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十九話 だめだよ
「本気で言ってるんですか…?」
「うん、本気だよ」
僕は表情を悟られない様にカイトくんから目を逸らした。
「ノアさんは良いんですか?僕がいなくなっても…」
「…もとから僕はユリと二人っきりだったもん。大丈夫だよ」
ちょっと声が震えてるかも。
でも、いつもはそういうことにすぐ気づくカイトくんは僕の変化に気づかなかった。
「っ……ひどい」
「え?」
カイトくんの声は僕の何倍も震えていて、驚いて思わずカイトくんを見ると、カイトくんはぼろぼろ涙をこぼして泣いていた。
「か、カイトくんっ!?どうして泣いてるの…?」
「あなたが酷いこと言うからです」
「ご…ごめんね?おねがい、泣かないで…ぼく、困っちゃうよ…」
頭を撫でようと手を伸ばすと、すんでのところでガシッと掴まれる。
「へっ…?」
そしてそのままカイトくんは僕をベットへと引き摺り込んだ。
ぼすんと、カイトくんのベットに組み敷かれる。
「本当に無防備ですね、あなたは…」
「カイトくん…どうしたの?」
カイトくんは徐に僕の服を脱がせていく。
「な、なに…?」
「今になって僕を捨てるなんて…ひどい」
「ごめんね…でも、カイトくんのために…」
「じゃあ、僕の言うこと聞いてくれますか?」
「え?」
うるうると真っ赤な目をしてカイトくんが僕を見つめた。
「僕のためって言うなら、僕のために僕の言うこと聞いてくれますよね?」
「へ?え、えっと…」
分厚いローブが取り払われる。
僕を守ってくれるのは薄手の下着だけだ。
「ねぇ、ノアさん、答えてよ…僕の言うこと、聞いてくれる?」
「っ…いい、よ…」
どうせこれでカイトくんとはお別れだ。
最後くらいわがままを聞いてあげよう。
そう思って僕は頷いた。
「やった。じゃあ、服脱いでくれる?」
「…いいけど、なんで?恥ずかしいよ…」
「脱いで」
有無を言わせない口調に仕方なく残っていた衣服を脱いだ。
カイトくんのお世話をする上で裸を見せたり見たことはある。
でもこうして改めて見られると恥ずかしいものだ。
「これでいい?」
「はい」
にっこり、カイトくんは微笑んだ。
よかった、なんでかわからないけど機嫌は治ったみたいだ。
そう思って安心していたのに、
「じゃあ、今度はキスして」
「キス?わかった…」
カイトくんの要求は止まらなかった。
僕はカイトくんの頬にキスをした。
「これでいい?」
「あなたって本当に純粋ですね」
「へ?」
カイトくんは僕の顎を掴んで僕の唇を塞いだ。
なんで。
そう思っているうちに口の中にカイトくんの舌が入ってくる。
「ん…んぅう!!!」
ぽかぽかカイトくんの胸を叩くけどびくともしない。
カイトくんの舌は僕のものと絡んだり上顎を撫でていく。
背中がゾクゾクするような感覚がする。
やだ、怖い、なんだこれ。
「ん…ぷぁ…っはぁ」
「キスっていうのはこういうものを言うんですよ」
「ふ…ぅう…な、なんで僕にこんなことするの?」
「……わかりませんか?」
カイトくんの暗い瞳が僕を見つめた。
怖い。
なんで…?いつもの優しいカイトくんはどこにいっちゃったの?
「僕はずっとあなたにこんなことしたいって、思ってましたよ」
でも、あなたは僕のことをそういうふうに見ていなかったから。いつかあなたが僕と同じ気持ちになってくれるまで待とうと思ってました。
まさかこんなふうに一方的に別れを告げられるなんて思ってもいなかったので。
非難するようにカイトくんがそう言った。
「ご、ごめんなさ…」
「でももういいんです」
カイトくんは笑っている。でもなんだかその笑顔はいつもと違ってあったかくない、冷たい微笑みだ。
「今日、この場であなたを手に入れます」
「へ…」
ちゅう、とカイトくんが僕の首筋に吸い付いた。
「なに、するの…?」
「大丈夫、痛いことはしませんから。あなたが抵抗しなければ、ね…」
緊張で体が強張る。
何をするつもりなんだろう。
「…カイトくん?っひ」
カイトくんが僕の下半身に手を伸ばす。
「なんでそんなとこっ…ばっちいからダメだよ」
「あなたの身体で汚いところなんてありませんよ」
すっかり縮こまっているこそを優しく包んでしごく。
最近あまりユリに精液をあげてないのもあって簡単に勃起してしまった。
息子の様に育てた子に触られて勃ってしまうなんて、生理現象とはいえひどい罪悪感だ。
「カイトくんっ…も、やめて…」
「やめません」
「こんなことしても楽しくないでしょ?」
「いえ、楽しいです」
カイトくんは手を動かしたまま僕の鼻の頭にキスを落とした。
「ノアさんも気持ちいいですよね?」
「そ、それはきもちいいけど…でも」
「でも、なに?」
じーっとカイトくんに見つめられる。
綺麗な青い瞳。吸い込まれてしまいそうな海の色…
「っ…ちょっと」
僕はとっさにカイトくんの目を掌で覆った。
「カイトくん、今、僕に魅了魔法かけようとしてたでしょ」
「…さすがにバレましたか」
「その魔法教えたの誰だと思ってるの?っ…ひぅ」
ぐちゅ、といきなり亀頭を擦られた。
「そこ、さわっちゃやだっ」
「さっきからやだとかダメばっかですね。こういう時はいいって言わなきゃ」
「なんでっ…」
「なんでも禁止」
「でも」
「うるさいですよ」
カイトくんはいきなり僕の唇に自分のそれを合わせてきて、
あれ、また僕キスされてる…?
「ん…ふぅ、む…」
頭が溶けてしまいそうだ。
舌と舌が絡められるだけで体から力が抜けてしまう。
「ぅ…んぇ?」
僕がとろとろになってしまっているうちにカイトくんが僕のお尻に手を伸ばした。
そんなとこ汚いのに、なんで、
「ん、んん!ぅむ…!」
そんなとこ触っちゃダメだよって、カイトくんの髪を引っ張るけど、カイトくんは止まらない。
僕のもので濡れたカイトくんの指がつぷんとナカに入れられる。
流石の僕でも男同士でするとき、ここを使うのは知っていた。
でも、どうしてカイトくんが僕にこんなことするのかは分からない。
「っ…いた」
本当にやばいと思って、僕はとっさにカイトくんの舌を噛んだ。
「カイトくん、お願い…もうやめて」
「…やめませんよ」
「ひぅ」
カイトくんの指が僕の中で意地悪く動いた。
「カイトくん、『ダメ』!」
強めの魔力を込めてそう言った。
でも、
「その魔法は効きませんよ」
カイトくんは何もなかったかのように、なかにもう一本指を入れた。
「なんでっ…う、やらぁ」
「さっき僕が『言うこと聞いてくれる』か聞いた時、いいって言ったでしょう?あれは契約だったんですよ」
「けいやく…?」
「そうです。隷属の契約…知りませんか?」
あなたの本に書いてありましたよ、禁呪らしいですけど。
確かにそんなものもあった気がする。
「あなたは今ぼくに隷属してるんです。もちろん僕に命令なんてできませんよ」
「っ…魔法なんて教えなきゃよかった。禁呪にまで手を出すなんて…」
僕はカイトくんを睨みつけるけど応えた様子はない。
「ふふ、あの本に書いてあるってことはあなたも使ったことがあるんでしょう?同罪ですよ」
使ったのは僕じゃない、元の魔法使いだ。
僕は実用魔法しか使わないし、カイトくんにもそれしか教えなかった。なのに…
「もういいから、こっちに集中して?」
「ん…やぁあっ…」
カイトくんは僕の中を指で掻き乱す。
「ん、カイトくんっ…だめぇえ」
ぐりゅ、となかにあるしこりの様なものを押されると、頭から爪先まで痺れるような快感が走る。
「ひぅうう!っ…なに、これぇ…」
「ここがノアさんの気持ちいいところですよ」
カイトくんはそこを執拗にいじめる。
頭が溶けて、バカになりそうだ。
「ふふ、もうすっかりゆるゆるですね」
「うぁあ、んっ…だめぇ、だめ」
首を振るけど快感は消えない。
ちゅ、と僕の頬にキスをするその手つきだけは優しいのに、僕の中を不躾に暴く手は止まらない。
「もういれてもいいですか?」
「へ…?」
「いいですよね。もし切れても僕が治癒魔法かけてあげるので大丈夫ですよ」
治癒魔法?なに、僕怪我するの…?
