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不埒な好意はゴミ箱に
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またか。と思った。イオと、隣にいるモデルの子を見たとき。来てよかった、とも。『最近ちょっと仲良くしてる奴に飲みに誘われたんだよね、しつこいから行ってこようかな』そう言われたときから嫌な予感はしてたんだ。
イオはモテる。そう言ったら「ごうのほうがモテんじゃん」って唇尖らせるから言わないけど、俺は、分かんないけど割と誰とでも仲よくできるタイプだから話しやすいとか、言っておけば無難、みたいな? そういうのがある気がする。イオのモテかたは違う。イオを好きになる人は、本気で好きになる。イオを欲しくなって、振り向いてもらえないからどうしようもなくなって、イオを好きな気持ちが煮詰まって、変な方向に振れる。
俺はそれが嫌だから、なるべくイオを、特に同性でイオに好意を抱きそうな人の傍に近寄らせたくない。でもそんなの、完璧には無理だし。イオの行動範囲や交友関係まで縛るのは違うと思う。だからこんな風に体が空いて「迎えに行くよ」って言えるときは、なるべくそうしたいと思っている。
イオはそんな俺の思惑は知らずに、俺の腕をとって嬉しそうに笑ってる。割と飲んだのか、今日あった出来事をご機嫌に話して、俺が考え込んでいると「聞いてる? ごぉ」不満げに首を傾げて覗き込んでくる。かわいい。その無邪気さ、屈託のなさが、かわいくて、愛しくて、ほんの少し不安になる。イオは分かってない。自分がどんなふうに見られていたか。今も、彼は立ち尽くしたまま俺たちを見張るみたいに強い視線をこっちに向けてるのに。
「イオ、じっとしてて」
ゴムを外して、編み込みを解く。俺にされるがままのイオの横顔に、頭に、腹部に、カッと熱いものが走る。それが劣情なのか苛立ちなのか判別のつかないまま、俺はイオを縛っていた細いゴムをポケットに入れた。
バブルバスにしたのは、何となくだった。でも本当は最初からこうするつもりだったのかな、って自分のことなのに動機が曖昧なまま、湯船で目を見開くイオの顔に笑みを作る。
「一緒に入ろ」
「え、やだ」
「もう脱いじゃったもん」
「もん、って……恥ずかしいんだけど……」
「今更だなぁ。子どもの頃はいっぱい入ったでしょ」
「もう子どもじゃない……」
「ほら、見えないからいいじゃん」
少し強引に言いくるめ、身体をシャワーで軽く流して「詰めて」ってイオの後ろに、イオを抱えるようにしてお湯に浸かる。つるりとした肩の白い肌と、赤くなった頸がかわいい。のぼせるような時間入ってたわけじゃないから、余計に。
最初の方ずっとシャワーの音がしてたから、準備は終わってるんだと思う。イオにとっては一番恥ずかしくて見られたくない抱かれる準備をした、その直後に俺が来たから居た堪れないんだろう。本当は準備も最初から全部、俺がしたいんだけど。無理強いはしたくない。だからしばらく〝待て〟が出来ただけでも褒めてほしいな、と思いながら、滑らかな肩に唇を寄せる。
「……っん、ごぉ……?」
「んー。イオの匂い」
「くすぐったいってぇ……」
イオが身を捩る。比較的大きめのバスタブの部屋を選んだつもりだけど、長身の成人男性二人が入るにはちょっと狭くて、イオのお尻の上に俺のが当たる。イオの肌に触れただけで、そこは軽く芯を持つ。
「くすぐったい? じゃあこれは?」
両手を伸ばして、イオの胸の辺りに触れる。いきなり先端には触れずに、泡の感触を馴染ませるように周りをくるくる撫でると、「ふぁ……っ……!」思わず、って感じの可愛い声が反響して舌舐めずりした。
「きもち?」
「や……ぁっ、ちょ、なにして……」
「触らせてよ、イオに」
頭に浮かぶのは今にもイオの肩を抱き寄せそうだった、熱に浮かされたような男の子の目。モデル仲間で、何回か一緒に撮影してるって言ってたけど、いつもあんな目で見られてるんだろうか。そう考えると乳輪をなぞる指にも力が入る。
「あっ!? やっ、ぁ……」
「ごめん、痛かった?」
爪が先端を掠めて、高い声を上げたイオはふるふると首を振る。痛くない、突然の快楽に戸惑っただけと分かっていて、薄桃色の敏感な皮膚に優しく泡を塗り付ける。
「ひゃ、ぁ……っうぁ……や、ごぉ……っ」
「んー?」
白々しい声に、もどかしそうに腰をくねらせる。その度にチャプチャプとお湯が跳ねて、その音すらなんかエッチだ。
「ちゃんと……はっ、ぁん……」
「ちゃんと?」
振り返ったイオが、涙目のまま俺の唇を塞ぐ。薄い舌を入れて、必死に絡めてくる。
「ん……っぅ……」
「は……っ」
自分で仕掛けといて、俺が絡み返すとビクッと肩が跳ねる。逃げる舌を追って、脳が茹だるほど何度も舌を吸い、唾液を絡める。
「うぁ……っ」
やっと唇を離すと、イオと俺との間を一瞬透明な線が結んだ。イオの目はますます潤んで、溢れ落ちそうだ。
「なぁに?」
イオはわざとらしく小首を傾げた俺にチッと舌を打って、たまらず手の甲を胸に持ってねだった。
「ちゃんと、……ちくび、さわっ……て」
ああダメだ。
加減もできない両の手で思い切り、小ぶりな果実みたいなそれをつねる。
「ぁあああっ……!!」
イオの身体からがく、っと力が抜けて、小さな頭は天を仰ぐ。焦らされた分きっと鋭く、濃くなった快感から逃げたくても、バスタブの中に逃げ場はない。
イオは俺の腕に抱えられるようにして、前は何も感じなかった場所をいたぶられて鼓膜を溶かすような甘い声を上げた。
ちゃぷ、ちゃぷ。お湯の音が官能を擽る。
普段は慎ましいそこがぷっくりと腫れて指を押し返してくるの感触に夢中になっていじっていると、「あ……っぅ、ひ、うぁっ」イオがガクガク震え始めた。
「気持ちいい? ここも」
片手を湯の中に突っ込んで、イオの前を掴む。それはお湯の中でもわかるくらい、トロトロの粘液を垂らしていた。
「やぁっ……!!」
「えっちだね……乳首だけでこんなに濡らして……もう出ちゃう?」
「やっ、やぁ……、そこ、だめ……っ」
「ダメ? じゃあ胸だけ弄ろうか」
前から手を離して、指の腹で挟んで圧をかけるようにコリコリと乳首を捏ねる。最短距離で快楽を爆発させることのできる場所から手を離されて、イオが鼻を啜った。
「ひ……っぁ、ご……ぉねが、イきた……っ」
「イオはここでもイけるもんね。すごいね、女の子でも滅多にいないんじゃない?」
普段口にしない意地の悪い言葉も、今のイオには快楽を重ねるスパイスにしかならないようで、唇からは不満よりも嬌声が溢れる。
「あっ、やぁ……っ、イけな…っ、イけないぃ……っ」
「イけるよ。ほらここ、集中して」
きゅ、きゅ、っと抓りながら、耳に舌を捩じ込む。
「気持ちいいね? ……だって俺に、そうされたもんね?」
くすぐったい。子どもみたいな笑い声を上げていたイオを、イオの身体を、俺が変えた。しつこくしつこく何度も愛して、これが快楽だと教え込んだ。もしそのせいで必要以上に同性を惹きつけてしまっているのなら、俺のやってることは害以外の何でもないな、と思いながら、欲望を堰き止めることができない。
イオの身体を淫らに変えたのが俺なら、俺の情欲を黒く染めたのもイオだ。身勝手な責任転嫁で、指先に力を込めた。
