* 闇の白虎

慈雨

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07.夜の帳が下りる町 2

2

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「じゃあその2つをどう進めていくか、夜までに動かないとな。もうこれ以上、サラさんや町の住民に不安な思いをさせたくない」

少し憂いを帯びた表情を一瞬見せたが、錦も役に立つためにククリまで足を運んだのだ。
自分の出来ることは、町のみんなの事を想って行動すること。

先程までの、白虎への疑心はもうなかった。


「拓真のその顔を見て安心したよ。俺らの出来る事をやろう」

白虎もニコリと笑う。
錦の気持ちもお見通しだったという事か。錦もバツの悪そうな笑みを見せた。


『お前、拓真の疑念に気付いてたのか?』

『相手が正か負の感情か くらいはわかるよ』

コソッと精神感応でそう聞く千里に、同じくそれで答える白虎。


『千里がフォローしてくれてるみたいだし、心配はしてなかったけど』

『なんで、それを…!』

それきり白虎は答えなかったが、千里はカマをかけられた事に気付くことはなかった。



ーー夜が近付いてくる。

三人は教会関係者に交渉に行ったり、またコハルドまで(白虎以外が)馬車で戻ったりと、忙しなく動き回った。







3…2…1…

カチッと時計の針が動いた音がした。
時刻は午前零時。白虎や千里も例外なく、視界が閉ざされた。


「真っ暗ってこんな感じなんだな」

「それより…千里、ちょっと近くないか?」

千里は白虎の着ている服の袖口をしっかり掴んでいる。どこまでも焦燥感のない二人は、軽く言い合いを始めた。

「見えないんだから、しょうがないだろ!!」

何も見えないが、白虎には赤くなって叫んでいる千里が容易に想像出来て、笑ってしまう。


「黙って。…もうそろそろだ」




リン ゴーン…

何十年と使われることのなかった、教会の鐘の音が鳴り響いたのだ。
半数以上の住民は、懐かしみ、そして全員がその音に耳を傾ける。

いつもの夜とは違う、以前までの穏やかなものに似ていた。
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