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18-できるだけ接触を試みましょう。
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結局、大悟からの夕方の写メは、いつまで待っても届かなかった。それどころか、今朝の分の写メも来ていない。
やっぱり俺、見限られたのかな。
そんなことを考えれば、胃の裏側がもやもやとして落ち着かなかった。そんな感覚を鎮めようと、ストローをさしたアイスラテを何度も啜る。大悟もよく利用する大学のカフェテリアのラテは、ミルクたっぷりでお気に入りだけど、いくらそんなことをしたって、いまのこの不安が治まるはずもなかった。
今日は月曜日だ。二、三限目に講義が入ってる大悟は、きっと大学に来るはずだ。そこを捕まえて話し合えばいい。本人を目の前にすれば、もう逃げようもないだろう……いや、大悟じゃなくて、俺が。
昨日、夕方の写メが来なかったら、自分から連絡するって決意してたはずなのに、迷いに迷って、いまだにメールの一つも送れていない。
大悟が、あの夜のセックスについてどう思ってるのか。
本当にもう親友ではいられないのか。
親友じゃないなら、どんな関係になってしまったのか。
それとも、もう俺たちは……。
聞きたいことは山ほどあるのにな。
手のなかのスマホを眺める。相変わらず静かなままだ。
もしかして、大悟に何かあったんだろうか。
昨日の朝ジョグの中止理由は、きっと寝坊したせいだろう。初めてのセックスで疲れたせいか、よく寝ていたし。
昨夜の写メが届かなかったのだって、急用が入ったとか、何か事情があったのかもしれない。
でも、今朝の朝ジョグは? また寝坊?
それとも、昨夜の急用が朝になっても身動きが取れないような用事だったとか?
ちらりと、大悟が別の誰かと寝ているシーンが脳裏に浮かび、慌てて頭を振ってその妄想を追い払った。
いや、まさか。あの大悟に限って、それはない。
これまで遊んでいる様子はなかったし、一昨日の夜だって、セックスに慣れた感じはしなかった。
そもそも俺と寝た翌日のことじゃないか。あの大悟が、次々と遊び回るなんて考えられないだろ。うん。
ああいや、でも、俺が教えちゃったんだよな、そのイケナイ遊びを。あれがきっかけになって、いろいろ試してみたくなったとか? もしそんなことになったら、俺……。
ここが人目のある場所じゃなければ、頭を抱えたい気分だった。
大悟は昼食のとき、決まってこのカフェテリアを使う。
学部が違うから同じ大学に通っててもあまり会えないけど、昼時にこのカフェテリアで張っていれば、たいてい大悟を捕まえることができるんだ。
大悟に会いたい。
これまでも、一日や二日会えないことなんてざらにあったのに、写メが途切れただけで、こんなにも大悟不足になるなんて、自分でも思ってもみなかった。
きっと会えると踏んでここで待ってるのに、大悟は一向に現れない。どうにも寂しくなって下腹に手を添えた。
あれは、昨日、ベッドの上で蓑虫になったあとのことだった。空腹に耐えかねて起きあがったときに、アナルをとろりとおりてくるものを感じて驚いたんだ。
慌ててトイレに駆け込むと、それは、大悟の精液混じりのローションだった。中出しされたのなんて初めてで、奥に出されたものがゆっくりとおりてきたんだと理解するまでに時間がかかった。
例の店で出会ったネコ仲間の話によれば、中出しされると人によっては体調を崩すという。
一昨夜は二度も中出しされたから、絶対おなかを壊すかと思ったのに、いまだになんともない。どうやら俺は精液に耐性があるタイプだったらしい。