ぐずぐすになった頭ではもう満足に考えられない。
ただ、この後恐ろしいことをされることだけは分かった。
「やだ、やだぁあ!!」
僕はベット上を這いつくばって逃げようとした。
でも、数センチも進まないうちにカイトくんの大きな手が僕の腰をつかんで、
「いまさら逃しませんよ」
そのまま僕は引き寄せられて、僕の中にはあつくて太いものが入ってきた。
「ひ、んぁぁあ!!」
「っ…入った…」
痛い、苦しい、気持ち悪い。
お腹が内側から圧迫される感覚にえづきそうになる。
「っ…う、ふぇえ…」
つらくて、悲しくて、僕は子供のように泣いてしまった。
「泣かないでください…」
「うぅ…っく…ぐす」
ぼろぼろ溢れる涙をカイトくんが舐めとっていく。
「やっと一つになれた…」
カイトくんは自分が入っていることを確かめるように僕のお腹に手を当てた。
「ね、動いてもいい?動くね」
「う、やぁ…だめっ…」
ずりゅ、とおっきいのが引き抜かれて少し楽になったかと思うと、次の瞬間体を切り裂くような衝撃が走った。
「ひ、うぐ…」
「は、やば…」
カイトくんが乱暴に腰を振った。
ごちゅごちゅと、奥を先っぽが突いているのがわかる。
「や、うっ…んぁあっ…と、とまって、あ、かいとくんっ…ふぁ」
縋るようにカイトくんに抱きつくけど、カイトくんはむしろ動きを速めるばかりで、
「ふ、ぅ…やだよぉ…」
可愛い我が子同然の子に犯されていることに僕は涙を流すことしかできない。
「泣かないで…」
「う、うぇ…っく…あぅう」
喘いでるのか泣いているのかもわからない。
でも、カイトくんが動くたびに身体中がゾクゾクして、頭がおかしくなりそうだ。
「っかいと、くんっ…」
「なんですか」
「……して」
「え?」
僕はぐいっとカイトくんの首を抱き寄せた。
「こわいから、ちゅうして」
ぽろぽろと涙を流しながらそう言うと、カイトくんはとびきり優しいキスをしてくれた。
「ん…ふぅ、んぁ」
「あなたって…ほんとうにかわいい」
相変わらず身体が蕩けそうな快感は消えないけど、カイトくんとキスをしたら胸があったかくなって安心しできた。
「ふ、かいとくっ…もっとぉ」
カイトくんが離れていってしまって、寂しくて腕を伸ばすけど、カイトくんは僕の頬や額にキスを落とすだけで、
「ん、まって、僕…そろそろイキそう…」
腰の動きをガンガン強め始めた。
「あ、んん…やぁ、だめっ…はげしいよぉ」
「っ…う」
びく、とカイトくんの身体が震えたかと思うと、中にあったかいものが広がった。
あ、中に出されたんだ…
他人事みたいにそう思いながら、僕は意識を手放した。
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