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04.秘密
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「相殺なんてする必要がねぇから、した事ないし、予想でしかないが…。
魔力を打ち消し合うには、同等の魔力の大きさで、対局にある魔術、またはそれに見合った魔術が必要、だろう。それを一瞬で判断し、相手と寸分違わぬタイミングで打つ」
「…難しいね」
「難しいなんてもんじゃない。次代白虎は何者だ?」
飛鳥と鬼灯は口を尖らせ腕を組んで、また映像を見詰めた。そこには動き出した二人の姿が映し出されている。
先ほどとは打って変わり、二人とも荒れた街の中を駆け回っていた。
瓦礫や魔術が飛び交う。そして乱闘により街は更に崩れていく。
(白虎…何かを探してる…?)
ふと、飛鳥は気付いた。
白虎は攻防しながらも、周りを気にしていた。
誰もいない街の屋根を走る白虎。
それを追い掛け、千里も疑問符を頭に浮かべた。
先程まで剣を交わし合っていた筈が、今は追いかけっこのようになっている。
逃げている…とは思えない。
やがて二人は広間に到着した。
白虎は屋根から飛び降りーー石畳の道を壊して着地する。
千里もそれに続いた。
時計塔の前。演芸会や行事などの催し物で賑わっていただろう広場は、閑散としてもの寂しい雰囲気を漂わせている。
「見ぃつけた」
「ーーえ?」
「千里、ちょっと来い」
白虎がニヤッと笑いながら、千里に手招きする。不審に思いながらも、千里はそれに従い近付いた。
不信感よりも、怪しげな笑みに対する好奇心が勝ったのであろう。
コツコツと足音を立てて近付く千里の腕を、グンっと白虎は引っ張りーー
「右腕強化」
呟いて、千里の身体ごと片手で“投げた”。
「う、わっ」
魔力により強化された力では、千里の体重など簡単に飛ばしてしまう。
千里は一瞬何が起こったのかわからなかったが、遠くなる白虎に目を向けた。
「千里! “そこ”は入口であり、出口だ!」
千里の身体は時計塔の文字盤へと向かう。
そしてぶつかった時、世界が揺れた。
魔力を打ち消し合うには、同等の魔力の大きさで、対局にある魔術、またはそれに見合った魔術が必要、だろう。それを一瞬で判断し、相手と寸分違わぬタイミングで打つ」
「…難しいね」
「難しいなんてもんじゃない。次代白虎は何者だ?」
飛鳥と鬼灯は口を尖らせ腕を組んで、また映像を見詰めた。そこには動き出した二人の姿が映し出されている。
先ほどとは打って変わり、二人とも荒れた街の中を駆け回っていた。
瓦礫や魔術が飛び交う。そして乱闘により街は更に崩れていく。
(白虎…何かを探してる…?)
ふと、飛鳥は気付いた。
白虎は攻防しながらも、周りを気にしていた。
誰もいない街の屋根を走る白虎。
それを追い掛け、千里も疑問符を頭に浮かべた。
先程まで剣を交わし合っていた筈が、今は追いかけっこのようになっている。
逃げている…とは思えない。
やがて二人は広間に到着した。
白虎は屋根から飛び降りーー石畳の道を壊して着地する。
千里もそれに続いた。
時計塔の前。演芸会や行事などの催し物で賑わっていただろう広場は、閑散としてもの寂しい雰囲気を漂わせている。
「見ぃつけた」
「ーーえ?」
「千里、ちょっと来い」
白虎がニヤッと笑いながら、千里に手招きする。不審に思いながらも、千里はそれに従い近付いた。
不信感よりも、怪しげな笑みに対する好奇心が勝ったのであろう。
コツコツと足音を立てて近付く千里の腕を、グンっと白虎は引っ張りーー
「右腕強化」
呟いて、千里の身体ごと片手で“投げた”。
「う、わっ」
魔力により強化された力では、千里の体重など簡単に飛ばしてしまう。
千里は一瞬何が起こったのかわからなかったが、遠くなる白虎に目を向けた。
「千里! “そこ”は入口であり、出口だ!」
千里の身体は時計塔の文字盤へと向かう。
そしてぶつかった時、世界が揺れた。
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