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終章 キミと結ぶ
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「今日の話、朱莉ちゃん喜んでくれるかなー」
エニはテンポ良く鼻歌を歌いながら石段を上がり、御縁神社の鳥居を潜る。
その先に箒を持った朱莉が待っていた。
「おかえりなさいエニさん。また縁切りに行ってたんですか」
呆れたような朱莉の声。
先日、夜木の起こした騒動の後から朱莉は『エニシ様』ではなく『エニさん』と呼ぶようになった。
マヨイガの主に影響でも受けたのかもしれない。
「行ってたよ。どんな感じだったか聞きたい?」
そう返すと、朱莉は柔らかく笑って頷いた。
「うん。エニさんの活躍、聞かせてください」
一旦は断られるかなと思ったのにすんなりと受け入れられて、エニは嬉しくなって朱莉の手を取る。
「じゃあ中でコーヒー牛乳でも飲みながら話してあげるよ!」
先に立って歩き出したエニの横に、同じ歩調で朱莉が並ぶ。
エニは歩きながら、今回の一件について自分がどう活躍したかを話し始めるが、語りに熱が入って来たところで玄関に着いた。
いそいそと靴を脱いで丁寧に揃える。
「朱莉ちゃんはちょっと奥で待ってて、飲み物用意してくるから」
「私が淹れてきます。この間マスターさんに教えてもらったので」
「どうしたの? 最近の朱莉ちゃんは僕を喜ばせてばっかりで怖いくらいだよ」
冗談めかして胸を押さえそう言うと、朱莉はにこりと笑う。
「いつだって、私はエニさんに喜んで欲しいだけなんです」
しっかりと目を合わせてそう言われ、エニは何度も瞬きを繰り返すことしかできない。
そんなエニに朱莉は告げる。
「エニさんが大好きって事です」
「僕が家族だから?」
エニは望んだ答えがもらえなくても心が痛まないように、思わず予防線を張ってしまう。
「エニさんだから」
そんな思惑を知ってか知らずか、あっさりと朱莉はエニが欲しいと願っていた言葉を返した。
「それって」
「いつかエニさんの花嫁になりたいって事です」
華やかな笑みと共に贈られた言葉。エニは狐につままれたような顔で朱莉をぽかんと眺める。
「いい、の?」
みっともなく掠れる声。言えたのはたったそれだけだった。
「今すぐにとは言えないですけど。それでも待っていてくれますか?」
「もちろん!」
エニは思わず朱莉の両手を握りしめる。指先から伝わる温もりが、夢では無いと教えてくれる。
「約束ですよ」
包まれた手をそっとほどき、名残惜しそうな顔をするエニの小指に自らの小指を絡めて朱莉は顔を上げる。
「縁結びの神様に誓って、約束は違えない」
「それなら安心ですね」
笑みを交わし、それからは二人でいつものように向かい合い、エニの話を聞き始める。
繋いだ手には、キラキラと輝く縁の糸が見えるようだった。
エニはテンポ良く鼻歌を歌いながら石段を上がり、御縁神社の鳥居を潜る。
その先に箒を持った朱莉が待っていた。
「おかえりなさいエニさん。また縁切りに行ってたんですか」
呆れたような朱莉の声。
先日、夜木の起こした騒動の後から朱莉は『エニシ様』ではなく『エニさん』と呼ぶようになった。
マヨイガの主に影響でも受けたのかもしれない。
「行ってたよ。どんな感じだったか聞きたい?」
そう返すと、朱莉は柔らかく笑って頷いた。
「うん。エニさんの活躍、聞かせてください」
一旦は断られるかなと思ったのにすんなりと受け入れられて、エニは嬉しくなって朱莉の手を取る。
「じゃあ中でコーヒー牛乳でも飲みながら話してあげるよ!」
先に立って歩き出したエニの横に、同じ歩調で朱莉が並ぶ。
エニは歩きながら、今回の一件について自分がどう活躍したかを話し始めるが、語りに熱が入って来たところで玄関に着いた。
いそいそと靴を脱いで丁寧に揃える。
「朱莉ちゃんはちょっと奥で待ってて、飲み物用意してくるから」
「私が淹れてきます。この間マスターさんに教えてもらったので」
「どうしたの? 最近の朱莉ちゃんは僕を喜ばせてばっかりで怖いくらいだよ」
冗談めかして胸を押さえそう言うと、朱莉はにこりと笑う。
「いつだって、私はエニさんに喜んで欲しいだけなんです」
しっかりと目を合わせてそう言われ、エニは何度も瞬きを繰り返すことしかできない。
そんなエニに朱莉は告げる。
「エニさんが大好きって事です」
「僕が家族だから?」
エニは望んだ答えがもらえなくても心が痛まないように、思わず予防線を張ってしまう。
「エニさんだから」
そんな思惑を知ってか知らずか、あっさりと朱莉はエニが欲しいと願っていた言葉を返した。
「それって」
「いつかエニさんの花嫁になりたいって事です」
華やかな笑みと共に贈られた言葉。エニは狐につままれたような顔で朱莉をぽかんと眺める。
「いい、の?」
みっともなく掠れる声。言えたのはたったそれだけだった。
「今すぐにとは言えないですけど。それでも待っていてくれますか?」
「もちろん!」
エニは思わず朱莉の両手を握りしめる。指先から伝わる温もりが、夢では無いと教えてくれる。
「約束ですよ」
包まれた手をそっとほどき、名残惜しそうな顔をするエニの小指に自らの小指を絡めて朱莉は顔を上げる。
「縁結びの神様に誓って、約束は違えない」
「それなら安心ですね」
笑みを交わし、それからは二人でいつものように向かい合い、エニの話を聞き始める。
繋いだ手には、キラキラと輝く縁の糸が見えるようだった。
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