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「笹塚 優里愛さん! あなたに決めました!」
甲高い声が耳の側から響いて、私は飛び上がる。
「あれ? さっきまで会社に居たのに?」
周りを見回す。真っ白な空間にほんのり光る少女の姿。
たっぷりとしたドレープの白い薄衣を纏った金の髪の美しい少女。まるで昔の絵画に描かれている女神みたいだなと思ったところで、彼女は慎ましい胸を張った。
「ご名答、女神です!」
「わ、私、口に出していました?」
だとしたら恥ずかしいなと、私は慌てて口を押さえる。
「女神なので、思っていることを読み取ることも出来るんです! 普段はプライバシーの関係で使ってませんが、今は信じてもらう為に特別にやってるんですよ!」
「はあ……」
随分と痛いコスプレの人かなと思ったところで、自称女神さんが顔を思いっきり顰めた。
「人をコスプレイヤー扱いする~、本物ですよ。あなたの心が筒抜けなのが証拠です。なんならあなたの個人情報も開示しちゃいますよ?」
ずいっと顔を近づけられて、思わず仰反る。
「ええと、わかりました。信じます」
なんか怖いし。
「怖くないです! 慈愛の女神ですから!」
「はいはい」
疲れてきたなと思ったところで、女神は『ごほん』と咳払いをして、話を仕切り直した。
「最初からやり直し! ええと、笹塚 優里愛さん! あなたに決めました!」
「何をですか?」
決めましたと言われても、何が何だかわからない。
「氷の城の女主人をやってもらいます!」
元気いっぱいにそう告げられても、やっぱりわからない。
女神は右手を宙にかざすと、そこに一冊の本が現れた。
「こちらは『氷の騎士物語』という本です」
手渡されたので、ぱらぱらとめくると、あらすじが書いてあった。
幼い頃、両親に捨てられた主人公の少年アレクシスは氷の城の女主人に拾われ、下僕としてこき使われ虐められながらも成長、女主人を倒しその力を奪うと氷魔法を操る最強の騎士となり、最後は魔王も倒して姫君と結ばれるというようなお話しらしい。
「神様の世界で書かれた本なのですか?」
「いえいえ、この本はあなたも暮らしていた人間の世界で書かれた本です。人間界の本は天界でも大人気なんですよ」
人間が描いたお話が神様にもウケているなんて、作家さんが聞いたらひっくり返りそうだなと思っていると、とんでもない言葉が耳に飛び込んで来た。
「で、大人気すぎて、満場一致で、次に作る世界はこの本をベースにする事が決まったんですよ~」
「え?」
「だから、新しく世界を作るんだけど、この本の世界にしちゃう事にしたんです!」
そんな、テーマパークでアニメ作品とコラボします! みたいなノリで世界創造の話をされましても。驚きと呆れで言葉が出ない私の前で、女神は不敵に笑う。
いやいや、褒めてませんよ?
甲高い声が耳の側から響いて、私は飛び上がる。
「あれ? さっきまで会社に居たのに?」
周りを見回す。真っ白な空間にほんのり光る少女の姿。
たっぷりとしたドレープの白い薄衣を纏った金の髪の美しい少女。まるで昔の絵画に描かれている女神みたいだなと思ったところで、彼女は慎ましい胸を張った。
「ご名答、女神です!」
「わ、私、口に出していました?」
だとしたら恥ずかしいなと、私は慌てて口を押さえる。
「女神なので、思っていることを読み取ることも出来るんです! 普段はプライバシーの関係で使ってませんが、今は信じてもらう為に特別にやってるんですよ!」
「はあ……」
随分と痛いコスプレの人かなと思ったところで、自称女神さんが顔を思いっきり顰めた。
「人をコスプレイヤー扱いする~、本物ですよ。あなたの心が筒抜けなのが証拠です。なんならあなたの個人情報も開示しちゃいますよ?」
ずいっと顔を近づけられて、思わず仰反る。
「ええと、わかりました。信じます」
なんか怖いし。
「怖くないです! 慈愛の女神ですから!」
「はいはい」
疲れてきたなと思ったところで、女神は『ごほん』と咳払いをして、話を仕切り直した。
「最初からやり直し! ええと、笹塚 優里愛さん! あなたに決めました!」
「何をですか?」
決めましたと言われても、何が何だかわからない。
「氷の城の女主人をやってもらいます!」
元気いっぱいにそう告げられても、やっぱりわからない。
女神は右手を宙にかざすと、そこに一冊の本が現れた。
「こちらは『氷の騎士物語』という本です」
手渡されたので、ぱらぱらとめくると、あらすじが書いてあった。
幼い頃、両親に捨てられた主人公の少年アレクシスは氷の城の女主人に拾われ、下僕としてこき使われ虐められながらも成長、女主人を倒しその力を奪うと氷魔法を操る最強の騎士となり、最後は魔王も倒して姫君と結ばれるというようなお話しらしい。
「神様の世界で書かれた本なのですか?」
「いえいえ、この本はあなたも暮らしていた人間の世界で書かれた本です。人間界の本は天界でも大人気なんですよ」
人間が描いたお話が神様にもウケているなんて、作家さんが聞いたらひっくり返りそうだなと思っていると、とんでもない言葉が耳に飛び込んで来た。
「で、大人気すぎて、満場一致で、次に作る世界はこの本をベースにする事が決まったんですよ~」
「え?」
「だから、新しく世界を作るんだけど、この本の世界にしちゃう事にしたんです!」
そんな、テーマパークでアニメ作品とコラボします! みたいなノリで世界創造の話をされましても。驚きと呆れで言葉が出ない私の前で、女神は不敵に笑う。
いやいや、褒めてませんよ?
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