セックスした翌朝は色濃く残ってた大悟の痕も、日を跨ぐ頃にはすっかり色褪せて、いまは、あのひとときは夢だったんじゃないかと疑いたくなるほど綺麗さっぱり消えてしまった。
あの夜が現実だった証拠なんて、あれだけ悩まされていた肉の疼きが治まったなんていう不確かなものしか残っていない。
せめて腹の調子でも崩したなら、もう少し大悟の面影を追うことができたのに。あの朝、トイレで全部出さずにいたら、大悟のものがまだここにあるんだと妄想もできたかな。下腹部にあてたままの手をそっと動かしてみても、大悟のものはもうないと知っているいまは、ただ虚しいだけだった。
まあ、トイレでひとり赤面しながら男の種を零す初体験は、それはそれで楽しかったけど……。
あ、やばい。
そんなことを考えていたら、そのときの感覚をリアルに思い出してしまった。
前の夜に、大悟のペニスを懸命に頬張っていたそこは、少しヒリヒリとしていて、いつもより敏感になっていた。
下腹部に力を入れると、とろりと落ちてくるそれは、ローションよりも粘度が高くて、アナルの隙間を伝う様がはっきりとわかった。
薄い皮膚のその際をわずかに濡らしてから、とろりと糸を引いて垂れていくその感触に、不覚にも感じてしまって、思いきり身悶えたんだよな。大悟の充溢したぺニスが恋しくなって。
その作業が終わるまでの数分間は、暑くもないトイレのなかで、のぼせたように頭のなかがぼんやりとしていた。
零れて消えていくそれが、繋がりながら大悟が俺のなかにかけたものだと思うと、なんだか惜しくなって、思わず指が疼いてしまった。
それでも、それをアナルに押し戻したり、塗りつけたりなんて、そんなこと……たとえ誰にも見られてないとわかっていても、さすがにする勇気はなかった。
恥ずかしすぎだろ。大悟の精液でアナニーだなんて。
「よう、村谷。エロい顔してどうしたの?」
「げっ! 田崎っ!? ……サン」
突然声をかけられて、考えていた内容が内容だっただけに、飛びあがらんばかりに驚いた。『エロい』と図星を指されたのと、それが望まない相手だったのとで、必要以上に睨む視線に力が籠る。
とはいえ、目上なのは事実だ。一応敬称をつけ足しておいた。
そういえば、こいつも同じ大学だったか。
カフェテリアに居れば会えると思っていたのに、会えたのは肝心な大悟じゃなくて、会いたくもないヤツだった。
やっぱり俺、見限られたのかな。
そんなことを考えれば、胃の裏側がもやもやとして落ち着かなかった。そんな感覚を鎮めようと、ストローをさしたアイスラテを何度も啜る。大悟もよく利用する大学のカフェテリアのラテは、ミルクたっぷりでお気に入りだけど、いくらそんなことをしたって、いまのこの不安が治まるはずもなかった。
今日は月曜日だ。二、三限目に講義が入ってる大悟は、きっと大学に来るはずだ。そこを捕まえて話し合えばいい。本人を目の前にすれば、もう逃げようもないだろう……いや、大悟じゃなくて、俺が。
昨日、夕方の写メが来なかったら、自分から連絡するって決意してたはずなのに、迷いに迷って、いまだにメールの一つも送れていない。
大悟が、あの夜のセックスについてどう思ってるのか。
本当にもう親友ではいられないのか。
親友じゃないなら、どんな関係になってしまったのか。
それとも、もう俺たちは……。
聞きたいことは山ほどあるのにな。
手のなかのスマホを眺める。相変わらず静かなままだ。
もしかして、大悟に何かあったんだろうか。
昨日の朝ジョグの中止理由は、きっと寝坊したせいだろう。初めてのセックスで疲れたせいか、よく寝ていたし。
昨夜の写メが届かなかったのだって、急用が入ったとか、何か事情があったのかもしれない。
でも、今朝の朝ジョグは? また寝坊?
それとも、昨夜の急用が朝になっても身動きが取れないような用事だったとか?