イオが息を呑んで、ビク、ビクッと大きく、断続的に肩を振るわせる。あ、これイっちゃうな、と分かって、「見せて……イオ」耳を噛みながら囁いた声は自分でも軽く笑ってしまうほど低く、剥き出しの欲望でいっそ乾いていた。
「ぃ、ぃく……っあぁぁ゛……っ!!」
白いお湯の中、吐き出されたものは目にすることができない。でも確信を持って前に触れると、まだ吐き出し切っていなかったものが掌をお湯とは違う粘度で濡らして、俺はイオを強く抱き締めた。
「かわいい……イオ……こっちも触っていい?」
くったり力が抜けてされるがままのイオを抱き上げ、「ここ持っててね」バスタブの淵に手を突かせて、しっとり濡れた奥の蕾に指を含ませる。粘液で濡れたナカは最初から指に纏わりついて、痛いくらいに興奮した。
「ローション、ナカに入れたんだ」
「くぁっ……あっ、あんっ……」
「欲しかったの?」
泡で濡れた小さなお尻を撫でながら弱いところをトントンと軽く叩くように刺激すると、「うぁあああっ……!!」あられもない声と共にイオの腕の力が抜けて。カクンとお尻を突き出すようにして、ナカは健気にきゅうきゅう締め付けてくる。
一緒にいたあの子も、誰も、イオがこんな身体をしているなんて思わないだろうな、と思うと、優越感と危機感が攻めるように襲ってきて。縁の周りを拡げるようにぐるりとかき混ぜた指を引き抜くと、「……ごめん、息吐いて」痛いくらいに張り詰めたモノを一気に突き入れた。
「ァアアアアっ……!?!」
「……ッ!力、抜いて、イオ」
片手で羽交い締めにするように抱き起こして、虚ろな舌を吸う。俺を包み込んだ内壁は透き通った瞳と同時にどろりと溶けて、吸い付くように奥へ奥へと誘う。
何かに急きたてられるように、何かから逃げるように、無言で荒々しく腰を使う。濡れた肌がパンパンと派手な音を立てて、イオの抑えきれない喘ぎ声が反響して、まるでラブホテルにいるみたいだ。嵩を増した自身でぷっくりと腫れた部分を擦り上げると、「……!! イッ、ああぁ……っ!!」イオの吐き出した白濁が勢いよくタイルに飛んだ。
ぐったりしたイオの身体を拭いて、ベッドに運ぶ。白い肌を紅くして、イッたばっかの身体では冷たいシーツに触れる感触ですら快楽に変わるみたいで。身じろぎしながら濡れた目で横たわったイオに「ごぉ……」と掠れた声で呼ばれた。
その言葉を失うほど艶かしい姿にごくりと唾を呑む。無言で自身にローションを垂らし、細い手首を掴んでイオの身体をシーツに縫い付けるようにして後ろから再び押し入った。
「やぁっ……!!ごぉこれ、……ダメ……っ」
急所を抉られたイオの身体はすぐに力をなくして、ぺたんとうつ伏せになってしまう。即位からの寝バックの体制で、より締め付ける力の増したナカを夢中で貪る。
「あ゛ッ、ゔぁっ、くぁ……っ!!」
肩甲骨の浮いた、シミひとつない背中は本当に綺麗で。ここに羽根が生えてないのが不思議なくらいだ、と舌で架空の付け根をなぞる。奥を抉る強烈な刺激と柔らかい舌のもどかしいような刺激にイオが鳴く。その声に煽られて、これ以上入れないというほどピッタリと密着して短いストロールで弁の入り口をぐちゅぐちゅ刺激すると、ひ、っと喉を鳴らしてイオが焦ったような声を出した。
「だめごぉ……っ! そこ、あんましちゃだ……っ、ひゃっ、でちゃ……っ!」
「出ちゃう? そんなにお酒いっぱい飲んだの?」
「やぁっ、やらぁっ、おさな、で……グリグリ、やなのぉっ……!!」
「ナカも胸も舌も熱いね。ねぇ、そんなに飲んだ? あの子と? 楽しかった?」
イオは俺の声が聞こえてないみたいに、イヤだイヤだと首を振っている。反面ナカは媚びるように絡み付いて、粘液が濡れた音を立てて俺を誘った。
「ね……ぁ、ほんと……っだめ……ーーッッッ!!!」
