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09-続けて二回目をねだりましょう。
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部屋には、二人分の荒れた呼吸音だけが小さく響いていた。
気がつけば、大悟を抱き締めたいという願いはしっかりと叶えられていて、その逞しい身体は、いま俺の腕のなかにある。
まだ指先が痺れてる。腰には、やわらかな快感がふわりふわりと纏わりついて離れる様子もない。
気持ちいい……いまもだけど、最中もすごく気持ちよかった。
大悟とのあいだにある濡れた感触は、俺の放った精液だろう。射精した自覚もないほどの絶頂なんて、初めてだった。
もしかしたら、大悟と俺ってセックスの相性がいいのかもしれない。茂兄とでも、こんなすごいセックスはしたことがなかったから。
でも、終わってしまった。
もっと、したかった。もっと抱かれていたかった。
俺は、大悟をちゃんと満足させられたんだろうか?
はっきり言って自信はない。籠絡すると言いながら、俺はほとんど何もしていなかった。ひたすら自分の快感に夢中になっていただけだ。
このあと、大悟はどうするんだろう。親友から迫られて、見るに見かねて抱いたとしても、流されるのはきっと一回が限度だ。
俺の目論見通り、このままセフレになってくれるんだろうか? それとも……もう付き合っていられないと、親友の関係も解消してしまうだろうか。
そこまで考えて、身体がふるりと震えた。大悟に避けられるのかと思うと、胃の裏あたりがヒヤリと冷たくなる。
大悟がいなければ生きていけない、というわけじゃない。
これまでだって、俺が入院してたときや、茂兄とのセックスに夢中になってたときでも、大悟は部活に勤しんでいたし、俺との時間はほとんどなかった。
そんな時期だって、多少は息苦しかったけど、ちゃんと生活はできていた。
でもときどきは、大悟の早朝ランニングの時間が待ち遠しくて、眠れない夜を過ごしたこともある。
これからは、その眠れない夜が明けない……なんてことになるのかな。
考えていた内容が悪かったのか、さっきまで纏わりついてた緩い快感は、きれいさっぱり消えてなくなった。
そろそろ大悟を放してやらないと。ゴムするのを忘れたんだから、浴室に行けと言ってやらなきゃ。
それは、わかってる。わかってるけど。
でも、あと少し。あと少しだけ、このままでいたい。
手足の甘い痺れが消えるとともに戻ってきた力で大悟を抱き締め、ぎゅうっと身体を押しつける。
どうせならTシャツも脱いでもらえばよかったと、布越しの肩甲骨を撫でながら、いまさら思った。
踏ん切りをつけるために少し大きく息を吸うと、大悟の匂いが鼻をくすぐる。
大悟の匂いは、サラリと淡くてやわらかい。昔から汗をかいてもたいして臭わなかった。中学時代、部活後の先輩たちの体臭に目眩がしたときなんかには、大悟の背中にくっついて避難させてもらってた。
そんな無邪気なことも、俺がだんだんと『男』を意識するようになって、できなくなったけど。
懐かしくなって、大悟の首元に擦り寄り、その体臭をこっそりと嗅いだ。
ああ、落ち着く。この感じは、好きだ。