ちらりと、大悟が別の誰かと寝ているシーンが脳裏に浮かび、慌てて頭を振ってその妄想を追い払った。
いや、まさか。あの大悟に限って、それはない。
これまで遊んでいる様子はなかったし、一昨日の夜だって、セックスに慣れた感じはしなかった。
そもそも俺と寝た翌日のことじゃないか。あの大悟が、次々と遊び回るなんて考えられないだろ。うん。
ああいや、でも、俺が教えちゃったんだよな、そのイケナイ遊びを。あれがきっかけになって、いろいろ試してみたくなったとか? もしそんなことになったら、俺……。
ここが人目のある場所じゃなければ、頭を抱えたい気分だった。
大悟は昼食のとき、決まってこのカフェテリアを使う。
学部が違うから同じ大学に通っててもあまり会えないけど、昼時にこのカフェテリアで張っていれば、たいてい大悟を捕まえることができるんだ。
大悟に会いたい。
これまでも、一日や二日会えないことなんてざらにあったのに、写メが途切れただけで、こんなにも大悟不足になるなんて、自分でも思ってもみなかった。
きっと会えると踏んでここで待ってるのに、大悟は一向に現れない。どうにも寂しくなって下腹に手を添えた。
あれは、昨日、ベッドの上で蓑虫になったあとのことだった。空腹に耐えかねて起きあがったときに、アナルをとろりとおりてくるものを感じて驚いたんだ。
慌ててトイレに駆け込むと、それは、大悟の精液混じりのローションだった。中出しされたのなんて初めてで、奥に出されたものがゆっくりとおりてきたんだと理解するまでに時間がかかった。
例の店で出会ったネコ仲間の話によれば、中出しされると人によっては体調を崩すという。
一昨夜は二度も中出しされたから、絶対おなかを壊すかと思ったのに、いまだになんともない。どうやら俺は精液に耐性があるタイプだったらしい。
セックスした翌朝は色濃く残ってた大悟の痕も、日を跨ぐ頃にはすっかり色褪せて、いまは、あのひとときは夢だったんじゃないかと疑いたくなるほど綺麗さっぱり消えてしまった。
あの夜が現実だった証拠なんて、あれだけ悩まされていた肉の疼きが治まったなんていう不確かなものしか残っていない。
せめて腹の調子でも崩したなら、もう少し大悟の面影を追うことができたのに。あの朝、トイレで全部出さずにいたら、大悟のものがまだここにあるんだと妄想もできたかな。下腹部にあてたままの手をそっと動かしてみても、大悟のものはもうないと知っているいまは、ただ虚しいだけだった。
まあ、トイレでひとり赤面しながら男の種を零す初体験は、それはそれで楽しかったけど……。
あ、やばい。
そんなことを考えていたら、そのときの感覚をリアルに思い出してしまった。
前の夜に、大悟のペニスを懸命に頬張っていたそこは、少しヒリヒリとしていて、いつもより敏感になっていた。
下腹部に力を入れると、とろりと落ちてくるそれは、ローションよりも粘度が高くて、アナルの隙間を伝う様がはっきりとわかった。
薄い皮膚のその際をわずかに濡らしてから、とろりと糸を引いて垂れていくその感触に、不覚にも感じてしまって、思いきり身悶えたんだよな。大悟の充溢したぺニスが恋しくなって。
その作業が終わるまでの数分間は、暑くもないトイレのなかで、のぼせたように頭のなかがぼんやりとしていた。
零れて消えていくそれが、繋がりながら大悟が俺のなかにかけたものだと思うと、なんだか惜しくなって、思わず指が疼いてしまった。
それでも、それをアナルに押し戻したり、塗りつけたりなんて、そんなこと……たとえ誰にも見られてないとわかっていても、さすがにする勇気はなかった。
恥ずかしすぎだろ。大悟の精液でアナニーだなんて。
「よう、村谷。エロい顔してどうしたの?」
「げっ! 田崎っ!? ……サン」
突然声をかけられて、考えていた内容が内容だっただけに、飛びあがらんばかりに驚いた。『エロい』と図星を指されたのと、それが望まない相手だったのとで、必要以上に睨む視線に力が籠る。
とはいえ、目上なのは事実だ。一応敬称をつけ足しておいた。
そういえば、こいつも同じ大学だったか。
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