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夜歩くモノ
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「結城さん、今日も家の手伝い?」
「うん、誘ってくれてるのに、いつもごめんね!」
朱莉はクラスメイトにそう返し、片手を立てて謝ると手早く荷物をまとめる。
授業が終わり、神社の手伝いの為に部活動も免除されている朱莉はいつも通り一番乗りで教室を出た。
そこに。
「ねえ、俺と付き合ってみない?」
扉を潜ったところで唐突に声をかけられた。
自分に向けられたとは思わず、朱莉はそのまま廊下へ歩き出そうとした所で袖を掴まれる。
振り返るとそこに立っていたのは、無造作に流したナチュラルマッシュの髪型と愛嬌を感じる目元、細身の体に少しダボっとした制服を着た男子生徒。
見覚えがなくて朱莉は首を傾げる。
「……えっと、誰?」
その言葉に傷ついたような顔で彼は一言。
「夜木だよ、隣のクラスの」
そう言われても、他クラスの男子生徒なんて全然覚えてない。だが、夜木はめげる事なく言葉を続けた。
「まあいいや、それならこれから知ってくれればいいし。ね、お試しでいいからさ、俺と付き合ってよ」
「付き合うって、なんで?」
今までこれといって夜木と朱莉に接点はなかったはず。
それなのに急にそんな事を言われれば、素直に言葉を受け取れない。
「なんでって、結城の事が気になるからだけど」
さらりと言われるが、言葉に重みを感じない。
「そんな感じで色んな子に声かけてるの?」
「色んなって、え、俺そんな感じに見える?」
朱莉が頷くと、彼は困ったような顔でうーんと一つ唸る。
「……真面目に本気なんだけどなあ」
「だとしたら、ごめんなさい。お付き合いはできません」
朱莉はきっぱりと断り、拒絶の意味で手のひらを彼に向ける。
「えー、なに? 好きなやつでもいるの?」
「そんな感じ」
「そいつとは、もう付き合ってる?」
朱莉はその質問に答えたくなくて、掴まれたままの袖を振り払い、ずかずかと廊下を歩き出す。
「その反応からすると片思いって事でしょ? じゃあ俺にもチャンスはあるよね」
懲りずに夜木は朱莉の後ろを着いて来た。
絶対に答えるものかと口をぎゅっと結ぶ朱莉に、彼は何度も声をかける。
校舎を出て早足になっても、それでも離れない夜木にうんざりして強い拒絶の声をあげようとしたその時、朱莉の目に飛び込んできたのはエニシの姿。
それも可愛い女性と二人で肩を並べて歩いている姿だった。
呆然とした顔で動きを止めた朱莉の目線を追って、夜木は軽い調子で、
「あの人が結城の好きな人? へえ、結構年上が趣味なんだ」
返す言葉が見つからなくて、朱莉は軽く唇を噛む。
「良かったら話聞くけど?」
夜木は朱莉の顔を覗き込むと、にこりと笑った。
「うん、誘ってくれてるのに、いつもごめんね!」
朱莉はクラスメイトにそう返し、片手を立てて謝ると手早く荷物をまとめる。
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見覚えがなくて朱莉は首を傾げる。
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その言葉に傷ついたような顔で彼は一言。
「夜木だよ、隣のクラスの」
そう言われても、他クラスの男子生徒なんて全然覚えてない。だが、夜木はめげる事なく言葉を続けた。
「まあいいや、それならこれから知ってくれればいいし。ね、お試しでいいからさ、俺と付き合ってよ」
「付き合うって、なんで?」
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「そんな感じで色んな子に声かけてるの?」
「色んなって、え、俺そんな感じに見える?」
朱莉が頷くと、彼は困ったような顔でうーんと一つ唸る。
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「だとしたら、ごめんなさい。お付き合いはできません」
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「えー、なに? 好きなやつでもいるの?」
「そんな感じ」
「そいつとは、もう付き合ってる?」
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夜木は朱莉の顔を覗き込むと、にこりと笑った。
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