蒔田さん家の諸事情~世界一俳優の旦那様が毎日飯テロをしてくる件について~

美凪ましろ

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おかえりとあなたが言うから

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 ……はぁ。疲れた。

 家路を急ぐあたし。早く……蒔田まきたさんに会いたい!

 日本一忙しい俳優である彼は年に一度はオフを取る。今年は、アカデミー賞受賞後のあれこれがあったので、精神的な疲弊を考慮して、年明けから春にかけてをお休みにした。滅多にない長期休暇だ。ありがたやありがたや。

「はぁ……さっむ」

 街路樹のある通りを歩くあたしは白い息を吐き、ショルダーバッグの紐部分を握る手に力を込める。

 むしろこの寒さがありがたいと思える。あなたに会ったときの喜びを強めてくれるから。

 *

「おかえり。お仕事お疲れ様」

 子どもたちに至ってはそれぞれ自室で好きに過ごしているというのに、毎日毎日この旦那様は、玄関まであたしを出迎えてくれる。

 夫曰く、飽きる、という概念がないらしい。

 冷えたあたしの髪を撫でてちゅっと音を立ててほっぺにキスをすると、長年愛用しているショルダーバッグを受け取り、そっと玄関に置くと、あたしを姫抱きにして洗面所へと連れていく。

 メイク落としをする後ろの洗濯機の前で突っ立って待っているものだから。あたしは笑った。

「蒔田さんってば。そこにいられると落ち着かないよ」

「……そうだな。分かった。鍋をあっためてくるよ」

 手際よくテーブルセットを済ませると、またこの旦那様は、今度はあたしをダイニングへと運ぶために出迎えて、姫抱きにして運ぶのだ。

 ……毎晩、毎晩、よくもまぁ……。

 しかし、こんなものは序の口。蒔田一臣かずおみのすごさはこんなものでは済まない。
 
 *

「わぁ。美味しそう……!」

 洗面所で手早くメイクを落とし、オールインワンゲルで肌を整え、部屋着に着替えて(そしてまた洗面所に戻り待っている蒔田さんに運ばれるのが一連の流れ)、ダイニングの定位置に座るといつもいつも幸せ過ぎて胸が苦しくなる。

 パパって、毎日三時間以上は台所に立っているんじゃないかな。

 瑠那るなの密告で隠れざる努力を知る。……このひとは、恩着せがましい態度など一切取らないというのに。

 テーブルには鍋敷きのうえに、この間買ったばかりのルクルーゼの青の鍋がそのまま置かれ、中にはぐつぐつと白菜や長ねぎ、鳥のもも肉やえのきが煮込まれている。

 年を取ると急に、無性に野菜が食べたくなる。

 週に一度は蒔田さんが作ってくれる、お互いにお気に入りのメニューだ。

「あたたかいうちにどうぞ」と緑川塗の椀を持ち、取り分けてくれる蒔田さん。……やさしい。

 このひとのあたしを見る目がやさしいのは知っている。やさし過ぎて、とろけてしまいそう。

 今日は残業だったので先に子どもたちには食べていて貰ったのだが、ちゃんと、妻であるあたしを待ってくれていた蒔田さん。子どもたちと先に一緒に食べていていいのに……。

 きゅん。

 最近ハマっている石川のお米で作った白い炊き立てのご飯や、手作りの小松菜の漬物、瑠那が好きだというささみの唐揚げをあたためなおしたもの……とかが、食卓を彩ってくれる。

 母親なのに、料理が苦手で。そもそも父子家庭という時点で娘は料理が得意なのが標準だろうに、どうにも、あたしは、料理を作るのが苦手で……自炊という行為が自分の生活に馴染まず、……後ろめたい思いをすることもある。

 だが旦那様は言うのだ。――別の世の母親が必ずしも料理が得意である必要はない。きみはきみで、出来ることを頑張っているのだから。きみが自分を卑下すると、おれも傷ついてしまうよ。

 俳優業やYoutubeの被写体としての仕事もこなしながら、毎朝十キロ以上のランニングをこなし、ラテの散歩も一日に二度行くし、……このひとは既に四十代後半に差し掛かっているというのに、体力は無尽蔵で。挙句、子どもたちやあたしがお腹を空かせたときのために、常時、鍋料理やおかず、蒸し野菜などの作り置きもしておいてくれるから、神様仏様。こんなパーフェクトな旦那様ってこの世の中にいるのでしょうか。