俺の下でイオが弱々しく暴れる。力の加減ができなくて、尿道の裏の辺りを、ガツ、と抉ると、イオが息を止めて。ナカが烈しくうねる。ドライで出さずにイってるときの、苦しいくらいの圧に包まれて、俺は思わずイオの中に欲望を吐き出す。
次の瞬間シャァアアア、とシーツに生ぬるい水が広がっていった。
「……っ、漏らしちゃった……?」
「ひっ……や……ッッッ、ごめんなさ…またきちゃ、い゛……っ!ぬいて……」
見たい。イオは完全に泣いちゃってるのに、その気持ちを抑えきれなくて、みるみる硬さを増したモノで貫いたまま、腕に力を入れてイオの身体をひっくり返す。
羽根が生えてないのがおかしいくらいに綺麗なイオが、俺のせいで、俺のために、俺だけの前で汚れていく。
閉じ込めておきたいなぁ、と思う。綺麗なイオも、俺のせいで汚れたイオも。誰にも見せずに、この腕の中に。思いながら、震えるイオを抱き締める。
「あっっ……ぅあ……」
イオの前から噴き出る液体は止まることなく、俺のお腹や手や脚を濡らしていく。留まりに鬼頭をぐ、と押しつけるようにすると動いてもないのに甘イキが止まらないのか、ひくひくとしゃくり上げながらほっそりとした脚が跳ねては弛緩する、を繰り返す。
「ありがと、イオ」
俺に見せてくれて。俺の腕の中で溺れてくれて。
イオの片目からほろりとスローで溢れていく体液を舐め取って、「俺でも、もっと汚れて」俺はイオの脚を抱え直す。
そのまま奥を突くたびに身体をくねらせ、声もなく仰け反って絶頂し続けるイオの中を、俺は何度も何度も欲望で汚した。
くたりと力を無くしたイオを新しく替えたシーツの上に寝かせて、髪を透く。柔らかな髪から編み込みの跡が完全に消えていることに満足して、薄く微笑んだ。
「ごう……」
寝言に返事を返すことはせず、代わりに赤くなった薄い瞼にキスを落とす。
「おれはごぉのだよ……」
身悶えするような愛しさの波をやり過ごしたあと、ふと思い立ってハンガーにかけた革ジャンを探る。指に引っ掛かったゴムを外して、そのままゴミ箱に捨てた。
イオはモテる。そう言ったら「ごうのほうがモテんじゃん」って唇尖らせるから言わないけど、俺は、分かんないけど割と誰とでも仲よくできるタイプだから話しやすいとか、言っておけば無難、みたいな? そういうのがある気がする。イオのモテかたは違う。イオを好きになる人は、本気で好きになる。イオを欲しくなって、振り向いてもらえないからどうしようもなくなって、イオを好きな気持ちが煮詰まって、変な方向に振れる。
俺はそれが嫌だから、なるべくイオを、特に同性でイオに好意を抱きそうな人の傍に近寄らせたくない。でもそんなの、完璧には無理だし。イオの行動範囲や交友関係まで縛るのは違うと思う。だからこんな風に体が空いて「迎えに行くよ」って言えるときは、なるべくそうしたいと思っている。
イオはそんな俺の思惑は知らずに、俺の腕をとって嬉しそうに笑ってる。割と飲んだのか、今日あった出来事をご機嫌に話して、俺が考え込んでいると「聞いてる? ごぉ」不満げに首を傾げて覗き込んでくる。かわいい。その無邪気さ、屈託のなさが、かわいくて、愛しくて、ほんの少し不安になる。イオは分かってない。自分がどんなふうに見られていたか。今も、彼は立ち尽くしたまま俺たちを見張るみたいに強い視線をこっちに向けてるのに。
「イオ、じっとしてて」
ゴムを外して、編み込みを解く。俺にされるがままのイオの横顔に、頭に、腹部に、カッと熱いものが走る。それが劣情なのか苛立ちなのか判別のつかないまま、俺はイオを縛っていた細いゴムをポケットに入れた。
バブルバスにしたのは、何となくだった。でも本当は最初からこうするつもりだったのかな、って自分のことなのに動機が曖昧なまま、湯船で目を見開くイオの顔に笑みを作る。
