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04 (e)VAC(u)ATION
07 Vesta (元カレ)
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職場に向かってステーションから歩いていると、保護局の前に例の女性が立っていた。雰囲気があるのですごく目立つ。
どうしよう。
とっさに裏口に回った。バルが会いたくない人に俺も会いたくない。また呼び出されるかな?
「……ヴェスタ」
はっと顔を上げると、アラスターがいた。そうだった。パイロットの待機室は裏口からのエレベーターの方が近いから、彼らはこっちから入るんだ。
「ひ……久しぶり」
返品されて以来だった。あれからちゃんと話もしてなくて、どうしたらいいのかわからなかった。
「あ、表にバルのお母さんがいるからかな?」
にこっと笑う。まるでまだ、エアランナーの操縦を教わる前みたい。
「そう。知ってるの?」
「うん。三年……かなあ……前までは、年に一回くらいあったね」
「あれ、何? バル、いなくなっちゃって」
気まずいとか、何を話したらとか、全部吹っ飛んだ。
「知ってるなら教えて!」
「……仕事始まっちゃうから、そうだな……お昼食べようか? 一緒に。話せるところまで、だよ」
「うん! ありがとう」
アラスターが、返品のちょっと前によくしていたような微妙な表情をした。
「あとでね」
デスクに着くけど、全く頭に入ってこない。そもそもバディがいないと外に出ての捜査ができないから、事務的な処理くらいしかやることがない。ディーにバディを頼むか……俺も休暇取っちゃおうかな? ほんとに。また受付からコールが回ってきた。たぶんバルのお母さん。
『A492090rpに面会希望の』
「行きます」
玄関で会うのを避けても結局こうして呼び出されれば会わなくちゃいけない。うまくいなしてくれ、とバルは言っていた。うまくいなすって何。
ロビーに行くと、やはり一昨日と同じように、セットしたばかりのような髪、おろしたてのような服の、とても美しい女性が来客用のソファに深く腰を下ろしていた。
「バルは?」
「A492090rpは現在休暇中で当分お会いできません。IDをご存知ではないのですか」
「IDならわかってるわよ。母親だもの。あの子着信拒否してるの。だからわざわざ会いに来てるの」
そうだよな。バルならそれくらいする。
「では、先日もお話ししましたように、こちらからお話できることはございません」
「休暇っていつまで?」
「お話できません」
「ねえ。バルにとっても悪い話じゃないのよ。私の話を受けたら永遠にお金に困らないわよ。言っておいて。コールしろって」
「……え、と」
「ねえ。私もバルも、無限にお金が必要なの。それをちゃんと考えなさいって言っておいて」
女性は言い捨てるとカツカツとヒールの音を響かせて出て行った。
無限に。
デスクに戻ってちまちまと今でなくてもいいような事務仕事を終わらせる。ついでだからバルの分もだ。報告書のファイリングとナンバリング、消耗品の購入依頼。でも午後には帰れそう。本当に休みを取ろう。
昼になると、アラスターが迎えにきてくれた。そうだった。アラスターってそういう人だった。たった一ヶ月前のことなのに、すごく昔のことのような気がする。
「ごめんね、急に」
「いや。俺も君と話さないといけないと思ってたんだ」
二人で正門から局を出る。もうバルのお母さんはいない。裏道のあまり混まないカフェに入った。古いお店で、注文を未だにウェイターが聞きにくる。
「ここに来たことある?」
「随分前に一度バルと来たかな?」
「そうか。クラブチキンサンドは食べた?」