 いや、恐ろしいぜ。

 お椀を受け取り、口をつける。……うう、美味しい……! 冷えたからだに染みる塩麹の味わい。ほどよく白菜のあまみや、ちょっと癖のある鶏もも肉が自己主張をし、芳醇なエキスを醸し出してくれている。

「ああ、美味しい……美味しい……!」

 申し訳ないがからだも脳もくたくたなので、あなたが自分のぶんをよそっているのを知りつつもどんどん食べてしまう。あまみのある、ぴんと角の立ったお米……! あああ、日本人に生まれて幸せ……! 最高!

 すると、一通り落ち着くまでを待ってくれていたあなたは、「……ビール飲むか? 飲むなら、ノンアル、アルコールありのどちらがいい?」

「じゃあ、ノンアルで……お願い」

「おっけ」

 懐かしいな。蒔田さんと出会った頃は、彼、下戸で。IT系でいかにも仕事の出来る上司でたくましい体躯をしているアスリート体形なものだからてっきり。

 彼のために居酒屋の隅で究極にアルコールの薄いウーロンハイを作っていた頃が懐かしい……。

 2000年代のあの頃は、新卒などの若手が先輩方のお酒の注文や、飲み会の取り仕切り全般を行うのが当たり前で。思えばシステムアイは極端な体育会系で、先輩方の言うことが絶対。酒を注がれたら飲むのが当たり前で、先輩方のグラスが空いたらすぐに注ぐか、おかわりの注文をするのが暗黙のルールだった。

 時代は令和である。アルコールの無理強いをしない時代。お陰で生きるのが楽になった。

 ノンアルは個性として許容され、ノンアルであれば年齢確認もなしで買えるし、次の日の仕事を気にせず飲める。ノンアルならリモートの朝に飲むことだって出来る。ありがたい時代である。

 さてあたしも、……IT系に入った頃はとにかく先輩方や同期と飲みに行く機会が多かったし、ぐでんぐでんになるまで飲むこともよくあった。よく毎日無事で帰れたものだと思う……。

 そこから妊活のために一時アルコールを断ち、出産して、下の子が三歳を過ぎた辺りだろうか。生活にも変化があって……既にあたしは比嘉ひがさんの会社に転職をしていたが、蒔田さんはシステムアイで、政府主導で進めるファザープロジェクト、通称ファザプロの公式動画で動画がバズって。それを機に芸能人へのスターダムを一気に駆け上がった。

 もっとも彼は、上司時代から既に、アンダーグラウンドでMKN(MAKITA Kazuomi Networkの略)なる特定のファン層がいたわけで。土壌は整っていた。カリスマ性というものが彼にはあるし、なんだか……蒔田さんは、華もあって色気もあるから、そこらの女性の視線をかっさらってしまう。一緒にいてひやひやすることがしょっちゅう。

 だった。

 機敏な所作で缶ビールを取りに行った世界一の旦那様は、あたしの差し向かいに座ると、ぷしゅりと缶を開け、冷えたグラスに注いでくれる。「……ありがとう」

 気を遣われるのが嫌いな蒔田さんは手酌をし、かちりとグラスを合わせる。「……乾杯」

 そして仕事終わりで疲れ切っているあたしにこんなことを言うのだ。

紘花ひろか。毎日お疲れ様。今日のおまえも、最高に可愛い」

 *

 食事の後はすこし晩酌をし、好きな動画を一緒に見て笑いあいながらゆったり過ごし、子どもたちがそれぞれお風呂に入ったのを確認してからひとりお風呂をいただく。

 そうは既に小学校低学年の頃からひとりで入るようになったが、娘の瑠那は、春から中学一年生になるのを見据え、一月からひとりで入ることに決めた。

 美容ヲタクで髪の長い娘の髪を洗うのは骨が折れるが、彼女は齢十二歳にしてRefaのドライヤーを駆使する。こだわりがあって、シャンプーを四プッシュしてしっかりと髪を泡立てる。彼女の髪はさらさらだ。友達にも自慢されるくらい。

 洗面所も風呂場の電気も消して、お風呂のうえに置くトレイのうえに、アロマキャンドルを持ち、暗いしっとりとした空間で一日の疲れをいやす。……ああ、幸せ。

 娘と一緒にきゃっきゃと入るお風呂もそれはそれで楽しかったが。いまは、人生の中盤に差し掛かった頃ならではの味わい深い秋の季節を過ごしている。……蒔田さんと一緒に入るお風呂も格別だったけれど。こうして一日に一回はひとりになれる時間が欲しい。

 余力があれば本を持ち込むが、今日はどっしりと闇風呂に浸りたい気分。敢えて音楽にも頼らず、アロマの香りに浸り、しっかりとからだを湯に漬け、幸せを満喫する。

 ふかーく、息の出来ている感覚。些末なことや日々の心配事を忘れ、ただの、蒔田紘花になれる瞬間。

 髪は二十代の頃からずっとロングだ。短かったのは陸上部にいた頃くらい。どうにもあたしは、顔立ち的に、短いとボーイッシュに見えすぎてしまい、かつ、昨今の韓国アイドルの美容事情を知ると、ロングヘアってやっぱりいいなぁと改めて思うし……蒔田さんが好きなのもロングだから……ヘアマスクは毎日なので、しっかりとヘアマスクを髪に染みこませる時間を死守するためにゆったりと風呂に浸かる必要がある。

 入浴剤の楽しみなんかも知ったのは最近だ。家族のうち、最初に入る人間が入れてくれることもあるが、特に入っていなければあたしは入れさせていただき極上の時間を楽しむ。今日は、HACCIのはちみつの香る風呂にしてみた。

 ウッディなアロマの香りと合わさり、とことん、自律神経が和らぐ。うっかりすると寝てしまいそうになる。

 さほど長風呂派というわけでもなく、三十分程度であがる。

 そこから、ドライヤーやスキンケアなど、自分をメンテナンスする時間が必要だから。

 水を取りに台所にふと寄れば蒔田さんは、ソファーのうえで寝落ちをしていた。ラテが足元の彼女用のベッドで丸くなっている。

 ショコラが天命を全うしたあと、犬なんてもう二度と……なんて思っていたのだが、ある日、ペットショップに、蒔田さんと瑠那とで行ったら瑠那が一目惚れで。トイプードルとポメラニアンのミックス犬で、雌犬ということもあり、おトイレのお世話にそれほど手がかからず(雄犬はマーキングをするから大変)、丸くなっているさまは猫みたいで愛らしい。みんなのアイドルだ。

 茶色いテディベアみたいにふわっふわで可愛くて。どんなに眠くてもあたしが台所やリビングに入ればすぐに目を向けてぶんぶんと尻尾をする。あまりに愛おしい。……犬っていいなぁ……。

 笑みが止まらずラテを撫で撫でしてついでに匂いもすーはーしてやって、創と瑠那の部屋に立ち寄り、それぞれがそれぞれに夢中になれるものがあることを見、声をかけてから、ひとり自室に戻り、おひとり時間の開始だ。

 子が大きくなって自分の世界を持つ。

 赤ちゃん赤ちゃんしていたはずの我が子たちは知らぬ間に成長を遂げて。ママママ言わなくなってしまった。

 子育てが始まるとあまりの過酷さに何度も何百回もめげそうになるが。辛い時間は永遠には続かない。いまとなっては、親離れをしつつある子どもたちを見て寂しくなるくらいだ。

 自室は間接照明をONにするのみで真っ暗にし、完全ナイトモードにシフト。手早く、導入化粧水から肌を潤し、最後にナイトクリームで蓋をしてから、ドライヤーで髪を乾かし、締めに美顔器でお肌をお手入れするのが日課。

 こうして薄闇のなかでひとりきりになってみると、自分という人間はただのひとりの人間に過ぎず。ママでも蒔田一臣でもないただの人間に戻れる。汚濁が抜ける感覚がするのだ。

