元VRMMOプレイヤーは異世界にて無双します

宇宙猫

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第一章 異世界漂流編

第十一話 召喚されし兵士達

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 五日目の朝、一日にして防壁を残した全てが崩壊した街「フレスベルニク」の平地。
 その中央にぽっかり空いたダンジョンの大穴を中心に、仮設住宅のような複数のテントが広がる。
 その中でも一際大きいものの内部で、私とアルザス、またワイバーンで駆けつけた懐かしきウルフパックメンバー、またそれらの事情に関係する、教会の面々が列席していた。

「それでは、黒恵様も揃いましたことですし、他の皆様には何度目に聞いたかも分からない話ですが、説明しましょう」

 クレイニーの補助でやっと文字も理解することができ、教皇のその次に偉い称号《教父の代弁者》を持つ者が、状況を説明をする。

 まず、教会とギルド、そして対魔王連合国軍が敵対する、魔王の七雄の事。

 それは、数年前に崩壊した魔王軍の生き残りが再建して、七つの集団となりこちらに敵対する連合国家を形成したものだ。
 これは、魔王が所持していたと言われる魔剣が七つに分裂し、それぞれに力をもったからだという。

 魔王を倒すという契約を果たした前勇者は、結ばれていた神の加護をあっさりと失い、再契約を果たす前に、七雄の一人によって殺された。

 魔王軍への対抗策を失い、対魔王連合国軍はすぐに崩壊するかと思われたが、七雄同士で足踏みが合わず、積極的な攻勢は極わずかになっているようだ。
 また、教会が配属した巫女の強力な結界を突破できず、攻勢半ばに撤退するような醜態を晒したこともあるという。

 そのため、教会は力を貯め直し、今並ぶ8人を召喚し、8匹のお付きのフェンリルを揃えた。という訳だ。
 全員、彼らのお金で私が用意したゲーム時代の装備で、今までの姿よりそれらしくなっている。

 それまでの三日は、それぞれのフェンリルが武器となり、ギルドから防具などを提供してもらい、私を捜索していたそうだ。
 アルザスがたまたま見つけたのは、オーク戦に参加した時に、私の噂をたまたま聞いたかららしい。

 そして、晴れて私も《召喚されし兵士》の称号と、魔王の七雄に対抗する神の加護を得た。とはいえ、まだそんなにしっくりとは来ていない。
 異世界に必要なシステム欄もクレイニーのサポートで開放され、魔法などの様々なものが使えるようになり、感無量だ。

 最初の戦果としてベイセルクを生け捕りにして、出だしは上々。 隊長たちとも合流し、弾薬や装備の供給元である私は、現在それなりに発言力がある。
 とはいえ、ウルフパックの中では年少だから、控えるものは控えなければいけない。

「これからの行動としては、私達もある程度ば干渉しますが、意思決定はあなた達《召喚されし兵士》に委ねます。この街の復興に協力するも、仲間を増やして、今の懐かしき戦友と、魔王軍と対抗するも、全て良しです」

「あなた達に反抗して魔王軍側に着くのは?」

 冗談のつもりでそう言い放つ。顔をテーブルに置き、私に撫でられてのほほんとしていたクレイニーがぎょっとした顔でこちらを見る。
 冗談だと小声で言いながら首下を撫でると、花が咲くように表情が緩むのがとても面白い。

「あなた達次第です。ただし、そうすれば元の世界には戻ることが出来なくなることを、ご了承ください」

 しかし、彼は落ち着いていた。こちらとの立場を弁えているようだ。
 また、隊長たちの強い目線を肩を上げて冗談だと示す。

「了解した。黒恵が捕らえたベイセルクが吐いた情報によると、この街より西の山脈より向こうは魔王の七雄のテリトリーで、その各都市は毎日侵攻の危機にさらされている。俺たちはこれを一騎当千で抑え込める力はないし、黒恵の特別な能力もあるから、人員を増強して戦力を強化するのを提案する。また、これはギルドにも協力してもらい、独立した対魔王軍を編成したい」

 テーブルに、この世界の地図と、それを色で表した勢力図が、機会のホログラムによって重ねられる。
 これは私達にも共有されているが、それは隊長が協会向けに表示している。

「つまり、新たに組合を創設し人員を募集したい。そういうことですね?」

 代弁者が、それを要約しつつ隊長に尋ねる。

「ああ、そういうことだ。俺たち全員、プラチナ等級だろ?人数もいるし、条件は満たしていると思うが、どうだろうか」

 称号を得て、階級がプラチナ等級へと繰り上げになる。ミスリル等級へと上がらないのは、我々が勇者と並ぶ存在ではないことを示唆している。
 隊長が顔を向けると、ウルフパックメンバーは、全員頭を縦に振る。
 また教会側にも顔を向け、代弁者がワインを優雅に口へ注ぎ、発言する。

「私如きが、あなた達の行動に一つずつ口出しはできません。ですが、戦線は広大であり、現在極西の魔王城から国境を維持するのはあなたの言う、フィアーデ山脈が生命線です。先んじて、内部にいた二つの七雄は撃破されていますから、しばらくは壁としての機能を果たせることでしょう」

 さすがに代弁者と称号を得ているだけあって、そういった事情にも明るい。
 殆どの知識が街周辺で完結していたし、《召喚されし兵士》の称号を受けたのも今日だから、私が少し田舎者みたいに感じる。

「とはいえ、私達はこの世界に介入するとはいえ、こちらに来て四日目で事情には明るくありません。組合を作り独立した部隊を編成するにも、教会やギルド、対魔王連合国ともに綿密な連絡網の完成が必須です。私からはそれらの連絡員と、手段の構築。また、この世界の事に明るい者を顧問として用意することが必要と提案します」

 手を挙げ、それまでに考えついたことをまとめて提案する。
 彼らと足並みが揃うはずもないのだが、ある程度揃えておけば柔軟に動くことは可能だ。
 それに、それの構築に手段は心当たりがある。

「そうだな、黒恵の言う通りだ。他に何か意見のあるものは──」 

 それから三時間、知識のある教会側、またギルドと協議し、被害のない隣街「カサブランカ」で組合を作り、ギルドの伝達で広い地域に組合員の募集が広布される事が決定された。

 その時点では、未だ魔王軍には我々が天敵であることは知られたくないため、称号の話を隠しながらも、勇者の再来とはやし立てて期待感を煽る事にする。

 教会とギルドの協力で人間か魔人がなどの、厳格な審査によって保証された人員を当面は40人程を厳選し、13週間の訓練を経て、2個小隊を編成する。
 詳しくはまだ決まっていないけれど、バランスを見て組めば、小銃手が20人、機関銃手が8人、擲弾手8人、スナイパーが4人のような形にはなり、教育後期になれば、担当する候補生の数は少し変化することだろう。
 また、この2個小隊にはそれまでの私達の仲間であるルーア達など20人が混ざるため、実際には60人規模になる予定だ。

 ──────

 昼の3時頃に会議は終わり、私はローヴェン組合長らに話があり、そちらの天幕へ向かう。

「こんにちは、やっと会議が終わりました。ローヴェン組合長はおられますか?」

 ローヴェン組合の天幕を覗き、ローヴェンさんを探す。
 案外と早く、彼は天幕の奥で手を挙げ、待っていたようにこちらへ寄っていく。

「話は聞いている。ダンジョンではよくぞ頑張った。リーアの件も概ね上手くいったぞ」

 私が救助した人の中に、ルーアの妹に当たるリーアを商品としていた奴隷商人がいた。
 ボス戦にはこれを無償で提供すること、そして今回は元の値の半分でルーアを購入することで合意していたのだ。
 会議で時間が取られていた分、その処理をローヴェン組合長が請け負ってくれたのだ。

「お手数お掛けしました、今はダンジョンを解放したことより、仲間の顔が揃って見れたことに驚きです」

 激震が起きてから余震が何度も起きていて、まだ少し収拾がついていない。
 とはいえ、整理はついてきた方だ。

「機密事項なんだってな、いや深くは聞かないさ、お前を信じてるからな。ルーアらも、お前を追いたいって言って、離脱届を出したよ。少し寂しくなるな」

 組合を離脱することは、称号を与えられる前からローヴェン組合に通達してある。あるとすれば、組合を作る時の募集ぐらいだろう。
 それと同時に、本人らに承諾を得てルーア姉妹も離脱することが告げられる。
 今ここにはいないが、どこにいるかはCOOPに登録してあるため把握している。

「別途報告があれば、ギルドから通達されるはずです。色々と大変な日々になると思いますが、どうかお体を大事にしていてください」

 少し辛気臭くなりながらも、深くお辞儀をして外に出る。

「しかし、思った以上に更地ですね……復興は容易じゃないでしょうに、あの方もよく黒恵様以外の方を出しましたね」

 クレイニーが、てちてちと横を歩きながらそういう。
 やっぱりフェンリルであるから、普通の犬だと思っているとその賢さに驚く時がある。それを見越してかはわからないけれど、彼を見下ろすとどこか誇らしげだ。

「そうねぇ、まぁ、ダンジョンがあるからじゃないかな」

 街の中央にぽっかり空いた、ダンジョンの穴。そのまわりをモンスターが逃げ出すことがないように、囲いを作る作業が進んでいる。
 ダンジョンの運営は、奴隷化ベイセルクの協力(強制)のもと、初心者向けのダンジョンへと調整と作業が進んでいる。

 だから、ほぼ最初から再出発するフレスベルニクだけれど、どちらかと言うと希望や一発勝負の夢を持った人々が多かった。

 ギルドによって隣街などから物資も届いており、防壁もあるから、ゼロから街を再建するよりはいくらかマシだろう。

「見つけた、ルーア!リーア!」

 歩いていると、特徴的な銀と茶の狼耳をした狼人族の姉妹をみつけ、遠くから大声で呼びかける。

「黒恵さん、これまだ返してなかったので」

 まだ未返却だったMk48と500発バックを背負ったままのふたりは、こちらへと寄ると、それらを少し重たそうに外して、私に返す。
 弾薬はほぼ消費しており、割と軽かった。

「話は聞いております。少し不自由はありますけど、私に着いてきてもらっても大丈夫ですよ。少し辛いですけれど」

 そういうと、ふたりは嬉しそうにはしゃぐ。
 組合を作る時、メンバーにこの二人を推薦しようと考えているため、試験に適合できるよう、少し彼女達にテコ入れしなければならない。

「この子は、ペットのクレイニー、頭が良くて話もできるから、仲良くしてね」

 ルーア達にも、クレイニーに紹介をする。この子も、ゆくゆくは弾倉運搬以外に戦場で役に立てるよう考えておかなければならない。

「ペットとはなんですか、高貴な黒恵様の隣は特別な存在である私以外は譲らないですよ」

 ペットという呼び方は少し不服だったようだ、とはいえ、称号持ちのお付とも言い難いから、これはどうすればいいのだろう。
 それどこか、仲良くと言っている傍から喧嘩腰である。

「はぁ……なんとも可愛らしいワンちゃんですね、え?」

 狼とフェンリル、まぁ接戦ではある。
 クレイニーは性別を知らないからアレだけれども、二人ともなんとも可愛らしい。

「まあまあ、このあと予定は無いんですが、先にマイホームに入ってみませんか?」

 前回の集会場状態を整理して、またルーア達用にマイホームを組み直しておいたので、それをお披露目したくて誘う。

 ルーアとリーア、クレイニーが揃って頷くと、手と前足を握って、マイホームへ移転する。

 マイホームは、リビングを前よりも倍の13畳の縦長のものにした。
 空きスペースにはトイレや同時に12人ほどが入れる浴場、トレーニング場を備えている。
 2階には6畳の部屋を用意し、それぞれに専用で行けるようコードを有した鍵を用意してある。
 とはいえクレイニーは私のお付だから、部屋は一緒だし、ルーア姉妹もそれだけ広いと二人で一部屋で十分らしいので、他の部屋はそのまま空きにしておく。

 一応、私は全ての部屋に行ける権限を持った鍵を有しているため、何かあったら呼び出せば大丈夫。
 感染症でもそこで隔離できるからいい。

 その上の屋上は、相変わらず屋上庭園だ。
 農作物の他に、ラッピアも飼育し、食料問題は解決している。 

「よし、じゃあ部屋も案内しましたし、特訓しましょうか」

 リビングにある人をダメにするソファに早くも吸い込まれたルーア姉妹を起こし、見えない角が頭から生えていく黒恵に、ルーアとリーアは恐怖する。

 ──────

 私達は、この世界に有数の選ばれた強者だ。世界を導く、唯一無二の存在だ。
 しかし、この世界を救う責任も義務もない。あるのは、命を刈り取る、神に祝福された死神のような面倒なものだ。

 私達は強者ではあるが英雄では無い。ただ魔王の七雄を討伐しなければならない、それだけの役割を背負った集団に過ぎない。
 私達はただ、歩み続けるだけだ。多くの記録を残しながら。
 そして、私達はその地に残していく。希望という未来を。

 対魔王戦線は、ここから始まる。
 多くの命、多くの希望を背に、私達は未来に向けて歩き出す。

 第一章 異世界漂流編 完結。
 次回、第二章へ続く。
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