「食べてない! おいしいの?」
「おすすめだな」
ほっとする。付き合う前みたいだ。アラスターが二人分をまとめて注文してくれる。
「それで、バルのお母さんの件からにしようか」
「そう! バルは何も言わなくて、ぱっといなくなるから」
「バルのお母さんはバルが30歳になるまでは結構来てたかな。その度にバルは長期休暇を取ったり研修を入れたりして逃げてたね」
「30歳? どうして?」
「バルのことを結婚させたかったみたい」
「結婚? 誰と?」
大きな皿にクラブチキンサンドが二人分載ってきた。ジンジャーエールとアイスティー。
「バルのお母さんが結婚させたい人。ほら、食べて」
なにそれ? 理解できない………。チキンサンドにかぶりつく。チキンがすごくスパイシーで、こんがり焼き目がついたトーストによく合う。
「おいしい!」
「だろう。俺が話せるのはこのくらいかな」
「ええー! 余計わからなくなった……」
「バルの個人的なことが絡んでるから。あとはバルに聞いてごらん」
「話してくれるかな? 自信ないな」
ふっとアラスターが黙り込んだ。例の困った顔。
「バルとは……なんて言うのか、あのままなの?」
「あのまま? うーんと、前に一緒に住んでた時に戻った感じかな。元通りだよ」
「そうか。元気そうだね。髪、戻したんだなって思ったよ」
「あー……うん。アラスターも元気そうで良かった。なんかごめん。ほんと色々お世話になったのにさ」
「はは……」
力ない笑顔。そうだった。こんな顔をさせるのがすごく申し訳なかったんだ。結局、エア・ランナーの指導のお礼もできなかった。なんとなく黙り込む。手の中のジンジャーエールがぷつぷつと泡を上げる。
「……そういえば、手紙の、あれどういう意味?」
「ああ。あれはね、そのまま」
そのまま?
「あの日、昼間に病院でバルに聞いたんだよ。ヴェスタはどんな子なのかって。バルがどう思ってるのか知りたくてね。そしたら……」
アラスターはふっと目を伏せた。
「俺が思ってた君と全然違ったんだ。バルが知ってる君はね、すごく生き生きしてて、やんちゃで素直で賢い子だった。君は、バルは見てないって言ってたけど、そんなことないよ。すごくよく見てるんだなって思った。敵わないなって。だから……」
バルが。
「とどめを刺されたのはどっちかって言うとバルからかな。俺は君の表面的な部分しか見えなかったし、君も見せられなかったんだね」
「アラスター……」
アラスターが悪いんじゃ全然ないのに。
「ごめん。俺、傷つけるばっかりでごめん。アラスターにそんな顔ばっかりさせてごめん」
「いいんだ。あの時は何も説明できなくて……放り出してごめんね。幸せそうで良かった」
アラスターの手が伸びて、ほおに触れそうになってまた引っ込んだ。
「アラスター、俺やっぱりアラスターと一緒にいると楽しいよ。恋人って感じじゃないんだけど……うまく言えないんだけど、こうしてご飯食べたり、一緒にゲームしたり、遊びに行ったりしたい。そういうのはもうだめなのかな?」
「……ああ、ヴェスタ。やっとわかったよ」
アラスターはまた困った顔で笑った。
「君は俺が友達として好きなんだね。きっと最初からそうだったんだね? 恋人じゃなかったんだ」
「………」
そうかも。ザムザみたいに。バルに思うみたいに、何もかもあげたい、何もかも欲しいんじゃなくて、同じ時間を楽しみたい人。
「俺が間違ってたよね。ごめんね、アラスター」
「ふふ。いいよ。こんなかわいい子とあんな生活ができたんだ。ラッキーな勘違いだったかな」
あんな生活、と言われて、アラスターとのベッドでのことが一瞬で頭の中に蘇ってきた。アラスターとバルだけが知っている俺の痴態。髪がぱっと白くなる。
「バルがいないならうちにしばらく泊まるかい? 友達としてね。バルからも君を助けるように頼まれてるし」
首を急いで横に振ると、アラスターはいたずらっぽく笑った。
「冗談だよ。さあ、昼休みが終わるよ。戻らなくちゃ」
「アラスター、いろいろ……本当にありがとう」
アラスターは、微笑んだまま何も言わなかった。
局に戻って休暇を出した。バルが帰ってくる日に合わせる。アラスターと話せたのは良かった。ほんとに優しい。俺に恥をかかせない。友達になれたらいいなと思う。友達のままでいたかった。
たぶんもう取り返しがつかない種類のことなんだな……。
迎えのオートキャリアの時間を変えておいたから、ステーションについているはずだ。端末の電源を落として外に出る。外はまだ暑い。太陽の光に夏の面影がある。さて、どうしようかな。生まれて初めての長期休暇だ。
とりあえず家に戻る。どこかに出かける? どこに。バルはどこにいるんだろうなあ。
「バルはどこにいると思う?」
「さあどうでしょうね」
またこれだ。レッダは知っていても全然教えてくれない。バルは一人がいいのかな? コールしてみる。
「バル」
『お? どうした? 仕事中だろ』
「バディがいないからさ。仕事にならなくて俺も休み取っちゃった」
『はは! 再来週が怖いな。コール地獄だ』
「半分こだよ。ねえ、合流しちゃだめ?」
『んー』
否定的な「んー」。だめかな。
『悲惨だぞ? ホテルには泊まれねーし』
「!」
『観光して歩くわけでもねーし。つまんないと思うけど』
「行っていいってこと?」
『オートキャリアで半日かかる』
「それでもいい……そしたら、エアランナーで行く。レンタルしてく」
『ほんとかよ! そうだったな。運転できんだ……。じゃあ、ユースモローのホックトムってとこに来てくれよ。ポートがあるところに降りてくれたら行くから。あ、誰にも言うなよ』
「うん!」
嬉しい! すぐにエアランナーのレンタル手続きをする。近くのレンタルに二人乗りのがちょうどあった。適当に服をバッグに詰める。
「レッダ!」
「はい。わかってます。いってらっしゃい。バルによろしく」
家を飛び出してエアランナーを受け取る。結構きれいな新しめのやつだった。操作もわからないのはない。ユースモローのホックトムに座標を合わせて飛び立つ。三時間かかる。まる二日振りにバルに会える! しかも一緒に休暇を過ごせる。バルのお母さんに感謝しなくちゃ。
久々のエアランナーは、うまく風を読んで真っ直ぐ飛んで行った。
どうしよう。
とっさに裏口に回った。バルが会いたくない人に俺も会いたくない。また呼び出されるかな?
「……ヴェスタ」
はっと顔を上げると、アラスターがいた。そうだった。パイロットの待機室は裏口からのエレベーターの方が近いから、彼らはこっちから入るんだ。
「ひ……久しぶり」
返品されて以来だった。あれからちゃんと話もしてなくて、どうしたらいいのかわからなかった。
「あ、表にバルのお母さんがいるからかな?」
にこっと笑う。まるでまだ、エアランナーの操縦を教わる前みたい。
「そう。知ってるの?」
「うん。三年……かなあ……前までは、年に一回くらいあったね」
「あれ、何? バル、いなくなっちゃって」
気まずいとか、何を話したらとか、全部吹っ飛んだ。
「知ってるなら教えて!」
「……仕事始まっちゃうから、そうだな……お昼食べようか? 一緒に。話せるところまで、だよ」
「うん! ありがとう」
アラスターが、返品のちょっと前によくしていたような微妙な表情をした。
「あとでね」
デスクに着くけど、全く頭に入ってこない。そもそもバディがいないと外に出ての捜査ができないから、事務的な処理くらいしかやることがない。ディーにバディを頼むか……俺も休暇取っちゃおうかな? ほんとに。また受付からコールが回ってきた。たぶんバルのお母さん。
『A492090rpに面会希望の』
「行きます」
玄関で会うのを避けても結局こうして呼び出されれば会わなくちゃいけない。うまくいなしてくれ、とバルは言っていた。うまくいなすって何。
ロビーに行くと、やはり一昨日と同じように、セットしたばかりのような髪、おろしたてのような服の、とても美しい女性が来客用のソファに深く腰を下ろしていた。
「バルは?」
「A492090rpは現在休暇中で当分お会いできません。IDをご存知ではないのですか」
「IDならわかってるわよ。母親だもの。あの子着信拒否してるの。だからわざわざ会いに来てるの」
そうだよな。バルならそれくらいする。
「では、先日もお話ししましたように、こちらからお話できることはございません」
「休暇っていつまで?」
「お話できません」
「ねえ。バルにとっても悪い話じゃないのよ。私の話を受けたら永遠にお金に困らないわよ。言っておいて。コールしろって」
「……え、と」
「ねえ。私もバルも、無限にお金が必要なの。それをちゃんと考えなさいって言っておいて」
女性は言い捨てるとカツカツとヒールの音を響かせて出て行った。
無限に。
デスクに戻ってちまちまと今でなくてもいいような事務仕事を終わらせる。ついでだからバルの分もだ。報告書のファイリングとナンバリング、消耗品の購入依頼。でも午後には帰れそう。本当に休みを取ろう。
昼になると、アラスターが迎えにきてくれた。そうだった。アラスターってそういう人だった。たった一ヶ月前のことなのに、すごく昔のことのような気がする。
「ごめんね、急に」
「いや。俺も君と話さないといけないと思ってたんだ」
二人で正門から局を出る。もうバルのお母さんはいない。裏道のあまり混まないカフェに入った。古いお店で、注文を未だにウェイターが聞きにくる。
「ここに来たことある?」
「随分前に一度バルと来たかな?」
「そうか。クラブチキンサンドは食べた?」
「食べてない! おいしいの?」
「おすすめだな」
ほっとする。付き合う前みたいだ。アラスターが二人分をまとめて注文してくれる。
「それで、バルのお母さんの件からにしようか」
「そう! バルは何も言わなくて、ぱっといなくなるから」
「バルのお母さんはバルが30歳になるまでは結構来てたかな。その度にバルは長期休暇を取ったり研修を入れたりして逃げてたね」
「30歳? どうして?」
「バルのことを結婚させたかったみたい」
「結婚? 誰と?」
大きな皿にクラブチキンサンドが二人分載ってきた。ジンジャーエールとアイスティー。
「バルのお母さんが結婚させたい人。ほら、食べて」
なにそれ? 理解できない………。チキンサンドにかぶりつく。チキンがすごくスパイシーで、こんがり焼き目がついたトーストによく合う。
「おいしい!」
「だろう。俺が話せるのはこのくらいかな」
「ええー! 余計わからなくなった……」
「バルの個人的なことが絡んでるから。あとはバルに聞いてごらん」
「話してくれるかな? 自信ないな」
ふっとアラスターが黙り込んだ。例の困った顔。
「バルとは……なんて言うのか、あのままなの?」
「あのまま? うーんと、前に一緒に住んでた時に戻った感じかな。元通りだよ」
「そうか。元気そうだね。髪、戻したんだなって思ったよ」
「あー……うん。アラスターも元気そうで良かった。なんかごめん。ほんと色々お世話になったのにさ」
「はは……」
力ない笑顔。そうだった。こんな顔をさせるのがすごく申し訳なかったんだ。結局、エア・ランナーの指導のお礼もできなかった。なんとなく黙り込む。手の中のジンジャーエールがぷつぷつと泡を上げる。
「……そういえば、手紙の、あれどういう意味?」
「ああ。あれはね、そのまま」
そのまま?
「あの日、昼間に病院でバルに聞いたんだよ。ヴェスタはどんな子なのかって。バルがどう思ってるのか知りたくてね。そしたら……」
アラスターはふっと目を伏せた。
「俺が思ってた君と全然違ったんだ。バルが知ってる君はね、すごく生き生きしてて、やんちゃで素直で賢い子だった。君は、バルは見てないって言ってたけど、そんなことないよ。すごくよく見てるんだなって思った。敵わないなって。だから……」
バルが。
「とどめを刺されたのはどっちかって言うとバルからかな。俺は君の表面的な部分しか見えなかったし、君も見せられなかったんだね」
「アラスター……」
アラスターが悪いんじゃ全然ないのに。
「ごめん。俺、傷つけるばっかりでごめん。アラスターにそんな顔ばっかりさせてごめん」
「いいんだ。あの時は何も説明できなくて……放り出してごめんね。幸せそうで良かった」
アラスターの手が伸びて、ほおに触れそうになってまた引っ込んだ。
「アラスター、俺やっぱりアラスターと一緒にいると楽しいよ。恋人って感じじゃないんだけど……うまく言えないんだけど、こうしてご飯食べたり、一緒にゲームしたり、遊びに行ったりしたい。そういうのはもうだめなのかな?」
「……ああ、ヴェスタ。やっとわかったよ」
アラスターはまた困った顔で笑った。
「君は俺が友達として好きなんだね。きっと最初からそうだったんだね? 恋人じゃなかったんだ」
「………」
そうかも。ザムザみたいに。バルに思うみたいに、何もかもあげたい、何もかも欲しいんじゃなくて、同じ時間を楽しみたい人。
「俺が間違ってたよね。ごめんね、アラスター」
「ふふ。いいよ。こんなかわいい子とあんな生活ができたんだ。ラッキーな勘違いだったかな」
あんな生活、と言われて、アラスターとのベッドでのことが一瞬で頭の中に蘇ってきた。アラスターとバルだけが知っている俺の痴態。髪がぱっと白くなる。
「バルがいないならうちにしばらく泊まるかい? 友達としてね。バルからも君を助けるように頼まれてるし」
首を急いで横に振ると、アラスターはいたずらっぽく笑った。
「冗談だよ。さあ、昼休みが終わるよ。戻らなくちゃ」
「アラスター、いろいろ……本当にありがとう」
アラスターは、微笑んだまま何も言わなかった。
局に戻って休暇を出した。バルが帰ってくる日に合わせる。アラスターと話せたのは良かった。ほんとに優しい。俺に恥をかかせない。友達になれたらいいなと思う。友達のままでいたかった。
たぶんもう取り返しがつかない種類のことなんだな……。
迎えのオートキャリアの時間を変えておいたから、ステーションについているはずだ。端末の電源を落として外に出る。外はまだ暑い。太陽の光に夏の面影がある。さて、どうしようかな。生まれて初めての長期休暇だ。
とりあえず家に戻る。どこかに出かける? どこに。バルはどこにいるんだろうなあ。
「バルはどこにいると思う?」
「さあどうでしょうね」
またこれだ。レッダは知っていても全然教えてくれない。バルは一人がいいのかな? コールしてみる。
「バル」
『お? どうした? 仕事中だろ』
「バディがいないからさ。仕事にならなくて俺も休み取っちゃった」
『はは! 再来週が怖いな。コール地獄だ』
「半分こだよ。ねえ、合流しちゃだめ?」
『んー』
否定的な「んー」。だめかな。
『悲惨だぞ? ホテルには泊まれねーし』
「!」
『観光して歩くわけでもねーし。つまんないと思うけど』
「行っていいってこと?」
『オートキャリアで半日かかる』
「それでもいい……そしたら、エアランナーで行く。レンタルしてく」
『ほんとかよ! そうだったな。運転できんだ……。じゃあ、ユースモローのホックトムってとこに来てくれよ。ポートがあるところに降りてくれたら行くから。あ、誰にも言うなよ』
「うん!」
嬉しい! すぐにエアランナーのレンタル手続きをする。近くのレンタルに二人乗りのがちょうどあった。適当に服をバッグに詰める。
「レッダ!」
「はい。わかってます。いってらっしゃい。バルによろしく」
家を飛び出してエアランナーを受け取る。結構きれいな新しめのやつだった。操作もわからないのはない。ユースモローのホックトムに座標を合わせて飛び立つ。三時間かかる。まる二日振りにバルに会える! しかも一緒に休暇を過ごせる。バルのお母さんに感謝しなくちゃ。
久々のエアランナーは、うまく風を読んで真っ直ぐ飛んで行った。
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表紙素材は abdulgalaxia様 よりお借りしています。
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