クラスメイトと共に異世界に召喚されたので世界平和をめざします

ミジロ

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第百七話 力の世界

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 ラクン「貴様どういうつもりだ!!」

 大男「貴様は確か……側近のラクンとかいうやつだったか?」

 お互い知っているようではあるがラクンは怒りを露わにして一直線に走っていく

 海斗「あいつは一体……」

 アリス「海斗お兄ちゃん……あの人を止めて……」

 海斗「あのでかい奴か」

 アリス「違うの あの獣人の人だよ 下手したら死んじゃう」

 しかしアリスの言葉も届かずにラクンは大男に向かって攻撃しようとしていた

 大男「避けるまでもない」

 大男はラクンの攻撃を棒立ちになって喰らい何ともなさそうにしている

 ラクン「クソ……」

 大男「弱い」

 ラクンは距離をとるが大男に瞬きの間に距離を詰められてしまい殴られて後ろに大きくぶっ飛んでしまう

 ホーリアー「側近の方!!大丈夫ですか!?」

 ラクンは後ろに居たホーリアーに優しく羽で包み込まれて受け止められる

 本人は大丈夫だと言い張るが口から血がでてしまっており体幹も安定しないのかフラフラしている

 クシア「無理に動くのは辞めて下さい」

 ラクン「分かっている……だが私はあいつを許せない」

 クシア「あの方はもしかして……」

 工藤「なんだかアリスちゃんと似ているような気が」

 ラクン「……彼はガノト、ダイナ族ですよ」

 ラクンが口にした男の名はガノトと言いかつてこの王国で兵士として仕えていた者でありダイナ族である
 

 ガノト「貴様がラノよりも強い奴だな?」

 海斗「? 俺の事か?」

 ガノト「そうだお前だ」

 海斗「ラノって何の事だ?(何か聞き覚えが……)」

 ガノト「ラノはそいつの事だよ ティラの妹だ」

 海斗「は? この子はアリスだ何を言ってる」

 ガノト「お前こそ何を言ってるんだ?そいつはラノだ」

 海斗「は?」

 ガノト「え?」

 アリス「…………(何だろう……会話に入りずらい)」

 お互いに知っている事が違うのか話が合わずに一瞬の沈黙が流れる、当のアリスも何故こうなっているのか分かっていない様子を見せている

 
 ガノト「まぁ名前なんざどうでも良い お前と戦わせろ」

 海斗「急に何を言うんだ、いきなりそんな事を言われても」

 ガノト「そうか、 ならば!!」

 海斗(死ぬ!!)

 ガノト「ほう 人間にしては結構やるようだな」

 海斗「くっ……なんて力だ」

  ガノトは戦いを好む性格をしているのか海斗に向かって殺意のこもった拳をふりかざす

 ガノト「どうした?どうした?防ぐだけじゃ俺には勝てんぞ(この受け流し方はもしや……)」

 海斗(こいつ……レクス以上のパワーとスピードだ)

