憎悪〜変わり果てたあなたへ〜

あけぼし

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今年は仲良くいきましょうね

1-1 紀子

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 「今年もみんなで仲良くいきましょうね」

大きな不安と、少しだけの期待を込めていた、そんな進級したての中学2年の春の始業式。
担任の吉永真理子は、この一言で紀子の期待を皆無にさせた。

この女がこのような言葉を吐き続けて、昨年の1年は地獄のようだった。何も変わらなかった。
担任だったくせに紀子を一切助けようとしなかった。自分だけが教員という職を失いたくないがために、みんなから人気の先生というステータスを無くしたくないがために、クラスのボスである久志と明菜に嫌われたくないがために、

紀子を見捨てたのだ。



「デメキンちゃ~ん、楽しい休み時間だよ!今年もよろしくね?」

明菜のつり目は笑うと一層細く釣り上がるなと思いながら、紀子の机の中に入っている昨日お母さんが新しく買ってくれたシャープペンの芯をカチカチカチカチと音を鳴らして出す。

その芯を親指と人差指でつまむように持って、

「え?病気なの?では注射をしましょうね~」
と笑いながら言って、紀子の腕にぷつりと刺す。


「いったそ~」

「大丈夫ぅ?」

そんなことは微塵も思っていない、校則違反の茶髪の髪をくるくるさせながら、やたらと唇がテカテカしているこの女と、紀子と塾も一緒で紀子よりも成績も良くてバスケ部でもエースという噂のこの女。


「2人も心配してるの?じゃあ一緒に注射してあげよーよ!」

つり目の女が笑顔で2人にシャープペンの芯を差し出す。

それを受け取ることを、いっさい躊躇すらしないんだな…と痛みで涙が流れる頬が暖かいのを感じながら、悔しさと絶望で肩が震えるのを紀子はひたすらに感じていた。



消しゴムのカスや虫が入れられ、ぐしゃぐしゃにされたお弁当。

「またなくしたの?」と何度もお母さんに言われては新しく買ってもらっている筆記用具、ノート類。

見えないところに「しね」「くさい」と書かれている机。

体育ではいつもボールをぶつけられるのに見て見ぬ振りの体育教師。

授業中、「あぁ、どうせこの問題はあなたには分からないわよね?」と蔑み、クラスメイトのウケを狙う担任教師。




紀子は絶望の暗闇の中。

はっきりとこう思った。




今すぐ死ねばいい

おまえらみんな。

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