「一緒に入ろ」
「え、やだ」
「もう脱いじゃったもん」
「もん、って……恥ずかしいんだけど……」
「今更だなぁ。子どもの頃はいっぱい入ったでしょ」
「もう子どもじゃない……」
「ほら、見えないからいいじゃん」
少し強引に言いくるめ、身体をシャワーで軽く流して「詰めて」ってイオの後ろに、イオを抱えるようにしてお湯に浸かる。つるりとした肩の白い肌と、赤くなった頸がかわいい。のぼせるような時間入ってたわけじゃないから、余計に。
最初の方ずっとシャワーの音がしてたから、準備は終わってるんだと思う。イオにとっては一番恥ずかしくて見られたくない抱かれる準備をした、その直後に俺が来たから居た堪れないんだろう。本当は準備も最初から全部、俺がしたいんだけど。無理強いはしたくない。だからしばらく〝待て〟が出来ただけでも褒めてほしいな、と思いながら、滑らかな肩に唇を寄せる。
「……っん、ごぉ……?」
「んー。イオの匂い」
「くすぐったいってぇ……」
イオが身を捩る。比較的大きめのバスタブの部屋を選んだつもりだけど、長身の成人男性二人が入るにはちょっと狭くて、イオのお尻の上に俺のが当たる。イオの肌に触れただけで、そこは軽く芯を持つ。
「くすぐったい? じゃあこれは?」
両手を伸ばして、イオの胸の辺りに触れる。いきなり先端には触れずに、泡の感触を馴染ませるように周りをくるくる撫でると、「ふぁ……っ……!」思わず、って感じの可愛い声が反響して舌舐めずりした。
「きもち?」
「や……ぁっ、ちょ、なにして……」
「触らせてよ、イオに」
頭に浮かぶのは今にもイオの肩を抱き寄せそうだった、熱に浮かされたような男の子の目。モデル仲間で、何回か一緒に撮影してるって言ってたけど、いつもあんな目で見られてるんだろうか。そう考えると乳輪をなぞる指にも力が入る。
「あっ!? やっ、ぁ……」
「ごめん、痛かった?」
爪が先端を掠めて、高い声を上げたイオはふるふると首を振る。痛くない、突然の快楽に戸惑っただけと分かっていて、薄桃色の敏感な皮膚に優しく泡を塗り付ける。
「ひゃ、ぁ……っうぁ……や、ごぉ……っ」
「んー?」
白々しい声に、もどかしそうに腰をくねらせる。その度にチャプチャプとお湯が跳ねて、その音すらなんかエッチだ。
「ちゃんと……はっ、ぁん……」
「ちゃんと?」
振り返ったイオが、涙目のまま俺の唇を塞ぐ。薄い舌を入れて、必死に絡めてくる。
「ん……っぅ……」
「は……っ」
自分で仕掛けといて、俺が絡み返すとビクッと肩が跳ねる。逃げる舌を追って、脳が茹だるほど何度も舌を吸い、唾液を絡める。
「うぁ……っ」
やっと唇を離すと、イオと俺との間を一瞬透明な線が結んだ。イオの目はますます潤んで、溢れ落ちそうだ。
「なぁに?」
イオはわざとらしく小首を傾げた俺にチッと舌を打って、たまらず手の甲を胸に持ってねだった。
「ちゃんと、……ちくび、さわっ……て」
ああダメだ。
加減もできない両の手で思い切り、小ぶりな果実みたいなそれをつねる。
「ぁあああっ……!!」
イオの身体からがく、っと力が抜けて、小さな頭は天を仰ぐ。焦らされた分きっと鋭く、濃くなった快感から逃げたくても、バスタブの中に逃げ場はない。
イオは俺の腕に抱えられるようにして、前は何も感じなかった場所をいたぶられて鼓膜を溶かすような甘い声を上げた。
ちゃぷ、ちゃぷ。お湯の音が官能を擽る。
普段は慎ましいそこがぷっくりと腫れて指を押し返してくるの感触に夢中になっていじっていると、「あ……っぅ、ひ、うぁっ」イオがガクガク震え始めた。
「気持ちいい? ここも」