 ガノト「つまらんやつだな……これならどうだ」

 工藤「嫌っ……」

 海斗「辞めろー!!」

 レクスのように受け流すだけで攻撃する気のない海斗に痺れを切らしたガノトは工藤に向かって殺意をむける

 これまでに無い殺意を向けられた工藤は杖で防ごうとするが海斗が間にはいって防ぎガノトを全力で攻撃して距離をとらせる

 ガノト「最初からそう来れば良いものを」

 海斗「工藤、怪我はない?こいつは危険だ」

 工藤「うん……私も何か援護を」

 工藤は杖を構えるが小刻みに震えており安定していない

 ラクン「大丈夫です、全員でかかればこいつを殺せます!!だからありったけの力を」

 ガノト「良いねぇ 戦いはこうでないと」

 海斗「工藤……あんまり無理しない方が」

 工藤「でも……そうしないとあの人には」

 ?「辞めんかガノトよ」

 レオス「あの人は……」

 王宮に殺伐とした雰囲気が流れる中に乗り込んでくる者がおり全員が注目する

 ガノト「今さら元老兵がでしゃばって来るなんてな、あんたは餓鬼どもと隠居するつもりじゃ無かったのか?レクス」

 海斗「レクス!?何であんたがここに」

 その者とはレクスであるが最初に会った時のような穏やかさは微塵もなく鋭い目つきでガノトを見ている

 レクス「王宮から激しい音が聞こえて来たからのう、もしやと思ったらやはりお前だったとは」

 ガノト「戦う気のなかったあんたが一体どう言う風の吹き回しだ?」

 レクス「些細な事じゃ もう一度人間を信じるただそれだけじゃ」

 ガノト「そうした所でまた裏切られるにきまってるだろう」

 レクス「…………かもしれんな」

 ガノト「だったら力だけものを言う世界が合理的で良いではないか」

 海斗「お前もデストリンガーと同じ事を……自分より弱い奴は死んでも構わないってのかよ!!」

 ガノト「そうだな、弱い奴には興味は湧かん」

 海斗「お前だって……最初から強かった訳じゃないだろうに」

 ガノト「平和な世界でそだった貴様とは所詮価値観が違うな、俺は生まれて1日も経たないうちに気付けば人間を噛み殺していた」

 海斗「…………」

 ガノト「かなり前だが当時は震えていたな今でもその感覚は残っている」

 海斗「だったら何故……」

 ガノト「何故人間は弱い癖に差別をするのかよく分からんと思わんか?」

 海斗「それは……」

 ガノト「一人だと俺達を恐れる癖に数人になれば過去の大義名分を掲げ危害を加える 所詮は群れなければ何もできん連中さ」

 海斗「………………」

 ガノト「だからこそ俺は力……いいや暴力こそが皆平等に与えられた物だとおもっているからな だからあいつらの目指す世界に賛成しているのだ」

 海斗「…………でもそんな世界は平等なんかじゃない……」

 ガノト「ほーう だがお前も俺と同じだ」

 海斗「何をいきなり」

 ガノト「目を見れば分かる、貴様も世の理不尽を味わった事があるみたいだな、そこそこの力を持つお前なら暴力の世界である程度の自由を手に入れられるはずだ」

 海斗「…………知った風な口を」

 工藤「海斗…………」

 ガノト「理想の世界にお前を勧誘しているのだよ」

 海斗「………………そうだとしてもお前達のやり方は間違ってる」

 工藤「そうだよ、殺しあうなんて……そんなの駄目」

 ガノト「幼稚だな だったら俺達と戦え!!無理ならば今すぐ貴様の仲間とレオス王子、ラノを殺す」

 海斗「そんな事させる訳にはいかない」

 レクス「海斗、落ち着くのじゃ(そう言う事か)」

 海斗「でも」

 ガノト「今ではない、5日後にビスト王国の兵士だった者全員でこの国を襲撃する」

 そこに会話を聞いていたレオスが悲しそうな瞳でガノトに語りかけてくる

 レオス「何故です……私が父上と比べて未熟で貴方達が痺れを切らしたのは分かります…………しかし貴方はこの国を……」

 ガノト「甘いですね」

 レオス「どうか一度考え直していただけませんか?」
 
 ガノト「…………こうするしかないか」

 レオス「何を……」

 全員が高速で移動するガノトを見失ってしまい辺りを警戒しているが攻撃するつもりはなくレオスの妹であるレオナを両手で抱えた状態で現れる

 レオナ「…………お兄ちゃん」
 
 レオス「レオナに何をするつもりですか」

 ガノト「王女を人質にとらせてもらう、そして5日後に貴様らが負ければレオナ王女を……殺す」

 レオナ「ガノトさん……」

 レオス「辞めろ!!例えお父様のお気に入りだった貴方でもそれは許せない!!」

 ガノト「だったら力を示すのだな」

 レオス「待て!!海斗さんあいつをいますぐに追いかけてください レオナを取り戻すのです」

 ガノトは最後に言い残して王宮を飛び出していきレオスの声が響き渡っている

 海斗「分かった」
 
 レクス「よさんか海斗」

 海斗「しかし」

 レオス「何を言ってるのですか 妹が攫われて黙ってる訳にはいきません」

 レクス「頭を冷やすのじゃ 今乗り込んだところで返り討ちにあうだけじゃ奴はこの国で1番強い兵士だった事を忘れたのか?」

 レオス「だったら貴方が……貴方が行ってください!!ガノトとも渡り合えるのですよね?」

 レクス「とにかく落ち着かんか!!心配するのも分かるが奴は5日の猶予をやると言っておったじゃろ」

 レオス「あいつが必ずその通りするとは……」

 レクス「奴がそういう男ではない事は貴方が1番よく知っているはずじゃ」

 レオス「…………ですが」

 レクス「……周りを見らんか、お主は良くても他の者は満身創痍じゃろ」

 冷静になって周りを見るとガノトが去って安心して座り込む工藤と攻撃を受け続け傷付きながらも工藤に寄り添っている海斗にクシアとホーリアーに治癒魔術を受けているラクンとお世辞にも戦える状態とは言えないのは確かである

 レオス「はい……」

 レクス「上に立つ者は一時期の感情に身を任せず常に周りを見る事が重要じゃ……(気持ちは分からんでもないが……抑えておくれ)」

 レオス「クソッ!!…………」

 悔しさが込み上げてくるレオスはしばらくの間壁を殴り続け大きな音が響き渡っていた

 レクス「落ち着いたかの?」

 レオス「少しは……」


 クシア「(私にもっと力があったら……)一旦エナ達を迎えに行くのはどうでしょうか?」

 まだ帰ってこないエナ達を心配したクシアは迎えに行く事を提案し海斗も同じ考えだったのかすぐに立ち上がる

 海斗「そうしようと思ってた、ホーリアーは行けそうかな?」

 ホーリアー「気を使わずに、私は平気ですよ」

 海斗「ありがとう……じゃあ行こうか」

 工藤「斉藤さんに連絡しとくね……ちょっと待って、丁度斉藤さんからかかってきたみたい」

 
 海斗とホーリアーは二人で飛び立とうとするタイミングで工藤の携帯に斉藤からの電話がかかってきたのであった
 
 
 
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