2 / 23
今年は仲良くいきましょうね
1-1 紀子
しおりを挟む
「今年もみんなで仲良くいきましょうね」
大きな不安と、少しだけの期待を込めていた、そんな進級したての中学2年の春の始業式。
担任の吉永真理子は、この一言で紀子の期待を皆無にさせた。
この女がこのような言葉を吐き続けて、昨年の1年は地獄のようだった。何も変わらなかった。
担任だったくせに紀子を一切助けようとしなかった。自分だけが教員という職を失いたくないがために、みんなから人気の先生というステータスを無くしたくないがために、クラスのボスである久志と明菜に嫌われたくないがために、
紀子を見捨てたのだ。
「デメキンちゃ~ん、楽しい休み時間だよ!今年もよろしくね?」
明菜のつり目は笑うと一層細く釣り上がるなと思いながら、紀子の机の中に入っている昨日お母さんが新しく買ってくれたシャープペンの芯をカチカチカチカチと音を鳴らして出す。
その芯を親指と人差指でつまむように持って、
「え?病気なの?では注射をしましょうね~」
と笑いながら言って、紀子の腕にぷつりと刺す。
「いったそ~」
「大丈夫ぅ?」
そんなことは微塵も思っていない、校則違反の茶髪の髪をくるくるさせながら、やたらと唇がテカテカしているこの女と、紀子と塾も一緒で紀子よりも成績も良くてバスケ部でもエースという噂のこの女。
「2人も心配してるの?じゃあ一緒に注射してあげよーよ!」
つり目の女が笑顔で2人にシャープペンの芯を差し出す。
それを受け取ることを、いっさい躊躇すらしないんだな…と痛みで涙が流れる頬が暖かいのを感じながら、悔しさと絶望で肩が震えるのを紀子はひたすらに感じていた。
消しゴムのカスや虫が入れられ、ぐしゃぐしゃにされたお弁当。
「またなくしたの?」と何度もお母さんに言われては新しく買ってもらっている筆記用具、ノート類。
見えないところに「しね」「くさい」と書かれている机。
体育ではいつもボールをぶつけられるのに見て見ぬ振りの体育教師。
授業中、「あぁ、どうせこの問題はあなたには分からないわよね?」と蔑み、クラスメイトのウケを狙う担任教師。
紀子は絶望の暗闇の中。
はっきりとこう思った。
今すぐ死ねばいい
おまえらみんな。
大きな不安と、少しだけの期待を込めていた、そんな進級したての中学2年の春の始業式。
担任の吉永真理子は、この一言で紀子の期待を皆無にさせた。
この女がこのような言葉を吐き続けて、昨年の1年は地獄のようだった。何も変わらなかった。
担任だったくせに紀子を一切助けようとしなかった。自分だけが教員という職を失いたくないがために、みんなから人気の先生というステータスを無くしたくないがために、クラスのボスである久志と明菜に嫌われたくないがために、
紀子を見捨てたのだ。
「デメキンちゃ~ん、楽しい休み時間だよ!今年もよろしくね?」
明菜のつり目は笑うと一層細く釣り上がるなと思いながら、紀子の机の中に入っている昨日お母さんが新しく買ってくれたシャープペンの芯をカチカチカチカチと音を鳴らして出す。
その芯を親指と人差指でつまむように持って、
「え?病気なの?では注射をしましょうね~」
と笑いながら言って、紀子の腕にぷつりと刺す。
「いったそ~」
「大丈夫ぅ?」
そんなことは微塵も思っていない、校則違反の茶髪の髪をくるくるさせながら、やたらと唇がテカテカしているこの女と、紀子と塾も一緒で紀子よりも成績も良くてバスケ部でもエースという噂のこの女。
「2人も心配してるの?じゃあ一緒に注射してあげよーよ!」
つり目の女が笑顔で2人にシャープペンの芯を差し出す。
それを受け取ることを、いっさい躊躇すらしないんだな…と痛みで涙が流れる頬が暖かいのを感じながら、悔しさと絶望で肩が震えるのを紀子はひたすらに感じていた。
消しゴムのカスや虫が入れられ、ぐしゃぐしゃにされたお弁当。
「またなくしたの?」と何度もお母さんに言われては新しく買ってもらっている筆記用具、ノート類。
見えないところに「しね」「くさい」と書かれている机。
体育ではいつもボールをぶつけられるのに見て見ぬ振りの体育教師。
授業中、「あぁ、どうせこの問題はあなたには分からないわよね?」と蔑み、クラスメイトのウケを狙う担任教師。
紀子は絶望の暗闇の中。
はっきりとこう思った。
今すぐ死ねばいい
おまえらみんな。
1
あなたにおすすめの小説
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/16:『せきゆすとーぶ』の章を追加。2026/1/23の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/15:『しばふ』の章を追加。2026/1/22の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/14:『でんしれんじ』の章を追加。2026/1/21の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/13:『こえ』の章を追加。2026/1/20の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/12:『あけてはいけない』の章を追加。2026/1/19の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/11:『みきさー』の章を追加。2026/1/18の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/10:『つかまれる』の章を追加。2026/1/17の朝8時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
百物語 厄災
嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
M性に目覚めた若かりしころの思い出 その2
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、終活的に少しづつ綴らせていただいてます。
荒れていた地域での、高校時代の体験になります。このような、古き良き(?)時代があったことを、理解いただけましたらうれしいです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる