混ざってしまう。
でもそれなら誰にでもできる。全く範囲が狭まらない。こういう被害者と加害者になんの関連もない、行きずりのやつは本当に難しくて、迷宮入りになりがちだ。だからザムザが初手で助けを求めてくる。
「こういう事件は別件逮捕か被害者が逃げ出して通報するかなんだよなあ」
「そんなに難しいの?」
「難しい。次が誰なのかわからないし、目的も動機もわからないから犯人を特定しようがない」
好みそうな女性に協力してもらう? でもそんなのは何人いるか。確実に次のターゲットになるとは限らない。何かないか。狙われている段階でそれを見つけることができれば。
「ねえ、なんで囮捜査できないって思った?」
「お前は犯人の好みじゃないだろ。根に持ってんのか」
ヴェスタはちぇっと言って画面をまた眺めた。
ウロウロしているディーに、ヴェスタを見かけなかったか聞く。
「ヴェスタ? いたよ。てかデスクにいるじゃん」
ヴェスタのデスクを見る。さっきから明るい黄色の髪の誰かが座っている。まさか。
「ヴェスタ?」
「おはよう」
振り返ったのは確かにヴェスタだった。
「髪?」
「ランプがレモンイエローを勧めてきたから」
てっきり情報担当が端末の調整でもしてるんだと思った。確かに似合ってはいるけど。
「どうした?」
「うーん……気分転換かな?」
まあいいや。気分を転換したにしては表情が暗いが、あまり構っても仕方ない。デスクに戻るとコールが来ていた。ザムザだ。ヴェスタを入れての三者コールになっている。
「おう。新婚さん。どうした」
『はは! パーティに来てくれてありがとな。あのさ。仕事の話なんだ』
連邦捜査局の方で今当たっている案件。連続殺人だ。ヒューマンの美形が殺されていたが、先日殺されたのがレプリカント。
『連続殺人には違いないんだけど……』
「発表してない共通点はあるんだろ?」
『うん。それはそうなんだけど。ちょっと不気味な案件なもんで、慎重にしたい。局長から正式に合同捜査の依頼があると思うけど、先に言っとこうかなと思って』
不気味な案件?
ザムザが送ってきた捜査資料をヴェスタと眺める。黄色い髪に慣れない。
殺人事件の一件目は去年の冬。ザムザとマリーンの結婚パーティのすぐ後くらいだ。ヒューマンの女性が何者かに自宅の室内で殺されていた。頸部圧迫による窒息死。暴行の痕跡あり。体液を照合したが登録なし。
二件目が三ヶ月後。同様の手口。被害者はヒューマンの女性。次が一ヶ月後。同じ。その次が先月。ヴェスタとアラスターが住み始めた頃。これは被害者がレプリカント。残された体液が一致。
まあ、嫌な事件。でも不気味ってのは何でだ。
現場の画像を開く。一件目。死後硬直した女性の遺体。喉元が青黒く変色している。部屋の状況。普通の部屋。遺体さえなければ。
二件目。こちらも同じ。でも暴行の跡がかなりはっきりしている。親族なら見ていられないような遺体。その次。遺体の髪が切られている、とメモがついている。戦利品を持っていくようになったわけ。エスカレートしている。次。レプリカント。
不気味というか……。
ぐちゃぐちゃだ。体を切り開かれている。片目も取り出されて、戦利品どころの騒ぎじゃない。
ヴェスタを見る。髪の色がわからない。でも眉根を寄せている。
「体液の登録なしってどういうこと? 前科がないってこと?」
「今のヒューマンは全員18歳で体液を政府に登録させられるんだ。だからそれがないっていうのは、18歳未満か、ヒューマンじゃないか」
「ヒューマンじゃないっていうと、レプリカントかもしれないってこと?」
「でもレプリカントにはヒューマンは殺せないな。お前以外」
「俺だってわざわざこんなことしないよ」
まあそうだ。17歳以下のヒューマン。
ザムザにコールする。
「見たよ。被害者の照合くらいはしてるんだろ? 容疑者は?」
『それがなあ』
被害者たちはほとんど防犯カメラのない街の外れに住んでいた。決め手になる画像が出ない。
「何か共通点?」
『美人』
「そうじゃなくて」
『ごめん。わかってる。でも本当にそれしかないんだ。被害者が美形。あとは職場が街中ってことくらい』
「被害者が美形……」
ヴェスタを見る。こいつも美形。でも被害者たちの容貌が犯人の好みだとすると、ちょっとタイプが違う。被害者たちは勝ち気そうな大人っぽい美人だ。
「バル、今何考えた?」
「囮捜査は無理だなって」
ザムザが画面の向こうで笑う。
『おそらく街で被害者を物色して、それなりに調べてから事に及んでいると思う。自宅付近の防犯カメラのある無しを調べたりね。四人目のレプリカント殺害はレプリカントだとわかってやったのか、そうでないのかはわからない。でも三人目までと明らかに違ってるから、そっちで何か思いつくことはないかと思って。餅は餅屋だろ』
「連邦捜査局でわかんないことを聞かれてもなあ……」
『そう言うなよ。頼りにしてるよお二人さん』
コールが切れた。面倒な案件だ。
「見ただけでレプリカントだって普通の人でもわかることってあるの?」
ヴェスタが聞いてきた。普通はわからない。俺みたいに鼻が利けば、体臭の少なさでわかるかもしれないけど、そんなやつは多くない。
「わかることもある。例えば夜のお前」
ヴェスタは暗視とサーモグラフィが片目ずつ入ってるせいで、夜になると目が光る。
「もちろん、ヒューマンだってコンタクトで光るようにしてるやつはいる。でも、そういうやつはそれなりにそういう服装をしてるだろ。一見普通なのに夜になると目が光るようなのはレプリカントのオプションつきだ」
「ほかには?」
「人形みたいな美形。これも整形や化粧でなんとかしてるヒューマンもいるけど、しみやほくろが全くないのはレプリカントの可能性が高い」
「あとは?」
「ないな。本人とオーナーが他人に言うかどうか」
