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08 デモンストレーション
14 Vesta (嘘と沈黙)
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部屋に入るとまずレッダに留守中の確認をした。連邦捜査局が突然訪ねてきたころから、なんとなく習慣になった。バルは全然しないから。この機能知らないんじゃないかな。レッダの今日の記録をざっと見る。
「?」
レッダの作業内容は1日ごとに通し番号と作業開始の時間が見えるようになっている。19時、夕食調理開始。作業ナンバーは19。次が物品の検収になっていて、作業ナンバーが21になっている。
「レッダ、20番がないよ」
「記録するほどの作業ではなかったため削除しました」
「なんだったの?」
「訪問者対応ですが、用向きのない訪問でしたので」
「なにそれ? いたずら?」
「そうですね。それに類するものです」
今まで、どんな小さなことでも作業ナンバーが飛んでいたことはなかった。これを削除できるのは、そんなふうにレッダに命令できるのは……
バルだけ。
何かすごく大切なことをバルが隠している。俺に。どうして? なんでもない。大丈夫。バルは絶対に口を割らない。自分だけでなんとかしようとしている。
どうしよう。どうしたらいい? このまま知らないふりして、気づかないふりしていたらいい? ほっておいたらバルが全部片付けているんだろうか。それは……。
ベッドの中で眠れずに居ると、バルが静かに部屋に入ってきた。そっと髪に触れる。その手に軽く触れた。
「起こした?」
「ううん。眠ってなかった……電気つける?」
「いらない」
バルが背中からぎゅうと俺を抱きしめた。温かい。優しい手。髪が緑になるのがわかる。うなじにキスされる。振り向いて唇にキスする。硬く抱き寄せられる。
「………」
「しないの?」
バルが少しだけ首を横に振る。子どもみたいだ。ひたいにひたいをつける。バルの少し高めの体温が流れ込んでくる。
「どうしたの?」
「……」
言わないんだよね。人には言えよって言うくせにさ。でも疲れてるのはわかる。ひどく疲れている。俺のせい? バルも髪の色が変わればいいのに……。黒い瞳。熱い体。どうすればいい? バルの黒い髪を撫でる。黒くて硬めの髪。
なんて愛しい人。
「……何かできることある?」
「大丈夫……。このまま寝かせてくれ」
「うん……」
ゆっくりとバルの肩を撫でていると、やがて寝息が聞こえ始めた。でも厳しい顔をしている。
話して欲しい。俺に言えない? なんでかな……。頼りにならない? 心配させたくない?
俺が弱いから?
「?」
レッダの作業内容は1日ごとに通し番号と作業開始の時間が見えるようになっている。19時、夕食調理開始。作業ナンバーは19。次が物品の検収になっていて、作業ナンバーが21になっている。
「レッダ、20番がないよ」
「記録するほどの作業ではなかったため削除しました」
「なんだったの?」
「訪問者対応ですが、用向きのない訪問でしたので」
「なにそれ? いたずら?」
「そうですね。それに類するものです」
今まで、どんな小さなことでも作業ナンバーが飛んでいたことはなかった。これを削除できるのは、そんなふうにレッダに命令できるのは……
バルだけ。
何かすごく大切なことをバルが隠している。俺に。どうして? なんでもない。大丈夫。バルは絶対に口を割らない。自分だけでなんとかしようとしている。
どうしよう。どうしたらいい? このまま知らないふりして、気づかないふりしていたらいい? ほっておいたらバルが全部片付けているんだろうか。それは……。
ベッドの中で眠れずに居ると、バルが静かに部屋に入ってきた。そっと髪に触れる。その手に軽く触れた。
「起こした?」
「ううん。眠ってなかった……電気つける?」
「いらない」
バルが背中からぎゅうと俺を抱きしめた。温かい。優しい手。髪が緑になるのがわかる。うなじにキスされる。振り向いて唇にキスする。硬く抱き寄せられる。
「………」
「しないの?」
バルが少しだけ首を横に振る。子どもみたいだ。ひたいにひたいをつける。バルの少し高めの体温が流れ込んでくる。
「どうしたの?」
「……」
言わないんだよね。人には言えよって言うくせにさ。でも疲れてるのはわかる。ひどく疲れている。俺のせい? バルも髪の色が変わればいいのに……。黒い瞳。熱い体。どうすればいい? バルの黒い髪を撫でる。黒くて硬めの髪。
なんて愛しい人。
「……何かできることある?」
「大丈夫……。このまま寝かせてくれ」
「うん……」
ゆっくりとバルの肩を撫でていると、やがて寝息が聞こえ始めた。でも厳しい顔をしている。
話して欲しい。俺に言えない? なんでかな……。頼りにならない? 心配させたくない?
俺が弱いから?
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