うっとりと繰り返し大きく息を吸っていたら、下腹に軽く力が入ってしまった。その拍子に、いまだ俺のアナルに嵌ったままの大悟のペニスを再認識させられた。
やっぱり大きい。でも少し軟らかいのかな。セックスの最中ほどの強烈な圧迫は感じない。
ああ、終わっちゃったんだ。
重ねてそう思ったら、瞬間、泣きたくなるほどのせつなさに襲われた。じわりと滲みはじめた涙をとめたくて、さらに大悟にしがみつく。
すると、
「あっ」
アナルが動いたのか、ペニスが動いたのか。
ずるっと、アナルの内側で小さな摩擦が生まれた。
途端に、あのふわふわとしたやわらかな快感が戻ってきて、アナルから腰へ、腰から背中へと広がっていく。その体感にぞくりと背筋が震え、アナルがきゅんと窄まった。
あ、きもちいい。
少し軟らかな感触でもその存在感が嬉しいのか、アナルが不規則にきゅんきゅんと収縮を繰り返す。
俺のアナルが、大悟のペニスに縋りついてる。なんて未練がましい動きなんだ。こんなに欲しがって、大悟にどう思われるだろう。
ふたたび訪れた快感への欲と、アナルの淫猥な動きに対する羞恥とがせめぎ合って、もうどうしたらいいのかもわからない。
そうして俺が困惑していると、
「え。あっ。だ、だいご? あっ、ああっ」
アナルの奥で、何かがクククと膨らみ充溢していった。そのままどんどん漲っていく大悟のペニスに、俺の動悸もどんどん激しくなっていく。
これって、これっていいのかな。
いつもなら一度満足してしまうと、そこでお終いだった。続けざまにセックスすることなんて滅多にない。
けど、アナルの内圧があがるにつれて、淫らな気分も込みあげてくる。ついには我慢できなくなって、大悟の首元に埋めていた顔を少しずらし、その耳にこっそりと誘いの言葉を吹き込んだ。
「大悟、もう一回……する?」
次の瞬間、アナルのなかでペニスがはっきりと揺れた。
やわやわとした心地よさのなかを、ぬくりと硬いもので刺激され、思わず「ああんっ」とやらしい声が漏れてしまう。
力のなかった俺のペニスも、大悟の腹とのあいだでゆるゆると力を取り戻しつつあった。
あと少し。俺は、あと少しで後戻りできなくなる。
大悟も、引き返せなくなればいい。
そんな淫靡な願いを込めて、アナルをキツく引き絞った。
「ああっ!」
ずちゅりと、腰の奥で水音が立つ。腕のなかの逞しい身体がふるりと震えた。
硬く屹立した大悟のペニスを強く抱き締めた俺のアナルが、例の甘美な世界へと、俺をたちまち引きずり込んでいった。
気がつけば、大悟を抱き締めたいという願いはしっかりと叶えられていて、その逞しい身体は、いま俺の腕のなかにある。
まだ指先が痺れてる。腰には、やわらかな快感がふわりふわりと纏わりついて離れる様子もない。
気持ちいい……いまもだけど、最中もすごく気持ちよかった。
大悟とのあいだにある濡れた感触は、俺の放った精液だろう。射精した自覚もないほどの絶頂なんて、初めてだった。
もしかしたら、大悟と俺ってセックスの相性がいいのかもしれない。茂兄とでも、こんなすごいセックスはしたことがなかったから。
でも、終わってしまった。
もっと、したかった。もっと抱かれていたかった。
俺は、大悟をちゃんと満足させられたんだろうか?