「言わないんだよね? 普通は」
「そう。普通は。だから可能性としては、レプリカントだからって犯行がエスカレートしたわけじゃなくて、殺してるうちに捕まらないって自信が出てきちゃったってやつ」
「自信が出てくるとエスカレートするの?」
「うん。考えてみな。最初はバレるかも、失敗するかもって考えながらやるから、余計なことしないでさっと終わらせるわけだ。でも二回目三回目になると慣れてくる。これくらいやってもバレない、これくらいやればこうなるって学習する。だから余裕が出てきて、まあ、わけのわからんことも始めるんだよ」
「犯人は捕まえないとやめない?」
「やめない。捕まらないで自分がやりたいことをできるんなら、やめる理由がないだろ」
「こんなことやりたいの?」
「やりたいんだろうな」
なかなか大胆な犯行。手間もかかってる。一度は被害者の家を確認してる。もし被害者の自宅が防犯カメラ満載の街中なら、ターゲットから外すんだろう。どうやって? 被害者をつけていくにも限界がある。
「バグみたいなのをつける?」
「あー。いいかも。ただ、バグは位置情報を送ってこないからな……GPSつきの何かを持たせた?」
「バグでも、撮影間隔がすごく狭ければ」
なるほど。追えるかも知れない。ヴェスタにつけた時のように、何日もつかを考えなくていいなら。バッテリーの尽きたバグは勝手に落ちてゴミに混ざってしまう。
でもそれなら誰にでもできる。全く範囲が狭まらない。こういう被害者と加害者になんの関連もない、行きずりのやつは本当に難しくて、迷宮入りになりがちだ。だからザムザが初手で助けを求めてくる。
「こういう事件は別件逮捕か被害者が逃げ出して通報するかなんだよなあ」
「そんなに難しいの?」
「難しい。次が誰なのかわからないし、目的も動機もわからないから犯人を特定しようがない」
好みそうな女性に協力してもらう? でもそんなのは何人いるか。確実に次のターゲットになるとは限らない。何かないか。狙われている段階でそれを見つけることができれば。
「ねえ、なんで囮捜査できないって思った?」
「お前は犯人の好みじゃないだろ。根に持ってんのか」
ヴェスタはちぇっと言って画面をまた眺めた。
10
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
肩甲骨に薔薇の種(アルファポリス版・完結済)
おにぎり1000米
BL
エンジニアの三波朋晴はモデルに間違われることもある美形のオメガだが、学生の頃から誰とも固定した関係を持つことができないでいる。しかしとあるきっかけで年上のベータ、佐枝峡と出会い、好意をもつが…
*オメガバース(独自設定あり)ベータ×オメガ 年齢差カプ
*『まばゆいほどに深い闇』の脇キャラによるスピンオフなので、キャラクターがかぶります。本編+後日談。他サイト掲載作品の改稿修正版につきアルファポリス版としましたが、内容はあまり変わりません。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
恋人はメリーゴーランド少年だった。
夏目奈緖
BL
溺愛ドS社長×ツンデレ高校生。年の差恋愛。社長からの告白と束縛に戸惑う高校生。すれ違いばかりの片想いから恋人同士へ。ひねくれもの天使的な高校生と心を閉ざした会社社長との年の差BL。中山夏樹(18)は従姉妹の結婚式の2次会で、倒れてきた酔っ払いの下敷きになり左手に怪我を負った。助けてくれたのが、会場レストラン経営の黒崎ホールディングス代表取締役社長・黒崎圭一(33)。左手の抜糸がすむまで黒崎の車で送迎されることになった。黒崎は誰にも心を開かない。夏樹も同じである。しかしながら、夏樹は黒崎の前だけは自分の意思とは反対に、本音を吐き出す。2人は孤独を抱えており、夏樹は黒崎に惹かれていく。黒崎は夏樹に一目惚れし、執着する。
【BL】『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとでした
圭琴子
BL
この世界は、αとβとΩで出来てる。
生まれながらにエリートのαや、人口の大多数を占める『普通』のβにはさして意識するほどの事でもないだろうけど、俺たちΩにとっては、この世界はけして優しくはなかった。
今日も寝坊した。二学期の初め、転校初日だったけど、ワクワクもドキドキも、期待に胸を膨らませる事もない。何故なら、高校三年生にして、もう七度目の転校だったから。
βの両親から生まれてしまったΩの一人息子の行く末を心配して、若かった父さんと母さんは、一つの罪を犯した。
小学校に入る時に義務付けられている血液検査日に、俺の血液と父さんの血液をすり替えるという罪を。
従って俺は戸籍上、β籍になっている。
あとは、一度吐(つ)いてしまった嘘がバレないよう、嘘を上塗りするばかりだった。
俺がΩとバレそうになる度に転校を繰り返し、流れ流れていつの間にか、東京の一大エスカレーター式私立校、小鳥遊(たかなし)学園に通う事になっていた。
今まで、俺に『好き』と言った連中は、みんなΩの発情期に当てられた奴らばかりだった。
だから『好き』と言われて、ピンときたことはない。
だけど。優しいキスに、心が動いて、いつの間にかそのひとを『好き』になっていた。
学園の事実上のトップで、生まれた時から許嫁が居て、俺のことを遊びだと言い切るあいつを。
どんなに酷いことをされても、一度愛したあのひとを、忘れることは出来なかった。
『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとだったから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる