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04.秘密
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WGでは、総帥の映し出した映像を、皆が見逃すまいと固唾を飲んで見ていた。
だがその瞬間、誰も千里を目で捉えることは出来なかった。
文字盤にぶつかった瞬間、千里の姿はなくなったのだ。
そしてその一瞬後、大きな音が教壇に響き渡った。壁の方が大破しており、そこから土煙りが立ち込める。
「~っ、手加減しろよ、あいつ…」
「手加減して良かったの?」
視界が晴れた時、その壁から現れたのは千里である。
そして、その正面に白虎の姿。腕を組んで、片手で顎を触っている。
「白虎さん、どこから!?」
団員の一人が思わず声に出したのが、白虎にも聞こえたようで、白虎はそちらに顔を向けた。
ゆっくり総帥の方を指差して。
「あそこに閉じ込められてたので、出て来ました」
「閉じ込められた?」
指された方には、皆が見ていた映像があった。今は人っ子一人写していない、ただの廃墟があるだけだったが。
白虎が総帥に目をやるが、総帥はただ笑みを浮かべるだけだった。
一つため息をついて、白虎はまた口を開く。
「総帥様が説明なさらないようなので、私から解説しましょう…」
本当は大勢の前は苦手なのですが、と付け加えて。
皆が注目する中、白虎はパチリと指を鳴らした。
すると全員が転移したかの様に、異国の地に降り立った。
「ここは…」
「昔、異空間に私が作った世界です」
辺りを見渡す。白虎は懐かしさに目を細めた。
どこか花畑の中に石造りの古城。
その完成度こそ高いが、あまりにメルヘンで皆は言葉を失ってしまう。
そんな皆の態度に気付いてか、気付かずか。白虎は続ける。
「例えば、夢の世界に近いかも知れません。この世界と、いつも暮らしている現世とは、お互いに干渉し合わない世界なので」
「干渉し合わない?」
そこまでの白虎の説明において、皆を代表して、千里が疑問符を打った。
だがその瞬間、誰も千里を目で捉えることは出来なかった。
文字盤にぶつかった瞬間、千里の姿はなくなったのだ。
そしてその一瞬後、大きな音が教壇に響き渡った。壁の方が大破しており、そこから土煙りが立ち込める。
「~っ、手加減しろよ、あいつ…」
「手加減して良かったの?」
視界が晴れた時、その壁から現れたのは千里である。
そして、その正面に白虎の姿。腕を組んで、片手で顎を触っている。
「白虎さん、どこから!?」
団員の一人が思わず声に出したのが、白虎にも聞こえたようで、白虎はそちらに顔を向けた。
ゆっくり総帥の方を指差して。
「あそこに閉じ込められてたので、出て来ました」
「閉じ込められた?」
指された方には、皆が見ていた映像があった。今は人っ子一人写していない、ただの廃墟があるだけだったが。
白虎が総帥に目をやるが、総帥はただ笑みを浮かべるだけだった。
一つため息をついて、白虎はまた口を開く。
「総帥様が説明なさらないようなので、私から解説しましょう…」
本当は大勢の前は苦手なのですが、と付け加えて。
皆が注目する中、白虎はパチリと指を鳴らした。
すると全員が転移したかの様に、異国の地に降り立った。
「ここは…」
「昔、異空間に私が作った世界です」
辺りを見渡す。白虎は懐かしさに目を細めた。
どこか花畑の中に石造りの古城。
その完成度こそ高いが、あまりにメルヘンで皆は言葉を失ってしまう。
そんな皆の態度に気付いてか、気付かずか。白虎は続ける。
「例えば、夢の世界に近いかも知れません。この世界と、いつも暮らしている現世とは、お互いに干渉し合わない世界なので」
「干渉し合わない?」
そこまでの白虎の説明において、皆を代表して、千里が疑問符を打った。
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