はっきり言って自信はない。籠絡すると言いながら、俺はほとんど何もしていなかった。ひたすら自分の快感に夢中になっていただけだ。
このあと、大悟はどうするんだろう。親友から迫られて、見るに見かねて抱いたとしても、流されるのはきっと一回が限度だ。
俺の目論見通り、このままセフレになってくれるんだろうか? それとも……もう付き合っていられないと、親友の関係も解消してしまうだろうか。
そこまで考えて、身体がふるりと震えた。大悟に避けられるのかと思うと、胃の裏あたりがヒヤリと冷たくなる。
大悟がいなければ生きていけない、というわけじゃない。
これまでだって、俺が入院してたときや、茂兄とのセックスに夢中になってたときでも、大悟は部活に勤しんでいたし、俺との時間はほとんどなかった。
そんな時期だって、多少は息苦しかったけど、ちゃんと生活はできていた。
でもときどきは、大悟の早朝ランニングの時間が待ち遠しくて、眠れない夜を過ごしたこともある。
これからは、その眠れない夜が明けない……なんてことになるのかな。
考えていた内容が悪かったのか、さっきまで纏わりついてた緩い快感は、きれいさっぱり消えてなくなった。
そろそろ大悟を放してやらないと。ゴムするのを忘れたんだから、浴室に行けと言ってやらなきゃ。
それは、わかってる。わかってるけど。
でも、あと少し。あと少しだけ、このままでいたい。
手足の甘い痺れが消えるとともに戻ってきた力で大悟を抱き締め、ぎゅうっと身体を押しつける。
どうせならTシャツも脱いでもらえばよかったと、布越しの肩甲骨を撫でながら、いまさら思った。
踏ん切りをつけるために少し大きく息を吸うと、大悟の匂いが鼻をくすぐる。
大悟の匂いは、サラリと淡くてやわらかい。昔から汗をかいてもたいして臭わなかった。中学時代、部活後の先輩たちの体臭に目眩がしたときなんかには、大悟の背中にくっついて避難させてもらってた。
そんな無邪気なことも、俺がだんだんと『男』を意識するようになって、できなくなったけど。
懐かしくなって、大悟の首元に擦り寄り、その体臭をこっそりと嗅いだ。
ああ、落ち着く。この感じは、好きだ。
うっとりと繰り返し大きく息を吸っていたら、下腹に軽く力が入ってしまった。その拍子に、いまだ俺のアナルに嵌ったままの大悟のペニスを再認識させられた。
やっぱり大きい。でも少し軟らかいのかな。セックスの最中ほどの強烈な圧迫は感じない。
ああ、終わっちゃったんだ。
重ねてそう思ったら、瞬間、泣きたくなるほどのせつなさに襲われた。じわりと滲みはじめた涙をとめたくて、さらに大悟にしがみつく。
すると、
「あっ」
アナルが動いたのか、ペニスが動いたのか。
ずるっと、アナルの内側で小さな摩擦が生まれた。
途端に、あのふわふわとしたやわらかな快感が戻ってきて、アナルから腰へ、腰から背中へと広がっていく。その体感にぞくりと背筋が震え、アナルがきゅんと窄まった。
あ、きもちいい。
少し軟らかな感触でもその存在感が嬉しいのか、アナルが不規則にきゅんきゅんと収縮を繰り返す。
俺のアナルが、大悟のペニスに縋りついてる。なんて未練がましい動きなんだ。こんなに欲しがって、大悟にどう思われるだろう。
ふたたび訪れた快感への欲と、アナルの淫猥な動きに対する羞恥とがせめぎ合って、もうどうしたらいいのかもわからない。
そうして俺が困惑していると、
「え。あっ。だ、だいご? あっ、ああっ」
アナルの奥で、何かがクククと膨らみ充溢していった。そのままどんどん漲っていく大悟のペニスに、俺の動悸もどんどん激しくなっていく。
これって、これっていいのかな。
いつもなら一度満足してしまうと、そこでお終いだった。続けざまにセックスすることなんて滅多にない。
けど、アナルの内圧があがるにつれて、淫らな気分も込みあげてくる。ついには我慢できなくなって、大悟の首元に埋めていた顔を少しずらし、その耳にこっそりと誘いの言葉を吹き込んだ。
「大悟、もう一回……する?」
次の瞬間、アナルのなかでペニスがはっきりと揺れた。
やわやわとした心地よさのなかを、ぬくりと硬いもので刺激され、思わず「ああんっ」とやらしい声が漏れてしまう。
力のなかった俺のペニスも、大悟の腹とのあいだでゆるゆると力を取り戻しつつあった。
あと少し。俺は、あと少しで後戻りできなくなる。
大悟も、引き返せなくなればいい。
そんな淫靡な願いを込めて、アナルをキツく引き絞った。
「ああっ!」
ずちゅりと、腰の奥で水音が立つ。腕のなかの逞しい身体がふるりと震えた。
硬く屹立した大悟のペニスを強く抱き締めた俺のアナルが、例の甘美な世界へと、俺をたちまち引きずり込んでいった。
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