片手を湯の中に突っ込んで、イオの前を掴む。それはお湯の中でもわかるくらい、トロトロの粘液を垂らしていた。
「やぁっ……!!」
「えっちだね……乳首だけでこんなに濡らして……もう出ちゃう?」
「やっ、やぁ……、そこ、だめ……っ」
「ダメ? じゃあ胸だけ弄ろうか」
前から手を離して、指の腹で挟んで圧をかけるようにコリコリと乳首を捏ねる。最短距離で快楽を爆発させることのできる場所から手を離されて、イオが鼻を啜った。
「ひ……っぁ、ご……ぉねが、イきた……っ」
「イオはここでもイけるもんね。すごいね、女の子でも滅多にいないんじゃない?」
普段口にしない意地の悪い言葉も、今のイオには快楽を重ねるスパイスにしかならないようで、唇からは不満よりも嬌声が溢れる。
「あっ、やぁ……っ、イけな…っ、イけないぃ……っ」
「イけるよ。ほらここ、集中して」
きゅ、きゅ、っと抓りながら、耳に舌を捩じ込む。
「気持ちいいね? ……だって俺に、そうされたもんね?」
くすぐったい。子どもみたいな笑い声を上げていたイオを、イオの身体を、俺が変えた。しつこくしつこく何度も愛して、これが快楽だと教え込んだ。もしそのせいで必要以上に同性を惹きつけてしまっているのなら、俺のやってることは害以外の何でもないな、と思いながら、欲望を堰き止めることができない。
イオの身体を淫らに変えたのが俺なら、俺の情欲を黒く染めたのもイオだ。身勝手な責任転嫁で、指先に力を込めた。
イオが息を呑んで、ビク、ビクッと大きく、断続的に肩を振るわせる。あ、これイっちゃうな、と分かって、「見せて……イオ」耳を噛みながら囁いた声は自分でも軽く笑ってしまうほど低く、剥き出しの欲望でいっそ乾いていた。
「ぃ、ぃく……っあぁぁ゛……っ!!」
白いお湯の中、吐き出されたものは目にすることができない。でも確信を持って前に触れると、まだ吐き出し切っていなかったものが掌をお湯とは違う粘度で濡らして、俺はイオを強く抱き締めた。
「かわいい……イオ……こっちも触っていい?」
くったり力が抜けてされるがままのイオを抱き上げ、「ここ持っててね」バスタブの淵に手を突かせて、しっとり濡れた奥の蕾に指を含ませる。粘液で濡れたナカは最初から指に纏わりついて、痛いくらいに興奮した。
「ローション、ナカに入れたんだ」
「くぁっ……あっ、あんっ……」
「欲しかったの?」
泡で濡れた小さなお尻を撫でながら弱いところをトントンと軽く叩くように刺激すると、「うぁあああっ……!!」あられもない声と共にイオの腕の力が抜けて。カクンとお尻を突き出すようにして、ナカは健気にきゅうきゅう締め付けてくる。
一緒にいたあの子も、誰も、イオがこんな身体をしているなんて思わないだろうな、と思うと、優越感と危機感が攻めるように襲ってきて。縁の周りを拡げるようにぐるりとかき混ぜた指を引き抜くと、「……ごめん、息吐いて」痛いくらいに張り詰めたモノを一気に突き入れた。
「ァアアアアっ……!?!」
「……ッ!力、抜いて、イオ」
片手で羽交い締めにするように抱き起こして、虚ろな舌を吸う。俺を包み込んだ内壁は透き通った瞳と同時にどろりと溶けて、吸い付くように奥へ奥へと誘う。
何かに急きたてられるように、何かから逃げるように、無言で荒々しく腰を使う。濡れた肌がパンパンと派手な音を立てて、イオの抑えきれない喘ぎ声が反響して、まるでラブホテルにいるみたいだ。嵩を増した自身でぷっくりと腫れた部分を擦り上げると、「……!! イッ、ああぁ……っ!!」イオの吐き出した白濁が勢いよくタイルに飛んだ。
ぐったりしたイオの身体を拭いて、ベッドに運ぶ。白い肌を紅くして、イッたばっかの身体では冷たいシーツに触れる感触ですら快楽に変わるみたいで。身じろぎしながら濡れた目で横たわったイオに「ごぉ……」と掠れた声で呼ばれた。
その言葉を失うほど艶かしい姿にごくりと唾を呑む。無言で自身にローションを垂らし、細い手首を掴んでイオの身体をシーツに縫い付けるようにして後ろから再び押し入った。
「やぁっ……!!ごぉこれ、……ダメ……っ」
急所を抉られたイオの身体はすぐに力をなくして、ぺたんとうつ伏せになってしまう。即位からの寝バックの体制で、より締め付ける力の増したナカを夢中で貪る。
「あ゛ッ、ゔぁっ、くぁ……っ!!」
肩甲骨の浮いた、シミひとつない背中は本当に綺麗で。ここに羽根が生えてないのが不思議なくらいだ、と舌で架空の付け根をなぞる。奥を抉る強烈な刺激と柔らかい舌のもどかしいような刺激にイオが鳴く。その声に煽られて、これ以上入れないというほどピッタリと密着して短いストロールで弁の入り口をぐちゅぐちゅ刺激すると、ひ、っと喉を鳴らしてイオが焦ったような声を出した。
「だめごぉ……っ! そこ、あんましちゃだ……っ、ひゃっ、でちゃ……っ!」
「出ちゃう? そんなにお酒いっぱい飲んだの?」
「やぁっ、やらぁっ、おさな、で……グリグリ、やなのぉっ……!!」
「ナカも胸も舌も熱いね。ねぇ、そんなに飲んだ? あの子と? 楽しかった?」
イオは俺の声が聞こえてないみたいに、イヤだイヤだと首を振っている。反面ナカは媚びるように絡み付いて、粘液が濡れた音を立てて俺を誘った。
「ね……ぁ、ほんと……っだめ……ーーッッッ!!!」
俺の下でイオが弱々しく暴れる。力の加減ができなくて、尿道の裏の辺りを、ガツ、と抉ると、イオが息を止めて。ナカが烈しくうねる。ドライで出さずにイってるときの、苦しいくらいの圧に包まれて、俺は思わずイオの中に欲望を吐き出す。
次の瞬間シャァアアア、とシーツに生ぬるい水が広がっていった。
「……っ、漏らしちゃった……?」
「ひっ……や……ッッッ、ごめんなさ…またきちゃ、い゛……っ!ぬいて……」
見たい。イオは完全に泣いちゃってるのに、その気持ちを抑えきれなくて、みるみる硬さを増したモノで貫いたまま、腕に力を入れてイオの身体をひっくり返す。
羽根が生えてないのがおかしいくらいに綺麗なイオが、俺のせいで、俺のために、俺だけの前で汚れていく。
閉じ込めておきたいなぁ、と思う。綺麗なイオも、俺のせいで汚れたイオも。誰にも見せずに、この腕の中に。思いながら、震えるイオを抱き締める。
「あっっ……ぅあ……」
イオの前から噴き出る液体は止まることなく、俺のお腹や手や脚を濡らしていく。留まりに鬼頭をぐ、と押しつけるようにすると動いてもないのに甘イキが止まらないのか、ひくひくとしゃくり上げながらほっそりとした脚が跳ねては弛緩する、を繰り返す。
「ありがと、イオ」
俺に見せてくれて。俺の腕の中で溺れてくれて。
イオの片目からほろりとスローで溢れていく体液を舐め取って、「俺でも、もっと汚れて」俺はイオの脚を抱え直す。
そのまま奥を突くたびに身体をくねらせ、声もなく仰け反って絶頂し続けるイオの中を、俺は何度も何度も欲望で汚した。
くたりと力を無くしたイオを新しく替えたシーツの上に寝かせて、髪を透く。柔らかな髪から編み込みの跡が完全に消えていることに満足して、薄く微笑んだ。
「ごう……」
寝言に返事を返すことはせず、代わりに赤くなった薄い瞼にキスを落とす。
「おれはごぉのだよ……」
身悶えするような愛しさの波をやり過ごしたあと、ふと思い立ってハンガーにかけた革ジャンを探る。指に引っ掛かったゴムを外して、そのままゴミ箱に捨てた。
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