 それから、お気に入りの音響でナイトジャズを流し、ローテーブルで日記を書く。

 ……あたしは、天下の蒔田一臣の妻なので。世界でアカデミー賞を受賞した栄誉ある彼が旦那様。

 である以上はすこしは英語を話せるようにならなくては。と思い、英語で日記を書くこともある。

 日記は、日本語のものと英語用のものとふたつある。

 単に、そのとき起きたことや、いまの自分の気持ちを綴ったものだったり、未来への不安とか子どもたちの思いなんかも書く。

 部屋の真ん中のかごのなかに入れたものなので、万一人目に触れた場合のことも考えて具体的な名前は出さずに。特に、プライバシーに関わることは英語で書くようにしている。

 不思議と英語で書くときは外国人らしい強気で陽気なキャラが出現する。物事をはっきりと断言し、明るくてユーモアがある。

 一方、沈みたい気分のときや落ち込んだときには、日本語で書く。日本語ならではの独特の表現で記したいとき。

 このご時世、パソコンやスマートフォン頼みとなってしまい、漢字や英語の正しいスペルが書けなかったりする。

 逆に、文字を書けば自然と頭が働く。なので、敢えて、分からない漢字があればその場で調べてちゃんと書く。

 ああそうそう、普段はコンタクト派のあたしだが、文字を書く時間から眼鏡にシフトする。

 やっぱり、コンタクトは目が乾くし……。日中のパソコンで目が疲れているから。そういう意味でもあたしは自分をOFFにする。

 テーブルのうえに時計と冷たい麦茶を用意するが、時間があればお茶を沸かしてひとりお茶会なんかも楽しむ。うちにはマグカップがたくさんあって、あたしは、水色の丸っこい和風のデザインのものをひとりお茶会用にと愛用している。

 生活スタイル系の美人な女性のYoutubeでVlogなんかを見ると癒される。

 あと、ルーティン系の動画とか。……あんなふうに、綺麗になりたいな、と思う。

 大体二十一時前後からおひとり様時間が始まり、一時間かけてゆったりし、その後はストレッチやヨガなどの運動をする。

 やはり、四十代ともなると、運動しないと、健康寿命が縮まるとは聞いたことがあるし、若い頃とはシルエットが変わってしまい、からだの線がゆるくなる。本当はピラティスあたり始めたいところだが、まだ、子育てや仕事に忙しく、とても習いに行く余力がなく……。なので自己流で、特に、手首や、お腹周りを意識して柔らかくする運動をしている。

 特に出勤した日はいつまでも頭のなかに仕事のことがぐるぐる頭にあって抜けなかったりもする。

 その意味でも、運動は、デトックスする貴重な時間。

 自分と向き合い、自分の状態がどんなだかを確かめる。朝は究極に弱いので、夜の時間を活動時間にしている。

 ストレッチが終わった時点で蒔田さんに声をかける。彼はだいたい、リビングで本を読んでいる。

 ……上司だった頃は彼のアップヘアスタイルに萌え萌えしたものだ。

 自宅だとリラックスした感じで下ろした前髪が見られる。うふふ。眼福。

「おいで。紘花」

 あたしたちがぎゅーっとしあうとソファーの横でラテがぐれぐれしている。見せつけるようにソファーの端を噛み、自身をアピールする。

 創や瑠那が出てくることもある。自然と四人で集まり、会話をする。リラックス出来る大事な時間だ。

 それから先に子どもたちのほうがおやすみと言って、洗面所に向かうと、蒔田さんは「ハウス」と言い、ラテをケージに入れて扉を閉める。

 振り返った旦那様の顔を見て秘めたあたしが疼く。……ああ、始まる。

 *

 四十代ともなると性欲は減退するものかと思っていた。

 そうでもない。ケースバイケースだ。

 三十代の頃はお風呂の時間を合わせて、というか、子どもたちが一緒に寝る問題があるから、気を遣い、風呂場で求めあっていたあたしたち。

 いまは、ふたりで眠る寝室があるからそこで、好き放題、乱れ狂う日々。

 このひとの欲は尽きない。

 応えられる自分自身にもびっくりだ。

 余韻もしっかりと抱き締めあって確かめるのがいまだというか。前だと、それこそ、一晩中求めあう夜だってあるけど、いまは、導かれて高ぶってある程度落ち着いたらピロートークを楽しむ。

 蒔田さんの腕枕は腕が固く引き締まっているがゆえにすこし痛い。
 
 でも、……幸せ……。

 眠たそうなあたしを見てあなたは笑い、キスをする。

「今日も紘花も、……最高に可愛い。愛している……」

 嬉しくて。最高に幸せで。こんな毎日があなたと一緒にあって。泣きたいくらいに幸せでたまらなくて。

 あなたの逞しいからだにしっかりと抱き着いて、足を絡ませ、真冬の寒さをあなたのあったかさを確かめることで深めて、今宵もあたしは平和な眠りに落ちる。あなたの首筋の匂いを嗅ぎながら。
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