Occupied レプリカント人権保護局

黒遠

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04 (e)VAC(u)ATION

02 Vesta (ガラスの小瓶)

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「……ん」

 もぞもぞと白いシーツに包まれた体を持て余す。三日とおかずアラスターに抱かれていたから、全くなくなってしまうとどうしたらいいのかわからない……。

 いや。わかっている。一人でするしかない。アラスターと付き合う前だって、一人でやってたんだから。別に。

 そっと自分のものに指をかける。熱い。はち切れそうな粘膜の感触。

「……は」

 バルの唇を思い出す。俺の体をすっぽりと包んでしまうくらい、大きな背中。

 さらさらと俺の髪を撫でる指。バルの……張り詰めたそれ。あれを口で吸う自分を想像する。バルはどんな顔をするんだろう。バルが気持ちいいと思うことなら何でもする。バルのが中に入ってくるのを想像する。熱い体にしがみつく自分を。バルの逞しい腕。滑らかな肌。

「…っ……」

 何度も奥まで突かれて。頭が痺れるような一点を、何度も何度もなぞられて。甚ぶられて。

「……く」

 手の中に白い液体が広がる。

「………はあ」

 ティッシュペーパーで拭き取る。バルがもし部屋に入ったらわかってしまうだろう。まず入らないけど。

 アラスターの家に行く前夜は、どうしてあんなことができたのか自分でもわからない。バルの部屋に抱かれに行くなんて。頭がおかしかったとしか思えない。そして。しかも。

 抱いてもらえないなんて。滑稽だ。

 あの時バルは、誰かのものじゃなかったら抱いてるよ、と言った。今は俺は誰のものでもない。誰とも付き合ってない。じゃあバルは今なら俺を抱いてくれるの?

 でも戻ってきてまだ一ヶ月だ。バルの部屋のドアを叩く勇気は出ない。それに、なんだかバルとそうなるのがすごく非現実的に思えてきている。アラスターに言ってしまったように、バルは俺の神様みたいなもの。俺の心臓。そんな人に………。

 そんな人にそんなこと。夢だよ。今にもその扉をバルがノックして……俺のベッドの中に入ってきて、キスしてくれるなんてことは……


 ない。














 バルがリビングから自分の部屋に入る気配がしたので、手を洗いたくてそっと部屋から出た。ダイニングテーブルに見覚えのある小瓶が置かれていた。

「レッダ、これ……」
「バルが自分のいない時に捨ててくれと置いていきました」
「俺がやる!」
「ですが」
「バルが捨てたんだろ? 俺が拾ったんだよ」
「あなたも屁理屈がうまくなってきましたね」

 まだ捨てられていなかったことにびっくりした。バルも忘れていたのかもしれない。バルには捨てられないのか。開けられないんだから。

 手に取る。中身は入ったままだ。使ったら絶対絶対絶対死ぬほど怒られるけど、なんとなく俺のお守りみたいになってたもの。あの日バルに取り上げられてしまって、すごく心許なくなったのを覚えてる。

 戻ってきた。





 











 
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